暫存

小椋佳 暫存歌詞
1.この汽車は

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

この汽車は機関手がいない
終着駅まで 止まらない
終着駅はないかも知れない
それは明日かも知れない
明日になると向う側から
べつの汽車が来るだろう
べつの汽車は夜すれちがう
汽笛の音をかわすだろう

ガタガタ必死に走るこの汽車は
この俺の汽車は
こわれそうでこわれない
必死に 走り続ける

大きな汽笛は逢えば別れだ
次の日はもう思い出だ
思い出がすぐ明日の期待に
つながる程に優しくない
優しくないけど走り続ける
右のレ-ルは僕の身体か
左のレ-ルは僕の心か
どこまでも平行線

ガタガタ必死に走るこの汽車は
この俺の汽車は
こわれそうでこわれない
必死に走り続ける

平行線はひょっとすると
右のレ-ルがこの僕で
左のレ-ルが愛する君で
それでも僕は満足で
この汽車は機関手がいない
終着駅まで止まらない
終着駅はないかも知れない
それは明日かも知れない

ガタガタ必死に走るこの汽車は
この俺の汽車は
こわれそうでこわれない
必死に走り続ける


2.遠景

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

わざわざ選んだ古びた汽車の窓がかすむ
煙も汽笛も凍える空に向かう
訪ねた街は 肌さす寒さ

暖かな息をはきかける手が
すぐまた痛くなるほどの
寒さを通り抜けてきた あなたに逢いにきた
胸にぬくもり 心にやすらぎ
不思議ね そばにいるだけで Woo Woo

互いを見つめて過ごした日々の光がよぎる
流れて止まない川面の波にはねる
いつか気付けば 道は三叉路

いつの日か人はそれぞれにみな
異なる夢を抱くもの
遠くをじっと見はじめた あなたを感じてた
夢の拡がり 別れの間際に
心で そっと応援歌 Woo Woo

いつの日か人はそれぞれにみな
異なる夢を抱くもの
その夢をずっと追いかけるあなたを愛してる
胸にぬくもり 心にやすらぎ
不思議ね 遠く離れても Woo Woo


3.KNOCK THE DOOR~ノック・ザ・ドアー~

作詞:小椋佳
作曲:渡辺浩昭

One Brand New Day Today The First Day
One Brand New Day Today The First Day

人に裏切られ 運命に弄ばれ
夢に家出され 孤独に突き落とされ
もう何もかも 放り出して
サヨナラGood‐bye 逃げ出したいときも

日はまた昇る Brand New Day Knock The Door
まだ見ぬ 世界へ行く 心燃やして
風向き変わる Brand New Day Knock The Door
初めて 出逢うこの日
The First Day of The Rest of Your Life

One Brand New Day Today The First Day
One Brand New Day Today The First Day

勝つ為に目覚め 負けを静めて眠る
希望が薄まり 絶望を友とする
自分自身に嫌気さして
サヨナラGood‐bye 死にたくなるときも

血はまだ紅く なぜか Knock The Door
命は生きぬこうと 鼓動続けて
新しい道 訊ね Knock The Door
いままた 出発の日
The First Day of The Rest of Your Life

日はまた昇る Brand New Day Knock The Door
まだ見ぬ 世界へ行く 心燃やして
風向き変わる Brand New Day Knock The Door
初めて 出逢うこの日
The First Day of The Rest of Your Life


4.藍色の時

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

胸おどる 特別な 出来事が 起こらなくても
微笑みが ふと浮かぶ 日々の 些細なことで
絹に注す 藍の色 ゆっくりと 染み込むように
幸せが 深くなる そんな そんな気がするの

今が 一番 いい時ですか
望み抱くのは 欲ばりですか

いつの世も 一人では 生きられず 時の流れに
取り込まれ 巻き込まれ 逃げ切れぬ 弱さ儚さ
忍び寄る 嵐雲 襲い来る 心細さに
幸せが 怯えてる そんな そんな気がするの

