坂本冬美全集

坂本冬美 坂本冬美全集歌詞
1.あばれ太鼓

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

どうせ死ぬときゃ 裸じゃないか
あれも夢なら これも夢
愚痴はいうまい 玄界そだち
男命を 情にかけて
たたく太鼓の 暴れ打ち

酒と喧嘩は あとへはひかぬ
意地と度胸の 勇み駒
惚れちゃならない 義理あるひとに
知って照らすか 片割れ月に
男泣きする 松五郎

櫓太鼓(やぐらだいこ)の 灯(あかし)がゆれて
揃い浴衣の 夏がゆく
ばちのさばきは 人には負けぬ
なんでさばけぬ 男のこゝろ
小倉名代は 無法松


2.行っちまえ


3.あじさい酒場

作詞:里村龍一
作曲:猪俣公章

煙草の空箱 鶴に折り
飛ばせば涙があとを追う
おもかげ横丁のとまり木で
今夜も未練とさし向かい
あなたに夢注ぐ あじさい酒場

お酒にまぎらす淋しさを
ゆさぶらないでよ通り雨
想い出一輪 水割りの
グラスに今夜も泳がせて
あなたに泣いてる あじさい酒場

出逢いも別れも 霧雨が
裏窓ながれる 夜でした
想い出かさねたこのドアに
あなたの姿がみえるよで
酔うほどせつない あじさい酒場


4.沈丁花の女

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

紅い沈丁花 グラスに活けて
淋しさまぎらす ひとり酒
ひと雨ごとに 春匂う こんな夜は…
あなたの腕まくら欲しくなる

ひとり暮しが気楽でいいと
つよがり言わせた わかれ酒
我儘ばかりで 困らせた わたしが悪い…
あなたの優しさをおもいだす

明日の夢より 男の胸の
ぬくもり欲しがる おんな酒
とんではじけた 倖せを お酒が泣かす…
あなたを連れてきて 春の雨


5.湯の町あかり


6.帰りの連絡船

作詞:池田充男
作曲:猪俣公章

海峡に降る雪を ひとり見つめてる
幸福なひとつれて 帰るはずでした
こんな小さな鞄がひとつ
なみだのぶんだけ手に重い
ああ さよなら恋よ 連絡船よ

呼ぶ母を振り切った あれは二年前
紫のライラック 町にゆれていた
ばかな私を 迎えるように
デッキにとまった 海猫よ
ああ さよなら恋よ 連絡船よ

夢を抱き恋を抱き 北へ東京へ
どれだけの人達が 海峡を越えたやら
ゆれて四時間 吹雪がやめば
私の明日も 見えてくる
ああ さよなら恋よ 連絡船よ


7.雨あがり

作詞:麻こよみ
作曲:猪俣公章

舗道にのびた あなたの影を
ポンとヒールで蹴ってみた
雨あがり 嘘つき 男の背中
遊びだったと あきらめるには
つくした月日が 長すぎた

十七・八の 頃ならきっと
別れる話も かすり傷
夢をみた 信じた 女になった
あなたに言われて やめてた煙草
淋しさしのぎに 今夜から

コートの襟を 両手であわせ
あなただんだん 急ぎ足
水たまり 靴音 街の灯ユラリ
他の女を 抱けないように
くちびる私に 置いていけ


8.角番

坂本冬美・谷本知美
作詞:麻こよみ
作曲:猪俣公章

一度つまずきゃ 人生勝負
打つ手打つ手が また裏目
男の角番 待ったなし
ぐっとこらえろ 崖っぷち
負けりゃ世間が アー う…れしがる

義理だ恩だと 並べたやつが
俺に真っ先 背を向ける
男の角番 待ったなし
あてにするなよ 他人など
意地でささえる アー ゆ…めひとつ

負けてたまるか 人生勝負
女房子供が 泣きをみる
男の角番 待ったなし
みせてやろうか ど根性
明日は笑顔の アー は…れ姿


9.冬の蝶

作詞:石原信一
作曲:猪俣公章

かじかむ指に 息をかけ
寒くはないかと抱きしめた
探していたのです 小さな日だまりを
胸にとまっていいですか
一度燃えたい 一度燃えたい 冬の蝶

みじかい恋の 命でも
けなげに生きたい 尽きるまで
口紅塗りました きれいに見えますか
好きになるほどたよりない
ばかと叱って ばかと叱って 冬の蝶

さざんか散らす 北風も
あなたがいたなら耐えられる
しあわせふしあわせ まだまだ遠い春
せめてぬくもりくれますか
女はいつも 女はいつも 冬の蝶


10.祝い酒

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

浮世荒波 ヨイショと越える
今日はおまえの 晴れの門出だよ
親が咲かせた 命の花が
二つ並んだ 鶴と亀
笑顔うれしい 祝い酒

五臓六腑に 樽酒しみる
酔うてめでたい 唄のはなむけさ
七つ転んで 八つで起きろ
明日は苦労の ふたり坂
縁がうれしい 祝い酒

花も嵐も 人生航路
愛が舵とる 若い二人だよ
吹けばとぶよな 小さな木でも
枝は栄える 葉もしげる
門出うれしい 祝い酒


11.男の情話(セリフ入り)


