全曲集

北島三郎 全曲集歌詞
1.峠

作詞:木下龍太郎
作曲:原譲二

ここでいいなら 頂上だけど
先を見上げりゃ まだ中半(なかば)
男なりゃこそ 他人(ひと)より重い
夢を背負って 登りたい
峠と言う名の 一生を

命綱より 離せぬものは
惚れたお前の 心杖
こんな男の 明日に賭けて
共に歩いて 呉れるのか
峠と言う名の 一生を

花と散るとき 男は見たい
生きた証の 足跡を
一歩一歩を 大地に刻み
天を目指して 登りたい
峠と言う名の 一生を


2.望郷祭り唄


3.月夜酒

作詞:下地亜記子
作曲:原譲二

酒は辛口 冷酒で
肴は窓辺の おぼろ月
心の傷あと なだめて呑めば
やけに恋しい ぬくもりが
命ゆらゆら
命ゆらゆら 月夜酒

便り開ければ 故郷(ふるさと)の
海鳴り聞こえる 身に沁みる
男も泣くのさ かくれて泣くさ
涙薄めて ひとり酔う
命ゆらゆら
命ゆらゆら 月夜酒

月にのぞかれ 苦笑い
不器用な生き方 まわり道
いいんだ人生 まだこれからさ
風に吹かれて 歩こうか
命ゆらゆら
命ゆらゆら 月夜酒


4.男の涙

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

おまえを一人で 死なせるものか
死ぬときゃおれも 一緒だよ
苦労ばっかり かけてきた
ばかな男の 目になみだ

あまえておくれよ むしゃぶりついて
今夜はやけに 寒いなあ
医者がみすてた からだでも
きっと癒すぜ このおれが

云うてくれるな すまないなどと
妻という名は だてじゃない
来年春にゃ ふたりして
観音さまへ 詣ろうなァー


5.終着駅は始発駅

作詞:佐東ひどる・星野哲郎
作曲:中村千里

背なかを合わせて あばよと言えば
おまえの震えが 伝わるぜ
死ぬほど惚れて 死ぬほど泣いた
涙は頬を ぬらしても
終着駅は 始発駅

ふたりのしあわせ 祈っているよ
ふり向かないで 行ってくれ
ひとつの愛は 終ったけれど
明日がおまえを 待っている
終着駅は 始発駅

函館止まりの 連絡船は
青森行きの 船になる
希望を捨てるな 生きてるかぎり
どこからだって 出直せる
終着駅は 始発駅


6.人生道

作詞:仁井谷俊也
作曲:原譲二

気高き山に 父を見て
やさしき海に 母を知る
人の世に 挫折いて
傷つく時は…
故郷の 空仰ぎ
夢 遥かなる 人生を行く

寄り添い生きる 妻がいて
笑顔が嬉し 子宝よ
喜びも 悲しみも
分けあう身なら…
扶けあい 支えあい
夢 ひと筋の 道程を行く

我が師と仰ぐ 人ありて
情がかよう 友がいる
人の縁 人の恩
魂に刻み…
大志 忘れずに
夢 限りなき 明日を行く


7.天命

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

芸の奥には 亦、芸がある
俺はとことん 極めたい
一日一生 誠心誠意
積んで重ねた 一里塚
天の裁きは 何と出る

親に心配 かけないことが
孝の一番 上にある
丈夫で元気に 働けたなら
出世なんぞは しなくても
親は安心 してくれる

五十路すぎても さとりを知らず
すべて不徳の 致すとこ
いのちの余りは 義理人情に
せめて温り 消さないで
生きて天命 待てばいい


8.なみだ船

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

涙の終わりの ひと滴
ゴムのかっぱに しみとおる
どうせおいらは ヤン衆かもめ
泣くな怨むな 北海の
海に芽をふく 恋の花

クルクル 帆綱を 巻きあげて
暁の千島を 忍び立ち
あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ
舵であやつる 舟のよに
女心は ままならぬ

惚れたら 遠慮は できまいが
いやというなら ぜひもない
夢をみるなよ ヤン衆かもめ
にしん枕に 北海の
月に哀しや 泪船


9.まつり

作詞:なかにし礼
作曲:原譲二

男は祭りをそうさ かついで生きてきた
山の神 海の神 今年も本当にありがとう
白い褌 ひきしめた
裸若衆に雪が舞う
祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り
土の匂いのしみこんだ
伜その手が宝物

