PORTRAIT

サンタラ PORTRAIT歌詞
1.好き

作詞:田村キョウコ・砂田和俊
作曲:田村キョウコ

シナモンを噛むのが好き
冷たくない いやむしろ熱い
熱帯の森に棲む獣のようで好き

ラムの雫を噛むのが好き
甘くはない いやむしろ苦い
香りが舌を裏切って好き
だから歪な君が好き

なんて悪戯な手だろう 君は
こんな私を掻き乱して
タイダイの両腕が君をねだっている
なんて悪戯な目だろう 君は
こんな日々じゃ迷子になってしまう
朝も昼も夜もいつでもさらわれていく

雨音が強くなるのが好き
暗くはない いやむしろ明るい
夏の足音みたいでいい
君の足音みたいで好き

なんて意地悪な声だ 君は
昨日より欲張りになってしまう
私は不埒な言葉をこぼしそう
なんて意地悪な夜だ 今夜
明日のその先まで知りたくなる
朝も昼も夜でも君はその気にさせる


2.ロージー

作詞:田村キョウコ
作曲:田村キョウコ・砂田和俊

お行儀いいねって言われたいの
だって私は女だし とりかえっこはできないし
賢い人って言われたいの
だっていつか陽は沈むんだし たいしてお金も持ってないし

Oh ロージー 憎めないのよ 鈍感な君の
ロージー 小鹿みたいなその瞳も
でも私のものに手を出さないで!

月並みの良さを知りかけてるの
身体にいいこと知ってるし リビングルームは暇じゃないし
ドラマはドラマと割り切りたいの
空高く光る星座達 眺めてるだけで満足よ

Oh ロージー わからないのよ年下の君は
ロージー 他の誰かになりたいの?
でも私の後ろつけてこないで!

uh baby, you must be joking…

oh ロージー憎めないのよ 寂しがり屋ね
ロージーひとり遊びが苦手な子
でも私のものに手を出さないでね


3.うそつきレノン

作詞:田村キョウコ・砂田和俊
作曲:田村キョウコ・砂田和俊

何より私が君のことを気に入ったのは
不釣合いな程に枯れた声だった
まるで君からこぼれる鈍色の粒

時に乱暴なまでに君は繊細で
私は飽きることなくそれを見つめてた
ヘッドフォンからこぼれる聴き慣れたレノン

君のいた場所に夜毎紛れ来るのは
恋人のような素振りの暗闇のエアノイズ

うそつきレノン
私と引き換えに君は一体何を手に入れたの?
うそつきレノン
君と引き換えに私はいつか何かを手に入れられるの?

あの日君が吐き出したままの幾つかの言葉
まだ街でさまよう姿に出くわすの
歩道橋の下で呼ぶ薄汚れた猫

私は他の娘みたいに涙流したりしないわりに
そのくせ君のゴーストに水を絶やさない
誰にも言わないでいて この病気じみた私のことを

こんなに雨が続けばいつか君も溶けてくだろう
そして全て終ってもそれで君は平気なの?

うそつきレノン
私と引き換えに君は一体何を手に入れたの?
うそつきレノン
君と引き換えに私はいつか何かを手に入れられるの?


4.100miles ~虹を追いかけて

作詞:田村キョウコ・砂田和俊
作曲:田村キョウコ・砂田和俊

占い師は言った 私の手を握って
「おまえの旅は続くのだろう これから先もずっと」
あまりに大きな月がそれを見ていた

ハイウェイの入り口はどこにでもある
その気があるのなら私にKISSをして
道連れは君

100miles, 200miles, 一番好きな君をさらってゆくわ
もっと先まで道は続くから
100miles, 200miles, 虹を追いかける 400miles
きっと誰もが二人をうらやむわ
見たことのない物を見に行こう baby