今が 一番 いい時ですか
望み抱くのは 欲ばりですか

ただあの人が 今のままでと
願うことさえ 欲ばりですか
秘そやかな夢 放って置いてと
祈るだけでも 欲ばりですか

今が 一番 いい時ですか
望み抱くのは 欲ばりですか


5.紫のドレス

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

涙が 歌になるような
悲しい 恋はやめて
二人だけの ゲーム遊ぶような
楽しい 恋にしましょう
大切な紫のドレス
たまに着る 気分でいたい

あなたは どちらかといえば
わたしに 似てて不器用
時折ふと あなたが真っすぐに
わたしを 見たりすると
遠い日の胸のいたみ忘れ
崖のふち 立つもの想い

このまま 二人が それぞれの心に
やすらぎとか 夢とか
思いやりや 憩いを 残せるなら

涙が 歌になるような
悲しい 恋はやめて
二人だけの ゲーム遊ぶような
楽しい 恋にしましょう
大切な紫のドレス
たまに着る 気分のままで


6.地平の灯り

作詞:小椋佳
作曲:加藤武雄

朝から風 昼なお嵐 夜は更に雨
打たれ 騙され 謀られ
明日の命 知れぬ旅よ
負け犬に 岩礫 砂塵 荒れ野を舞う
無情非情の 時よ せめて
健気に咲く つわぶきの
露に映せよ 微かでも 地平のほの灯り

朝から槍 昼なお刃 夜は更に弓
追われ 狙われ 欺かれ
魔界街道 闇の旅よ
負ければ死 勝つ度の 孤独 重く深く
無情非情の 人の 世にも
まこと心 消すまいと
眦 上げよ 辛うじて 灯りさす地平へ

無情非情を 未だ 知らぬ
つぶらな眼を 汚すまい
命よ 挑め ひたすらに 遠い夢のありか
地平の灯り


7.言葉

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

確かな想いが 胸を揺らすけれど
言葉足りなくて 伝え切れず

唇に乗せた途端 何かが違う
心を裏切る 言葉ばかりになるの
伝えたいことが 背中向けるの

貴方へ届ける 言葉選びながら
自分を着飾るだけと 気付く
素直になれない 自分責めるばかり

もどかしいままの 別れだったからでしょう
姿 消えるまで この手 振ったわ

言葉は 編み目の荒ら過ぎる網
捉えた 心が擦り抜けてゆく

言葉は 心のほんのひとかけらね
言葉の 垣根を越えてそばにいたいの

その暖かさに 想いあずけて


8.朝焼けのサガポー

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

ゆうべのワインの
飲み過ぎのせいじゃなく
孤独な 旅先の 人恋しさじゃなく
海の向こう ぼんやり異国の岸辺
光立つ朝焼けに今 君を想う
君の眼 その眉 微笑み その愛
島囲む海は今 波ひとつ立てず
今日一日中 何ひとつすまい
恵み少ない岩山に 健気に立つ
残り木の気高さに今 君を想う
君の手 その指 温もり その愛
サガポー 変わらない愛や
終わらない愛は 誓えないけれど
サガポー 左手にアガペー
右手にはエロス
君に微睡む時

巷の出来事の あれこれは勿論
何が嘘か本当か 事の善し悪し
それら全てがどうでもいい時もある
光立つ朝焼けに今 君を想う
その髪 その胸 安らぎ その愛
永遠に 変わらない愛や
終わらない愛を 信じられそうな
遠く 無限の大空
わしづかみ気分 君に微睡む時
サガポー 変わらない愛や
終わらない愛は 誓えないけれど
サガポー 左手にアガペー
右手にはエロス
君に微睡む時


