北島三郎ベスト32

北島三郎 北島三郎ベスト32歌詞
1.港雪

作詞:原譲二・中谷純平
作曲:原譲二

流れ星 北へ流れて
またひとり おんなが泣いている
港酒場の グラスの酒は…
みぞれまじりか おまえの涙
おもいだすのさ 日本海
あゝ 肩に雪が舞う

願い星 ひとつまたひとつ
逢いたいと 夜空にゆれながら
港酒場に 残したみれん…
かくしきれない おとこの背中(せな)に
呼んでくれるな 港町
あゝ 海に雪が飛ぶ

この命 渡る海峡
つらすぎる まつ毛に波しぶき
港酒場に 情けの糸が…
生きてゆくのさ 運命(さだめ)のままに
夢に転んで また起きる
あゝ きょうも港雪
あゝ きょうも港雪


2.さだめ道

作詞:いではく
作曲:原譲二

同じ幹から 分れた枝も
表と裏では 実もちがう
たとえ日陰で 育っても
お天道さまを 恨まずに
生きてゆくのさ さだめ道

人と言う字は ふたりの出会い
寄りそい支えて 生きている
浮くも沈むも 世のならい
涙が落ちた 道ばたに
いつか咲くのさ 夫婦花(めおとばな)

いのち天から さずかり受けて
男はみがいて 返すもの
熱い情けは 腹ん中
つらさに耐えて ゆく朝は
夢の陽がさす さだめ道


3.山

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

流れる雲の 移り気よりも
動かぬ山の 雪化粧
ガンコ印の 野良着をまとい
生きる師匠(おやじ)の横顔に
おれは男の山をみた
おれもなりたい 山をみた

けわしい山に 登ってみたい
自分の道を 極めたい
それは男の 見果てぬ夢か
山に登れば その山の
山の向こうに 待っている
山の深さを 知るばかり

目先のことに うろちょろするな
昨日と同じ 今日はない
それが師匠(おやじ)の 口癖だった
たった一度の 人生を
花にするのも がまんなら
山にするのも またがまん


4.越後情話

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

角巻の 雪を払いながら
熱燗にしてと 女は声をかける
おちょぼ唇してさ 少しやけっぱち
へいへいと 愛想よく
七輪の 火を煽ぐ
おやじの息も白い ああ 越後六日町

男って みんな嫌いなのさ
独白言って 涙をかくすたび
せまい屋台がさ やけに華やぐね
なじめない お座敷を
逃げだして きたのかい
乱れた裾にのぞく ああ 仇な緋ぢりめん

こんな妓を 泣かすやつの気持
わからないねぇと 男が差す酒を
どうもありがとう なんて言っちゃって
受けとめる 色っぽい
まなざしが 可愛いくて
心の雪もとける ああ 越後六日町


5.函館の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

はるばるきたぜ 函館へ
さかまく波を のりこえて
あとは追うなと 言いながら
うしろ姿で 泣いてた君を
おもいだすたび 逢いたくて
とても我慢が できなかったよ

函館山の いただきで
七つの星も 呼んでいる
そんな気がして きてみたが
灯りさざめく 松風町(まつかぜちょう)は
君の噂も きえはてて
沖の潮風 こころにしみる

迎えにきたぜ 函館へ
見はてぬ夢と 知りながら
忘れられずに とんできた
ここは北国 しぶきもこおる
どこにいるのか この町の
ひと目だけでも 逢いたかったよ


6.男の情炎


7.なみだ船

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

涙の終わりの ひと滴
ゴムのかっぱに しみとおる
どうせおいらは ヤン衆かもめ
泣くな怨むな 北海の
海に芽をふく 恋の花

クルクル 帆綱を 巻きあげて
暁の千島を 忍び立ち
あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ
舵であやつる 舟のよに
女心は ままならぬ

