暫存

大貫妙子 暫存歌詞
1.ふたり

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

寂しげな 頬に
赤い火が映る
暖炉に 手紙を
あなたは 投げ込む

二人は今頃
闇を走りぬけ
誓いの 指輪を
棄てるはずだった

私は孤独を 残して立ち去る
崩れる心に まとわる霧雨よ

果てしない 空と
凍えた 大地に
抱れて あなたは
人生を終わる

さよなら キエフは緑の六月
別離はモスコウ あなたのくちづけ


2.恋人たちの時刻

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

はじめてのくちづけ
あなたにあげたから
淡色の絵の具で
私を染めぬいて
あなたのコオトにくるまり
木枯らしの街を駆けた

春はまだ南の
海辺で遊んでる
さよならをかくして
あなたを抱きしめた
なくした言葉のかけらが
てのひらで涙にかわる

いつか
わたしは過去に手をふり
あなたは夢に生きる
遥かな恋はひき潮
砂はかわいた音をたてる
おきわすれたラジオ
聴いている天気図
それぞれの街角
あたらしい風が吹く


3.彼と彼女のソネット

作詞:C.Coper・R.Wargnier 日本語詞:大貫妙子
作曲:R.Musumarra

今の私達を もしも なにかにたとえたなら
朝の霧のなかで 道をなくした 旅人のよう

いくつもの偶然から あなたにひかれてゆく
星は瞳に落ちて
いくつもの 夜を超えて渡った時の迷路
解きあかしてきたのに

おおきなあなたの胸 ひとりはなれた
木の葉のような心ささえたまま
かわいた風は私を運ぶ

君は、そう… いつのまにか知ってる
僕をこえて歩いて行けることを
懐かしい白い指に触れても
ほどけてゆく 遥かな愛の思い

もう一度 いそぎすぎた私を
孤独へ帰さないで
いつまでも あなたのことを聞かせて
愛をあきらめないで


4.黒のクレール

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

白い光の海を 眩しく船が
幻 を連れてくる
夏を追いかけて行く
二人の愛が さめるのがこわくて

あなただけを 待ちつづけた
この海辺の家
幾度 夏がめぐり来ても
あなたは帰らない

愛の行方 うらなう時
The Card is Black
悲しく 砂の上に すべり落ちて
ちらばり 小波が運ぶ

誰も知らない島で
子供のように 暮らすのが夢だった
一人 渚を行けば
あなたの声が 耳元に聞える

愛し合った日々思えば
心はさすらい
幾度 夏がめぐり来ても
あなたは帰らない

いつか風にくちてしまう
思い出も 港も
走りさった時の中で
夕映えが永遠をうつす


5.突然の贈りもの

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

突然の贈りもの
甘く香る花束
頬をよせて抱きしめる温もり
別れもつげないで
独りぼっちにさせた
いつの間にか六度目の春の日
置き忘れたもの なにもかも
そのままにあるの
幸福でいたなら それでよかった

あなたの気まぐれに
つきあった仲でしょ
いつだって嘘だけはいやなの
必ず待ちあわせた
店も名前をかえた
この街へ戻ってきたのね
初めて出逢った時のように
心がふるえる
訪ねてくれるまで 待っているわ

皆とはじめた
新しい仕事にもなれて
元気でいるから 安心してね


6.色彩都市

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

ひまを
もて遊ばしてるあなた
レエスのパラソル
そっと閉じて

頬にふりそそぐ
十二色の
外は光と風のハーモニー

遊びながら
きれいになるのよ
私だけの秘密

はじめてみつけた
宝ものは
少年みたいな
あなたのこと

恋の道草は
もうやめましょう
帰る想いは
たったひとつ

聞いて
魔法使いの竪琴
ふたり奏でる
愛のシンフォニー

歌いながら
きれいになるのよ
わたしだけの秘密

優しくあなたに
つつまれたら
少女のわたしと
出会いました

いつでも心は
雨のち晴れ
はつらつ便りを
待っています


7.Shall we dance?

作詞:Oscar Hammerstein II
作曲:Richard Rodgers

Shall we dance?
On a bright cloud of music shall we fly?
Shall we dance?
Shall we then say “good-night”
and mean “good-bye?”