9.野ざらしの駐車場

作詞:小椋佳
作曲:星勝

腰をおろしたきりかぶ 小首かしげた野うさぎ
久しぶりです あぁ ふるさと
砂ぼこり 砂ぼこり 野ざらしの駐車場
これも仕方のないことでしょうか

花ぐしさした少女を 追いかけていたあの日よ
久しぶりです あぁ ふるさと
砂ぼこり 砂ぼこり 野ざらしの駐車場
これが利口というものでしょうか

行き場なくして風まで 吹きあげている空まで
久しぶりでも あぁ ふるさと
砂ぼこり 砂ぼこり 野ざらしの駐車場
だれを責めればいいものでしょうか

人を責めれば いつでも 自分を恥じるばかりで
季節なくした あぁ ふるさと
砂ぼこり 心まで 野ざらしの駐車場
もどるすべさえないものでしょうか

一人一人と話せば 皆んないい事いうのに
すべてなくした あぁ ふるさと
砂ぼこり 心まで 野ざらしの駐車場
救いようなどないものでしょうか


10.くぐりぬけた花水木

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

その花の道を来る人の
明るい顔の不思議さに
くぐりぬけてみる花水木

どことあてもない旅先で
そぞろ歩きの空と道
囲みつくした花水木

何故か君のことを
何故か君のことを 考えてます

あれ程疲れていた僕が
何か夢でも見たような
まどろむ光の花水木

立ちすくむ人の心には
押し花にした思い出が
よみがえり咲くか花水木

何故か君のことを
何故か君のことを 考えてます

そのあざやかさは何もかも
捨て去ってきたこの僕の
旅を見下す花水木

敷きつめた花のやさしさに
こんな場所なら君を今
すぐにも呼びたい花水木

何故か君のことを
何故か君のことを 考えてます

その花の道を来る人の
明るい顔の不思議さに
くぐりぬけてみた花水木


11.午前二時のブルース

作詞:藤浦洸
作曲:服部良一

みてらのあかりも消えて 淋しい街角
えがおも涙も 夜霧につつまれて
ただ一人 君を待ちわび
ぬれた窓に扉に 午前二時の時計が
悲しくひびく夜空よ ああ悲しく

どこかで鳴いてた 渡り鳥さえ
ねぐらで昨日の思いに心をとじている
うす青い夢の灯(ともしび)消えた胸に心に
午前二時の時計が
明日(あした)の歌を知らせる ああかすかに


12.人間の贅沢、ひとつ

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

訪れては 去る月日は 人それぞれ 心尽くし 力尽くし
何事かを 刻み付けて 自分史書く
顧みれば その殆ど 不十分か 未完成か
けれど人間 知り得たものの 積み重なりに 悦び知る

思えば 学びは 人間が 味わえる
それ自体 贅沢のひとつ
望めば 学びは 誰でもが 手に出来る
最高の 贅沢のひとつ

どんな神の 依怙贔屓か 人間にだけ 与えられた 知ろうとする
探究心 学ぶことの 充実感
闇に光り 見る快感 向上という 満足感
人の歴史に その密やかな 一歩一歩が 煌いてる

押し付けられ 義務付けられ 学びをただ 疎んだ日々
今にすれば 懐かしさに 笑みを浮かべ 思い返す
今は言える 楽しいから 嬉しいから 好きだからと
学び続けて 昇る坂道 実りの明日が 垣間見える

思えば 学びは 人間が 味わえる
それ自体 贅沢のひとつ
望めば 学びは 誰でもが 手に出来る
最高の 贅沢のひとつ

いつか言おう 精一杯 善い命を 生きてきたと
いつの時も 瑞々しい 青春気分 抱いていたと
真実へと 飽くことなく 可能性を 追いかけたと
学び重ねて 書き終わらない その自分史に 悔いは無いと


13.旅立ちの序曲

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

君よ 語ってみないか
生まれたばかりの星達と
おずおずとした煌(きらめ)きの中に
君は熱い想いを感じる筈だ

君よ 渡ってみないか
雄々(おお)しく流れる星雲を
そのふところに抱(いだ)かれた時に
君は深い命を感じる筈だ

心を澄ませ 耳をすませ
君の旅立ちの序曲聴いてみよう

君よ 歌ってみないか
夜空に輝く 星座から
こぼれて落ちるメロディーの中に
君は夢の芽生えを感じる筈だ

心を澄ませ 耳をすませ
君の旅立ちの序曲聴いてみよう


14.光の橋を越えて

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

素晴らしく熱い涙を
人は心に 溜めている
君が行く 道をさえぎる
重くむなしい 戦さ続こうと
夢を殺すな 夢を追うんだ
はるか銀河の 輝きを
映す涙で ほほをぬらして 歓べる日を
光の橋をこえて 心を裸にして
光の橋をこえて 涙と愛を解き放して

