一文字シリーズ

北島三郎 一文字シリーズ歌詞
1.狼

作詞:久仁京介
作曲:原譲二

牙のない奴ぁ 男じゃないと
燃やすこころは 狼だった
夢に喰いつき 投げ飛ばされて
今日は負け 明日は勝つと
からだで知った 命のおもさ
傷のいたみが 道標(みちしるべ)

ひとの情けに 救われながら
いらぬお世話と 云う奴がいる
馬鹿を笑って 利口が目立つ
こんな世を さ迷い歩く
狼だけに 降るなみだ雨
濡れりゃぬくもる 灯が欲しい

一つ命を 十にも刻み
はぐれ狼 人生荒野
吠えて削れた 夢抱きながら
歳月を ただ噛みしめる
曲がっちゃいても 真っすぐ生きた
おれの足跡 誰が知る


2.谷

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

岩を噛む 川の流れを錦に染めて
山と山とを とり結ぶ
谷は男の 思いやり
立てた他人に 泣かされながら
沈む自分に 沈む自分に にが笑い

一粒の 雨が重なる小川の水も
やがて大河と なることを
谷は知ってる 語らない
遠い雲間の 星空仰ぎ
明日の幸せ 明日の幸せ 祈りたい

守りたい 決めた道なら苦労は覚悟
今日は負けても 慌てるな
獅子の子供は 千仭の
谷に己の 未来をかけて
風の峠を 風の峠を 越えてゆく


3.川

作詞:野村耕三
作曲:池山錠

川の流れと人の世は
澱みもあれば渓流もある
義理の重きを忘れたら
立つ瀬なくして沈むだ…黙って
おとこは川になる

風にこぼれた花びらを
浮かべて川に情がある
生きる辛さに耐えながら
人は優しさ恋しがる…忍んで
おとこは川になる

過去とうらみは流れても
流しちゃならぬ恩がある
他人の情けをかりながら
明日へ漕ぎだす舟もある…揺られて
おとこは川になる


4.歩

作詞:関沢新一
作曲:安藤実親

肩で風きる 王将よりも
俺は持ちたい 歩のこころ
勝った負けたと 騒いじゃいるが
歩のない将棋は 負け将棋
世間歩がなきゃ なりたたぬ

あの娘いい娘だ 離れもせずに
俺を信じて ついてくる
みてろ待ってろ このまますまぬ
歩には歩なりの 意地がある
いつかと金で 大あばれ

前に出るより 能なし野郎
吹けば一番 飛ぶだろう
だけど勝負は 一対一よ
王将だろうと 何だろと
後にゃ引かない 俺のみち


5.誠


6.道

作詞:山田孝雄
作曲:原譲二

この道の 遠い何処かに
俺たちの 過去が落ちている
力の限り 生きては来たが
間違いだって 沢山あったよ
振り返ってみれば 懐しいものだ

この道の 遠い何処かで
俺たちを 明日が呼んでいる
広がる空に 大きな文字で
愛する人の 名前を書きなよ
苦しむ程恋は 美しいものだ

この道を 一人ぼっちで
俺たちは 今日も歩いてる
疲れた時は 休んでいなよ
淋しい時は 話してごらんよ
人生とはみょうに 難しいものだ

ハァー 道は道は遠い


7.拳

作詞:野村耕三
作曲:原譲二

裸一貫 やるぞと決めて
ぐっと握った 拳の中に
意地もあるだろう 夢もまた
辛くても 辛くても
我慢がまんで 生きてみろ
きっと男が 磨かれる

七つ転んで 八つで起きて
苦労重ねた 拳のような
まこと強さを 知るだろう
聞かずとも 聞かずとも
我慢がまんを 語る手に
そこに男の 価値もでる

何があっても こぼすな愚痴を
腹が立つ時ゃ 拳を振って
天を殴れば 気も晴れる
振りむくな 振りむくな
我慢がまんの その先にゃ
生きる男の 明日がある


8.祝


9.宴

作詞:志賀大介
作曲:船村徹

あかね雲 ちぎれ雲
あの山越えて 何を見た
あの川越えて 何を見た

恋 故に 頬染めて
愛 故に 涙する
人の世の いとなみは
ひとときの 夢遊び
宴に始まり 宴に終わる
いとおしき 熱き血潮よ

風 故に さまよいて
星 故に 佇ち止まる
独り立つ さくら木に
咲きし夢 散りし夢
宴に始まり 宴に終わる
さかずきの 淡き花びら

友 故に 今日を生き
君 故に 明日を待つ
過ぎ去りし 思い出と
語り合う 一里塚
