前川清2010年全曲集

前川清 前川清2010年全曲集歌詞
1.あかり灯して

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

春は名のみの風の頃に
散ってゆくのも知りながら
花は戻らぬ時の中で咲くのがいい

夏は蚊遣りの香りがして
やさしい女(ひと)を想い出す
酔えばいつしかひざ枕の 夢の跡に

もどかしいくらいに もどらぬダイヤル
あの頃ってなぜか 恋もゆっくり 時のまにまに

あの日下宿の大家さんは
家賃を下げてくれた人
人の情けがまかり通る時代がいい

雨の形は見えないもの
雲は流れてしまうもの
時は移ろい 枯れ葉が舞う 無常の空に

秋の心のはぐれ雲よ
一人旅なら分かるだろう
旅に出るのは…寂しさとは友達だから

星降る夜には 涙はいらない
過ぎ去った日々の あかり一つ一つ 胸に灯して

冬の言葉を指でなぞり
息で曇った窓に書く
人が暮らせば温もるよな時代になれ


2.長崎は今日も雨だった

作詞:永田貴子
作曲:彩木雅夫

あなたひとりに かけた恋
愛の言葉を 信じたの
さがし さがし求めて
ひとり ひとりさまよえば
行けど切ない 石だたみ
あゝ 長崎は今日も雨だった

夜の丸山 たずねても
冷たい風が 身に沁みる
愛し 愛しのひとは
どこに どこにいるのか
教えて欲しい 街の灯よ
あゝ 長崎は今日も雨だった

頬にこぼれる なみだの雨に
命も恋も 捨てたのに
こころ こころ乱れて
飲んで 飲んで酔いしれる
酒に恨みは ないものを
あゝ 長崎は今日も雨だった


3.そして神戸

作詞:千家和也
作曲:浜圭介

神戸 泣いて どうなるのか
捨てられた我身が みじめになるだけ
神戸 船の灯うつす
濁り水の中に 靴を投げ落す
そして ひとつが 終わり
そして ひとつが 生まれ
夢の続き 見せてくれる
相手 捜すのよ

神戸 呼んで帰る人か
傷ついた心が みにくくなるだけ
神戸 無理に足を運び
眼についた名もない 花を踏みにじる
そして ひとつが 終わり
そして ひとつが 生まれ
誰か うまい 嘘のつける
相手 捜すのよ

誰か うまい 嘘のつける
相手 捜すのよ


4.東京砂漠

作詞:吉田旺
作曲:内山田洋

空が哭いてる 煤け汚されて
ひとはやさしさを どこに棄ててきたの
だけどわたしは 好きよこの都会(まち)が
肩を寄せあえる あなた…あなたがいる
あなたの傍で あゝ暮らせるならば
つらくはないわ この東京砂漠
あなたがいれば あゝうつむかないで
歩いて行ける この東京砂漠

ビルの谷間の 川は流れない
人の波だけが 黒く流れて行く
あなた…あなたに めぐり逢うまでは
そうよこの都会(まち)を 逃げていきたかった
あなたの愛に あゝつかまりながら
しあわせなのよ この東京砂漠
あなたがいれば あゝあなたがいれば
陽はまた昇る この東京砂漠

あなたがいれば あゝあなたがいれば
陽はまた昇る この東京砂漠

あなたがいれば あゝあなたがいれば
陽はまた昇る この東京砂漠


5.ひまわり

作詞:福山雅治
作曲:福山雅治

夢を見ていました あなたと暮らした夏
それは かけがえのない 永遠の季節のこと

まっすぐに 伸びてゆく
ひまわりのような人でした

黄昏に 頬染めて ひざ枕
薫る風 風鈴は 子守歌

いつだって いつだって
あなたがそばにいてくれるだけで
それでよかった

ふたり 乗り遅れた あのバスは走ってますか
ふたり ずっと歩いた あの海はそのままですか

儚(はかな)げに戯れる
蛍火のような日々でした

夕涼み 肩寄せて 宵祭り
洗い髪 濡れたまま 氷菓子

嬉しくて 嬉しくて
なんどもあなたの名前呼んだ
それが嬉しくて…

黄昏に 頬染めて ひざ枕
夕涼み 肩寄せて 宵祭り

いつだって いつだって
あなたがそばにいてくれるだけで
本当によかった

夢を見ていました あなたと暮らした夏
ふたりのあの夏のように ひまわりが 今 咲きました


6.花の時・愛の時

作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし

君が部屋を出たあと
ぼくはじっと動かない
あたりにただよう
君の残り香を
胸に吸い込み
酔いしれる
君の弾いたギターの
細い弦は切れたまま
読みかけの本は
投げだされたまま
そんなすべてが
いとしい
時には花のやさしさで
つつんでみたいと思う
時には愛のはげしさで
泣かせてみたいと思う
また逢えるのに
今すぐに逢いたくて
切なくなる
海の底で二人
貝になりたい

