和田青児全曲集~酒場すずめ・上野発~

和田青児 和田青児全曲集~酒場すずめ・上野発~歌詞
1.酒場すずめ

作詞:山田孝雄
作曲:四方章人

涙という木に 止まった鳥は
人のやさしさ 忘れない
どうせ俺(おい)らは 酒場のすずめ
ちゅんちゅん ちゅんちゅん
ちゅんちゅん ちゅんちゅん
注いでおくれよ 情の酒を

幸せ探して お前も俺も
遠い故郷(ふるさと) 捨てて来た
体寄せ合う 酒場のすずめ
ちゅんちゅん ちゅんちゅん
ちゅんちゅん ちゅんちゅん
泣いてくれるな 裏町ギター

春の木漏(こも)れ陽(び) ここ迄おいで
ビルの谷間の 横丁に
今日も集まる 酒場のすずめ
ちゅんちゅん ちゅんちゅん
ちゅんちゅん ちゅんちゅん
お前のもうよ 人恋酒場


2.エンジンのない舟

作詞:山田孝雄
作曲:山田年秋

肩をお前も たたかれたのか
馬鹿野郎 そう言えず 泣いたのか
俺たちは エンジンのない舟さ
浮き草や 流れ藻と どこか似ている
手で漕ぐ他は 進めない

昭和平成 芝居のように
人のため 世のために 賑やかし
俺たちは エンジンのない舟さ
ひとりでは 渡れない 愛が棲む川
情けに棹(さお)挿し 立ち尽くす

春の夜空に 桜と月か
咲くもよし 朧(おぼろ)げに 散るもよし
俺たちは エンジンのない舟さ
花を見て 夢を積み 時にひとりで
幸せ探す 旅にでる


3.花よ鳥よ

作詞:大地土子
作曲:大地土子

はみ出して暮した頃に
見た夢を握りしめ
都を歩けば 右も左も
人の背中は寂しげで

生きているって事を 感じていたくて
ひとり風吹く 空の下

花はよ 花はよ
どんな雨でも咲くだけさ
花はよ 花はよ
どんな土でも咲くだけさ
悲しくも 人らしく 生きてゆきたい

手に入れた喜びよりも
大切なものがある
険しい道には 涙が降ったり
人の灯りに照らされた

生まれ育った場所を 想っていたくて
ひとり都会の ど真ん中

鳥はよ 鳥はよ
風に吹かれて飛ぶだけさ
鳥はよ 鳥はよ
空があるから飛ぶだけさ
苦しくも 人らしく 生きてゆきたい

花もよ 鳥もよ
急がず今日をゆくだけさ
花もよ 鳥もよ
時間の流れをゆくだけさ
果てなくも 人らしく 生きてゆきたい


4.演歌海道

作詞:いとう彩・原譲二
作曲:原譲二

世間という名の 大海原に
どんと漕ぎ出す 演歌船
まだまだ 若輩者ですが
親父ゆずりの この喉で
きっと都の きっと都の
鯛になる

雨風嵐は 慣れてはいても
たまには泣きたい 時もある
まだまだ 未熟な者ですが
怒涛逆巻く 荒波を
浴びて立ちます 浴びて立ちます
男なら

夢追う男は 強気で生きろ
命いっぱい 血を燃やせ
まだまだ 駆け出し者ですが
あの日船出の 心意気
演歌海道 演歌海道
俺は行く


5.上野発

作詞:中谷純平
作曲:原譲二

夜汽車の窓から遠ざかる
ふるさとの景色は雪だった
荷物両手に 希望は胸に
あの日独りで 降りた駅
俺の人生 ああ上野発…

昨日も夢みたおふくろの
帰りたい帰れない 長い夜
若い苦労は身につく苦労
いつか教えて くれた母
俺の試練も ああ上野発…

男の足跡 宝もの
ふりむけば山・川 守り神
土産いっぱい この手にさげて
明日へ乗り込む 北斗星
俺の人生 ああ上野発…


6.夢さすらい

作詞:里村龍一
作曲:徳久広司

津軽じょんがら 背中で聞いて
ひとり上りの 列車に乗った
あれは十八 吹雪の夜更け
今もこの胸 熱い涙がビンビとふぶく
捨てはしないさ エエ… あの日の夢は

故里を出るとき こころに決めた
夢は東京で 咲かせてみせる
泣いて戻れる 夜汽車は来ない
意地のかけらか 星のひとつにおふくろさんの
面影がまたたく エエ… 冬空夜空