Or, perchance
when the last little star has left the sky.
Shall we still be together
with our arms around each other,
And shall you be my new romance?
On the clear understanding
that this kind of thing can happen,
Shall we dance? Shall we dance?
Shall we dance?


8.Cavaliere Servente

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

水面を滑らかにすべるゴンドラ
波間にただようカモメの唄よ

いにしえが運んだ恋物語
黄昏に目を覚まし 夢に帰る

霧煙るサン・マルコ
沈みゆく都よ
夜に手をとれば つのる想いで
抱きよせて

窓辺に寄りそった影が揺れれば
愛しい唇に燃えるような Grappa

白い仮面の下で笑うカサノヴァ
朽ちてゆく果実の甘い溜め息

懐かしいアドリアの
髪ほどく潮風
Teatro La Fenice
今宵オペラの 幕があき
瞳 見つめあい恋の迷路へ
落ちてゆく


9.若き日の望楼

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

あの頃 朝まで熱く
パンと ワインで
私達は語った

馴染みの 狭い酒場に
通いつめては
仲間達を ふやした

そして あの頃の
あなたも 若くて
かたくなに 愛しあい
それが すべてだった
生きる すべてだった

貧しい 絵描きの家に
子供が生まれ
祝い酒を かこんだ

そして 今来たの
過ぎし日の通り
あとかたもない 愛の巣
見えぬ 時代の壁
かえりこない 青春


10.風の道

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

はじめての場所
静かな街
ここであなたは
おおきくなる

庭さきに いま
錆ついてる
自転車がある
息を秘めて

※今では他人と
呼ばれるふたりに
決して譲れぬ
生き方があった※

とりとめもなく
歩くうちに
心はいつか
暖かくなる

(※くり返し)

おたがい寄り添う
月日を思えば
語る言葉もないほど
短い


11.Hiver

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

寒い朝の街は 白い息を吐いて
曇ったガラスの向こうは 冬

今日は休みなのに 誘うひともいない
花売る小さな marche に行こう

白い粉雪が舞う街角で
くるくるまわりながら落ちてきて
消える風花

古いオルゴールの中でひとり踊る
わたしは あなたの
あぁ バレリーナ

駅では 恋人たちが抱き合い
わたしは春を届ける小さな花束を抱き

そしてあなたの 腕のなかへ
とびこむの


12.Time To Go

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

見つめあえば
私たちが過ごしてきた時が見える
それはまるで
しまい忘れた思い出のアルバム

旅した街の小さなカフェ
雨上がりの草のにおい
眩しい夏のパラソルの影
風が開くペイジ

今は あなたに会いたい
誰よりも あなたに会いたい
いつまでも かわらないまま

遠くで鳴る電話のベル
さめたままのコーヒーカップ
忘れられた 壁のカレンダー
出せなかった手紙

今は あなたに会いたい
誰よりも あなたに会いたい
この想い 届かなくても

窓におちる 夜明けの雨
目をとじれば聴こえてくる
あなたがとても 好きだった曲
今は それがわかる

あなたがいて わたしがいて
同じ時を見つめていた
そこにはもう もどれないけど
とても恋しいから

それは 遠い夏の夢


13.メトロポリタン美術館(ミュージアム)

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

大理石の 台の上で
天使の像 ささやいた
夜になると ここは冷える
君の服を 貸してくれる?
タイムトラベルは 楽し
メトロポリタン ミュージアム
赤い靴下で よければ
かたっぽあげる

エジプトでは ファラオ眠る
石の布団に くるまって
呼んでみても 五千年の
夢を今も 見続けてる
タイムトラベルは 楽し
メトロポリタン ミュージアム
目覚まし時計 ここに
かけておくから

ヴァイオリンのケース
トランペットのケース
トラック代わりにして
出発だ!

