全曲集

小野由紀子 全曲集歌詞
1.いいじゃないか

作詞:円理子
作曲:弦哲也

いつの時代も 人の世は
苦労九(ころうここのつ)つ 幸せ一つ
背すじ伸ばして 生きるには
嵐も吹けば 風も吹く
いいじゃないか いいじゃない
それが人生 自分流 いいじゃないか

いつの時代も 人の世は
まわり舞台さ 男と女
春夏秋冬 恋をして
合縁奇縁(あいえんきえん)で 結ばれる
いいじゃないか いいじゃない
それが人生 自分流 いいじゃないか

いつの時代も 人の世は
生まれた時から 旅人なのさ
世渡り上手に 歩く人
不器用者は 遠まわり
いいじゃないか いいじゃない
それが人生 自分流 いいじゃないか


2.母娘草(ははこぐさ)


3.椿の宿

作詞:円理子
作曲:保田幸司郎

雨のしずくに 耐え切れなくて
ホロリこぼれた 一輪は
未練涙(みれんなみだ)を 湯けむりの
向こうに流す 紅椿
ああ 湯の宿に 雨が降る

あなたの肩が 私の袖(そで)が
濡れて切ない 春しぐれ
別れたくない 湯けむりの
向こうに心が 乱れます
ああ 湯の宿に 雨が降る

流れ流れて 湯の町ぐらし
いつか私も 伊豆の花
笑顔咲かせば 湯けむりの
向こうに明日(あす)が 見えますか
ああ 湯の宿に 雨が降る


4.パラダイス東京

作詞:円理子
作曲:弦哲也

ああ東京 東京 愛が花咲く この街は
パラダイス パラダイス パラダイス東京

吾妻橋から お台場へ
上り下りの 舟が行く
傷を背負った 二人にも
愛があるある 愛がある

ああ東京 東京 愛が花咲く この街は
パラダイス パラダイス パラダイス東京

銀座の柳 風まかせ
夢も買えるよ 数寄屋橋
何だ神田と 神だのみ
明日があるある 明日がある

ああ東京 東京 明日は揃って 浅草へ
パラダイス パラダイス パラダイス東京

昔も今も 隅田川は
人の喜び 悲しみを
水に流して 春を呼ぶ
夢があるある 夢がある

ああ東京 東京 夢が渦巻く この街は
パラダイス パラダイス パラダイス東京


5.日本橋から

作詞:二木葉子
作曲:大谷明裕

風にじゃれてる のれんに賭けた
ふたりの振り出し 日本橋
ちょいといなせで 歯切れがよくて
年がら年中 浮かれ神興の祭り好き
人形町で音頭取り 浜町あたりで勇み酒
でもねあのひと すっきりしゃっきり江戸前よ
時代おくれの 時代おくれの いい男

河岸にあがった 魚がはねりゃ
のれんに陽がさす 日本橋
情にもろくて あれこれまめで
江戸から続いた これが老舗の十代目
八丁堀で夢を釣り 室町あたりで油売る
でもねあのひと すっきりしゃっきり江戸前よ
時代おくれの 時代おくれの いい男

のれんおろせば 糸切れ凧で
灯りに誘われ 日本橋
ここはわたしが しっかりしなきゃ
商い舞台に 金の屏風は飾れない
水天宮で産湯浴び 甘酒横町で初恋を知る
だからあのひと すっきりしゃっきり江戸前よ
時代おくれの 時代おくれの いい男


6.深川雀

作詞:逢坂俊季
作曲:弦哲也

娘十六 恋染めし
亀戸天神 願かけ参り
つれない御神籤 末吉を
枝に結んで チョイと拗ねて ハァー

深川雀が チュンチュンチュン
噂ばなしに チュンチュンチュン
親にゃ内緒に しておくれ
恋しお方も エー 木場育ち
そりゃ チュンチュンチュン チュンチュンチュン
チュンチュンチュン チュンチュンチュン

伝えられない 胸のうち
門前仲町 三味の音小唄
木遣りの若衆 あの人は
いつになったら チョイと気づく ハァー

深川雀が チュンチュンチュン
お堀集まり チュンチュンチュン
惚の字書きたや この紅で
粋な藍染め エー 半纏に
そりゃ チュンチュンチュン チュンチュンチュン
チュンチュンチュン チュンチュンチュン

深川雀が チュンチュンチュン
噂ばなしに チュンチュンチュン
親にゃ内緒に しておくれ
恋しお方も エー 木場育ち
そりゃ チュンチュンチュン チュンチュンチュン
チュンチュンチュン チュンチュンチュン