12.寒流


13.出逢い酒


14.風花の駅

作詞:麻こよみ
作曲:猪俣公章

白いコートの 襟をたて
そっと人目を 避けて立つ
来てくれる きっと来る
祈る心で あなた待ちます…
涙こぼれて 雪になる
夜明け切ない 風花の駅

過去を断ち切り 出直すと
言った言葉を 信じたわ
馬鹿でした 夢でした
寒い心を 抱いて下さい…
いっそ逢わなきゃ 良かったと
揺れる思いの 風花の駅

渡すつもりの この切符
泣いてカバンに 仕舞い込む
未練です 別れです
うしろ髪引く 雪よ降るなよ…
心半分 置いたまま
汽車に飛び乗る 風花の駅


15.万祝


16.艶花恋

作詞:池田充男
作曲:猪俣公章

よせと言われりゃ なおさら燃える
恋はいのちの 揚花火
どうせみじかい おんなの春を
咲いて散るなら 悔いはない

胸を揺さぶる 情けに負けた
押しの一手に ぐらついた
ほれてあなたに ついてくからは
浮世このみち 泣きはせぬ

可愛がられて 綺麗になって
ゆめを見るのも おんなゆえ
こんな私で 役立つならば
咲いてみせます 艶花恋


17.能登はいらんかいね

作詞:岸元克己
作曲:猪俣公章

欠けた徳利に 鱈子(たらこ)のつまみ
酒の注ぎ手は 見染めたあの娘(こ)
能登はいらんかいねー
ふるさと 能登はヨー
寝酒三合に 口説きを混ぜて
今夜は輪島の 夢をみる

風は潮風 シベリア返し
汽車は昔の 各駅停車
能登はいらんかいねー
ふるさと 能登はヨー
いさざ土産に 嫁さんつれりゃ
おひろめ椿の 花が舞う

冷やで五合 ぬくめて五合
しめて一升 酒ありゃ楽し
能登はいらんかいねー
ふるさと 能登はヨー
氷鳴らして 想いを馳(は)せりゃ
御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)の 音がする


18.白鷺物語


19.とことん節


20.オホーツク恋唄


21.おんなの春


22.漂白無情


23.夢おんな


24.あんちくしょう

作詞:麻こよみ
作曲:猪俣公章

女にゃ見えない 夢追いかけて
あんちくしょう
この手を振り切り 夜汽車に乗った
待って待って 待ちくたびれて
あんたを怨んでしまいそう
ギュッとこの肩を抱きしめて あんた

凍えたつま先 夜ふけにそっと
あんちくしょう
足をからませ温めてくれた
待って待って 待ちくたびれて
声さえ忘れてしまいそう
弱いこの心 叱ってよ あんた

今夜の夢にも笑顔をきっと
あんちくしょう
やさしくのぞかせ私を泣かす
待って待って 待ちくたびれて
誰かにすがってしまいそう
せめて噂でも 届けてよ あんた


25.浜っ娘一代

作詞:石原信一
作曲:猪俣公章

男と女 惚れたなら
別れる時も 五分と五分
海猫さわぐな 涙じゃないよ
波のしぶきが かかっただけさ
ひとり桟橋 あの人に
ア どっこい あばよと 声かける
浜の育ちはよ いい女

命を賭けた 相手なら
だましも嘘も あるもんか
はんぱな未練じゃ 女がすたる
港灯りが ひやかすからさ
酔ったふりして はしゃぎ酒
ア どっこい 演歌を うなろうか
浜が故郷の いい女

喧嘩もどきの 荒海で
産湯をつかった ド根性
色恋なんかに しょげたら負けさ
活きのいいのが とりえじゃないか
男まさりと 呼ばれても
ア どっこい 浮世を 乗り越える
浜で噂のよ いい女