私のパパは言った 深いため息ついて
「これじゃ満足できないのだろう?」そのとおりよ きっと
憧れは手のひらで簡単に色褪せた

ハイウェイの入り口はどこにでもある
その気があるのなら今すぐシャツを着て
道連れは君

100miles, 200miles, 一番好きな君をさらってゆくわ
もっと先まで走ってゆきたいわ
100miles, 200miles, 虹を追いかける 400miles
退屈させないと誓うわ
足りない何かを捕まえよう baby

道連れは君

100miles, 200miles, 一番好きな君をさらってゆくわ
もっと先まで道は続くから
100miles, 200miles, 虹を追いかける 400miles
きっと今より素敵な日々が来る
見たことのない物を見に行こう baby


5.Home

作詞:田村キョウコ
作曲:田村キョウコ

できるだけ幸せになると約束したのは遠い春の日
不器用な別れの景色は188号線のあのカーブ

旅立つ意味さえ知らずに離れた

五月の雨に煙る朝は通い慣れたJRの一両目
人波に紛れて少しずつ変わってく街の匂い感じてた

思えばあの日がこの旅のルーツ

Home
ここにいる私はあの街の優しさでできている
繰り返す波の音 この身体のリズム
Home
ここにいる私はあの人の優しさでできている
繰り返す波の音 この身体のリズム

河沿いの大きな楠の木 今も不思議な力を信じてる
太い幹に触れたこの両手 掴めないものなど何ひとつない

導かれるように西に背を向けた
思えばあの日がこの旅のルーツ

Home
ここにいる私はあの街の優しさでできている
繰り返す波の音 この身体のリズム
Home
ここにいる私はあの人の優しさでできている
繰り返す波の音 この身体のリズム

Home
絶え間なく生まれく悲しみは
あの街に許される
そうきっと永遠に流れゆくこのリズム
この身体のリズム


6.Peaceを一本

作詞:田村キョウコ
作曲:田村キョウコ・砂田和俊

あの娘はおかしな目をしてるの
きっとこの街にいられなくなるの

路地裏 この狭い路地裏が
死んだような午後 それを狙ってるの

汗に濡れたワンピースが早熟な背中にはりついて
帽子もない 傘もないまま あの娘は彼と逢ってたのよ

今言った事は忘れてね
作り話だと思ってね
それで私にPeaceをわけて
Peaceを一本わけてちょうだい

私はじっと覗いてたの
鍵盤を走る白くて細い指
醜い昆虫によく似てる
泡立ち騒ぎ立つ私の心臓

あの美しい薬指に全て盗まれてしまったのね
毛足の長いカーペットにこぼれるピアノとサンダルウッド

今言った事は忘れてね
作り話だと思ってね
それで私にPeaceをわけて
Peaceを一本わけてちょうだい

いつまでも沈まない太陽のせいで泣けもしないし
律儀な君のまなざしもこんな気分じゃ白々しい

今言ったことに火をつけて
灰になるまで見送ったら
それで私にPeaceをわけて
Peaceを一本わけてちょうだい


7.スマートボールブルース

作詞:田村キョウコ
作曲:砂田和俊・田村キョウコ

弧を描いて弾き出す象牙色の球体が
銀の釘に遊ばれて
うまくやったり 無駄に終わったり

あの子はくわえタバコで初めて会った気がしない
きっと私と同じで
うまくやったり 無駄に終わったり

そうよ私たち
勝ちたいなんて思ってないの
ちょっと少しだけ 休みたいだけ

なるべく痛くないようにしてほしい
誰だってそうよ
なるべく痛くないようにしてあげたい
私もそうよ よくできた役者よ

この街の時計台に太陽が灯ったなら
私の今日一日は
人と半分ずれて始まる

そうよ私たち
勝ちたいなんて思ってないの
ちょっと少しだけ 休みたいだけ

なるべく幸せなふりをしていたい
誰だってそうよ
なるべく困ってないふりをしていたい
私もそうよ
ねえひとりにして 少しひとりにして

みんなが帰っていくわ
優しい役者達がみんな
持ち場に帰っていくわ
私も帰るわ そろそろ行くわ


8.バニラ

作詞:田村キョウコ・砂田和俊
作曲:田村キョウコ

ベッドにもぐり軽くまぶた閉じて 跳ね回る羊数えても
私ときたら一時間やそこらじゃとても眠れないの
「お願いダーリン そばにいて」額に血をにじませて
そんな時だけ君は本当にずるいのよ