素晴らしく 大きな愛を
人は心に 抱いてる
君が行く 道は宇宙の
無限の闇に 遠く続こうと
夢を殺すな 夢を追うんだ
いつか銀河の 輝きに
負けない愛で ちりばめられる 歓びの日を
光の橋をこえて 心を裸にして
光の橋をこえて 涙と愛を解き放して
光の橋をこえて 心を裸にして
光の橋をこえて 涙と愛を解き放して


15.あなたが美しいのは

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳・堀内孝雄

きっと初めての空を 飛ぶ鳥の心うつして
誰の胸にも ひたすら待ち望む時があるはず
いつか心を隠す 重ね着をみんなはがして
惑いひとつもない 汗をかいてみたいはず

あなたが美しいのは 愛されようとする時でなく
あなたが美しいのは ただ愛そうとする時

きっと霧深い海に 沈ませた宝のように
誰の胸にも必ず 色あせぬ夢があるもの
いつか心の底に 輝きをひとつ見つけて
抱いて思いのまま 泣いて笑ってみたいもの

あなたが素晴らしいのは 愛されようとする時でなく
あなたが素晴らしいのは ただ生きようとする時

あなたが美しいのは 愛されようとする時でなく
あなたが美しいのは ただ愛そうとする時

あなたが素晴らしいのは 愛されようとする時でなく
あなたが素晴らしいのは ただ生きようとする時


16.憧れ遊び

作詞:小椋佳
作曲:堀内孝雄

君を花に例えたら 笑うだろうか
白いユリのようだと云えば
胸の炎に気づいてないと
戸惑うだろうか

君を海に例えたら おこるだろうか
深い謎のようだと云えば
胸のうねりも俺のためだと
いらだつだろうか

君の言葉に歌を聴き
君のしぐさに舞を見る
男はいつも憧れ気分
口づけの間も夢遊び

君を星に例えたら 嫌うだろうか
遠い夢のようだと云えば
胸を合わせてそばにいたいと
悲しむだろうか

君の涙に虹を描き
君の笑顔に空を飛ぶ
男はいつも憧れ気分
口づけの間も夢遊び

君の吐息に四季を織り
君の瞳に愛を見る
男はいつも憧れ気分
抱きしめる時さえ夢暦


17.花霞そして舞落葉

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

ひと時のあなたの吐息を受けて
まどろむ私の夢のはかなさ
知りたいと思うほど
あなたにかかる花霞
つかの間にん稍を
飛びたつ鳥に似て
遠いあなた 声も届かない

ひと時あなたの言葉の中で
なぐさむ私の夢のおろかさ
知りたいと思うほど
あなたをかくす舞落葉
まばたきの間に
高い空を駆ける
遠いあなた 心届かない

いとしさはいつでも
淋しさと道づれ
遠いあなた 心届かない
遠いあなた 心届かない


18.名もない魚

作詞:寺山修司
作曲:小椋佳

名もない魚が海にいた
名もない魚が恋をした
月の明るい夜だから
月の明るい夜だから
名もない魚の悲しみは
恋が届かぬ事でした
海には手紙がないのです
郵便ポストもないのです

名もない魚は手紙になった
自分の体に字をかいた
恋しい 恋しい 恋しいと
恋しい 恋しい 恋しいと
名もない魚は海の底
ひとり ひらひら ひらひらと
名もない魚の片思い
名もない恋の物語


