故郷の詩

北島三郎 故郷の詩歌詞
1.谷

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

岩を噛む 川の流れを錦に染めて
山と山とを とり結ぶ
谷は男の 思いやり
立てた他人に 泣かされながら
沈む自分に 沈む自分に にが笑い

一粒の 雨が重なる小川の水も
やがて大河と なることを
谷は知ってる 語らない
遠い雲間の 星空仰ぎ
明日の幸せ 明日の幸せ 祈りたい

守りたい 決めた道なら苦労は覚悟
今日は負けても 慌てるな
獅子の子供は 千仭の
谷に己の 未来をかけて
風の峠を 風の峠を 越えてゆく


2.やん衆挽歌

作詞:新條カオル
作曲:原譲二

海の碧さに 惚れ込みながら
さびれ番屋で 風を待つ
吼える山背の うねりも消えて
沖は朝焼け ゴメが舞う
酒も男の 清め酒
北の船唄 やん衆挽歌

口紅も引かずに 働く女房
もんぺ姿で 網を刺す
腕の古傷を こらえて耐えて
せめていい夢 見せたいものと
右へ左へ 舵をとる
北の船唄 やん衆挽歌

潮で揉まれた しわがれ顔が
海の男に よく似合う
みぞれ混じりか 雲足はやい
地獄廻りの 船が出る
ぐいと飲み干す 命酒
北の船唄 やん衆挽歌


3.故郷は北の町


4.北の大地

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

はるかなる 北の空
木霊も叫ぶ エゾ松林
母の大地に根を下ろし
雪を吸い みぞれを背負い
この人生を アア… ハ…噛みしめる

鈴蘭よ ハマナスよ
出逢いの時を 信じて耐えた
愛がそのまゝ 花となる
その姿 その凛々しさが
縛られた春の アア…ハ… 扉を開ける

ギラギラと 燃えながら
夕陽はうたう 大地の歌を
汗と涙を 分けあった
幾歳の 希望の道に
おまえとおれの アア…ハ… 星が降る


5.山

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

流れる雲の 移り気よりも
動かぬ山の 雪化粧
ガンコ印の 野良着をまとい
生きる師匠(おやじ)の横顔に
おれは男の山をみた
おれもなりたい 山をみた

けわしい山に 登ってみたい
自分の道を 極めたい
それは男の 見果てぬ夢か
山に登れば その山の
山の向こうに 待っている
山の深さを 知るばかり

目先のことに うろちょろするな
昨日と同じ 今日はない
それが師匠(おやじ)の 口癖だった
たった一度の 人生を
花にするのも がまんなら
山にするのも またがまん


6.道

作詞:山田孝雄
作曲:原譲二

この道の 遠い何処かに
俺たちの 過去が落ちている
力の限り 生きては来たが
間違いだって 沢山あったよ
振り返ってみれば 懐しいものだ

この道の 遠い何処かで
俺たちを 明日が呼んでいる
広がる空に 大きな文字で
愛する人の 名前を書きなよ
苦しむ程恋は 美しいものだ

この道を 一人ぼっちで
俺たちは 今日も歩いてる
疲れた時は 休んでいなよ
淋しい時は 話してごらんよ
人生とはみょうに 難しいものだ

ハァー 道は道は遠い


7.日本海

作詞:原譲二
作曲:原譲二

夢に破れて 恋にも破れ
傷つきながら ひとりしょんぼり
夜汽車に乗った
あてない旅ゆえ 心もおもく
疲れたこの身の 影さえわびし
ここが涙の捨て場所か
能登の岬よ ああ日本海

夕陽が沈む 海鳥帰る
泣き泣き砂に あの娘の名前を
書いては消した
忘れて生きると 誓ってきたに
別れてしみじみ 想いはつのる
波よ笑うか 未練な奴と
能登の岬よ ああ日本海
なまり色した ああ日本海


8.十九のまつり~まつりパート2


9.北の漁場

作詞:新條カオル
作曲:桜田誠一

いのち温めて 酔いながら
酒をまわし飲む
明日の稼ぎを 夢に見て
腹に晒し巻く
海の男にゃヨ 凍る波しぶき
北の漁場はヨ 男の仕事場サ

沖は魔物だ 吠えながら
牙をむいてくる
風にさらした 右腕の
傷は守り札
海の男にゃヨ 雪が巻いて飛ぶ
北の漁場はヨ 男の遊び場サ

銭のおもさを 数えても
帰るあてはない
二百浬を ぎりぎりに
網をかけてゆく
海の男にゃヨ 怒 が華になる
北の漁場はヨ 男の死に場所サ


10.寒流


11.年輪

作詞:関根縋一・石本美由起
作曲:原譲二

雪の重さを はねのけながら
背のびしたかろ枝も葉も
山に若葉の春がくりゃ
よくぞ耐えたと笑う風
苦労 年輪 樹は育つ

みどり絶やさぬお山の掟
守りつづけて子や孫に
強く伸びろと親ごころ
枝を切る木に血が通う
苦労 年輪 樹は育つ

いつか世に出て大黒柱
夢のようだか夢じゃない
願い重ねた歳月に
熱い想いが生きている
苦労 年輪 樹は育つ


12.川

作詞:野村耕三
作曲:池山錠

川の流れと人の世は
澱みもあれば渓流もある
義理の重きを忘れたら
立つ瀬なくして沈むだ…黙って
おとこは川になる

風にこぼれた花びらを
浮かべて川に情がある
生きる辛さに耐えながら
人は優しさ恋しがる…忍んで
おとこは川になる

過去とうらみは流れても
流しちゃならぬ恩がある
他人の情けをかりながら
明日へ漕ぎだす舟もある…揺られて
おとこは川になる


13.母のふるさと

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

国後へ 国後へ 帰りたいよと
いいながら おふくろは 目をとじた
岩にくだける 波さえも
霧が晴れれば みえるのに
帰れない 帰れない 母のふるさと

いつの日か おふくろを つれてゆきたい
あんなにも 好きだった ふるさとへ
いろり話に きかされた
泊の山の ふところに
この骨を この骨を 埋めてやりたい

択捉で 択捉で 漁がしたいと
ふるさとを なつかしむ 声がする
雪に凍れる 島だけど
どんな町より いいんだよ
寒くても 寒くても そこはふるさと


14.武蔵野の径


15.魂 (こころ)

作詞:たかたかし
作曲:原譲二

春には花が咲き 夏には鳥が囀く
秋には目冴えて 冬には雪が降る
あーあーあー 美しき国よ
めぐる季節に
人は心をひらき
神々と酒をくむ
忘れていても 深き闇から
熱くよみがえるものがある
それは 日本の魂

男は仰ぎ見る 気高き富士の山
女はあこがれる 桜の花の色
あーあーあー すばらしき国よ
おれとおまえを
生みし母なる大地
神々の集う里
流れる川の 深き底には
光り輝くものがある
それは 日本の魂
それは 日本の魂


16.まつり

作詞:なかにし礼
作曲:原譲二

男は祭りをそうさ かついで生きてきた
山の神 海の神 今年も本当にありがとう
白い褌 ひきしめた
裸若衆に雪が舞う
祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り
土の匂いのしみこんだ
伜その手が宝物

男は祭りでそうさ 男をみがくんだ
山の神 海の神 いのちを本当にありがとう
船に五色の旗をたて
海の男が風を切る
祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁祭り
見ろよ真っ赤な陽が昇る
伜一番船をこげ

燃えろよ 涙と汗こそ 男のロマン
俺もどんとまた 生きてやる
これが日本の祭りだよ