百恵辞典

山口百恵 百恵辞典歌詞
1.としごろ

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

陽に焼けた あなたの胸に
眼を閉じてもたれてみたい
潮風が 鼻をくすぐる
訳もなく 泣き出す私
あなたにすべてを見せるのは
ちょっぴり恐くて恥ずかしい
私が私でなくなるの
くちびるを やさしく噛んで
めざめてくる としごろよ

乱れてる あなたの髪を
やわらかくとかしてみたい
ふりそそぐ 陽ざしのなかで
感じるの 大人を 私
ふたりの間に 美しい
何かが生まれて来るみたい
私が私でなくなるの
手のひらに 泪をためて
めざめてくる としごろよ


2.叱らないでね

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

あなたの腕を 枕に借りて
うたたねしてみたい 一度だけ
真夏の海は はじらう季節
ちょっぴり潮風が いい匂い
女の子だから 何気ない
言葉や仕草で 泣きたくなるの
叱らないでね 私の恋を
あなたにわがままを 言いたくなるの

あなたの髪に 両手をまわし
眼かくししてみたい 一度だけ
真夏の海は まぶしい季節
ギラギラ太陽が 肌をやく
女の子だから 何気ない
言葉や仕草で 泣きたくなるの
叱らないでね 私の恋を
あなたに意地悪を してみたくなる


3.青い果実

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

あなたが望むなら
私何をされてもいいわ
いけない娘だと
噂されてもいい

恋した時に 躰の隅で
別の私が 眼を覚ますの
大きな胸に 抱きとめられて
きれいな泪 こぼすのよ
側に居れば 側に居れば
誰も恐くない

あなたが望むなら
私何をされてもいいわ
いけない娘だと
噂されてもいい

恋した時に 心の中で
別の私に 生まれ変わる
恥しそうに 薄眼をあけて
初めて秘密 打ちあける
側に居れば 側に居れば
何もほしくない

あなたが望むなら
私何をされてもいいわ
いけない娘だと
噂されてもいい


4.おかしな恋人

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

まるで妹みたいと
いつもみんなに言われる
あなたと私は 不思議な関係
街は離れて歩くし
服の好みも違うし
あなたと私は おかしな恋人
いつもはじめは 仲良くて
いつもしまいに 喧嘩する
愛しているかいないか
ちょっと迷っちゃう
淋しがり屋が似ている
甘えんぼうが似ている
あなたと私は おかしな恋人

まるで兄さんみたいと
いつもみんなに言われる
あなたと私は 不思議な関係
キスはおぎりで済ますし
指はおせじでつなぐし
あなたと私は おかしな恋人
いつもはじめは 微笑んで
いつもしまいに 怒りだす
愛しているかいないか
ちょっと迷っちゃう
淋しがり屋が似ている
甘えんぼうが似ている
あなたと私は おかしな恋人


5.禁じられた遊び

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

恐くない 恐くない
あなたとだったら 何でも出来る
離れない 離れない
あなたとだったら 何処でも行ける

稲妻みたいな 赤いひらめき
私の躰をかけめぐる
生まれて初めて 人を愛して
私の心は乱れそう
今こそ私は 変ってゆくわ
カラを脱ぎ捨てる

惜しくない 惜しくない
あなたが望めば 何でも捨てる

破らない 破らない
あなたとだったら 秘密は守る
悔やまない 悔やまない
あなたとだったら 何でも耐える

ローソクみたいな 燃える炎に
私の躰は熱くなる
思いもよらない 愛の痛みが
私の心につきささる
今こそ私は 変ってゆくわ
カラを脱ぎ捨てる

惜しくない 惜しくない
あなたが望めば 何でも捨てる


6.パパは恋人

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

手のひら握ると
何かがつかめるの
お前もそろそろ
年頃になったね
私の倖せは どこにあるの
近くなる遠くなる そして隠れるルル
私の恋人は パパに似てる
唇も髪の毛も 指の形も
三人でお見合いしましょう
いつの日にかいつの日にか

睫毛をふせると
泪がこぼれるの
何だかこの頃
綺麗に見えるのさ
私の倖せは 誰がくれる
あの人かこの人か 別の人かなアア
私の恋人は パパに似てる
笑い声歩き方 話す仕草も
三人でお見合いしましょう
いつの日にかいつの日にか


