シングル・コレクション

井上陽水 シングル・コレクション歌詞
1.人生が二度あれば

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

父は今年二月で六十五
顔のシワはふえてゆくばかり
仕事に追われ
このごろやっと ゆとりができた

父の湯呑み茶碗は欠けている
それにお茶を入れて飲んでいる
湯飲みに写る
自分の顔をじっと見ている
人生が二度あれば この人生が二度あれば

母は今年九月で六十四
子供だけの為に年とった
母の細い手
つけもの石を持ち上げている

そんな母を見てると人生が
誰の為にあるのかわからない
子供を育て
家族の為に年老いた母
人生が二度あれば この人生が二度あれば

父と母がこたつでお茶を飲み
若い頃の事を話し合う
想い出してる
夢見るように 夢見るように
人生が二度あれば この人生が二度あれば


2.断絶

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

夜中にデイトした 近くの公園で
たしかめあっていた おまえと俺の愛
突然あらわれた おまえのオヤジが
「私の娘は嫁いり前です
近所でおかしな 噂が立ちます」といった

おまえのオヤジには わかってもらえない
どこかへ逃げようと 相談していたら
またまたあらわれた おまえのオヤジが
「かけおち 家出は 絶対いけない
なぜなら娘はまだまだ子供だ」といった

なんだか 俺達が とっても悪い事
している様に見た つめたい顔で見た
どうして悪いのだ 愛している事が
いつでもそばに居て 愛している事が

どうして悪いのだ 愛している事が
いつでもそばに居て 愛している事が


3.傘がない

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

都会では自殺する若者が増えている
今朝来た新聞の片隅に書いていた
だけども問題は今日の雨 傘がない

行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ

つめたい雨が今日は心に浸みる
君の事以外は考えられなくなる
それはいい事だろう?

テレビでは我が国の将来の問題を
誰かが深刻な顔をしてしゃべってる
だけども問題は今日の雨 傘がない

行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の家に行かなくちゃ 雨にぬれ

つめたい雨が僕の目の中に降る
君の事以外は何も見えなくなる
それはいい事だろう?

行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ

行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の家に行かなくちゃ 雨の中を

行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
雨にぬれて行かなくちゃ 傘がない


4.感謝知らずの女

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

僕はあなたの為に
すべて忘れて働いた
絹のドレスも帽子も
みんなあなたに買ってあげた

だけどあなたは
感謝知らず 感謝知らずの女

ダイヤモンドの指輪
いつか誕生日にあげた
そしてあなたは言った
もっと大きいのが欲しいわ ah…

だからあなたは
感謝知らず 感謝知らずの女

ありがとうと一言
なぜいえないのかなぁー

たとえこの世が終っても
僕はあなたを愛すだろう
しかしあなたはこの愛を
あたりまえだと 思うのだろう

だからあなたは
感謝知らず 感謝知らずの女

ありがとうと一言
なぜいえないのかなぁー

感謝知らずの女 感謝知らずの女
感謝知らずの女 uh…


5.夢の中へ

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

探しものは何ですか?
見つけにくいものですか?
カバンの中も つくえの中も
探したけれど見つからないのに

まだまだ探す気ですか?
それより僕と踊りませんか?
夢の中へ 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか?

休む事も許されず
笑う事は止められて
はいつくばって はいつくばって
いったい何を探しているのか

探すのをやめた時
見つかる事もよくある話で
踊りましょう 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか?

探しものは何ですか?
まだまだ探す気ですか?
夢の中へ 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか?


6.いつのまにか少女は

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

いつのまにか青い空がのぞいてる
思いつめた黒い雲は 逃げてゆく
君はどこで生まれたの育ってきたの
君は静かに 音もたてずに 大人になった
Un un Un un un

白い膚が 光に触れまぶしそう
髪の色は 青い空に浮きたって
燃える夏の太陽は そこまできてる
君は季節が変わるみたいに 大人になった
Un un Un un un

いつのまにか 「愛」を使うことを知り
知らず知らず 「恋」と遊ぶ人になる
だけど春の短さを 誰も知らない
君の笑顔は悲しいくらい 大人になった
Un un Un un un Un un un


7.心もよう

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

さみしさのつれづれに
手紙をしたためています あなたに
黒いインクがきれいでしょう
青いびんせんが悲しいでしょう?!

