お吉物語/黒船哀歌

天津羽衣 お吉物語/黒船哀歌歌詞
1.お吉物語

作詞:藤田まさと
作曲:陸奥明

泣いて昔が 返るなら
なんで愚痴など言うものか
花のいのちは 一度だけ
よしておくれよ気休めは

(セリフ)
なにもかもお仕舞いなんだ
でもさ わたしにゃ 判ったのさ
どんなに男を憎んだって 女は女
女ひとりじゃ暮せないってことがさ
世の中を渡り歩いて
しみじみそう思ったんだよ
わたしだって女だものねぇ…

夢も見ました 恋もした
二世を誓った 人も居た
娘ごころの 紅つばき
どこで誰方が折ったやら

(セリフ)
ハリスさんも死んだ鶴さんも死んだ
今度はわたしの番なんだ
今のわたしは穴のあいた三味線
みたいなものなんだ
どんなに繕ってみたって
もう昔の音なんか出やしない
…お酒だよお酒をおくれッー

辛い浮世の 路地うらで
毒と知りつつ 呑むお酒
下田港の お月様
明るすぎます お吉には


2.黒船哀歌

作詞:渋谷郁男
作曲:久慈ひろし

赤い椿の 花かんざしは
下田芸者の 心中立て
せめても一度 鶴松さんの
膝で泣きたや さめざめと
ああ 恋の涙が 涸れるまで

沖の黒船 三本マスト
はぐれ千鳥が 啼いて飛ぶ
二世を契った 二人の夢も
所詮果敢ない 明烏
ああ これが浮世の 運命やら

駕籠が行く行く お吉を乗せて
下田港は おぼろ月
青いランプの 窓辺にもたれ
すすり泣いてる影法師
ああ 花が散る散る 玉泉寺