26.男の艶歌

作詞:なかにし礼
作曲:猪俣公章

天にもらった 財宝の山を
棄てて悔いない 友がいる
時代おくれと 笑われようと
義理と人情と 浪花節
それが男の 花絆

路地にかくれて 見送るあの娘
俺はあばよと 背なで言う
恋に少しは 似ているけれど
切れば血の出る 侠気は
女なんかにゃ わかるまい

俺が花なら お前は風だ
そして命は 春の夢
男同士の 相合傘で
地獄参りの 道行きは
花によりそう 風ひとつ


27.おとこの劇場


28.恋待小唄


29.すすき川愛愁

作詞:池田充男
作曲:猪俣公章

枯れたすすきも いちどは咲いた
わたしにだって あったわ春が
おんなの肌を 夕映えいろに
染めて抱かれた それは恋

川よ きらり水の すすき川よ
しあわせ何処(どこ)へ 押し流す
川よ 濁(にご)り水の 浮世川よ
おんなは所詮 笹小舟

年をかぞえりゃ 指先さむい
瞼にのこる 男の背中
世帯を持って おちつきたいと
わたし泣かせた それは愛

川よきらり水の すすき川よ
さびしさ何故(なぜ)に 連れてくる
川よ濁り水の 浮世川よ
おんなは いつも 流れ舟

川よきらり水の すすき川よ
わたしは何処(どこ)へ 行けばいい
川よ濁り水の 浮世川よ
わたしにゃ櫓(ろ)を漕ぐ 術(すべ)もない


30.三幕芝居

作詞:たきのえいじ
作曲:猪俣公章

ひと幕芝居の はじめはいつも
たそがれ時間に 幕があく
男は冷めた 気のない返事
女はついて行くと言う
小雨の舖道に 女を残し
男はくるりと背中を向けた

ふた幕芝居の 途中はいつも
おもいでばかりが 後をひく
断ち切ることが 出来たとしても
女は急に 変われない
いさかいばかりが 続いた暮らし
しあわせだったと 女は思う

さん幕芝居の 終わりはいつも
涙のしずくで 閉じられる
出逢いと別れ いつでも同じ
命をけずる ことばかり
男のぬけがら 散らばる部屋で
スポットライトが 女を照らす


31.男惚れ

作詞:星野哲郎
作曲:猪俣公章

淀の水さえ 流れては
二度と逢えない 浪花街
星の数ほど あるその中の
たったふたりが 知り合うて
男同志の 酒を汲む

(台詞)
ええなあ…男はんは…腹の内を見せ合うてからに…
ほんまに羨しいわ…

君の情を 俺に注げ
俺の誠を返すから
忘れられよか そのひとことの
夢と意気地に 酔わされて
命もやした 淀屋橋

(台詞)
こないなると 女子はかもて貰われへんさかい…
淋しいわ…

風にとび散る 銀杏の
粒に似たよな 命でも
情け大阪堂島育ち
見栄も飾りも 酒に換え
君の愁いを 晴らしたい


32.サンシャイン上海

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

上り下りの船の汽笛が
空にひびき波をすべる
きみと語る川辺(バンド) 春うらら
ランプシェードを走る自転車
プラタナスは風にそよぎ
きみの頬にゆれる こもれ陽

※Sunshine 上海 We Love 上海
黄浦河(かわ)は流れる
若いふたりの 愛と希望をのせて
Sunshine 上海 We Love 上海
街は微笑む 若いふたりに 夢と未来をさして※

古い上着はぬいでサヨナラ
二度と来ない若い季節
外へ出よう 今が、青春
きみの瞳は青い稲妻
見つめあえば恋の奇蹟
燃えるこころ それが、青春

(※くり返し)

Sunshine 上海 We Love 上海
街は微笑む 若いふたりに 夢と未来をさして


33.火の国の女

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

肥後は火の国よ 恋の国
燃える中岳(なかだけ)よ 胸こがす
一つしかないこの命
くれというならくれてやる
熱か 熱か こころもからだも 熱か
惚れた女(おなご)を抱きたけりゃ
火傷(やけど)かくごで
抱かんとね 抱かんとね

肥後は湯の里よ 滾(たぎ)る国
菊地 地獄谷 血がさわぐ
たとえ地の底 針の山
来いというならついてゆく
熱か 熱か
情念(おもい)も涙も 熱か
恋は一生 ただひとり
それでよかなら
抱かんとね 抱かんとね