タイムトラベルは楽し
メトロポリタン ミュージアム
大好きな絵の中に
とじこめられた


14.この道

作詞:北原白秋
作曲:山田耕筰

この道はいつか来た道、
ああ、さうだよ、
あかしやの花が咲いてる。

あの丘はいつか見た丘、
ああ、さうだよ。
ほら、白い時計臺(とけいだい)だよ。

この道はいつか来た道、
ああ、さうだよ。
お母さまと馬車で行つたよ。

あの雲もいつか見た雲、
ああ、さうだよ。
山査子(さんざし)の枝も垂(た)れてる。


15.ベジタブル

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

瞳の青空 はるかな草原
梢にまどろむ 光のささやき

ふりしきる花びらで
街中夢からさめたら

ベジタブルな甘いキッス
おとずれた春の誘惑
愛をこえて愛しあう
とりたての気持ちとどけたい

流れの岸辺に はばたく水鳥
緑の輝き 私のジオラマ

春風と競いあい
私をむかえに来た人

ベジタブルな甘いキッス
目ざめたばかりの誘惑
愛をこえて愛しあう
とりたての気持伝えたい

何も知らぬ気高さよ
生まれたばかりのくちびる
胸の中でさわぎだす
不思議な予感を伝えたい


16.裸のキリク

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

ぼくが生まれた時 キリク
はじめて聞いた声 キリク
大地渡る 優しい風か
囁くような 水の唄か

知恵の宝 持って キリク
ひとり旅に出よう キリク
生まれたまま 裸の心
まだ見ぬ人に会うために

キリク 丘を越へ
キリク 鳥になれ
太陽が昇るところへ 走って行こう

朝露に抱かれて キリク
ぼくは目を覚ました キリク
見えないトゲを抜いてあげよう
触れたい美しい人の

キリク 小さな
キリク ともだち
キリク あなたと
キリク 帰ろう
太陽が昇るところへ 走って行こう


17.風待つ林に

作詞:関口和之
作曲:関口和之

風待つ林に 日暮し 声ひそめ
遠くで雷鳴 雨粒集めて

彼方へ急ぐ雲 消え去るそのあとに
何ひとつ変わらない 空は広がる

晴れ渡る日 きっと帰ろう
陽炎の向こう あの故郷へ いつか

風待つ林に 人陰果てるとき
遠くの空には 虹が泣いていた

また会える日 約束しよう
いつもの挨拶交わす昼下がり その日を


18.新しいシャツ

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

新しいシャツに
袖をとおしながら
私を見つめてる
あなたの心が
今は とてもよくわかる

さよならの時に
穏やかでいられる
そんな 私が嫌い
涙も 見せない
嘘吐きな 芝居をして

私の愛した
あなたのすべてが
崩れてしまうのが
恐いだけ
だから 何も言えない

おたがいが とても
必要だった頃
苦しみも多くて
眠れぬ 夜には
山ほど 手紙を書いた

二人で築いた
愛のすべてが
崩れてしまうのが
恐いだけ
だから 何も言えない


19.We miss you ~愛のテーマ~

作詞:糸井重里
作曲:酒井省吾

深い闇 遠い町
知らないことば 騒めく
迷い子の 悲しみを
拾い集めて たどろう

何処に いても
わたしは いのち あなたの
あたたかな ひとときと
あたたかな夢 見せたい

幼な子の 微笑みは
まぶたのなかに いまでも
呼べば 届く
きっと いつか振り向く

ただひとり 道を行く
小さきものに 灯を

ただひとり 道を行く
小さきものに 灯を


20.いつでもそばに

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

瞼とじて思い出にしがみつくことより
大好きな季節を呼び透き通る光を
受止めて 贈ろうきっと
素晴らしい明日の為に

何も聞かず佇めば知らず知らぬままに
通り過ぎて帰らない一コマにすぎない
だけど何故顔を曇らせてる
あなたなら知ってるでしょ

昨日を投げ
遠くへ投げ
会いに行くのはこれから

瞼とじて思い出にしがみつくことより
すぐ傍で知らん顔のあなたに気付いたら
誰よりも明るい笑顔
その時は見つけるでしょ

昨日を投げ
遠くへ投げ
会いに行くのはこれから


21.横顔

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

いつか声をかけてくれるかしら
あなたの隣りに坐りたい それだけ
きっと邪魔をしないようにするわ
話を聞かせてほしいだけ 一緒に
同じテーブルの端で
横顔 見つめてるの
大きな声であなたが笑ったら
何故か私も楽しくなる 不思議ね

