男のグラス/海峡物語

加門亮 男のグラス/海峡物語歌詞
1.男のグラス

作詞:吉田旺
作曲:徳久広司

グラス揺らせば カラカラ カラと
胸の虚を 胸の虚ろを 氷が嗤う
このままわたしを 盗んでと
縋ったあいつの 一途さが
男ごころを 又ゆする
北のとまり木 あゝ霧笛酒(むてきざけ)

酔えばあいつが 唄った歌を
どこか空似の どこか空似の おんなが唄う
あなたがわたしを 忘れても
忘れてあげない 忘れない
別れ台詞が 背中を刺す
北のとまり木 あゝ旅路酒(たびじざけ)

コート一枚 羽織ってみても
いのち冷え冷え
いのち冷え冷え さいはて港
いまさらあいつの 真情に
気づいてみたって もう二度と
抱いてやれない 彼岸花
北のとまり木 あゝ霧笛酒


2.海峡物語

作詞:吉田旺
作曲:中村泰士

今頃あの娘は 故国へ旅立つフェリーの上と
馴染みの酒場のおやじがポツリと教えてくれる
迷い子みたいな 女の背中がグラスを掠め
ふいに何かがはじけてつきあげる
遥か釜山めざして 渡る夜の海峡
不実な男の仕打ちを 怨んでいるだろう
失くしてはじめて気付いた幸福 愛しい女よ
きっと迎えに 迎えに 行ってやる

黄昏 桟橋 あてさえないまま 飛びのるフェリー
空似の女のやつれた姿に心がうずく
すべてを投げ棄て燃えたつ想いの指のすきまに
越える国境 荒波時化模様
ひとり釜山の港 尋ねあぐねてソウル
噂の糸をたどれば 涙のあとばかり
みじめな眸をして流れているのか 愛しい人よ
いのちかけても みつけて抱いてやる

かもめよ かもめ
恋人に伝えておくれ
この愛を