7.夫婦ごよみ

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

ついてゆくなら この人と
決めていました 本気です
さよならばかりの 街だから
はぐれて迷子に ならぬよう
あなた この手を離さずに
夫婦日めくり 夢ごよみ

背負って重たい 浮世なら
ふたり分けましょ 軽くなる
女は可愛い だけじゃない
ほころび縫うのも 得意です
あなた 一本つけますね
夫婦日めくり 冬うらら

地図は心に あるだけで
明日まかせが 本音です
遅めの春ほど 花が咲く
信じて一生 ふたりづれ
あなた この手を離さずに
夫婦日めくり 夢ごよみ


8.恋千鳥

作詞:下地亜記子
作曲:徳久広司

沖は荒海 佐渡の島
ここは越後の 港町
赤い椿の 花びらが
風に誘われ 散る日暮れ
まだ忘れない…
まだまだ恋しい
未練ひと鳴き 恋千鳥

いつも 倖しあわせ さがすたび
何故か不幸と めぐり逢う
夜を震わす 海鳴りを
聞けばあなたを 想い出す
まだ忘れない…
まだまだ恋しい
心乱れる 恋千鳥

あなた 錨が 重すぎて
動けないのよ 一人では
何処へ逃げたら 隠れたら
胸の傷跡 消せるやら
まだ忘れない…
まだまだ恋しい
夢にはぐれた 恋千鳥


9.泣かんとこ

作詞:杉紀彦
作曲:岸本健介

生まれる時に 大声あげて
泣いて出て来た 人生やないの
あんたも私も 人の子やのに
傷つけあって どないする
あゝ泣きたいけれど 泣きたいけれど
今は泣かんとこ
あゝ小雨やけれど 小雨やけれど
今は泣かんとこ
これ以上みじめになったらあかん
涙はみせんとこ

恋した夜に 心ふるわせ
泣いて誓った ふたりやないの
人間ひとりも 信じられずに
生きてくなんて 哀しいね
あゝ泣きたいけれど 泣きたいけれど
今は泣かんとこ
あゝ私もわるい あんたもわるい
だから泣かんとこ
もう一度いいこと あるかも知れん
涙はとっておこ

あゝ泣きたいけれど 泣きたいけれど
今は泣かんとこ
あゝ淋しいけれど 淋しいけれど
今は泣かんとこ
もう一度あんたを信じてみたい
涙はみせんとこ
やっぱり泣かんとこ


10.戻れぬ旅だよ人生は


11.筏流し


12.相川の女(ひと)


13.雪伝説

作詞:野村耕三
作曲:弦哲也

闇に絣を 織り上げながら
しじまシンシン 雪が降る
思い出すのね こんな夜は
切るに切れない 未練の糸で
恋のまぼろし 機を織る
雪のおんなの 哀しみを

風の便りを 届けるように
ささめサラサラ 雪の声
聞いて下さい 寒い夜は
耐えて椿の 蕾の中に
ひとつ幸せ 紅の花
祈るおんなの まごころよ

差す手ひく手を 忍ばせながら
こごめチラチラ 雪が舞う
抱いてゆきたい 明日の夜も
迷い捨てれば 宿命の恋を
照らす雪洞 夢あかり
熱いおんなの いのち灯を


14.舞曲・雪月花


15.湯の町酒場

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

風の 噂に さそわれて
降りたつ駅は 雪の中
路地にこぼれる 赤提灯の
灯にさえ泣ける
おまえが匂う
一目逢いたい湯の町酒場

酔いにまかせて抱きよせた
男のつみが 身をせめる
つれて行ってと小指をからめ
すがった夜の
おまえの 涙
酒がおもたい湯の町酒場

闇にながれる汽車の汽笛
追うほどつらくなる旅さ
泣いているのかしあわせなのか
凍てつく空に
おまえがゆれる
抱いてやりたい湯の町酒場


16.他人船

作詞:遠藤実
作曲:遠藤実

別れてくれと 云う前に
死ねよと云って ほしかった
ああ この黒髪の 先までが
あなたを愛して いるものを
引離す 引離す 他人船

背中を向けた 桟橋で
さよなら云えず 濡らす頬
ああ この指切の 指までが
あなたを愛して いるものを
引離す 引離す 他人船

いつか逢えると それだけを
のぞみにかけて 生きてゆく
ああ この目の下の ホクロさえ
あなたを愛して いるものを
引離す 引離す 他人船