惚れたら 遠慮は できまいが
いやというなら ぜひもない
夢をみるなよ ヤン衆かもめ
にしん枕に 北海の
月に哀しや 泪船


8.帰ろかな


9.兄弟仁義

作詞:星野哲郎
作曲:北原じゅん

親の血をひく 兄弟よりも
かたいちぎりの 義兄弟
こんな小さな 盃だけど
男いのちを かけてのむ

義理だ恩だと 並べてみたら
恋の出てくる すきがない
あとはたのむと かけ出す露路に
ふるはあの娘の なみだ雨

俺の目をみろ 何んにもゆうな
男同志の 腹のうち
ひとりぐらいは こういう馬鹿が
居なきゃ世間の 目はさめぬ


10.神奈川水滸伝

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

光り輝く 表の顔を
裏で支える バカが居る
だからいいのさ この世の中は
とめてくれるな 丹沢時雨
これがしたくて 生きてきた

他人を蹴落とし お山に登りゃ
次は自分が 落ちる番
悔いを残さず 燃えようじゃないか
幼なじみの 六郷橋が
骨は拾って やるという

無事でいてくれ おまえのからだ
心半分 俺のもの
そんなせりふで 別れを惜しむ
男相傘 ほろりと濡らす
雨も神奈川 水滸伝


11.さぶ

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

(セリフ)本当の職人仕事は 血を絞り
骨を削って得るものだ
がんばろうぜ なあさぶ
4ぐずとわらわれ あほうと呼ばれ
耐えた修行の 日陰道
だれもわかっちゃ くれないけれど
曲げてくれるな さぶよさぶ
人も通わぬ 山奥に
咲いた紅葉の こころ意気

(セリフ)ぐずでいいじゃないか 言わせておけよ
じっくり生きる辛抱と正直が
おまえの宝だなあ さぶよ

腕がものゆう 職人稼業
やぼな身なりを 気にするな
それでいいんだ人間らしく
生きておくれよさぶよさぶ
亀が兎に走り勝つ
おとぎ話を信じよう

(セリフ)人間のいるところ 悪と善がある
時間はかかっても 必ず善が勝つ
そう信じないことには生きちゃ行けねえよ
なぁ さぶよ

たまにゃおまえも自分のことを
めんどうみろよとさとしたら
背中まるめて頭をかいて
どこへ行くのか さぶよさぶ
俺が女であったなら
きっとおまえに惚れるだろ


12.川

作詞:野村耕三
作曲:池山錠

川の流れと人の世は
澱みもあれば渓流もある
義理の重きを忘れたら
立つ瀬なくして沈むだ…黙って
おとこは川になる

風にこぼれた花びらを
浮かべて川に情がある
生きる辛さに耐えながら
人は優しさ恋しがる…忍んで
おとこは川になる

過去とうらみは流れても
流しちゃならぬ恩がある
他人の情けをかりながら
明日へ漕ぎだす舟もある…揺られて
おとこは川になる


13.風雪ながれ旅

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

破れ単衣に 三味線だけば
よされよされと 雪が降る
泣きの十六 短かい指に
息を吹きかけ 越えてきた
アイヤー アイヤー
津軽 八戸 大湊

三味 が折れたら 両手を叩け
バチが無ければ 櫛でひけ
音の出るもの 何でも好きで
かもめ啼く声 ききながら
アイヤー アイヤー
小樽 函館 苫小牧

鍋のコゲ飯 袂で隠し
抜けてきたのが 親の目を
通い妻だと 笑った女の
髪の匂いも なつかしい
アイヤー アイヤー
留萌 滝川 稚内


14.波瀾万丈

作詞:倉内康平
作曲:原譲二

人に無情の なげき節
背中あわせの 裏表
歩き続けた 人生を
これでいいかと ふりかえり
波瀾万丈 ああ 振りだしで

誰もひとつの 道がある
続くこの坂 はてしなく
苦労くの字に こえて行く
影に女房の 涙あり
波瀾万丈 ああ 二人連れ

花の命が 終わるとき
人は散っても 名を残す
今日がどんなに 辛くても
生きる望みを 明日にかけ
波瀾万丈 ああ 夢暦


15.十九のまつり -まつりパートII-

作詞:なかにし礼
作曲:原譲二

祭りの夜に あの娘が泣いたよ
別れが辛いと すがって泣いた
踊ればまぶしい 絣のゆかた
か細い指先に 月影白い
あの娘の涙がなつかしい
あれは十九の 秋祭

一年あとの 祭りの季節に
あの娘は黙って お嫁に行った
真っ赤な夕陽の 小川の道を
泣き泣き馬の背に 揺られて行った
あの娘と別れた悲しみが
俺の勇気の 湧きどころ