男は祭りでそうさ 男をみがくんだ
山の神 海の神 いのちを本当にありがとう
船に五色の旗をたて
海の男が風を切る
祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁祭り
見ろよ真っ赤な陽が昇る
伜一番船をこげ

燃えろよ 涙と汗こそ 男のロマン
俺もどんとまた 生きてやる
これが日本の祭りだよ


10.函館の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

はるばるきたぜ 函館へ
さかまく波を のりこえて
あとは追うなと 言いながら
うしろ姿で 泣いてた君を
おもいだすたび 逢いたくて
とても我慢が できなかったよ

函館山の いただきで
七つの星も 呼んでいる
そんな気がして きてみたが
灯りさざめく 松風町(まつかぜちょう)は
君の噂も きえはてて
沖の潮風 こころにしみる

迎えにきたぜ 函館へ
見はてぬ夢と 知りながら
忘れられずに とんできた
ここは北国 しぶきもこおる
どこにいるのか この町の
ひと目だけでも 逢いたかったよ


11.夢

作詞:沢村友美也・原譲二
作曲:原譲二

汗が涙に 変わるたび
奥歯かみしめ 生きてきた
人にすがれば 踏みつけられて
落ちてもがけば 泥ん中
せめて会いたい せめて会いたい
夢ひとつ

苦労重ねて 耐えきれず
捨てた自分に 腹が立つ
どうせ一度の 人生だから
悔いを残すな 男なら
春を信じて 春を信じて
待つがいい

先の見えない 坂道を
上りつめれば なつかしい
今の俺には 悲しい時も
命あずけた 奴がいて
きっと笑える きっと笑える
明日が来る


12.門出酒

作詞:志賀大介
作曲:原譲二

意地と度胸と 愛嬌があれば
超えて行きます 浮世坂
夢の花道 華舞台
目指す旅路の はなむけに
先ずは一献 門出酒

悔し涙は 奥歯で噛んで
待てば夜明けだ 陽が昇る
石の上にも 三年と
肩を叩いて くれた人
情け身に染む 門出酒

先か後かを 気にするよりも
節目節目で 咲けばいい
命捨て身の 覚悟なら
道は開ける 虹が立つ
これが男の 門出酒


13.風雪ながれ旅

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

破れ単衣に 三味線だけば
よされよされと 雪が降る
泣きの十六 短かい指に
息を吹きかけ 越えてきた
アイヤー アイヤー
津軽 八戸 大湊

三味 が折れたら 両手を叩け
バチが無ければ 櫛でひけ
音の出るもの 何でも好きで
かもめ啼く声 ききながら
アイヤー アイヤー
小樽 函館 苫小牧

鍋のコゲ飯 袂で隠し
抜けてきたのが 親の目を
通い妻だと 笑った女の
髪の匂いも なつかしい
アイヤー アイヤー
留萌 滝川 稚内


14.年輪

作詞:関根縋一・石本美由起
作曲:原譲二

雪の重さを はねのけながら
背のびしたかろ枝も葉も
山に若葉の春がくりゃ
よくぞ耐えたと笑う風
苦労 年輪 樹は育つ

みどり絶やさぬお山の掟
守りつづけて子や孫に
強く伸びろと親ごころ
枝を切る木に血が通う
苦労 年輪 樹は育つ

いつか世に出て大黒柱
夢のようだか夢じゃない
願い重ねた歳月に
熱い想いが生きている
苦労 年輪 樹は育つ


15.川

作詞:野村耕三
作曲:池山錠

川の流れと人の世は
澱みもあれば渓流もある
義理の重きを忘れたら
立つ瀬なくして沈むだ…黙って
おとこは川になる

風にこぼれた花びらを
浮かべて川に情がある
生きる辛さに耐えながら
人は優しさ恋しがる…忍んで
おとこは川になる

過去とうらみは流れても
流しちゃならぬ恩がある
他人の情けをかりながら
明日へ漕ぎだす舟もある…揺られて
おとこは川になる


16.魂-こころ-

作詞:たかたかし
作曲:原譲二

春には花が咲き 夏には鳥が囀く
秋には目冴えて 冬には雪が降る
あーあーあー 美しき国よ
めぐる季節に
人は心をひらき
神々と酒をくむ
忘れていても 深き闇から
熱くよみがえるものがある
それは 日本の魂

男は仰ぎ見る 気高き富士の山
女はあこがれる 桜の花の色
あーあーあー すばらしき国よ
おれとおまえを
生みし母なる大地
神々の集う里
流れる川の 深き底には
光り輝くものがある
それは 日本の魂
それは 日本の魂