君がもたれかかった
あとののこるクッションに
額をうずめて
移り香をさがし
夢のつづきを
追いかける
胸にさわぐ想いを
口で言えぬもどかしさ
恋はため息か
恋はときめきか
恋は愚かな悩みか
時には花のやさしさで
つつんでほしいと思う
時には愛のはげしさで
泣かせてほしいと思う
この世のすべて
限りある命なら
君と行こう
青い空で二人
雲になりたい

この世のすべて
限りある命なら
君と行こう
青い空で二人
雲になりたい


7.中の島ブルース

作詞:斉藤保
作曲:吉田佐

赤いネオンに 身をまかせ
燃えて花咲く アカシアの
あまい香りに 誘われて
あなたと二人 散った街
あゝ ここは札幌 中の島ブルースよ

水の都にすてた 恋
泣いて別れた 淀屋橋
ほろり落した 幸せを
あなたと二人 拾う街
あゝ ここは大阪 中の島ブルースよ

会えば別れが つらいのと
泣いてすがった 思い出の
小雨そぼ降る 石畳
あなたと二人 濡れた街
あゝ ここは長崎 中の島ブルースよ


8.愛がほしい

作詞:伊藤薫
作曲:伊藤薫

ああ 雨の夜は 誰か酔わせてください
ああ 水割りの グラスがくもる

指輪のあとの白さの 理由は言えない
思い出と言うにはまだ 辛すぎるから

愛がほしい 心に
今がほしい ぬくもり
一人じゃ哀しい 季節の変わりめは……

ああ 酔うほどに あなたが昔の人に
ああ 見えて来る お酒のせいね

窓灯のひとつひとつに 愛があるのね
雨よ降り続いてよ 涙かくして

あなたはもう 行くのね
時間が来れば 行くのね
女に淋しい 季節の変わりめは……

愛がほしい 心に
今がほしい ぬくもり
一人じゃ哀しい 季節の変わりめは……


9.大阪

作詞:前川清・岩井薫
作曲:都志見隆

にぎわう街並 時間は止まり
過去(きのう)と同じ情景(けしき)で
あなたの優しさが 見えなくなっても
街は優しく 迎える

夢も 涙も せつなくて
声も 香りも せつなくて
過ぎ去りし日 抱きしめて あなたと

大阪 この街に めぐり逢えた奇跡を
今もこのままで あたためて

途切れる会話に 淋しさ募る
見えない 携帯の先
あなたの優しさが 悲しく感じても
街はにぎわい きらめく

雨も 浴衣も はかなくて
川も 花火も はかなくて
想い出の日 抱きしめて あなたと

大阪 この街に たどり着いた軌跡を
今も変わらずに あたためて

夢も 涙も せつなくて
声も 香りも せつなくて
過ぎ去りし日 抱きしめて あなたと

大阪 この街に めぐり逢えた奇跡を
今もこのままで あたためて


10.雪列車

作詞:糸井重里
作曲:坂本龍一

匂うように 笑うように 雪が降る
白い景色 逃げるように 汽車は走る
サヨナラが夢ならば ひき返すけど
あの頃が夢ならば このまま行く
あたたかいものを 何かください
こころも からだも 寒すぎるので…どうぞ

少しばかり 離れた席 恋人たち
無邪気色の ひざかけを かけて眠る
なにげなく 髪を切れた 幸せな日は
同じように 雪の日で あなたといた
あたたかいひとに もたれていたい
ひとりで いたけど 冷えてきたので…どうか

サヨナラが夢ならば ひき返すけど
あの頃が夢ならば このまま行く
あたたかいものを 何かください
こころも からだも 寒すぎるので…どうぞ


11.夜間飛行

作詞:五木寛之
作曲:都志見隆

街のあかり遠く この胸にまたたく
こわれた 夢 地上に
星空のエア・ライン

哀しみ ひとつ 切なさ ふたつ
ひろい集めて 飾ろうか
思い出 ひとつ ため息 ふたつ
数えきれない

あの人も この人も みんな みんな 優しかった

きみの笑顔信じ ひと筋につくした
きのうの 恋 わすれて
北へ飛ぶエア・ライン

哀しみ ひとつ 切なさ ふたつ
キャリー・バックに 隠そうか
思い出 ひとつ ため息 ふたつ
涙見せない

あの愛も この愛も みんな みんな きれいだった

哀しみ ひとつ 切なさ ふたつ
ひろい集めて 飾ろうか
思い出 ひとつ ため息 ふたつ
数えきれない

あの人も この人も みんな みんな 優しかった


12.この愛に生きて

作詞:阿久悠
作曲:彩木雅夫

あのひとを愛しては いけないと云われ
旅に出て忘れようと 悩んでもみたが
思いきれぬ恋よ
雨の街で人目しのんで
愛を告げたあとのしあわせ
許されぬ愛だから なおさらつのり
許されぬ愛だから ひとときに賭ける
こみあげる涙