熱か 熱か
枕も吐息も 熱か
うちはひとりじゃ よう寝れん
月にかくれて
逢いに来い 逢いに来い

熱か 熱か
こころもからだも 熱か
闇を流れる火の河で
うちはあんたの
夢をみる 夢をみる


34.あばれ船


35.恋人はいない


36.夜空の誓い


37.恋は火の舞剣の舞


38.ひとり寝女の泣き枕

作詞:星野哲郎
作曲:猪俣公章

逢いに来ないで 夢はいや
ほんとのあなたに 逢わせてと
両手あわせる 花園あたり
六帖一間が 広すぎて
今夜もしっとり 泣き枕

濡れた枕に 口紅で
愛しい似顔を かきました
うらみつらみを 拳にこめて
叩いてつねって 呼んでみる
浪花は遠い 夜の涯て

故郷の訛りが 消えるころ
涙ぼくろが 増えました
誰に弱音は 見せないけれど
あなたのつもりで 抱きしめる
ひとり寝女の 泣き枕


39.雪舞い津軽

作詞:松井由利夫
作曲:猪俣公章

連れにはぐれた 鴎が一羽
風にこごえる 北岬
憎さ恋しさ たよりなさ
〆(し)めて三筋の 三味線抱いて
津軽じょんから 流れ旅

女ごころを 凍らせながら
いつか霙(みぞれ)が 雪になる
よされよされの 怨(うら)み節
きいて涙を こぼしてくれた
津軽じょんから 旅の人

春の足音 しのんで耐えて
つなぐかぼそい 夢あかり
情け深浦 情け船
沖をみつめて 角巻(かくまき)噛めば
津軽じょんから 雪が舞う


40.宗谷ぼんぎり

作詞:岡田冨美子
作曲:浜圭介

生まれた故郷も おふくろの名も
忘れたふりすりゃ カモメが騒ぐ
港の数だけ 修羅場をくぐり
命拾って 流れて来たが…

ここから先はオホーツク
宗谷岬の観音様よ
おどまぼんぎり 歌って詫びりゃ
不知火育ちのきまぐれを
許してくれるかい 許してくれるかい

おどまぼんぎりぼんぎり
盆からさきゃおらんど
盆がはよ来りゃはよ戻る

一升酒に 酔いつぶれても
一人で眠れば夢見が悪い
あの娘のかわりに 流氷 抱いて
凍え死んだら 名無しの仏…

男を泣かすオホーツク
宗谷岬の観音様よ
ケンカ太鼓を たたいてやろか
若くもなければ強がりも
寂しいもんだね 寂しいもんだね

春まだ遠いオホーツク
宗谷岬の観音様よ
金も欲しいが 色気も欲しい
やさぐれ男の欲張りを
笑ってくれるかい 笑ってくれるかい

花は何の花 つんつん椿
惚れたしるしの髪飾り


41.哀しみの予感

作詞:林あまり
作曲:三木たかし

脱がされた靴の ころがる行方を
たしかめてから 乳房抱かれる

これが最後のくちづけと
心に決めたはずなのに
ルージュの色も選べない
あんたの指がいとしくて
海鳴りは とおく揺れて
別れが必ず 来るというのに

※だめだなァ あたし
あたし だめだなァ
あの夜 この夜 幾千の夜
くちづけはいつも
最後から二番目※

あしたあんたを離れよう
ほんとうに あした別れよう
このままふたり堕ちてゆく
夢物語わすれよう
渡り鳥空に帰る翼がなくても
飛べと言うように

(※くり返し)

海鳴りは とおく揺れて
別れが必ず来るというのに

だめだなァ あたし
あたし だめだなァ

脱がされた靴の ころがる行方を
たしかめてから 乳房抱かれる


42.どんでんがえし

作詞:岡田冨美子
作曲:四方章人

淋しがりやの男はみんな
女泣かせの旅役者
惚れた はれたの ひと芝居
緞帳下がれば 舞台は終わる

※しんじちゃ だめだめ 赤い糸
結べばちぎれる 運命なの
尽くして捧げて どんでんがえし
うらみ つらみに 未練が混ざりゃ
胸がキシキシ 胸がキシキシ
ah〜 涙ハラハラ※

もっと聞きたい 別れの訳を
せりふまわしで はぐらかす
見栄を切ってよ色男
あんときゃ本気と 叫んで逃げた

あれから化粧も したくない
一人でぼんやり 生きている
見事に決まった どんでんがえし
すがりついたら 女がすたる
意地がキシキシ 意地がキシキシ
ah〜 涙ハラハラ

(※くり返し)


43.船で帰るあなた

作詞:池田充男
作曲:猪俣公章

(さようなら)船で帰るあなた
(さようなら)愛をくれたあなた
さようなら むせぶ霧の笛
両手さし出す ふたりの間に
別れが砕ける 波が泣く
今度いつの日 ここで逢えるの
さようなら さようなら 鴎はひとりぼっちよ

(さようなら)海を越えるあなた
(さようなら)どうぞご無事であなた
さようなら 叫ぶ泪声
長い黒髪 この一筋にも
あなたの香が のこってる
泣いて幾月 待てば逢えるの
さようなら さようなら 波止場はひとりぼっちよ

指にからんで 千切れたテープを
あなたのかわりに 抱きしめる
熱いくちずけ いまもほしいの
さようなら さようなら 私はひとりぼっちよ


44.姉妹

作詞:多夢星人
作曲:堀内孝雄

妹よ 夜ふけにそっと
何処へ行くの
重い鞄 二つ提げて

子供だと思っていたが
いつの間にか
内緒ごとを 持っていたのね

私のことを 責めて
泣いてたくせに
あなたも恋をしたの

※馬鹿ね 私と同じ
悲しげな恋をして
どうするつもりよ
だけど あなたはきっと
泣かないわね 妹よ※

妹よ 夜明けの雨は
きっと寒い
傘を持って行くがいいわ

びしょ濡れのからだのままで
すがりついちゃ
恋の夢も 冷めてしまうわ

背中を向けていても
足音だけは
しっかり聞いているわ

いいわ 信じてあげる
私より何倍も
真面目なあなたを
だから 落着き先は
知らせるのよ 妹よ

(※くり返し)