冷えた苺もニュース速報も君の電話も何もいらないの
彼の言葉にびくつく日々なんてもう終わりにしたいの
そうだよダーリン 君だってとっくに見抜いてたはずだよ
こんな夜じゃ金切り声も闇に溶ける

crushed moon on the dish
銀のナイフがヒヤリ 私の火照る唇を撫でて
crushed moon on the dish
こんな不甲斐ない私に期待しないで
ためらいがちに口に含んだ苦く光るバニラ

私の声は体よく並べられすまし顔で他人の素振り
会ったことのない肉親のようで君が泣いても釈然としない
そうだよダーリン そんなもの集めて私に差し出しても
忘れないで所詮私それを愛せない

crushed moon on the dish
銀のナイフがヒヤリ 私の火照る唇を撫でて
crushed moon on the dish
こんな不甲斐ない私に期待しないで
ためらいがちに口に含んだ苦く光るバニラ

誰が教えた訳でもないのに不似合いだと気付いたのは何故?
白濁色の緩い痺れがきっと行く先を照らしてくれる

crushed moon on the dish
銀のナイフがヒヤリ 私の火照る唇を撫でて
crushed moon on the dish
これが私のサヨナラの形 苦く光るバニラ


9.冬の匂い

作詞:田村キョウコ・砂田和俊
作曲:田村キョウコ

いつもの街に枯葉が降る
いつもの通りに明かりが灯る
地下鉄の階段を上がる音
踏みしめるペダル軋む音

ねぇ誰かが誰かの帰りを待っている
ねぇみんな誰かのもとへ帰るのに

私はどうすればいい?
君の心はもう帰らないよ
君より先に気付いてしまったから
さよならはきっとこの足跡辿って
私について来る

何ひとつ忘れないように
大きく息を吸う 耳を塞いで
記憶よ どうか逃げ出さないで
もうあんな日々は二度とは来ない

肝心なことは誰も教えてくれなくて
覚悟もないままに季節は変わるのに

私はどうすればいい?
二人はもうあの頃とは違うよ
君がもしそれを怖れているなら
さよならはきっと私がその手を引いて
ここまで連れてくる

やさしい嘘をつくあの子は今はどこ?
幸せな居場所 どこかで見つけたんだね

冬の匂いがする
目を逸らさずにつないだ手ほどくよ
君より先に一歩踏み出すよ
明日ならきっとこの足跡辿って
二人について来る


10.しゃぼんのブルース

作詞:田村キョウコ
作曲:砂田和俊・田村キョウコ

真夏の朝の呼吸 西の大きな河から流れ来る
開け放った窓の外に昨日の余韻はない

澱んだ彼の目や だらしなく投げ出す長い脚
まるで忘れ去られて年老いた屋根裏のピアノみたい

年上の私の恋人
君の魂はどこへ行ってしまうの?
愚かなしゃぼんはいつか割れてしまうもの

このまま動かない君へせめてもの慰めを
取り残された男にお似合いな水玉のエレジイを

年上の私の恋人
君の魂はどこへ行ってしまうの?
愚かなしゃぼんの最後を見届けるの


11.Money

作詞:田村キョウコ
作曲:田村キョウコ・砂田和俊

愛の言葉は安くなって
ダイヤモンドの方がずっとすてき
何千年もの時を越えて
私に会うのを待っていたのね

Money…
私を駆り立てるMoney

幸せの正体は何かしら?
愛されたらそれで幸せかしら?
狩人に幸せはあるかしら?
光る石 そして私 Money

爪が伸びゆく速度で
時が流れるのを知って
朝陽の当たるこの部屋で
週末からずっとコーヒーを切らして

Money…
私を悩ませるMoney

満たされることってあるかしら?
いつも少し足りないの なぜかしら?
双眼鏡をのぞくその先に
手を伸ばして 空を切って
Money

冬には花咲く季節を
