全曲集'94

牧村三枝子 全曲集'94歌詞
1.室生寺

作詞:水木かおる
作曲:三木たかし

どうしていいのかわからぬままに
すがりに来ましたみ仏に
教えてください室生さま
女のかなしみ曳きずって
朱塗りの橋を渡ります

愛してしまえば燃えつくさずに
おかない火の蝶恋の蝶
いとしさ憎さの繚乱舞い
夏にはみ寺のシャクナゲも
一期は夢と咲いてます

妻子を捨てさせ愛する人も
なくして五重の塔の下
救けてくだせさい室生さま
深山のしぐれは罪ぶかい
女の頬を叩きます


2.友禅流し

作詞:水木かおる
作曲:乙田修三

雪はまだ 河原に白く
指を切る 水のつめたさ
加賀の金沢 浅野・犀の流れ
明日をさがして さまよう恋に
いのち華やぐ 夢染めて
春を呼ぶ 春を呼ぶ 友禅流し

露草で 描いた恋の
行くすえは 水に流れる
慕う女の こころのように
ゆれて揉まれる 絵模様の
かなしくも 美しい 友禅流し

城下町 肩先さむく
ひとり行く 水のたそがれ
かすむ白山 夕山ざくら
夢も望みも ぼかした恋に
せめて小さな 幸福の
春を呼ぶ 春を呼ぶ 友禅流し


3.酒は涙か溜息か


4.船頭小唄


5.あなたの妻と呼ばれたい

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

お酒のしずくで つづけて書いた
おなたの苗字と わたしの名前
愛しても 愛しても 愛したりない
女ごころは うるさいですか
今は夢でも いつかあなたの
妻と 妻と 呼ばれてみたい

あなたがうしろを ふりむくときを
今日まで待ったわ 爪かみながら
これからも これからも 邪魔をしないで
ついてゆきます 嫌わないでね
愛はひとすじ いつかあなたの
妻と 妻と 呼ばれてみたい

指輪もお金も ほしくはないが
かなえてあげたい あなたの夢は
つくすだけ つくすだけ どうぞわたしの
今の生き甲斐 うばわないでね
何もいらない いつかあなたの
妻と 妻と 呼ばれてみたい


6.水割り


7.若狭の宿

作詞:阿久悠
作曲:猪俣公章

風の音にも やせて行きます
お酒並べて 泣いてます
ただひとり あのひとの通夜をする
おもいで残る おもいで残る
若狭の宿よ

若狭蘇洞門の波が泣きます
季節はずれのあらしです
まぼろしの あのひとと話して
しみじみ想う しみじみ想う
若狭の宿よ

窓にうつして 髪を切ります
違う女に 変わります
何もかも あの人に捧げてた
恋をふりきる 恋をふりきる
若狭の宿よ


8.夾竹桃

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

風邪にたおれた おまえの寝顔
夢で泣いたか ひとすじ涙
外で男は 勝手なくらし
ふり向くことも なかったか
馬鹿な男に 夾竹桃の
花がしみるよ

ほんの初めは 雨やどりでも
いつかつれそう 路地裏住い
俺がもすこし 器用に生きりゃ
苦労もせずに すんだろが
馬鹿な男に 夾竹桃の
花がしみるよ

熱があるのに また起きあがる
俺のためにと 夕げの支度
無理をするなと しかって抱いた
背中のうすさ 細い肩
馬鹿な男に 夾竹桃の
花がしみるよ


9.冬支度


10.新宿の女


11.別れのブルース


12.北のかもめ

作詞:杉紀彦
作曲:徳久広司

海は荒れてもョ…
かもめは飛べるよ
私ゃとべない身の上だから
涙ながして海をみる
あゝ…いつになったら
春が来る
寒い北風 便りをはこべ
北のかもめよ 便りをはこべ

にしん来たからョ…
男がさわぐよ
どこに建つやら 金ぴか御殿
女泣かせの 馬鹿さわぎ
あゝ…いつになったら
眠られる
沖の漁火 涙をはこべ
北のかもめよ 涙をはこべ

生きているけどョ…
あたいは死んだよ
死んで稼いだ 銭コを抱いて
お父 お母は生きとくれ
あゝ…いつになったら
夜があける
津軽海峡 心をはこべ
北のかもめよ 心をはこべ


13.下町育ち


14.別れの一本杉


15.樹氷の宿

作詞:水木かおる
作曲:相原旭

明日の別れを 知りながら
命のかぎり 燃える女
ほのかに香る 湯あがりの
肌の白さに 匂う月
ああ みちのく 樹氷の宿

酒のぬくみも 凍てついた
さだめの雪は とかせない
ほろりと酔えば 死にたいと
弱い女に また返り
ああ 君泣く 樹氷の宿

無理に微笑って 朝の日に
そむけた顔の いじらしさ
女のそんな まごころに
何も酬いて やれぬ身が
ああ せつない 樹氷の宿


16.みちづれ

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

水にただよう 浮草に
おなじさだめと 指をさす
言葉少なに 目をうるませて
俺をみつめて うなづくおまえ
きめた きめた おまえとみちづれに

花の咲かない 浮草に
いつか 実のなる ときをまつ
寒い夜更けは お酒を買って
たまのおごりと はしゃぐ姿に
きめた きめた おまえとみちづれに

根なし明日なし 浮草に
月のしずくの やどるころ
夢の中でも この手をもとめ
さぐりあてれば 小さな寝息
きめた きめた おまえとみちづれに