全曲集'98~月洩るる窓の下で

牧村三枝子 全曲集'98~月洩るる窓の下で歌詞
1.月洩るる窓の下で

作詞:荒木とよひさ
作曲:浜圭介

月洩るる窓の下であなたを待てば
愛しても 愛しても心は遠く
TAXI の止まる音が裏切るたびに
ひとつずつ ひとつずつ涙がふえる
ああ 何故 恋に
ああ 何故 女に
ああ 何故 人の世に
抱かれても 抱かれても
また抱かれたい あなた あなたあなたに…

花冷えの 指の寒さあなたは何処に
逢いたくて 逢いたくて心が走る
電話さえ せめて鳴れば着替えも出来る
口紅を 口紅をときめく色に
ああ 何故 愛に
ああ 何故 男に
ああ 何故 まぼろしに
抱かれても 抱かれても
また抱かれたい あなた あなたあなたに…

ああ 何故 恋に
ああ 何故 女に
ああ 何故 人の世に
抱かれても 抱かれても
また抱かれたい あなた あなた あなたに…


2.室生寺

作詞:水木かおる
作曲:三木たかし

どうしていいのかわからぬままに
すがりに来ましたみ仏に
教えてください室生さま
女のかなしみ曳きずって
朱塗りの橋を渡ります

愛してしまえば燃えつくさずに
おかない火の蝶恋の蝶
いとしさ憎さの繚乱舞い
夏にはみ寺のシャクナゲも
一期は夢と咲いてます

妻子を捨てさせ愛する人も
なくして五重の塔の下
救けてくだせさい室生さま
深山のしぐれは罪ぶかい
女の頬を叩きます


3.明日川

作詞:石坂まさを
作曲:坂田晃一

誰かは 誰かを 橋のたもとで
何故待つことを 覚えたの
日暮れの街は やさしさをみせ
逢いたい 逢えない 心のもどかしさ
そんな私を 素知らぬ顔で
川は明日に 流れてく

去年のセーター 首に結んで
あなたのクセを 想いだす
この頃酔うの お酒に負けて
泣きたい 泣けない 小さなこのお店
つらい未練は グラスに沈め
いっそこの恋 捨てましょうか

人生さまざま 川と同じね
いろんな夢が 浮き沈み
あなたの胸に 住めないならば
死にたい 死ねない 馬鹿よね この私

※水の流れに この身をまかせ
いつか倖せ みつけたい※

(※くり返し)


4.男ざくら


5.北のかもめ

作詞:杉紀彦
作曲:徳久広司

海は荒れてもョ…
かもめは飛べるよ
私ゃとべない身の上だから
涙ながして海をみる
あゝ…いつになったら
春が来る
寒い北風 便りをはこべ
北のかもめよ 便りをはこべ

にしん来たからョ…
男がさわぐよ
どこに建つやら 金ぴか御殿
女泣かせの 馬鹿さわぎ
あゝ…いつになったら
眠られる
沖の漁火 涙をはこべ
北のかもめよ 涙をはこべ

生きているけどョ…
あたいは死んだよ
死んで稼いだ 銭コを抱いて
お父 お母は生きとくれ
あゝ…いつになったら
夜があける
津軽海峡 心をはこべ
北のかもめよ 心をはこべ


6.おんなみれん

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

うわべばかりの あなたの愛に
だまされ続けて 来たわたし
旅路の雨の 冷たさ
添えぬ女の うらみ雨
濡れて下さい いたいほど

あなた思えば この胸あつく
体がふるえて とまらない
あの日のやさしさ 恋しくて
迷うこころの 別れ町
胸にしみます みれん酒

吹けば消えそな 灯りをともし
女がひとりで 生きる道
いつかはきっと このいたみ
あなたわかって下さいね
惚れてふられた 傷のあと


7.みちづれ

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

水にただよう 浮草に
おなじさだめと 指をさす
言葉少なに 目をうるませて
俺をみつめて うなづくおまえ
きめた きめた おまえとみちづれに

花の咲かない 浮草に
いつか 実のなる ときをまつ
寒い夜更けは お酒を買って
たまのおごりと はしゃぐ姿に
きめた きめた おまえとみちづれに

根なし明日なし 浮草に
月のしずくの やどるころ
夢の中でも この手をもとめ
さぐりあてれば 小さな寝息
きめた きめた おまえとみちづれに


8.一ぱいのお酒

作詞:千家和也
作曲:馬飼野俊一

最初の一ぱいは 私につがせて
あなたを誰かに 盗られないうちに
お酒の楽しさを ふりまく人だから
グラスのまわりに 陽だまりができる

※すこしでいいの 心の隅に
私の愛を 住まわせといて
かたほうの眼で なにげなく
私の影を 追いかけて
最初の一ぱいは 私にのませて※

※※信じて待ちわびた ごほうびのように※※

最初の一ぱいは 私にかえして
あなたの名残を 独り占めしたい
お酒のせつなさを 知ってる人だから
かくれてひそかに 傷ついているわ

いつでもいいの 気が向いたとき
私の愛を たしかめにきて
かたほうの手で くりかえし
私の眉に 触れてみて
最後の一ぱいは 私にのませて
やさしいおやすみの 口づけがわりに