7.春風のいたずら

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

喧嘩して 泣きながら
あなたと別れて 帰る道
夕暮れの 街の中
私は迷子に なりそうよ

女の子の 胸の中
なんにも分かって くれないの
知らない誰かが 声かける
恐いわ 恐いわ 恐いわ
こんな時こそ あなたに居てほしい

振り向いて 人混みに
あなたの姿を 捜す道
つまづいて よろめいて
私は今にも 倒れそう

女の子の 淋しさを
少しも察して くれないの
紙クズ飛ばして 風が吹く
寒いわ 寒いわ 寒いわ
こんな時こそ あなたに居てほしい

女の子の 淋しさを
少しも察して くれないの
紙クズ飛ばして 風が吹く
寒いわ 寒いわ 寒いわ
こんな時こそ あなたに居てほしい


8.雨に濡れた少女

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

雨の降る街角ひとり
歩いてる私
いつもここのあたりで
またあなたに逢える
別に言葉も交さないのよ
名前も聞かない
それだけで幸福な気分なの
自分だけ 恋しているの
自分だけ 愛されてるの
初恋にくちづけしたら
ちょっとだけ甘い
雨の匂いがする

傘を半分だけ広げ
歩いてる私
いつもこんな時間に
またあなたに逢える
別に何も起らないのよ
所も聞かない
それだけで喜びを感じるの
自分だけ 恋しているの
自分だけ 楽しんでるの
初恋にくちづけしたら
ちょっとだけ甘い
雨の匂いがする


9.ひと夏の経験

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

あなたに女の子の一番
大切なものをあげるわ
小さな胸の奥にしまった
大切なものをあげるわ

愛する人に 捧げるため
守ってきたのよ
汚れてもいい 泣いてもいい
愛は尊いわ

誰でも一度だけ 経験するのよ
誘惑の甘い罠

あなたに女の子の一番
大切なものをあげるわ
綺麗な泪色に輝く
大切なものをあげるわ

愛する人が 喜ぶなら
それで倖せよ
こわれてもいい 捨ててもいい
愛は尊いわ

誰でも一度だけ 経験するのよ
誘惑の甘い罠


10.太陽の友達

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

大きなひともいいわ
小さなひともいいわ
ひと夏だけの短い恋だから
相手のひと見較べる

危ないひともいいわ
やさしいひともいいわ
太陽あかく 背中にふりそそぐ
水着のあと白い
男の子達 熱い眼差しを投げるの
でも私には 胸の奥深く
決めてるひとがいる

※女の子にはきっと
何かが起こる季節
思いもよらぬ何かが待っている
夏休みが恐い※

大人のひともいいわ
いけないひともいいわ
ひと夏だけの綺麗な恋だから
相手のひと大事なの

真面目なひともいいわ
嘘つくひともいいわ
寄せては返す 浜辺の波しぶき
シャボン玉にかわる
男の子達 濡れた指先で誘うの
でも私には すべて任せてる
ひとりのひとがいる

(※くり返し)


11.ちっぽけな感傷

作詞:千家和也
作曲:馬飼野康二

もちろん出来ないことだけど
あなたを嫌いになりたいの
傷つきあうのが恐いから
小さな心を痛めてきたの

なぜ愛されちゃいけないの
胸の奥も指の先も感じてるのに
ほかの男のひととは
どこか違ってたわ あなた

今すぐに消えて 私の前からどうぞ
泣くのはどちらか ひとりでいいわ

死ぬより悲しいことだけど
私を憎んでほしいのよ
求める気持が強いほど
ふたりはすべてを失くしてしまう

なぜ愛されちゃいけないの
黒い髪も白い耳も感じてるのに
きっと私なんかより
いいひとがいるわ あなた

今すぐに消えて 私の前からどうぞ
泣くのはどちらか ひとりでいいわ


12.清潔な恋

作詞:千家和也
作曲:馬飼野康二

女の子から男の子へ
愛に対する答をあげましょう
あなたのこぼす泪の中に
愛を私はみつけた
他の人には分からなくても
愛をみつけたの
あなたになら許せるわ
私の小さな命
倖せのくちづけ軽く受けとめる
清潔な恋だから
女の子から男の子へ
愛に対する答をあげましょう