道を一本 表と裏で
昇る朝日も 景色も違う
負けちゃ終わりさ 都会の海に
右に左に 揺れて揺られて夢漕ぎ返す
やればやれるさ エエ… 男じゃないか


7.おもいで走馬灯

作詞:田久保真見
作曲:大谷明裕

独りが好きだと 意地を張るけど
ぬくもり恋しい 夜がある
逢いたくなるほど 背中をむけて
少し濃い目の 酒に揺れてる

哀しみがやがて 優しさになるなら
誰も 誰も 誰も
泣いたりしないだろう

心にあかりを そっと灯せば
思い出が浮かんで消える まるで走馬灯

夕陽を追いかけ 迷子になった
あの日を ふりむく夜がある
返事を書けない 手紙がふえて
遠いふるさと 胸で揺れてる

幸せはいつも 何気ないものだと
何で 何で 何で
失くして知るのだろう

心にあかりを そっと灯せば
泣き顔が浮かんで消える まるで走馬灯

哀しみがやがて 優しさになるなら
誰も 誰も 誰も
泣いたりしないだろう


8.忘れ風鈴

作詞:里村龍一
作曲:徳久広司

窓の風鈴 鳴る音わびし
呼んでみたって 返らぬ女(ひと)よ
雨よ降れ降れ 想い出川に
倖せひとつ やれないで
ごめんね ごめんよ
忘れ風鈴 もう泣くな

俺は今でも ひとりでいるよ
遠くなるほど 逢いたさつのる
風よ吹け吹け 散らした花に
あの頃二人 若すぎた
ごめんね ごめんよ
忘れ風鈴 雨ん中

酒に心が 旅する夜は
いつもはじめに お前を思う
星よ散れ散れ 帰らぬ夢に
気がかりひとつ 残るけど
ごめんね ごめんよ
忘れ風鈴 いつはずす


9.おとこの海道

作詞:いとう彩
作曲:岡千秋

ドンと ドンと牙むく荒波が
俺をためすか 嘲(あざ)笑う
負けてたまるか この根性で
今が勝負の 演歌船
一本釣りだぜ 一本釣りだぜ
おとこの海道

どこが どこがお前に足りないか
わかるはずだと 言う親父
蹴られ殴られ 跳ね飛ばされて
叩き込まれた 舵さばき
絆は固いさ 絆は固いさ
おとこの海道

どんな どんな覚悟も出来てるが
星を見上げりゃ ついほろり
夢は叶うさ 叶えてみせる
苦労辛抱 演歌船
乗ってけ明日(あした)へ 乗ってけ明日へ
おとこの海道


10.雪の花

作詞:里村龍一
作曲:徳久広司

いつも自分を あとまわし
俺に尽くして くれたやつ
いつになったら 言えるやら
苦労かけたと 言えるやら
風花 風花 雪の花
なんでお前は 俺に咲く

生まれ故郷の 手料理で
晩のテーブル 飾るやつ
俺に逢わなきゃ 倖せを
とうにつかめた はずなのに
風花 風花 なみだ花
他にいいやつ いるものを

あの日お前に 逢わなけりゃ
俺は今でも 酒びたり
惚れていながら お前には
返しきれない 借りがある
風花 風花 俺の花
いつか倖せ くれてやる


11.望郷歌

作詞:中村要子
作曲:原譲二

夢を夢をナー でっかい夢を
抱いて来たんだ 東京へ
あきらめないで 頑張れと
あの山あの川 叱ってくれた
ふるさとは もうすぐ雪だろか
おふくろ気になる 風邪ひくなよ

北へ北へナー こころは北へ
秋の日暮れは 泣けてくる
枯葉の駅を 染めていた
あの日の夕焼け 忘れはしない
ふるさとに 残した恋ひとつ
あの女いまごろ 幸せかな

いつかいつかナー 約束いつか
夢はかならず 守りたい
流れる雲を 追いかけた
あの空あの道を 想いは遥か
ふるさとの 噂を聞くたびに
今すぐ夜汽笛で 帰りたいな


12.夜雨

作詞:麻こよみ
作曲:桧原さとし

ポツリ ポツリ 雨の音が
胸にしみる 夜更け
飲んで忘れる はずなのに
酔えばなおさら せつない
淋しくて 名前呼んでみても
あなたには 届くはずない…
こらえきれず こらえきれず あふれる涙
二度とは泣かないと 決めていたのに… ばかね

