家族ゲーム

ミドリカワ書房 家族ゲーム歌詞
1.I am a mother

作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一

この頃 酸っぱい果物 やたら食べる
気づけば食べている
オレンジ グレープフルーツ
喫茶店では もちろんレモンスカッシュ
もしかして これってアレじゃないのかな
そういえば心当たりはあるぞ

近所の産婦人科のドアを勇んで 私は開けて保険証を出し
ベンチで文庫本開いた
名前を呼ばれて中に入り 私は予想通りの言葉を聞いた
そうか そうか ついに I am a mother

帰りにデパートへ寄って おもちゃ売り場 子供服売り場を
ぼんやり眺めて歩いた 何もかもがキラキラ輝いてた
あの人は喜んでくれるかしら
どうだろう 仕事人間だから

夕食の支度を終わらせて 一息つこうとソファーに横になって
時計見たらもう7時だ
あの人今日も残業かしら この頃残業続きだから心配
体壊さないといいけど

あの人が帰って来た いつものように疲れた顔で
私は何気ない風を装って 背広を脱がせてあげながら言った

「へぇ そうなんだ 良かったじゃんか」
あの人は私のお腹に手を当てて 照れ臭そうに笑った
私もつられて 笑いながら 嬉しくて ありがたくて
涙が出たの 頑張らなきゃ そうよ I am a mother


2.豆電球の灯りの中で

作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一

豆電球がそこいら中を 橙色に染めている
僕はおしっこがしたくなって 目を覚ましてしまった

でも一人で行くのは怖いなぁ どうしようかなぁ
しょうがない お父さんについて来てもらおう

寝てるお父さんを起こすのは可哀想だけど
あれ? お父さん何やってるんだろ? 裸んぼだ

お母さんの上に乗っかってるぞ お母さんも裸だなぁ
何か二人とも苦しそうな顔に見えるな

いやそれよりも僕はおしっこがしたいんだ もれそうだ
「お父さん」と声をかけると 二人の動きが止まった

お父さんはパンツ一丁で 僕をトイレまで
連れて行ってくれた 戻って来ると お母さんは
布団を首までかけて 目をつぶっていたんだ
僕も布団に入って 無理矢理目をつぶった

お父さんに何やってたの?って聞きたかったけど
何だか怖くて聞けなかった


3.メシ喰えよ!


4.許さない 忘れない


5.もも

作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一

犬を飼いたいと 娘が言うので
「ママに聞いてみな」と 俺は水割り

「パパに聞きなって ママが言ったもん」
娘は懸命に懇願する

また俺か いつも俺じゃんか
自転車の時だって 俺が決めたのに

日曜朝9時 娘に起こされ
妻に見送られ 車に乗り込む

国道沿いにある 大きなペットショップ
車を降りると 娘はダッシュ

「この子がいい」 娘が指差す
その先に 不細工な顔のパグがいた
「やめとけよ もっと可愛い顔のがいるじゃない」
「絶対この子がいいの!」 娘は譲らず

不細工に見えた この顔がくせになり
今日もフガフガと 俺達のアイドル
「ももちゃん ごはんよ ももちゃん」


6.母さん

作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一

母さん あなたは僕を今でも本当に愛してくれていますか
母さん あなたを僕は苦しめ悩ませたくさん泣かせたんだろう
母さん とうとう来週の水曜日だよ
母さん とうとう法律に僕消される

母さん あの日はとても頭が痛くて仕方が無かったんだよ だから
母さん あの日の事は何にも覚えてないんだ ほんとに本当
母さん 親戚のみんなは何て言ってるの
母さん 近所の人にいじめられてないかい

母さん こうして手紙を書くのって初めてだよね
最初で最後の手紙になっちゃったけど
母さん あの日に僕がやった事は僕の意思じゃない
誰かが僕の脳ミソいじくったんだ
母さん あなたは僕を産んだ事 後悔してませんか
後悔してないのなら嬉しいです
母さん あなたの息子に生まれて僕は幸せでした
この僕を産んでくれて本当にありがとう

母さん さよなら お元気で
向こうでいつも見てるから 母さん 母さん 母さん