あなたのたてるひとさし指に
愛を私はみつけた
私がずっと捜しつづけた
愛をみつけたの
あなたになら話せるわ
私の今日までのこと
想い出のため息肩でつきながら
清潔な恋だから
女の子から男の子へ
愛に対する答をあげましょう


13.冬の色

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

あなたから許された 口紅の色は
からたちの花よりも 薄い匂いです
くちづけもかわさない 清らかな恋は
人からは不自然に 見えるのでしょうか

いつでもあなたが悲しい時は
私もどこかで泣いてます
恋する気持に疑いなんて
はいれる隙間(すきま)はありません

あなたなら仲のいい 友達にさえも
微笑んで紹介が 出来る私です

あなたからいただいた お手紙の中に
さりげない愛情が 感じられました
倖せのほしくない ぜいたくな恋は
世の中にめずらしい ことなのでしょうか

突然あなたが死んだりしたら
私もすぐあと追うでしょう
恋する気持にためらいなんて
感じる時間はありません

あなたなら他の子と 遊んでるとこを
見つけても待つことが 出来る私です


14.伊豆の踊子

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

通り雨往く 峠の茶屋に
晴れて道連れ 旅の空
可愛い踊子 太鼓を提げて
歩く道すじ 白い花

今日の泊まりは いで湯の宿か
白い湯舟に 染まる肌
可愛い踊子 お座敷めぐり
三味と太鼓の 障子窓

恋と呼ぶには まだ幼なさが
残る黒髪 薄化粧
可愛い踊子 小首をかしげ
笑う眼もとの 恥ずかしさ

舟は出てゆく 下田の浜を
またの逢う日は 来るのやら
可愛い踊子 うち振る指に
こぼす涙も 紅の色


15.湖の決心

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

運命を信じますか
そしてそれに従いますか
私は 私は
あなたに従います

白い鳥が仲良く
水をあびています
悪い人は訪ねて来ない
名も知らぬ湖
向こう岸をめがけて
石を投げたあなた
波の渦が広がるように
私の心も乱れます

もしかしたらあなたに対して
好意以上の気持を抱いてます
そしてそれはふたりにとっては
危険なことかも知れません

ひとつだけ教えて下さい
倖せになれるでしょうか

赤い薔薇が一枝
水に浮いています
風の音もはばかるような
名も知らぬ湖
ひとり何か悩んで
ほほをぬらすあなた
青い色に溶け込むように
私も一緒に泣いてます

いつも私あなたのためなら
すべて投げ出す覚悟が出来てます
そしてそれでふたりの間が
終りを告げてもいいのです

ひとつだけ教えて下さい
倖せになれるでしょうか


16.春の奇跡

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

そろそろ街に薄着が目立つ
わた雲浮かぶ季節が来たわ
ふたりにとって今年の冬は
長くて暗い想い出でした
あなたをひとり占めに
したいと思ったから
泣く真似もした
死ぬ真似もした
そしてあなたを傷つけた
許して下さい 私は馬鹿でした
二度とあやまちはくり返さない

自分に嘘をつかないことが
尊いことと初めて知った
ふたりにとって今度の春が
本当の意味の始まりなのね
あなたの深い愛を
確かに感じたから
ぶたれてもいい
倒れてもいい
いつもあなたを信じてる
見ていて下さい 私は変わります
二度とあやまちはくり返さない


17.夏ひらく青春

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

ひとつ結ぶ ひとつひらく
恋という名前の 夏の花
ひとつ結ぶ ひとつひらく
めくるめく光の中で

めぐり逢って 好きになって
許し合って あとで泣いた私
きっと夏のせいね
女として 男として
大人として 認め合ったふたり
熱い出来事
あなたに対して 憎しみは
ほんの少しも 感じてないけど
美しい想い出が 辛いの

ひとつ結ぶ ひとつひらく
恋という名前の 夏の花
ひとつ結ぶ ひとつひらく
めくるめく光の中で

求めすぎて 与えすぎて
失くしすぎて 駄目になった私
きっと夏のせいね
爪の色も 肌の色も
髪の色も わかりすぎたふたり
熱い出来事
あなたに対する 友情は
前と比べて 変りはないけど
いい人に逢うことが 恐いの

ひとつ結ぶ ひとつひらく
恋という名前の 夏の花
ひとつ結ぶ ひとつひらく
めくるめく光の中で


18.愛がひとつあれば

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

ひとり位私みたいな娘(こ)が
熱い夏の片隅にいてもいいわ
あなたのする事は正しい事と
あくまで信じる
口をつけた水もあとで飲むわ
目ざわりな指輪なんて欲しくないわ
あなたの眼の前にひれふしながら
泣くのもいとわない