19.この空の青さは

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

帰るときめた夜が明ける
一人よがりの 冬が終わる
ああ それにしても
この空の青さはどうだ
この雲の白さはどうだ

僕はもう逃げない
君が待ってる

初めてのように夜が明ける
一人よがりの 旅が終わる
ああ それにしても
あの朝の光はどうだ
この木々の緑はどうだ

僕はもう逃げない
君が待ってる


20.屋根のない車

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

ある日公園で みたことのない大きな鳥がいた
みたことのない 輝く鳥がいた
屋根のない車にのって 俺は追いかけた

空をかける その鳥を追い 街をすぎ去った
その鳥を追い 丘をすぎ去った
屋根のない車にのって 俺は追いかけた

ある日野原に 鳥はおりたち
鳥のそば近く みたことのない かわいい娘がいた
屋根のない車をおりて 俺は近づいた

鳥はとびたち 俺と娘は小屋をつくって
俺と娘は 一緒にくらした
屋根のない車は もう俺は忘れはて

ある日野原に みたことのある鳥が飛んでゆく
みたことのある 車が追いかける
屋根のない車にのって 俺もいかなきゃもう一度

俺もいかなきゃ もう一度


21.白い浜辺に

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

白い浜辺に 日を浴びながら
裸の君が かけてゆく
白い浜辺に 腕ふって
僕が汗をふきふき
どうしても追いつけない
昨夜の夢の話しさ

白いかもめに ほほえみながら
まぶしい君が 振り返る
白いかもめに 立ち止まり
僕が小さな肩に
何気ない口吻
昨夜の夢の続きさ

初めての口吻
昨夜の夢の話しさ


22.雨が降り時が流れて

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

高原をゆく 子馬たちよ
まどやかに そして強くかけて行くんだ
目かくしされた 馬車馬の
親たちをあわれみながら
追い越して行くんだ
雨が降り時が流れて
忘れ物をせぬうちに

今年生まれた 渡り鳥よ
まどやかに そして強くかけて行くんだ
同じ旅路に あきもせぬ
親たちをあわれみながら
追い越して行くんだ
雨が降り時が流れて
忘れ物をせぬうちに


23.お前が行く朝

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

お前が行く朝 何を語ろう
出発の日だというのに 雨の季節だ
雨に霞んで お前の姿が消える時
せめて大声で もう一度呼びあおうか

お前が行く朝 何を祈ろう
悲しいお別れじゃないのに 変な気分だ
雨に打たれて 心が沈んでしまうから
せめて大声で 馬鹿野郎とでも言おうか

お前が行く朝 何を歌おう
引き止める旅じゃないのに 雨の季節だ
雨にかくれて 残る寂しさを歌うより
せめてさっぱりと どしゃぶりに濡れてみよう


24.小さな街のプラタナス

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

小さな街の 小さな恋
小さな公園 大きな木
大きな大きな プラタナス
木の葉が一枚 舞っていた

私はあの日 まだ子供
あなたもあの日 まだ子供
大きな大きな 黒い雲
こわくてかくれた プラタナス

とってもとっても 年寄で
とってもとっても 太くって
二人の両手で かこんでも
かこみきれない プラタナス

知らない間に 時が過ぎ
よごれた雨が ふり始め
枯れてく年寄 プラタナス
最後の木の葉も 舞いおちた

何も残さぬ プラタナス
泣くに泣けない プラタナス
この世にたった一つだけ
残した私の 恋の思い


25.愛がこわれそう

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

ガラスの扉をたたくのは 誰
きまぐれな言葉かと ふるえています
いつも笑顔で おどけてみせる
さわやかな その仕草 胸にやきつく
一度でも 愛してると
言えば あなたは喜んでくれますか
ガラスの扉を あければすぐに
こわれそう この愛が 風がつよくて

ためらう私を 許してほしい
幸せが重すぎて ふるえています
いつも帰り道 あなたの愛を
かみしめて その言葉 繰り返してる
明日には愛してると
幾度 想って夢をみたことでしょう
ガラスの扉を あければすぐに
こわれそう この愛が 風がつよくて