45.あばれ太鼓(無法一代入り)


46.夢屋

作詞:岡田冨美子
作曲:徳久広司

あんたが「夢屋」と名付けた部屋は
窓に波止場の 灯が見えた
フラリと来る日は 機嫌が良くて
缶のビールを 一気に空けた
すねて抱かれりゃ 私が子供
眠くなったら あんたが子供

今から思えば ままごとだけど
結婚夢見て じゃれていた
小さな嘘なら つかせてあげた
けなげな女にあこがれて
そばにいてよと 困らせながら
バラを一輪 グラスにさした

やんちゃ坊主が 大人になると
惚れた女にめっぽう弱い
心もからだも 馴染んだ頃に
妻ある男だと知りました
膝の枕に残った夢が
消えたあんたを 恋しがるのよ

思い出たどれば せつないけれど
大きなしあわせ くれたよね


47.乱~らん~


48.さよなら小町

作詞:林あまり
作曲:四方章人

別れっぷりが おとなだなんて
おだてられちゃあ
泣き顔ひとつ 見せられないじゃない

真赤なカンザシ きりりと差して

粋だね 粋だね さよなら小町
ジャズほども 悲しくないさ
帰るべき家を持つ人 見送るキッス

強情っぱりが 可愛いなんて
口説いたつもり
はなからあんた お調子もんだった

残りのお酒を グイッとほして

粋だね 粋だね さよなら小町
遠ざかる バイクの音を聞いている
つらいもんだね 桜散る夜

粋だね 粋だね さよなら小町
背中から そっと毛布をかけられて
目覚めるなんて 夢のまた夢


49.夜桜お七

作詞:林あまり
作曲:三木たかし

赤い鼻緒がぷつりと切れた
すげてくれる手ありゃしない
置いてけ堀をけとばして
駆けだす指に血がにじむ

さくら さくら
いつまで待っても来ぬひとと
死んだひととは おなじこと
さくら さくら はな吹雪
燃えて燃やした肌より白い花
浴びてわたしは 夜桜お七
さくら さくら 弥生の空に
さくら さくら はな吹雪

口紅をつけて ティッシュをくわえたら
涙が ぽろり もひとつ ぽろり

熱い唇おしあててきた
あの日のあんたもういない
たいした恋じゃなかったと
すくめる肩に風が吹く

さくら さくら
いつまで待っても来ぬひとと
死んだひととは おなじこと
さくら さくら はな吹雪
抱いて抱かれた 二十歳(はたち)の夢のあと
おぼろ月夜の 夜桜お七
さくら さくら 見渡すかぎり
さくら さくら はな吹雪
さくら さくら さよならあんた
さくら さくら はな吹雪


50.恋日和

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

ひとりがいいなんて
五日思って 一日悔やみ
あとの一日 短歌を詠んで
ああ それが何のこと

(セリフ)ひとりがいいなんて ほんとのところ
一日思って 五日悔やみ あとの一日 あなたを待っている

場違いな花に見えても 曼珠沙華
赤はあざやか 他の何より
もしかして 花にたとえてみるならば
咲いて寂しい この私かも

長雨が朝にあがって 恋日和
素顔であなたを迎えましょう
化粧の顔で口説かれたのが
秋風吹けば気にかかる

今日かぎり 生命はてるか赤とんぼ
空の青さに染まることなく
だからとて つらい寂しい一生と
赤いとんぼが 云う筈もなく

鰯雲 空に浮かんで 恋日和
冬来る前には 抱かれましょう
心が寒く感じてからは
いくらか嘘が混じるから

いくらか嘘が混じるから


51.好きです日本-四季の絵本-


52.うずしお

作詞:岡田冨美子
作曲:浜圭介

まるで異国へ旅立つような
重い鞄を小雨が濡らす
船が港を離れたとたん
見送るあなたと他人になるの

*どこで荷物をほどいたらいいの
愛にはぐれりゃみんなみなし児
止めるあなたを捨てたのに
未練が 未練が
荒波燃やし渦を巻く*

かすむ岬の灯りがつらい
昨夜最後のなぐさめをした
もっと私に意気地があれば
あなたが立派になるまで待てた

死んだつもりで追いかけた男
一緒になったら泣かされ通し
止めるあなたを捨てたのに
霧笛が 霧笛が
過去へと船を呼び戻す

(*くり返し)