春にはぎらつく太陽を
夏には色づく木の葉を
秋には炎のぬくもりを
まだ見ぬ人 まだ見ぬ人
待ち焦がれる 待ち焦がれて
私とMoney


12.夢の中まで

作詞:田村キョウコ・砂田和俊
作曲:田村キョウコ・砂田和俊

夜が明けるまであとどれくらい?
眠りと目覚め 行ったり来たり

暗い部屋の隅で健気に光るテレビ
ビルの屋上で少女は歌う

手探りで確かめる 君に伝えたい言葉は
その形をすぐに変えてしまう

君の心を全部使って夢の中まで忍んでおいで
こんな願いに名前はないよ
他の誰かと会ってる時も君のことが忘れられないよ
この気持ちを何て呼べばいいの?

雨上がりの街は水たまりを残して
昨日までの事はなかったみたいに振舞う

いつもより君はまるで饒舌な素振り
二人の行方をはぐらかすの?

私の身体全部使って夢の中まで忍んでゆくの
こんな願いは君を困らせるの
他の誰かのそばにいたって私のこと忘れないでいて
この気持ちに罪はあるかい?

君の心を全部使って夢の中まで忍んでおいで
こんな願いに名前はないよ
他の誰かと会ってる時も君のことが忘れられないよ
この気持ちを何て呼べばいいの?


13.Joy & Pain

作詞:田村キョウコ
作曲:田村キョウコ・砂田和俊

ベルベットの長いコート
ブルネットとブロンド
いつも一緒 背中合わせの双子の姉妹
Joy & Pain

毛羽立った古いブランケット
すりへってしまった鉛筆
あの頃からそこにいるのさ
西陽の射す子供部屋
Joy & Pain

ほんのささいな出来事でいいから
何かいい事ありますように
涙を拭きなよ 私の友達
可愛いマニキュアぬってあげるよ
Joy & Pain

かじかんだ指先
輝く南西のオリオン
初めて見た
私の街じゃ空は夜通し燃えてる
Joy & Pain

ほんのささいな出来事でいいから
あの子にいい事ありますように
何しろあの子の両膝ときたら
転んでばかりで傷だらけ
Joy & Pain

ずっと昔の人が作った歌を歌おう
語り継がれた言葉が今夜は何て素敵

ほんのささいな出来事でいいから
二人にいい事ありますように
いつか二人がはぐれてしまっても
私の事を忘れたら嫌だよ
Joy & Pain
Joy & Pain


14.Big River

作詞:田村キョウコ
作曲:砂田和俊・田村キョウコ

遠くに投げた 音をたてて割れた
ジャマイカのラムの小瓶

街灯が照らした 忘れかけた名前を呼んだ
小指の爪ピスタチオグリーン

背中に忍び寄る霧にもうすぐ飲まれてしまう
ただ肩をすくめるだけ 怖いものがまた一つ消えてゆく

踵のリズムが右にそれてゆく
「予想よりずっとぼくは平気」
生彩を欠いた声 君に追いついて
横たわるBig River

ひとしきり泣いた 疲れて眠った
クラクション 先頭はリンカーン

浅い眠りは今夜も同じ夢を強いる
物分かりのいいぼくは黙ったままステラ座の席に着く

踵のリズムが右にそれてゆく
「予想よりずっとぼくは平気」
生彩を欠いた声 君に追いついて
横たわるBig River

これは嘘や想像なんかじゃないんだ
紛れもない事実だ
さぁ、目をそらさないで

漆黒の静寂と横たわるBig River


15.UPSIDE-DOWN

作詞:田村キョウコ・砂田和俊
作曲:田村キョウコ・砂田和俊

ロックンロールの末裔は瞳が光るからすぐわかる
アンダーグラウンドの血脈はメトロの下を更に深く
心中なんてお断りよ 夢の中で生きたってUPSIDE-DOWN

フランス映画を観た後に何でも許せる気になって
浮気なあの子の言い訳に丸め込まれたの 帰り道
人知れず咲いた花がいつか 人知れず実を結んだってUPSIDE-DOWN