つかのまのしあわせが はかなくも過ぎて
しのび寄る夜明けにも 悲しみがあふれ
はなれられぬ恋よ
肩を抱いて心かよわせ
つらい胸の中を忘れる
別れても別れても この愛に生きて
別れても別れても あきらめはしない
かさね合う心

帰るひとを送る苦しさ
だれに云えばいいと云うのか
うしろ指さされても しのび逢う恋を
うしろ指さされても あのひとのために
この身まで捨てる


13.抱きしめて

作詞:大津あきら
作曲:浜圭介

別れの前にもいちど
あなたの笑顔 見させて
それで戯(はしゃ)いだ季節を
忘れてしまいたいから

今日が一番つらくて
あなたが優し過ぎて
離れられない 手を振れない
切ない後ろ姿にきっと…

抱きしめて 抱きしめて
哀しみがこわれるほど
さよならまで さよならまで
想い出にしたくない

あなたの肩にもたれて
夜明けを見てたあの頃
いつも心の何処(どこ)かで
さよならに怯(おび)えていた

今日が一番つらくて
心が震え過ぎて
こぼれる涙 止められない
あなたが背中向けたらきっと…

抱きしめて 抱きしめて
恋人のままで抱いて
さよならへと さよならへと
歩き出す二人でも

抱きしめて 抱きしめて
哀しみがこわれるほど
さよならまで さよならまで
想い出にしたくない
想い出にしたくない


14.青い港

作詞:喜多條忠
作曲:伊勢正三

風が 風が 波立てる
港の船溜まりで
「馬鹿なやつ…」と呟いた 夜の静寂(しじま)
星色のメリーゴーラウンド 廻る幸せ灯かり
投げ捨てた 指輪さえ 光の中へ
青い港 石畳 あの日のまま

かもめ 港 冬花火
誰かが泣いてるのか
長い髪が揺れていた 帰らぬ人
嘘もつけないのなら 星屑になればいい
サヨナラの代わりなら やさしい嘘を
胸の汽笛 風の唄 あの日のまま

待つ人の哀しみに 何ひとつ気付かずに
夢ばかり追いかけた 若き苦さよ
青い港 赤煉瓦(レンガ) あの日のまま


15.櫻と雲と

前川清&藤山直美
作詞:荒木とよひさ
作曲:都志見隆

男は煤(すす)けた青春と 掴めぬ夢に挟(はさ)まれた
切ないだけの生き物と 本当は心で知っている
女は昨日も明日(あす)もなく 誰かにふれている時の
現実(いま)だけあれば倖(しあわ)せと 悲しいくらいに解ってる
男と女 どこか櫻の花に似て
はらはら咲いて
はらはら咲いて
それを愛だと 信じてる

男は心に井戸があり 覗けば何も見えなくて
小石を落とす水音の 谺(こだま)の痛さを知っている
女は時間を止めたまま いつも生命(いのち)を引き換えに
母よりもっと美しい 自分の姿を宿してる
男と女 どこか霞(かす)んだ雲に似て
ふわふわ流れ
ふわふわ流れ
それを愛だと 信じてる

男と女 どこか蛍の夢に似て
ゆらゆら灯(とも)し
ゆらゆら灯(とも)し
それを愛だと 信じてる


16.Love Songが聴こえない

前川清&藤山直美
作詞:荒木とよひさ
作曲:都志見隆

淋しさに声かけて 眠る場所探せば
君の側(そば)それだけが 本当は近道
この胸の想うまま 確かめるだけなら
若さだけまた借りた ただの恋人
love song が聴こえない
心の中まで
love song が届かない
身体(からだ)の中まで
こんなに深く
こんなに深く
愛し合っても 夜明け間近の 男と女
TAXIひとつ 拾えばいいのに
切なさが募るけど 月よりも遠くて
長い夜夢でいい 今すぐに逢いたい
生きてきたその中で 過ぎ去った恋より
人生を変えるほど 何かあるけど
love song が聴こえない
心の中まで
love song が届かない
身体の中まで
こんなに強く
こんなに強く
引き合うけれど 夜明け間近の 男と女
TAXIひとつ 拾えばいいのに

love song が聴こえない
心の中まで
love song が届かない
身体の中まで
こんなに深く
こんなに深く
愛し合っても 夜明け間近の 男と女
TAXIひとつ 拾えばいいのに