今は違う友達にかこまれ
私を覚えていないのね やっぱり
小さく呟いた さよなら
心に届くかしら
誰も知らない あの時の横顔
昔しのあなた見失って 欲しくないの


22.マザーウォーター

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

通りを渡って 春告げる風が吹き抜ける
この町 この匂い

凍えた梢を 揺り起こし
心の景色は 私の色に染まる

頑張らなくてもいい
ひたむきであれば
探していたものに気づくだろう

磨かれた窓が 映し出す空の青
今日も 一日がまた始まる

For tomorrow,
take only what you cherish.
For tomorrow,

すべてはめぐりながら
時の川を行く
すべての命と出会う場所へ

大切なものを またひとつ見つけたら
ポケットに入れて 持って行こう

晴れのち旅立ち 私には明日がある
きっと少しだけ近づけるだろう


23.Voyage

作詞:大貫妙子
作曲:千住明

瞳の中に映ってた
遠ざかって行く青い星
どんなに遠くはなれても
この手のぬくもりを はなさない

窓を流れてく銀河の海
ぼくらは渡る
青くて小さな 孤独な美しい星

失った時へと旅立つ船は
夢の中へ 長い長い旅を続けて行くのだろう

心で聴いていた あのメロディー
それは潮騒の子守唄

時は未来からやってくる
記憶をつれて
はじめてみつけた きらめく宝石のよう

そして今帰ろう 生まれた星へ
生きるすべての命の海へと
ぼくたちの故郷へ

遥か時をこえて ふたたび出会う
愛する人と
ぼくたちは今 帰ろう


24.船出

作詞:糸井重里・大貫妙子
作曲:大貫妙子

船出していく 小さな舟よ
たったひとりで 漕ぎ行く人よ
せめて わたしは 歌を歌おう
荷物にならぬ 力を君に

波の白さに 消え行く舟よ
海の蒼さに 溶け行く舟よ
いつも聞こえる 歌をあげよう
星無き夜も あたりを照らそう

舟と舟 出会ったら どこへ行こう
地図のないこの海を行こう

You are a little boat
Your little boat
君はどこまでも行ける

波に輝く 沖行く舟よ
遥かな時を越え行く人よ
そして わたしは 歌を歌おう
明日へと向かう 希望を胸に

舟と舟 出会ったら どこへ行こう
地図のないこの海を行こう

You are a little boat
Your little boat
君はどこまでも行ける


25.地下鉄のザジ

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

大人達の間かけぬけ
小さな事件 いっぱいおこす
太ったムッシュー ビックリ仰天
お屋根のネコはしっぽを立てる

たいくつ キライ
めそめそしない
悪戯 大好きなの

男の子みたいな
街の冒険者
不思議な少女 Cest moi Zazie

風にのって びゅんびゅんステップ
みんな友達 ついておいでよ
アンティーク人形踊り出し
お皿の中から エスカルゴ飛び出す

あんまり 遊び疲れて
私の お家
忘れちゃった!

ついてない メトロは
ストのまっさい中
私のジェットコースター かえして

いつまでも
街の冒険者
不思議な少女 Cest moi Zazie


26.くすりをたくさん

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

狂ってるのは君だけじゃない
さあ目を開いて人を見てごらん
どんなことを見ても
あたりまえなんて思っちゃ駄目

熱が出たら流行の病気
弱気になって諦めること
すぐに駆け付けましょう
もうすぐあなたは天国よ

薬をたくさん
選り取り見取り
こんなにたくさん飲んだら終わり
なおる頃にはまた病気

狂ってるのは君だけじゃない
さあ目を開いて人を見てごらん
どんなことを見ても
あたりまえなんて思っちゃ駄目

無理をしないで休みなさいね
あなたと違う
そんな暇ないの
どこが悪いのでしょ
とにかく薬が一番よ

たくさんたくさん
選り取り見取り
薬をたくさん
飲んだら終わり

たくさんたくさん
選り取り見取り
薬をたくさん
飲んだら終わり


27.サイレント メモリー

作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子

なつかしいメロディが ラジオから届いてる
あの風が吹いてくる 心の中に

たとえわかっていても 聞くのはつらかった
だけど言える勇気が あなたにはあった

ほんとうのさよならは
長い時をこえて 思い出にかわる時 やってくるのね

二人 描く未来の 白いカンバスを
ひとりになったあとも 書き続けて

誰に見せることも 誰がほめることも
ないと知っていても 私を書きたかった

いつも気持ちのままに 歩いて行けばいい
あなたがあなたを生きているのなら

今、胸によみがえり 流れるサイレントメモリー
なにひとつ忘れ去ることはできない

なつかしいメロディが ラジオから届いてる
あの風が歌ってる 心の中で