あぁあなたの横顔は あぁとても素敵よ

愛されたいの 愛されたいの
心配ないと笑ってよ
悩める僕ら それもまぼろし?
But my sight is UPSIDE-DOWN

マリオネットはよく笑う 時々おどけて笑わせる
でもマリオネットだと気付くまで本気で腹を立てたりしたわ
悲しいニュースに傷付いて 知らないことも罪深いUPSIDE-DOWN

あぁあなたの指先で あぁ教えてほしい

愛されたいの 愛されたいの
気のせいだって笑ってよ
悩める僕ら それもまぼろし?
But my sight is UPSIDE-DOWN

Am I crazy? Are you crazy?
Where am I? Now where are we?
I believe in my sanity
I believe in your sanity
But this world is UPSIDE-DOWN


16.サイモンの季節

作詞:田村キョウコ
作曲:田村キョウコ

あの頃の彼女達の喜びは 魅力的なコードを探し出すこと
日がな一日名乗りもしない音符は こぼれ落ちたコインのように踊ってる

舌でもてあそぶ高級な言葉は 有能な人の借り物だったけど
いつの間にか彼女達の足跡が 約束の刻印のように押されてる

sun and moon silver and gold real and romance
何もかもが彼女達の日々の全て
loves and hates jokes and lies lucks and troubles
それこそがサイモンの季節の全て
きっと誰かが笑いとばすだろう きっと私もそれに応えるだろう

缶詰ドロップのような色彩の クローゼットを持つ混血の彼女は
二年半の時が流れた今なら どんなシャツを選び街へ出るだろう?

right and wrong games and traps tops and bottoms
何もかもが彼女達の日々の全て
hug and kisses king and slave words and hummings
それこそがサイモンの季節の全て

ママが話したstrawberry statement
私達は映画じゃないから
ラストシーンやエンドマークもあり得ない

sun and moon silver and gold real and romance
何もかもが彼女達の日々の全て
loves and hates jokes and lies lucks and troubles
それこそがサイモンの季節の全て
きっと誰かが笑いとばすだろう きっと私もそれに応えるだろう


17.思い過ごしの効能

作詞:田村キョウコ・砂田和俊
作曲:田村キョウコ

強引な右折車に阻まれ立ち止まった交差点上
起きた瞬間から感じていた何だかよくないタイミング
小さく舌打ちでまた歩き出す

衝動は支配者の如く暴れまわっては案の定
ここぞという時消えてなくなる 絶妙にずるくすり抜ける
昨日泣いた理由なんて忘れた

私の中で渦巻いている矛盾なんかはもう慣れたし
不当な扱いに牙をむくなんてこともう疲れたけど

真夜中の国道沿いで酔った頭をうなだれる
固く握っていた左手ゆっくりとほどいていく
彼がくれたあの言葉は軽い嫉妬を伴って
それでも私のこの胸で小さく足踏みをする

成功は高飛車な態度でチャンスはいつでも正攻法
やたら風が強いこの街で私無駄に元気よ、君はどう?
どうやら私はまだ懲りてない

切実な私の悩みは日没と共に持ち越され
曖昧な答えで切り抜ける そんなこと上手くなったって

真夜中の国道沿いで酔った頭で考える
固く閉じた瞼の裏にあの日の私が映る
彼が見せたあの笑顔の意味をようやく掴みかけ
今さら私のこの胸に小さなトゲを刺したの

失くしたもの 新たに得たもの 天秤にかけて量っても
どちらに傾くこともなくて妙に納得したりして

思い過ごしと言われれば反論の余地はないけど
終わりかもなんてよぎる時 思わずよそ見する時
彼が私に問いかける「元気ですか?」の一言が
こうしてまた歩き始める背中を押してくれるの