宴に始まり 宴に終わる
しあわせは 生きる事なり

あかね雲 ちぎれ雲
あの山越えて 何をみた
あの川越えて 何をみた


10.一

作詞:南沢純三
作曲:原譲二

一という字は 男の心
真一文字で 一直線
天を指さし 大地をふまえ
力強さは 誰にも負けぬ
俺は真っすぐ 一で行く

一という字は ぶっきらぼうだ
惚れたはれたにゃ 縁がない
風に逆らい 一心不乱
口を結んで 四の五の言わず
でんと構えた 一で行く

一という字は 左右をおさえ
上だ下だと 騒がない
敵がありゃこそ やるぞと燃えて
明日へ一筋 男の意地を
ぐいと貫く 一で行く


11.魂

作詞:たかたかし
作曲:原譲二

春には花が咲き 夏には鳥が囀く
秋には月冴えて 冬には雪が降る
あー あー あー 美しき国よ
めぐる季節に
人は心をひらき
神々と酒をくむ
忘れていても 深き闇から
熱くよみがえるものがある
それは 日本の魂

男は仰ぎ見る 気高き富士の山
女はあこがれる 桜の花の色
あー あー あー すばらしき国よ
おれとおまえを
生みし母なる大地
神々の集う里
流れる川の 深き底には
光り輝くものがある
それは 日本の魂
それは 日本の魂


12.舵

作詞:石本美由紀
作曲:原譲二

奥歯かみしめ 男が耐える
苦労吹雪の荒れる海
負けてたまるか 沈んでなるか
広いこの世の 海原を
俺はこの手で 舵をとる

灯り色した 情けがあれば
どんな闇夜も 恐くない
つばさ可愛い お前はかもめ
惚れて運命を 託すなら
俺の大事な 舵になれ

明日の光を 追いかけながら
生きた数だけ でかくなれ
波よ吠えるな 吹雪よ泣くな
夢を積み荷の いのち船
俺はしっかり 舵をとる


13.盃

作詞:星野哲郎
作曲:中村千里

(セリフ)なあおまえたとえ生まれはちがっていても
おれたちは 一心同体だ
おたがいにたすけあってゆこうぜ
ハハハ…

花も実もある 男の未来
すてて誓った この盃を
受けたその日が運命じゃないか
こころ残りはないはずなのに
うしろ髪ひく(しっかりしろ)
ああ 月明り

(セリフ)長い間お世話になりました
お流れをちょうだいいたします

骨になっても 魂だけは
星と 輝け みれんの巷
俺を男と 認めてくれた
意気に感じて散りたい夜は
玉の 盃(のんでくれ)
ああ 歯にしみる

(セリフ)俺ア ばかだなァだけどよう
ばかにはばかの生き方がある

浮くも沈むも時代の浪に
のせて流した 男の生命
それじゃゆくぜとにっこり笑顔
むすび直して立つ白帯の
影にくずれる(わらってくれ)
ああ 百合の花


14.城

作詞:志賀大介
作曲:原譲二

石垣(いしがき)の 石の声
松(しょう)・竹(ちく)・梅(ばい)の 風の声
耳を澄(す)ませば 歴史(れきし)の歌に
出会(であ)えるだろう 逢えるだろう
ああ 城ありて 涙も熱い

甍(いらか)には 天(あま)の川(がわ)
北斗(ほくと)の星も 冴(さ)えわたる
森羅万象(しんらばんしょう) この世のことは
運命(さだめ)が描く 絵巻物(えまきもの)
ああ 城ありて 生命(いのち)も熱い

風雪(ふうせつ)を 友として
山河(さんが)を望む 天守閣(てんしゅかく)
啼くな雷鳥(らいちょう) 此のみどりの野を
あしたへつなぐ 風になれ
ああ 城ありて 希望も熱い


15.石


16.山

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

流れる雲の 移り気よりも
動かぬ山の 雪化粧
ガンコ印の 野良着をまとい
生きる師匠(おやじ)の横顔に
おれは男の山をみた
おれもなりたい 山をみた

けわしい山に 登ってみたい
自分の道を 極めたい
それは男の 見果てぬ夢か
山に登れば その山の
山の向こうに 待っている
山の深さを 知るばかり

目先のことに うろちょろするな
昨日と同じ 今日はない
それが師匠(おやじ)の 口癖だった
たった一度の 人生を
花にするのも がまんなら
山にするのも またがまん