祭りが恋し ふるさと愛しい
夜風が散らした 初恋悲し
瞼を閉じれば あの娘がうかぶ
やさしい面影は 今でも十九
幸せ祈るさどこまでも
俺の人生 秋祭り


16.年輪

作詞:関根縋一・石本美由起
作曲:原譲二

雪の重さを はねのけながら
背のびしたかろ枝も葉も
山に若葉の春がくりゃ
よくぞ耐えたと笑う風
苦労 年輪 樹は育つ

みどり絶やさぬお山の掟
守りつづけて子や孫に
強く伸びろと親ごころ
枝を切る木に血が通う
苦労 年輪 樹は育つ

いつか世に出て大黒柱
夢のようだか夢じゃない
願い重ねた歳月に
熱い想いが生きている
苦労 年輪 樹は育つ


17.石狩川よ

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

酒の代りに 川を呑み
飯の代りに 草をたべ
荒地をみどりの 大地に変えた
斧のひびきが 雄叫びが
いまもきこえる 石狩川よ

汗が答えを 出すとゆう
夢を信じて 耐え抜いた
馬鈴薯畑(ばれいしょばたけ)に 花咲く頃は
ここが故郷と 胸を張る
孫はどさん子 石狩平野

何も訊かずに ついてきた
母も女房も 強かった
男を支えて 女が燃えた
遠いあの日の 夫婦雲
映し流れる 石狩川よ


18.修羅の川


19.男の人生

作詞:いではく
作曲:原譲二

花の咲く道 茨(いばら)の道も
人はそれぞれ 運命(さだめ)を歩く
義理を背負って 真実(まこと)を抱いて
奥歯かみしめ 生きてきた
ふり向けば 五十年
男の人生さ

暗く寂(さみ)しい 世の中だって
じっと見つめりゃ 灯りが見える
苦労なやみは 月日の川に
流し渡った 星の数
おまえには ありがとう
男の人生さ

夢の一文字 近そで遠い
知っていながら 見た夢いくつ
泣きと笑いの 生きざま織れば
腹を括って しめる帯
真っすぐに 一筋の
男の人生さ


20.北の大地

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

はるかなる 北の空
木霊も叫ぶ エゾ松林
母の大地に根を下ろし
雪を吸い みぞれを背負い
この人生を アア… ハ…噛みしめる

鈴蘭よ ハマナスよ
出逢いの時を 信じて耐えた
愛がそのまゝ 花となる
その姿 その凛々しさが
縛られた春の アア…ハ… 扉を開ける

ギラギラと 燃えながら
夕陽はうたう 大地の歌を
汗と涙を 分けあった
幾歳の 希望の道に
おまえとおれの アア…ハ… 星が降る


21.竹

作詞:野村耕三
作曲:原譲二

雪の降る日も 雨の日も
竹は節目で 伸びてゆく
人もまた 己れが道の一里塚
確かめながら 行けばいい
そこに出逢いも 彩りも
ああ…粛々と 行けばいい

月の世界に 憧れて
竹に託した 夢もある
人はみな 見果てぬ夢の夢灯り
しっかと抱いて 生きりゃいい
熱い想いを 温もりを
ああ…粛々 と行けばいい

花の咲くのは ただ一度
竹は寿命(いのち)が 尽きるとき
人もまた 上辺の花を飾るより
誠実(まこと)の花を 持てばいい
こころ豊かに しなやかに
ああ…粛々 と行けばいい


