暫存

加藤登紀子 暫存歌詞
1.酔いどれ女の流れ唄

作詞:みなみらんぼう
作曲:みなみらんぼう

酔いどれ女が 今夜もひとり
酒場でグラスを 抱いている
まつげを濡らして 惚れた男に
生命を預けて
流れ流れた夜の川 男はもういない
酔いどれ女が ルージュをかめば
さすらい暮しの 流れ舟

まぶたを下るよ 消えた男にゃ 未練はないが
冷たいグラスにふるさとが 切なく揺れるのさ
酔いどれ女の 行き着く先は
ねぐらもないのに 雨に濡れながら 口ずさむ唄は
酔いどれ女の流れ唄 巷の風の唄
酔いどれ女の流れ唄 巷の風の唄


2.さくらんぼの実る頃(日本語ヴァージョン)

作詞:J.B.Clement・日本語詞:加藤登紀子
作曲:A.Renard

さくらんぼ実る頃 鳥たちは浮かれて歌うよ 誰かに恋して
愛する人の腕に抱かれて うれしさにふるえてた
君は赤く頬を染めて いつもよりずっときれいだよ

さくらんぼの耳飾り 燃える耳に飾る頃 どこかで聞こえる
手をつないで歩く二人によく似た さくらんぼの赤い実が
小道のそばで木の陰に しずくのように落ちる音

恋の終りおそれるなら さくらんぼの赤い実を 愛してはいけない
あふれるよろこびがいつかきっと 苦しみに変わるころ
愛をうたった鳥は去り 季節の終りを告げていく

さくらんぼ実る頃 心は今もゆれている あの日と同じように
傷ついたまま消えない思い出 胸の奥でふるえてる
どんなに時が過ぎても あの日の恋を忘れない

さくらんぼ実る頃 ムムム……


3.雑踏 ~La Foule~

作詞:M.Rivgauche・A.Cabral・日本語詞:加藤登紀子
作曲:M.Rivgauche・A.Cabral

覚えていますかあなたは あの夜の出来事
うかれた街の人波に つかれはてて一人
よろめく私を突然に 熱い腕に抱きとめた
あなたのさりげないやさしさが 私のすべてを変えたの

思い出すわあの時 言葉も忘れて 二人みつめ合った
街のざわめきも人波も もう何も見えない
さそいかけるあなたの笑顔 ふるえる私の心
こんな気持ちはじめてなの もうあなたしかいないわ

けれど季節の色は変わり どこかに消えたあなた
愛の言葉も約束も 何も残さずにさよなら
答えのないこの愛を 忘れられない私
今夜街をさまよい あなたをさがして歩く

愛したのはきっと 私だけなの あなたの心が見えない
とりこにしたままで 何も言わず あなたはどこに消えたの
ほかの誰かを愛しているなら つめたくすてればいいのに
やさしい笑顔残して 私を奪ったあの人

……
とりこにしたままで 何も言わず あなたはどこへ消えたの
……
やさしい笑顔のこして 私を奪ったあの人


4.胸の振り子

作詞:サトウハチロー
作曲:服部良一

柳につばめは あなたに私
胸の振り子が なるなる
朝から 今日も
なにも言わずに 二人きりで
空を眺めりゃ なにか燃えて
柳につばめは あなたに私
胸の振り子が なるなる
朝から 今日も

煙草のけむりも もつれる思い
胸の振り子が つぶやく
やさしき その名
君のあかるい 笑顔を浮かべ
暗いこの世の つらさ忘れ
煙草のけむりも もつれる思い
胸の振り子が つぶやく
やさしき その名


5.東崎

作詞:喜納昌吉
作曲:喜納昌吉

与那国ぬ 島に渡てぃ

東崎(あがりさき) 登(ぬぶ)てぃ 見れば
あん美(ちゅ)らさ波ぬ 花になゆさ
情き深さ島ぬ 心あらわす 波ぬ花
いちまでぃん いちまでぃん 眺みぶさ

東崎(あがりさき) 登てぃ 見れば
昔 沖縄(うちなあ) うびじゃすさ
あさましいや 変てぃ ああ生まり島
海ん山ん 変わるなよ 人の心変わらすな
いちまでぃん いちまでぃん 東崎(あがりさき)

東崎(あがりさき) 見れば 知ゆさ
人の道 生まりたる運命(さだめ)
御万人(うまんちー)に知らしぶしゃ ああ くぬ悟い
鳥(とぅい)ん 花ん 蝶(はべる)ん 共(とぅも)に語てぃ いちぶさや
いちまでぃん いちまでぃん 忘(わし)ららん
いちまでぃん いちまでぃん 忘(わし)ららん


6.黒い瞳の

作詞:ロシア民謡・日本語詞:矢沢保
作曲:ロシア民謡

黒い瞳の 若者が
私の心を とりこにした

もろ手を差しのべ若者を
私はやさしく 胸にいだく

愛のささやきを 告げながら
やさしい言葉を 私は待つ

緑の牧場で 踊ろうよ
私の愛する 黒い瞳

私の秘めごと 父さまに
告げ口する人 誰もいない