53.夢ん中

作詞:阿久悠
作曲:森田公一

指のつめたさ うなじの細さ
肩のはかなさ まつ毛の長さ

すべて重たい悲しみつれて
ひとりお前は生きている

男もつらいし
女もつらい
男と女は
なおつらい

だけど泣くなよ 泣くじゃない
酸いも甘いも 夢ん中

酒はにがいし 煙草はからい
紅はとけるし 寝床は寒い

そんなお前の肩抱き寄せて
惚れたようだと俺はいう

男もつらいし
女もつらい
男と女は
なおつらい

それでいいのさ いいんだよ
逢うも別れも 夢ん中

男もつらいし
女もつらい
男と女は
なおつらい

それでいいのさ いいんだよ
逢うも別れも 夢ん中


54.港祭の夜は更けて

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

夏を見送る 港祭りの夜は更けて
誰もみな 心の波に光る夜光虫
今夜だけなら 今夜だけなら
破目をはずして いいからと
少しだけ淫らな顔で 踊り明かして
燃えたが最後 とめられなくて
とめられなくて
海の花火を散らした秋風
知らずに 知らずに 熱くなる
あんなこと 一生に一度
もう わたし 今年はただの
見るだけの人

とても 夢中になれそうにない
それでも ここへやって来たのは
あなた あなた あなたなんです
百万人の人の中から あなたを探す
つもりなのです
百万人の人の中から あなたを探す
探す つもりなのです

三日つづいた 港祭りの夜は更けて
運命のいたずらだけが 胸に残される
残り少ない 残り少ない
夏の嵐に身をまかせ
汗ばんだ素肌を寄せて
朝待つ気分 いつしか街の
サンバも終わり 道で酔いどれ
夢見ているのも
知らずに 知らずに 熱くなる
ああ 馬鹿みたい
ああ 馬鹿みたい
必ず来るとも云えないし
来ても会える 筈もないのに
ワタ菓子とヨーヨーを
手にして歩いて いるなんて
何のつもりかしらね
………

あッ あんた
港祭りの夜は更けて
港祭りの夜は更けて
港祭りの夜は更けて
港祭りの夜は更けて
夜は更けて


55.蛍の提灯


56.朧月夜に死にましょう


57.TOKYOかくれんぼ

作詞:真名杏樹
作曲:三木たかし

「それじゃ元気でね…」 そっけなくドアを閉め
深夜バスはあなたを 明日へつれてゆく

はしゃぎすぎてたね 好きだと言われたけど
ショートカットのままじゃ うなじがやるせない

どうして行くのなんて 聞けない私だから
今度の恋はずっと褪めないでほしかった

※もういいかい TOKYO まだだよ TOKYO
泣くだけ泣いたら 愛が見えるさ
もういいかい TOKYO まだだよ TOKYO※

あなたを見送る くちびる熱い

雪が降ってたね ベッドだけ買い替えて
暮らしだしたあの頃 ふたりは信じてた

「離さないからね…」そう言ってくれたのは
ひとりしかいなかった あなたが好きだった

どうしていいのかさえ わからない夜だけど
この街だからきっと逢えたって思うから

もういいかい TOKYO まだだよ TOKYO
泣くだけ泣いたら 愛しあえるさ
もういいかい TOKYO まだだよ TOKYO
シルバーピンクの三日月憎い

(※くり返し)