あなたの笑い顔を不思議なことに
今日は覚えていました
19才になったお祝いに
作った歌も忘れたのに

さみしさだけを手紙につめて
ふるさとにすむあなたに送る
あなたにとって見飽きた文字が
季節の中で埋もれてしまう

遠くで暮らす事が
二人に良くないのはわかっていました
くもりガラスの外は雨
私の気持ちは書けません

さみしさだけを手紙につめて
ふるさとにすむあなたに送る
あなたにとって見飽きた文字が
季節の中で埋もれてしまう

あざやか色の春はかげろう
まぶしい夏の光は強く
秋風の後 雪が追いかけ
季節はめぐり あなたを変える


8.帰れない二人

作詞:井上陽水・忌野清志郎
作曲:井上陽水・忌野清志郎

思ったよりも夜露は冷たく
二人の声もふるえていました
「僕は君を」と言いかけた時
街の灯が消えました
もう星は 帰ろうとしてる
帰れない二人を残して

街は静かに眠りを続けて
口ぐせのような夢を見ている
結んだ手と手のぬくもりだけが
とてもたしかに見えたのに
もう夢は急がされている
帰れない二人を残して

もう星は帰ろうとしてる
帰れない二人を残して


9.闇夜の国から

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

闇夜の国から二人で舟を出すんだ
海図も磁石もコンパスもない旅へと
(舟はどこへゆく)
うしろで舵をとるお前は あくびの顔で
夜の深さと夜明けの近さを
知らせる
歌おうよ 声合わせ
舟こぐ音にも合わせて
闇夜の国から二人
二人で舟を出してゆく

舟出の理由を確かめ合うこともなく
未来と将来の区別もつかないまま
言葉の軽さを
二人で笑い続けて
俺の腕枕お前は眠れそうかい
流れ星 願いごと
消えないうちに早く
闇夜の国から二人
二人で舟を出してゆく
ララララララ…

波まかせ 風まかせ
星くずの空にゆられ
一人の国から今夜
闇夜の国から二人
二人で舟を出してゆく


10.いつもと違った春

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

答が出ずに生きてる事は
ためいきだけの生活
本音を隠し 建前飾り
笑いは逃げの切札

だから今日も裏道小路
いき着く先は 僕の落ち着く先は
いつものドタン場だろう

女は化粧 きらめく衣装
窓辺にうつる微笑
男は右で 女は左
真中にいた「約束」

君が僕を好きになったら
体をこなにしても 心をすりつぶしても
働くのに

今年の春はいつもの春と
なんだか少し違った
スミレが咲いて ヒバリが飛んで
心はやはり踊った

だけど違う 春の長さが
大人になるにつれて
楽しい時は短くなるのだろうか?


11.夕立

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

夕立 そこまで来ている 雷ゴロゴロ ピカピカ
情容赦ないみたいだ
誰もが一目散へとどこかへ走る
カエルはうれしなきをしてる

洗濯物がぬれるから 女はひきつった顔で
わめきまわる ころびまわる
男はどうした事かと 立ちつくすだけ
空の水が全部落ちてる Wah… 夕立だ

ぬかるみに はまったバスには 乗客ひしめきあってる
抜け出せない 立往生
旅人 荷物をかばって体がぬれる
強い雨がみんなを襲う

計画は全部中止だ 楽しみはみんな忘れろ
嘘じゃないぞ 夕立だぞ
家に居て黙っているんだ 夏が終るまで
君の事もずっとおあずけ

Wah… 夕立だ

Wah… 夕立だ


12.ゼンマイじかけのカブト虫

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

カブト虫こわれた
一緒に楽しく遊んでいたのに
幸福に糸つけひきずりまわしていて
こわれた ho...Wow wow wow fu...

白いシャツ汚した
いつでも気をつけて着ていたのに
雨あがり嬉しく飛んだりはねたりして
汚した ho...Wow wow wow fu...

青い鳥逃がした
毎日毎日唄っていたのに
鳥籠をきれいに掃除をしている時
逃した ho...Wow wow wow fu...

君の顔笑った
なんにもおかしい事はないのに
君の目がこわれた
ゼンマイじかけのカブト虫みたい


13.御免

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

なんにもないけど
水でもどうです
せっかく来たのに
なんにもないので 御免

いつぞや手紙と
家族の写真
笑って見たけど
返事を出さなくて 御免

よく来てくれた僕の家に
ありがとう ありがとう ありがとう

あいにく家内は
里へ帰っていて
目玉焼くらい
僕がつくりましょう 御免

重ねてTVも
調子がおかしくて
そうですか あなた
野球が好きですか 御免

あなたも運の悪い人だ
とにかくなんにもないです

なんにもないけど
又 来て下さいね
家内が帰れば
なんとかしますから 御免

よく来てくれた僕の家に
ありがとう ありがとう ありがとう


14.旅から旅

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

旅から旅 夜から夜 闇から闇へと
行く人は誰ですか

黒いマント 山高帽 ステッキ片手の
あの人は誰ですか

あの人は 僕らの味方です 恐がることはない
あの人は やさしいおじさんで 恐がることはない
つめたく見えるけど 恐くはない

春から夏 秋から冬 一年中です
あの人は来るのです

海を渡り 山を越えて 誰かが困っている時に
来るのです

あの人にお手紙出しましょう
(あて名はなんて書くの?)
あの人にお手紙出せません 手紙を書いてみても
あの人に届かない 届きはしない

旅から旅 夜から夜 闇から闇へと
行く人は誰ですか