その昔

吉幾三 その昔歌詞
1.その昔

作詞:喜多條忠
作曲:杉本眞人

その昔 恋をしていた
二年暮らして 女(そいつ)を捨てた
冷凍みかんと甘栗を
無理矢理その手に 握らせて
故郷(いなか)へ帰す 詫びにした
俺のズルさを 咎(とが)めるように
発車のベルが 発車のベルが
鳴り響いてた

その昔 妻と別れた
子供は残して 行けよと言った
二人の子供を 両脇に
川の字になって 眠る夜
初めて俺は 気がついた
俺の勝手と わがままだけが
この子の母を この子の母を
奪い取ったと

その昔 夢を見ていた
たった一度の 人生なんだ
追いつけ追い越せ 負けるなと
団塊世代の 明け暮れに
勝つことばっかり 夢にした
戦(いくさ)終わって 夕陽が落ちりゃ
見交わす友の 見交わす友の
笑顔がつらい

見交わす友の 見交わす友の
笑顔が沁みる


2.忘れない…

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

亡き友よ もう一度
おまえの顔 見たい
あの頃の 笑い顔
あの時 泣いた顔
陽が沈む 三陸の あぁ海憎し
この町の 穏やかさ
すべてを 飲み込んで
忘れない 忘れない
あぁ 俺たちは…

叱られた 殴られた
父親(おやじ)に 逢いたいよ
漁場では 他人でも
家では いい父親(おやじ)
陽が昇る 三陸の あぁ美しさ
この町で 生きてゆく
この先 これからも
負けないぞ 負けないぞ
あぁ 俺たちは…

涙拭き 動き出せ
亡き人 手を合わせ
風の中 誓ったよ
この土地 守ってく
寄せる波 海鳥よ あぁ故郷(ふるさと)よ
木を植えろ 花咲かせ
もう一度 飲み明かす
立ち上がれ 立ち上がろう
あぁ 三陸よ…