暫存

suzumoku 暫存歌詞
1.フォーカス

作詞:suzumoku
作曲:suzumoku

冷たい秋雨は知らぬ間に上がって カーテンの隙間に宿る日差し
退屈なテレビもステレオも止めたら 君とこの部屋から歩き出そう

僕らが今まで何度も繰り返し 眺め続けてきたこの景色を
季節の合図で 二人の足跡で 少しずつ少しずつ育ててゆこう
住み飽きた町だと嘆きそうな時は 両手の指でフレームを作って
一つだけの現在を残してゆこう

空き地の秋桜は出会いの恋模様 あの日の切なさが風に揺れる

忘れることなど出来ない程強く 胸の中 刻んだこの気持ちで
君を抱きしめて 自分を戒めて いつまでもいつまでも愛してゆこう
涙で道が遮られそうな時は 見上げる大空の青いフィルムに
いくつもの未来を描いてゆこう

気が付けば夕暮れ オレンジのプリズム 君が優しく目を細めながら
「綺麗…」と一言呟いた瞬間 僕はその手をとり握りしめた

僕らが今まで何度も繰り返し 眺め続けてきたこの景色を
季節の合図で 二人の足跡で 少しずつ少しずつ育ててゆこう
忘れることなど出来ない程強く 胸の中 刻んだこの気持ちで
君を抱きしめて 自分を戒めて いつまでもいつまでも愛してゆこう
答えに迷い立ち止まりそうな時は お互いの素顔にフォーカスして
色褪せない日々を繋いでゆこう


2.甘いアルコール

作詞:suzumoku
作曲:suzumoku

空になった右手のグラスに 甘いアルコールを注いでくれよ
いつ誰が見つけたかは分からない とてもとても眠たくなるやつさ
疲れ果てて俯いてる君も 甘いアルコールをひとつどうだい?
飲み干す程に疲れは消えて とてもとても気持ちが楽になる

むせ返る程煙たい現実も 迷う程広がる人の群れも
朝まで味わう間だけなら 全て忘れていられるはずだから

またいつもの暗がりの部屋で 甘いアルコールに酔い潰れてる
朝が来るまで飲み続けていても 二日酔いにはならない酒なのさ

消されてゆく思い出の場所も あの日なくした大切な物も
朝まで味わう間だけなら 全て見つける事さえ出来るのさ

気付けば朝焼けが綺麗で 右手のグラスもなくなっている
何もかもが意味なく流れる ラベルのない不思議な酒なのさ


3.放課後スリーフィンガー

作詞:suzumoku
作曲:suzumoku

曇り出した空 急ぐ足音 雨粒一つ 溜息一つ
間違えた事は誰かのせいにして 心傷付く前にギターを弾く

一人の教室 気晴らしに小さく 零したメロディーに絡めた偽り

雨降る街など気にも留めない 溢れそうな弱さを隠したくて

黒板を見ては明日を紡ぐ 近道一つ 逃げ道一つ
分からない事はうやむやにして 気になってしまう前に歌をうたう

鞄の中身は同じ物ばかり それよりも大切な物があるさと

硬い指先で散りばめる音 漂う寂しさを消し去りたくて

本当は君に聴いてもらいたい 初めて覚えたコードも鳴らそう

湿っけた五線譜に描く横顔 隠せない弱さを認めてくれ
仕方なく夢に君を探すよ 消せない寂しさを認めてくれ
誰にも聞こえない 放課後スリーフィンガー


4.鴉が鳴くから

作詞:suzumoku
作曲:suzumoku

お前のボロボロの翼は 誰と喧嘩した傷跡だい?
まさかまさかと思うけど 自分で付けた傷跡かい?
目一杯広げてみてごらんよ ほらね、向こう側が丸見え
まさかまさかと思うけど 気付いてないことはないだろ?

光なんか消えてしまえ 見透かされる事もなくなる
悲しみも痛みも要らない あと少しで空に夜が染みる…

鴉が鳴くから帰ろう 構わないで一人にしてくれ
そうかい、僕は気にしないさ お前の目に闇が染みようとも

考え込んでる振りなんかして 不自然なくらい汗まみれ
まさかまさかと思うけど 今更怖気付いたのかい?

その通り出来損ないさ 何処へも飛べない役立たず
過去も未来も現在も要らない 嘘もついた 泣言も散々…

鴉が鳴くからおいで 構うのなら手を引いてくれ
何だい、随分良い身分だ その調子で嘘でも羽ばたけよ

見渡せば誰も彼も 僕もそうさ 解れてボロボロ
理想の翼が欲しくて いつまでも雛でいたいんだろ?

鴉が鳴くから帰ろう 構わないで一人にしてくれ
そうかい、僕は気にしないさ お前の目は最初から真っ黒!
鴉が鳴くからおいで 構うのなら手を引いてくれ
何だい、随分良い身分だ その調子だ 本当は飛べるだろ!


5.真面目な人

作詞:suzumoku
作曲:suzumoku

光る液晶を睨み付けては 弾くキーボード 擦る瞼
「時は本当に無情なもんだ…」と 知らず覚えた口癖

鞄の中の この不満の種
いつまで隠して 過ごせるのだろう?

叩き付ける拳 ファイルされた未来が散らばる
それでも跪き 拾い抱き締める 真面目な人

風にからかわれる様な日々 少し迷えば時代遅れ

他人の肩と ぶつかるその度
諸刃の心が 震え始める

街を暴れ回り 見境も無く叫ぶ妄想
それでも目は閉じず 現実を選ぶ 真面目な人

呆れる程に 求め過ぎた社会
気付けば本物は また闇の中

ひび割れるアスファルト 踵が刻み過ぎたリズム
涙と溜息で 今日も相変わらず曇り空
叩き付けた拳 暴れ回り叫んだ妄想
それでも独りでも 今を歩き出す 真面目な人