サヨナラ言えない くちびる熱い


58.銃爪


59.星花火

作詞:真名杏樹
作曲:三木たかし

シャワーのしずく くすぐった
夕暮れの風 おくれ髪
あなたは来ると 賭けをする
海はお祭り 星花火
焦がれて灼けつく この胸は
12の少女か蛇か鬼か

あなたが 誰かのものだって
知らないうちなら いいでしょう
あぁ キレイと言わせたいよ
あぁ あなたがいとしいよ

浴衣を広げ 見る空は
うっとりにじむ 夢模様
聞くことなんてありゃしない
だって あなたは星花火
夜空で咲いたら その後は
夜明けのジャンボで消えるひと

私をだれも止められない
一度きりの夏いいでしょう
あぁ 指まで燃えているよ
あぁ あなたが恋しいよ

あなたが 誰かのものだって
知らないうちなら いいでしょう
あぁ キレイと言わせたいよ
あぁ あなたがいとしいよ


60.あら・ら


61.雨ふり小夜曲

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

男なんて いくらでもいる
もてない女じゃなし
悲しくもない 寂しくもない

(セリフ)不幸だなんて 思ったこともないよ
だけど 黄昏に雨が来ると
いけないなあ これは 胸が痛くなって 咳が出る

日が昏れて ポツリ
そして セレナーデ
誰かが窓の下で歌う
もしかして あなた
そんな筈はない
未練が胸をふいによぎる

しのんで来るなら 雨夜にかぎる
いつかあなたが 云っていた
罪ある恋でも きれいに思える
雨ふり 雨ふり セレナーデ
雨ふり 雨ふり セレナーデ

鳥肌の立った 胸を抱きしめて
雨音だけを聞いて過す
化粧でもしましょう
どうせ あの歌は
あなたじゃないと 知っていても

しのんで来るなら 雨夜にかぎる
いつかあなたが 云っていた
びしょ濡れ男を もう一度抱きたい
雨ふり 雨ふり セレナーデ
雨ふり 雨ふり セレナーデ

雨の日だけよ 思い出すのは
晴れたら消えてなくなるの あなたなんか
雨ふり 雨ふり セレナーデ


62.汽車


63.恋霞

作詞:三浦徳子
作曲:杉本眞人

かすみか雲か この恋は
逢っているのに 逢いたくて
面と向い言うことなんてないの
そばにいれば ただ 嬉しすぎるかァら…

花吹雪 この頬に
三月前 あの時 あの場所で

風が流れて はらはら 涙
あんたの前でだけよ

てのひらの上の 花びらを
ふっと 飛ばせば 人生ね
ロミオ、ジュリエット そんな一瞬の続き
春のままで 二人いたいと願う

いつまでも 眩を閉じて
聞いている あたしを呼ぶ声を

雲が流れて ほろほろ 涙
あんたの前でだけよ

花吹雪 背中向けて
うっすらと 唇噛みしめる

月が明るい ほろほろ 涙
あんたの前でだけよ


64.流れ星


65.風に立つ

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

青嵐(せいらん)に吹かれて
胸をはる 日もあれば
雨風にたたかれて
頭(こうべ)をたれる ときもある
人はこの世に 生きてあるかぎり
山坂千里の 九十九(つづら)折り
そうさ、人生やるっきゃないさ

朔風(さくふう)が吹いても
向かい風 吹こうとも
たじろがずくじけずに
前だけ見つめ 行くがいい
泥にまみれて 涙ながしても
こころに錦の 華をもて
そうさ、人生やるっきゃないさ

うつりゆく時代の
波風に のまれても
騒がずに嘆かずに
最善つくし 立ち向かえ
ままにならない 茨道(いばらみち)なれど
それでも行かねば ならぬ道
そうさ、人生やるっきゃないさ
そうさ、人生やるっきゃないさ


66.涙の向うに


67.大志


68.ふたり咲き

作詞:麻こよみ
作曲:岡千秋

夏の陽射しも 木枯しも
両手広げて よけてやる
俺にあずけろ おまえの命
おまえの命
広い世間の めぐり逢い
心ひとつで ふたり咲き

すぐに泣く癖 なみだ癖
白いうなじの か細さよ
つらい過去(むかし)は 忘れろ捨てろ
忘れろ捨てろ
そっと小さな 手のひらに
乗せてあげたい 幸せを

泣くも笑うも ひとりなら
生きる明日(あした)に 夢がない
そばに居てくれ これから先も
これから先も
遅い春ほど あたたかい
俺とおまえと ふたり咲き


69.仁吉劇場


70.おんな傘

作詞:たかたかし
作曲:市川昭介

俺にさしだす 傘のしずくが
おまえの肩先 ポツリと濡らす
ほれていりゃこそ この手に抱けぬ
ばかな男の つよがりを
泣いてうらむか
泣いてうらむか おんな傘

酒でながせぬ 過去をせおった
男のゆく道 灯りは遠い
汚れしらない おまえの瞳
せめてきれいに おいてゆく
背中あわせの
背中あわせの おんな傘

これが浮世と いうものなのか
おまえに見つけた やすらぎなのに
それじゃ行くぜと 別れの涙
肩でふりきり 飛びだせば
雨に流れる
雨に流れる おんな傘


71.想夫恋


72.夢一途

作詞:岡田冨美子
作曲:浜圭介

窓に漁火 イカ釣り船か
あんた想えば闇夜の海に
つらい別れのドラマが浮かぶ

※「お姉さん 東京かい?」
酔った男が くだ巻いてからむ
知らぬ顔すりゃ 一人のお酒が淋しい…
ああ あそこ 今夜 枕を借りる宿
思い出抱きます 夢一途※

熱い素肌を しっかり合わせ
あんた最後に心をくれた
ジンと感じて 一緒に泣いた

「お姉さん きれいだね」
軽いお世辞に 微笑んだけれど
浜辺歩けば 未練が夜風に乱れて…
ああ あそこ いないあんたの声がする
忘れてあげない 夢一途

(※くり返し)