ユラリ ユラリ ひとり酔えば
胸に浮かぶ 月日
腕に優しく 包まれて
心重ねた あの夜
幸せが 続くはずもないと
知りながら 夢をみたのよ…
あきらめても あきらめても こぼれる吐息
二度とはあの頃に 戻れないのに… ばかね

淋しくて 名前呼んでみても
あなたには 届くはずない…
こらえきれず こらえきれず あふれる涙
二度とは泣かないと 決めていたのに… ばかね


13.笑顔

作詞:麻こよみ
作曲:三島大輔

改札口で 傘を持ち
夜ふけに待ってて くれたやつ
おまえの優しさ 思いやり
いつでも甘えて いた俺さ…
雨がそぼ降る こんな夜
男の心が 心がつらくなる
おまえの笑顔に もう一度
笑顔に会いたい もう一度

夜店で買った 鉢植えの
ほおずき大事に 育ててた
小さな安らぎ 幸せに
冷たく背中を 向けてきた…
薄い口紅 細い肩
男の心が 心がまた揺れる
おまえの笑顔に もう一度
笑顔に会いたい もう一度

俺をうらんで いるだろか
男の心の 心のほろにがさ
おまえの笑顔に もう一度
笑顔に会いたい もう一度

きっと今なら 離さない
おまえの笑顔を 離さない


14.人生列車

作詞:仁井谷俊也
作曲:原譲二

夢に転んで 怪我しても
若いうちなら やり直せるさ
こん畜生と 歯を食いしばり
でっかい東京に 足跡のこす
あゝそれまでは それまでは
あゝそれまでは それまでは
各駅停車さ… 人生列車

途中下車して 惚れた奴
恋の苦さを 初めて知った
あいつも俺も 迷い子だけど
誰もが倖せ 掴める街さ
あゝこれからも これからも
あゝこれからも これからも
線路(レール)はひと筋… 人生列車

長いトンネル その先に
見えてくるのさ 希望(あした)の灯り
弱気の虫は つまんで捨てて
男の花火を 世間にあげる
あゝそれまでは それまでは
あゝそれまでは それまでは
各駅停車さ… 人生列車


15.はぐれ雲どこへ

作詞:かず翼
作曲:宮下健治

男は後ろを振り向かず 淋しさ道づれに
昨日を脱ぎ捨て出て行けと 背中を風が押す
オーイ オーイはぐれ雲 はぐれ雲どこへ・・・
真っ赤な夕陽を 追いかけて
目指すは遥かな 地平線
心の荒野(あれの)で 見る夢は
誰にも負けないぞ あぁどんと行け

男は器用に生きるなと 父親(おやじ)の口癖が
今でも聞こえる放浪(さすらい)の 旅路の果てまでも
オーイ オーイはぐれ雲 はぐれ雲どこへ・・・
故郷(こきょう)に残した あの女(ひと)は
俺など忘れて くれただろう
心の荒野に 咲いた花
散るなよいつまでも あぁ逢いたいなぁ

オーイ オーイはぐれ雲 はぐれ雲どこへ・・・
まだまだ丸くは なれなくて
とんがりぶつかり 弾(はじ)かれる
心の荒野は 夜明け前
命をかけてみろ あぁどんと行け


16.ぼちぼち

作詞:麻こよみ
作曲:金田一郎

皆(みんな) 変わりは ないですか
ぼちぼちだけど やってます
何も心配は いらないと
強がり言っては みたけれど…
あなたの声が 聞きたくて
声を聞いたら せつなくて せつなくて
話が終り なぜだかいつも
電話を先に 切れなくて

遠い夜空に 今頃は
ぼちぼち星が 降るだろう
少し話したら それだけで
ふるさと訛りが すぐ戻る…
あなたの声が 聞きたくて
声を聞いたら 泣きたくて 泣きたくて
無理をするなと ポツリと言った
あなたの言葉 しみる夜

あなたの声が 聞きたくて
声を聞いたら 会いたくて 会いたくて
今年の盆(なつ)は 三年ぶりに
ぼちぼち会いに 帰ろうか