(※くり返し)
(※※くり返し)


9.友禅流し

作詞:水木かおる
作曲:乙田修三

雪はまだ 河原に白く
指を切る 水のつめたさ
加賀の金沢 浅野・犀の流れ
明日をさがして さまよう恋に
いのち華やぐ 夢染めて
春を呼ぶ 春を呼ぶ 友禅流し

露草で 描いた恋の
行くすえは 水に流れる
慕う女の こころのように
ゆれて揉まれる 絵模様の
かなしくも 美しい 友禅流し

城下町 肩先さむく
ひとり行く 水のたそがれ
かすむ白山 夕山ざくら
夢も望みも ぼかした恋に
せめて小さな 幸福の
春を呼ぶ 春を呼ぶ 友禅流し


10.夾竹桃

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

風邪にたおれた おまえの寝顔
夢で泣いたか ひとすじ涙
外で男は 勝手なくらし
ふり向くことも なかったか
馬鹿な男に 夾竹桃の
花がしみるよ

ほんの初めは 雨やどりでも
いつかつれそう 路地裏住い
俺がもすこし 器用に生きりゃ
苦労もせずに すんだろが
馬鹿な男に 夾竹桃の
花がしみるよ

熱があるのに また起きあがる
俺のためにと 夕げの支度
無理をするなと しかって抱いた
背中のうすさ 細い肩
馬鹿な男に 夾竹桃の
花がしみるよ


11.赤提灯の女

作詞:矢吹光
作曲:真木陽

さいはての 赤提灯に 身を寄せる
明けくれの わびしい暮らしに 負けそうな
気がつきゃここまで 落ちていた

裏窓に むせび泣くよな 汽車の汽笛
母さんが 私の心を 呼び返す
涙になるから 呼ばないで

酒の味 吐いて覚えた きのう今日
お客さん 男の話は 聞かないで
何処にもあるよな 話です


12.駅前カフェ

作詞:浅木しゅん
作曲:杉本真人

貯金通帳 差し出して
お役に立ててと 微笑むお前
困った時には お互いさまと
逆に説教 されました
あゝ…あゝ…
ふたり出逢った 駅前カフェ

活動写真 見に行こう
お前をなだめる 楽しい苦労
くちづけするにも 冷や汗流し
おれは 不器用 さらけ出す
あゝ…あゝ…
角をまがれば 駅前カフェ

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ふくらむ懐ろ テーブルランプ
いつかひと山 あてたらきっと
連れて行きたい 異国町
あゝ…あゝ…
夢がひろがる 駅前カフェ


13.悲しいね

作詞:松本礼児
作曲:田尾将実

悲しいね 悲しいね
雨など降れば なおさらに
窓に滲む 街明かり
あんた恋しい腕まくら
えんやらや えんやらやらやら
今頃あんたは 誰かと夢ん中
えんやらや えんやらやらやら
あたしは涙の海を漕ぐ
寒いよ こんな夜は 恋唄なみだ酒

淋しいよ 淋しいよ
風など吹けば ことさらに
損な役さ いつの日も
恋に泣くのはあたしだけ
ねんころろ ねんころころりよ
とびきり上手な女を抱くんだよ
ねんころろ ねんころころりよ
あたしは冷たい膝を抱く
寒いよ こんな夜は 恋唄なみだ酒

えんやらや えんやらやらやら
今頃あんたは 誰かと夢ん中
えんやらや えんやらやらやら
あたしは涙の海を漕ぐ
寒いよ こんな夜は 恋唄なみだ酒


14.くちなしの花


15.螢川

作詞:松本礼児
作曲:松本礼児

ことしの冬は長いっちゃァ
四月やいうとるがに
ため息まじりの千代の声
冷たい蒲団にもぐりこむ
胸にチラチラ燃えあがる
蒼い炎に目覚めたら

雪が舞う さらに舞う 風を誘ってまた舞い落ちる
螢は出よるやろか 螢は降るやろか
銀蔵爺の銀蔵爺の おとぎ絵眩ゆい 螢川

寒うないがか重竜は
夜汽車の網棚から
鴬色した外套を
降して凍えた膝に置く
そして何年経ったやら
今も聞こえる三味の音

※糸が鳴る さらに鳴る 否もっととまた撥叩く
越前岬は今も 昔のままだろか
男と女の男と女の 哀しみ織りなす 螢川※

(※くり返し)


16.花あかり(デュエット:渡哲也)

作詞:浜圭介
作曲:前田俊明

待たせるだけで あの日から
いくつの季節が 流れたろ
夜が寒いと 花冷えの
肩が甘える めぐり逢い

思えば長い 冬の日も
色づきそだてた 夢ひとつ
逢いたかったと すがりつく
しだれ桜の 花あかり

あふれる愛を そそぐよに
空ければグラスに 充たす酒
酔って怨みを こめた目が
胸にせつない 花の宿

吐息もからむ 襟あしに
花びらふたつの こぼれ紅
恋いに生きたい
死にたいと
むせぶおぼろ夜 雨になる
むせぶおぼろ夜 雨になる