まぼろしアンソロジー

ピロカルピン まぼろしアンソロジー歌詞
1.桃色のキリン

作詞:松木智恵子
作曲:松木智恵子

今 誰か泣いてた
気づかないふりして 明日へ向かう
飛べない空の青さと
揺れ動く光は誰の物だ

続いている 持っている願いは誰も同じ

見えない幻
誰もが追い求めている世界はどこに
青くてまあるい玉が
あの子の手のひらの上でぴかり 光った

今 ページを開いて
瞳を閉じたなら 浮かぶだろうか
あなたの心の中に
残された絵の具があるとしたら

この広がる世界に 7色の風が舞う

桃色のキリン
誰もが追い求めている理想はどこに
変わらぬ景色に刻む秒針を見つめて
意味を問うてもわからず

同じ空の下で 光と水を分ける
透明のマントに クローンの羊
未来はここにある気がするのに

桃色のキリン
誰もが追い求めている世界はどこに
変わりゆく街に 深く刻まれた皺に
意味を問うてもわからず


2.人魚

作詞:松木智恵子
作曲:松木智恵子

人魚の別れは明け方の夢
もつれあった糸がほどけませんように

息を切らして走り続けるよ
この世の中に何が待っていても

君が吸い込んで吐き出す空気が今
すっと伝わって心の奥底まで
澄み渡るような奇跡が 町中をそっと包んで

しけった恋ばかりだった君の心は
さよならが始まりなんだ 過去に生きてる

さよならがくれた新しい日々
磨りガラスがくだけて 両手のばした

君が乱して旅に出てた心が
今戻って生まれ変わってく途中
未来はいつも手の中 間違いながらくすぐってる

閉じかけて開いた貝が鳴る

君が吸い込んで吐き出す空気が今
すっと伝わって心の奥底まで
澄み渡るような奇跡が 町中をそっと包んで


3.白昼夢

作詞:松木智恵子
作曲:松木智恵子

なぜか浮かんで来たのは
見たこともない田舎の風景

足の下には堅くて冷たい
昔からなじんだアスファルトが
月に照らされてる

揺れる稲穂と赤と黒のランドセルが今 並ぶ
笑顔で手を振る白い割烹着の夕暮れ時 笑う

息を切らして走り続けてる
とまらない電車の窓の外
見たこともない田園風景
なぜか懐かしさがこぼれた

ふと目覚めれば空しくも
跡形もなくのしかかる喧噪

足の下には堅くて冷たい
色とりどりに輝いたアスファルトが
ライトに照らされてる

揺れるネオンに赤と黒の欲望が渦巻く 都会で
僕は何をすればいい あの子はなぜ笑っているの 一人で

息を切らして走り続けてる
止まらない電車の窓の外
見たこともない田園風景
なぜか懐かしさがこぼれた


4.カンパネルラ

作詞:松木智恵子
作曲:松木智恵子

きっと光は導く あるべき方へと
くだらないこともあるけど よじれて戻れば

風が吹き抜けた 季節は巡り
呼吸を繰り返してるだけなのに こんなに苦しい

夜空を駆ける カンパネルラ
見てないで手をさしのべて
星を操れ カンパネルラ
僕はどこまで行けるかな

忘れていたのは いつかは終わりが来ること
あの日の足跡も今では つかの間のまぼろし

君が駆け抜けた 暗い空
星が流した涙は 誰かの願いを叶える

一緒に行こう カンパネルラ
ともに行けばほら 月明かり
星を操れ カンパネルラ
僕はどこまでも

気がつけば遠い空
三日月といたずら

夜空を駆ける カンパネルラ
見てないで手をさしのべて
星を操れ カンパネルラ
僕はどこまで行けるかな


5.獣すら知らぬ道

作詞:松木智恵子
作曲:松木智恵子

抜け出した 答えのない迷路のような茨の道を
手放せば錆びついてく古い夢も 解けて消えた

歩き出す 新しい靴で
獣すら まだ知らぬ道

あてどない先に 霧深き空に
何を見つけて捕まえよう
身から出た錆に ひからびた奇跡
めぐりめぐり巡る光

向き合えば 見たくもない古い傷も笑っていた
高い背を追い越してく破竹のように 伸びて消えた

生き馬の目を抜く世界で
逞しく命は巡る

きりがないなぜに 意味深き謎に
今を見つけてゆくのだろう
罪深き我に ひからびた奇跡
まわるまわる廻る光

天と天が語らえば ゼロから100の向こうまで
まだ知らない世界を知る

あてどない先も 霧深き空も
いつか包まれ暮れるだろう
身から出た錆に ひからびた奇跡
めぐりめぐり巡る光


6.ララバイ

作詞:松木智恵子
作曲:松木智恵子

ララバイ 宇宙の隅越えてく時空
どこでいったん終わりになるの
さよならは不思議な合図で 朝を呼ぶ

幼かった日の謎は今日の日も
知らないままで 大人を生きている
こらえきれない切なさを抱えたまま
ただ 今を見ている

忘れてしまうだろう いつか見たあの夕日
遠い日に思えたあの場所が 今ここにあるよ

さらば 終わりは始まりって言うけど
ロクになんも知らないまんまさ
いつかは生まれ変われるの 誰が知る

若かりし日のあの子は今頃
しあわせだろうか 今更思うよ
知らないことも近づいてみたら見えてきた
悟りたくない

両手からこぼれる 砂粒を見つめてた
爪の上場の土 これがその人の道なのだ

月明かりが揺らめいてる 光る粒と誰かの声
怖くはない 寒くもない 何にもない このままでいたい
終わりたくない

忘れてほしくない 今日ここに居たことを
生まて来た日から 誰も皆たどる道なのだ


7.火の鳥

作詞:松木智恵子
作曲:松木智恵子

過ぎ去った日とらえた 遠い記憶
夕闇泣き出しそうな世界を ただ見ていた

閉じかけた目開いて あかり灯し
こうして皆 生きながらえてる

流れ星に願い放ち 転がり続ける火をイメージ
あの時見た夢の意味が わかりかけては消える

なぜ今ここに生きる
意味なんてわからずに
手を取り合って まだ知らぬ明日へ
まだ満たされぬままに 描いては消えてゆく
にわかに解けぬ 謎かけのように

割り切ってはいけない 遠い記憶
心の奥底に潜む火は 絶やせない

誰だってさ 誰かの葉末の露
誰にも過去があり 今がある

デジャブに似た記憶の波 転がり続ける火のステージ
あの時見た夢の意味が わからないまま消える

なぜこの惑星に生きる
意味なんてわからずに
火の鳥になって 続きが見たい
まだ満たされぬままに 描いては消えてゆく
くりかえすのは 終わらぬストーリー