73.春の雪

作詞:たかたかし
作曲:市川昭介

ついて行けないわたしの過去を
許してほしいと路地で泣く
抱けばそのままこの手にとける
そんなおまえの肩先に
春とは名ばかり
雪が舞う 雪が舞う

旅の途中のさびれた町で
見つけたおまえは 風の花
ふれたグラスのさびしい音が
どこか似たよなおれたちの
胸にこぼれて
咲いた夢 咲いた夢

右の目尻に とまった涙
不幸なじみの 泣きぼくろ
つれてゆきたい おまえをひとり
俺の旅路のその果てに
春とは名ばかり
雪が舞う 雪が舞う

春とは名ばかり
雪が舞う


74.暮六ツ小町

作詞:遊なおこ
作曲:さくらなな

ワクワクキラキラ 暮六ツ小町
泣いて笑って 花になれ

暮六ツ 流行の色の紅をさし
逢瀬はいつも晴れ舞台
シャラシャラ シャラシャラ 暮六ツ小町
恋に生きるも 心はひといろ
小町の純情 雪より白い

夜四ツ ほろ酔い加減で聞かされた
別れのセリフ 初舞台
ホロホロ ホロホロ 暮六ツ小町
あふれる涙 心でこらえる
小町の純情 水より清い

明六ツ 夜明けが来れば 幕があく
もうすぐ さがす 花道を
シャラシャラ シャラシャラ 暮六ツ小町
着飾りながら 心はまっすぐ
小町の純情 岩をも通す


75.炎情


76.すっぴん

作詞:麻こよみ
作曲:佐瀬寿一

おんな盛りさ 化粧はしても
嘘も騙しも あるもんか
心はすっぴん まっさらさらよ
涙もろさが たまに傷
ぐっと冷酒 飲みほせば
目元ほんのり さくら色
切った啖呵は だてじゃない

姿・形にゃ なびかぬけれど
熱い情にゃ 身をまかす
心はすっぴん まっさらさらよ
惚れっぽいのが たまに傷
こんな女の 心意気
わかる人なら 惚れてやる
ちょいと自慢の この笑顔

心はすっぴん まっさらさらよ
負けず嫌いが たまに傷
媚は売らない 愚痴らない
下手ないい訳 野暮なだけ
生気のいいのが 売りもんさ


77.夜叉海峡

作詞:荒木とよひさ
作曲:弦哲也

乳房の夜叉を 隠してみても
この血が 激しく 暴れます
あなたがそちらで 倖せならば
殺したいほど 憎みます
心だけでは いや
抱かれるだけでは いや
吹雪の岬 身を投げて
死んでくれると いうのなら
あゝ…あなた あなた 夜叉海峡

緑の黒髪(かみ)を 根もとで切れば
憐れむ 尼女(おんな)に なれますか
地獄へ堕ちても 奪えるならば
この身裂かれて かまわない
この世だけでは いや
哀しいだけでは いや
素肌のままで 抱きあって
死んでくれると いうのなら
あゝ…あなた あなた 夜叉海峡

心だけでは いや
抱かれるだけでは いや
吹雪の岬 身を投げて
死んでくれると いうのなら
あゝ…あなた あなた 夜叉海峡


78.おとうさんへ

作詞:さくらなな
作曲:さくらなな

躰は大丈夫かい 元気で暮らせよと
電話の向こうの やせた姿が浮かびます
いつも照れては 目をそらす
そんなあなたの横顔が 懐かしい
もう会いたくても 会えないのですね
もう声を聞くことも ないのですね

いつもは無口な父が いい男性見つけろよ
ポツリと一言 お酒飲み干しつぶやいた
ふっと涙が頬つたう
心配かけてた 娘でごめんね
もう会いたくても 会えないのですね
もう声を聞くことも ないのですね

もう会いたくても 会えないのですね
もう声を聞くことも ないのですね

せめて「ありがとう」の言葉 言いたかった


79.風鈴

作詞:荒川利夫
作曲:花笠薫

風鈴の小さな音色が とても好きよと 楽しんだ
私の母の 想い出よ 夏の日暮れに 揺れてます
ひとりの庭先 縁側に
あの日のまゝに 風に鳴る
この風鈴は 母の声
逢いたい逢いたい 母の声

好きな人 いるならいると 教えなさいと 云われてた
やさしい母の 口癖よ 飾った写真の 微笑みが
涙をいつも 誘います
淋しいけれど ひとり聞く
この風鈴は 母の声
恋しい恋しい 母の声

笑顔で隣に いるような
あの日の声が 聞こえます
この風鈴は 母の声
逢いたい逢いたい 母の声


80.凛として

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司

日が昇り 日が沈む
春が来て 夏が行く
生きとし生ける ものすべて
命にかぎりは あるけれど
花のように 心を開き
私は咲きたい…凛として

めぐり逢い 時にまた
涙して わかれゆく
喜び悲しみ それもまた
この世のならいと 胸に秘め
鳥のように 夜明けの空へ
私は翔びたい…凛として

移りゆく 人の世に
ささやかな 夢を抱き
男は酒を みちづれに
女は愁いを 身につけて
川のように 大地を流れ
私も生きたい…凛として



坂本冬美全集