26.陽だまりの仲間達

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

陽だまりに腰かけて
風そよぐ音きいて
街角に群れ遊ぶ
かわいい鳩をよんでごらん
あれは白い花だね
二つ つんでくれたね
陽だまりにふくらんだ
若い恋の想い出だよ

陽だまりに腰かけて
飛んでゆく雲をみて
何となく草笛を
一人そっと吹いてごらん
あれは暑い夏だね
肩を組んで歌った
陽だまりの仲間達
若い友の想い出だよ

熟れた柿の実 落ちて
坂道 ころげてゆく時も

陽だまりに腰かけて
流れゆく季節にさえ
何故かしら暖かい
若い心呼んでごらん


27.走らないで下さい

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

人間達が急ぎ足で
バタバタバタバタ通りすぎても
年老いたノラ犬さえも
あくびしながら日なたぼっこしてる
走らないで下さい
走らないで下さい
子犬にことばをかけて下さい

他の誰かを追いこしても
あせって時間を追いかけても
夕日映す柿の実ほども
甘くもめだちもしないものでしょう
走らないで下さい
走らないで下さい
青い草笛吹いて下さい

私の愛するあなただけには
心の底から笑ってほしい
心から泣いてほしい
やさしい言葉を捨てないでほしい
走らないで下さい
走らないで下さい
歩く楽しさ知って下さい

走らないで下さい
走らないで下さい
歩く楽しさ知って下さい


28.道草

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

まっすぐに張った糸が あの日僕は好きだった
岩に似て 強いものが あの日僕にあるように
恋さえも人の弱さ 許せないごまかしなんだと
肩はって人を責めても 実りない日々のからまわり
じっと目を閉じ 今 じっと目を閉じ
心の中で琥珀にかすむ思い出たどれば
浮かんでくるのは 不思議と道草
数々の寄り道 まわり道

真実を背負うことが あの日僕は好きだった
この世には他に意味が あの日僕に無いように
どんなにか闇を行こうと 果てない深さの極みに
あこがれを守り袋に はりつめた日々のからまわり
じっと目を閉じ 今 じっと目を閉じ
あの気まぐれとそのたわむれと またあやまちさえ
許しも乞わずに 手を振る道草
数々の寄り道 まわり道


29.うなぎのじゅもん

作詞:小椋佳・宮原芽映
作曲:小椋佳

まってるだけじゃ なにもおきない
とおいみちでも でかけてみよう
むずかしそうでも やってみようよ
つまずいたって あきらめないで

うなぎみたいに ねばりづよく ながく

ゆめにむかって うなぎのじゅもん
こころポカポカ おまじないだよ

うなだれない うなぎ
うなされない うなぎ
あこがれに うながされ
しあわせに うなずいて

うさぎのうなじ うわぎのうらじ
うなぎのうまみ うなぎのげんき
こんき ゆうき ほんき
うなぎ パイパイパイ

おもいどおりじゃ おもしろくない
いつもであいは おもいがけない
よじれたみちでも いってみようよ
ぶつかったって つかれしらずで

うなぎみたいに ねばりづよく ながく

ゆめにむかって うなぎのじゅもん
こころポカポカ おまじないだよ
うなだれない うなぎ
うなされない うなぎ
あこがれに うながされ
しあわせに うなずいて

うさぎのうなじ うわぎのうらじ
うなぎのうまみ うなぎのげんき
こんき ゆうき ほんき
うなぎ パイパイパイ

うなだれない うなぎ
うなされない うなぎ
あこがれに うながされ
しあわせに うなずいて

うさぎのうなじ うわぎのうらじ
うなぎのうまみ うなぎのげんき
こんき ゆうき ほんき
うなぎ パイパイパイ


30.夢の世と

小椋佳・西川大貴

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

この世をば 夢の世として 生きましょう
空しさを 承知の上で 面白く
厳しさは 胸底深く
優しさを振り撒きながら
散る桜 残る桜も 散る桜

この世では 欲は無用と 消しましょう
欲捨てた 遊び姿の美しく
夜は更に 真昼も夢と
想うまま 戯れながら
散る桜 残る桜も 散る桜

この世をば 浮世憂き世と 知りましょう
舞う花の 見事な様に 見愡れては
死に惑う その儚さと
哀しさを ひと愛でながら
この世をば 夢の世として 生きましょう
空しさを 承知の上で 面白く