22.女がひとり


23.花は黙って咲いている


24.北の漁場

作詞:新條カオル
作曲:桜田誠一

いのち温めて 酔いながら
酒をまわし飲む
明日の稼ぎを 夢に見て
腹に晒し巻く
海の男にゃヨ 凍る波しぶき
北の漁場はヨ 男の仕事場サ

沖は魔物だ 吠えながら
牙をむいてくる
風にさらした 右腕の
傷は守り札
海の男にゃヨ 雪が巻いて飛ぶ
北の漁場はヨ 男の遊び場サ

銭のおもさを 数えても
帰るあてはない
二百浬を ぎりぎりに
網をかけてゆく
海の男にゃヨ 怒 が華になる
北の漁場はヨ 男の死に場所サ


25.父は待つ

作詞:遠藤実
作曲:遠藤実

(セリフ)おまえが小学校にあがる頃
ちいさな仏壇の中の写真をみて
かあちゃん かあちゃん
帰ってきて…と呼ぶ声に俺も泣けた

そして おもいきり 抱きしめたっけ
悪いやつだと 云われる度に
親は命が ちぢまる思い
男手ひとつで 育てたせいか
淋しさからんで 淋しさからんで
落ちた穴

(セリフ)やっと入った 高校も中退
やけになる寂しい気持は

わかっていたさ お前の親だから
冬の寒さも 必ず春は
花が咲くんだ 元気を出せよ
雨の日迎えの 傘欲しがった
あの日を浮かべて あの日を浮かべて
詫びる夜

(セリフ)畑仕事も だんだん つらくなってきたよ
でもな おまえに会えるのを楽しみに まだ頑張るよ

今度は心を開き もっともっと語り合おう
昔うたった 夕焼け小焼け
独りしのべば 瞼がにじむ
谷間の暮しも 青空見える
おまえの帰りを おまえの帰りを
父は待つ


26.風のロマン

作詞:中谷純平
作曲:原譲二

寿の… 都に咲いた
花はハマナス 紅く燃え
郷土の 海に生まれて
伝説の海を 愛する
ここは北国 風岬
夢とロマンの 生きる町

よせる波…こころの岸で
いまも奏でる 子守唄
海鳥が 空にはばたき
漁火が沖で またたく
ここは母なる 風港
夢とロマンの 遊ぶ町

悠久の… 大地は恵み
流れかわらぬ 朱太川
見上げれば 遠き夜空に
満天の星が 輝く
ここは遙かな 日本海
夢とロマンの 生きる町


27.灯台あかり

作詞:奥田龍司・原譲二
作曲:原譲二

故郷(ふるさと)へ 帰りたい
海の向こうの ふるさとへ
北の海峡 のり越えて
飛んでゆきたい カモメになって
いつかいつかを 夢みて暮らす
波また波間の 灯台あかり

流れ雲 伝えたい
無事でいる身を 今日もまた
渡る海峡 海鳴りに
苦労積み荷の 人生航路
何も語らず 明日のために
照らせ標(しるべ)の 灯台あかり

おふくろに 逢いたいなあ
今朝も夢見て 目をさます
津軽海峡 船がゆく
呼べば届くさ 心の声も
命一輪 咲かせてみせる
熱い想いの 灯台あかり


28.その名はこゆき


29.男の母港

作詞:やしろよう
作曲:原譲二

男の腹には 海がある
ぽつんと灯りが ひとつある
生きることにも 疲れたときは
流れ舟 こわれ舟 迷い舟
涙を捨てに 来いと言う

雪より冷たい 雨が降る
酔うほど切ない 酒になる
北の夜空に 面影追えば
流れ舟 こわれ舟 迷い舟
汽笛が遠く 哭(な)くばかり

夕陽は燃えて 色あせず
想いは胸に まだ熱い
波に抱かれて 漂いながら
流れ舟 こわれ舟 迷い舟
見果てぬ夢を 語りたい


30.夫婦一生

作詞:仁井谷俊也
作曲:原譲二

初めて出逢って 結ばれて
気がつきゃ苦労の 九十九(つづら)坂
時には妻に 時には母に
おまえいりゃこそ 今日がある
夫婦(ふうふ)一生
よろしく頼むよ これからも

着たきり雀の あの頃は
裏町こぼれ灯(び) 夢見酒
明日(あした)が見えぬ 暮らしの中で
陰でささえて くれた奴
夫婦一生
こころで言うのさ ありがとう

この次この世に 生まれても
やっぱりおまえが 恋女房
しんどい時は いたわりあって
俺が今度は 尽くすから
夫婦一生
ふたりは道づれ どこまでも


31.まつり

作詞:なかにし礼
作曲:原譲二

男は祭りをそうさ かついで生きてきた
山の神 海の神 今年も本当にありがとう
白い褌 ひきしめた
裸若衆に雪が舞う
祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り
土の匂いのしみこんだ
伜その手が宝物

男は祭りでそうさ 男をみがくんだ
山の神 海の神 いのちを本当にありがとう
船に五色の旗をたて
海の男が風を切る
祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁祭り
見ろよ真っ赤な陽が昇る
伜一番船をこげ

燃えろよ 涙と汗こそ 男のロマン
俺もどんとまた 生きてやる
これが日本の祭りだよ


32.おとこの潮路

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

北斗の向こうに きみがいる
生きる証を 熱い何かを
海に求めた 旅立ちを
わかってくれて ありがとう
きみのためにも ゆかねばならぬ
波瀾万丈 おとこの潮路

嵐の向こうに きみがいる
海を愛して 海に分け入る
海の苦労の 七重(ななえ)八重(やえ)
信じてくれて ありがとう
きみのためにも 耐えねばならぬ
波瀾万丈 おとこの潮路

夕陽の中にも きみがいる
人の願いを 天の恵みを
海につなげる 修羅の身を
わかってくれて ありがとう
きみのためにも 成さねばならぬ
波瀾万丈 おとこの潮路