※愛がひとつあれば
罪もひとつある 悲しい事実
愛が深くなれば
罪も深くなる 裁きを受けるわ
誰もみんな一度はこぼす
甘くて苦い涙※

ひとり位私みたいな娘(こ)が
熱い夏の片隅にいてもいいわ
ふたりのおこないについて答は
あとから出せるはず

(※くり返し)


19.ささやかな欲望

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

青い落葉を舞い散らして
時間通りにバスが着いた
鞄ひとつだけ持って私は乗る
送らないでと頼んだのに
やはりあなたは顔を見せた
うまくお別れが出来るでしょうか

生意気ですけど ひとつだけ言わせてね
あなたを心から 愛してた
私はあなたを 悪者にしたくない
だからひっそりと 離れてゆく

町の境をバスが過ぎて
ひとつふたつと席が空(あ)いて
道連れも出来ずひとり私はゆく
指があなたをなつかしがる
耳があなたを追い求める
だけどここに来て戻れはしない

生意気ですけど ひとつだけ言わせてね
あなたは素晴らしい 男性(ひと)でした
私はあなたを 不幸にはしたくない
だから自分から 離れてゆく


20.ありがとう あなた

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

私のせいなら 許してください
あなたをこんなに苦しめたことを
私のことなど これきり忘れて
明るい陽なたを 歩いてほしい

枯葉がひとつずつこぼれるたびに
悲しいお別れ近づいてます
泣いたり笑ったりけんかをしたり
あなたといるかぎり素直になれました

“ありがとう あなた”

あとどのくらい 愛されますか
あとどのくらい 生きられますか

私のせいなら 許して下さい
あなたを知らずに傷つけたことを
私はひとりで どうにかなるから
いい人かならず みつけてほしい

小石をひとつずつならべるように
いろんな想い出 数えています
人から愛される幸福の意味
あなたは手をとって教えてくれました

“ありがとう あなた”

あとどのくらい 愛されますか
あとどのくらい 生きられますか


21.白い約束

作詞:千家和也
作曲:三木たかし

白く透き通る 雪が降る
音もしなやかに 雪が降る
人の汚れた心を 埋めてゆくように

※ねえ 綺麗なまま 生きることは
無理なのかしら
ねえ 私達も 愛し合うと
いつかは汚れて しまうのかしら※

白く透き通る 雪が降る
息をするように 雪が降る
人の涙や悲しみ 知っているように

ねえ 冷たい眼で 見られるのは
いつまでかしら
ねえ 私達は どんな時も
信じていること 約束するわ

(※くり返し)


22.山鳩

作詞:千家和也
作曲:三木たかし

泣かせて下さい その胸で
泪の泉も 枯れるほど
流れる雲よ 山鳩よ
運命悲しく 引き裂かれ
死んでゆきます ひと足先に

つないで下さい この指を
心がひとつに 溶けるまで
せせらぐ水よ 野の花よ
夢は遥かな あの山へ
死んでゆきます ひと足先に

許して下さい 今日までの
捧げた命の 短さを
まばゆい空よ 淡雪よ
愛の名残りは つきないが
死んでゆきます ひと足先に


23.愛に走って

作詞:千家和也
作曲:三木たかし

パジャマのままで走って来たの
暗やみの中 あなたを追って
電話の声の淋しい響き
気のせいだけで すまされなかったの
ほんとの気持が 聞きたいの
ひとりでどこかへ行かないで

うまい言葉が見つからなくて
ただ泣くばかり
何かに私 おびえているの
あなたの愛がつかみきれないから

素足にあたる小石が痛い
青ざめたほほ あなたの前に
自分が何をしているかさえ
分からないほど 心が乱れるの
何にも考え うかばない
悲しい行ないせめないで

にぎりこぶしに力をこめて
ただふるえてる
何かを私 恐れているの
あなたの愛がつかみきれないから

うまい言葉が見つからなくて
ただ泣くばかり
何かに私 おびえているの
あなたの愛がつかみきれないから


24.赤い運命

作詞:千家和也
作曲:三木たかし

誰かが私を 呼んでいる
小さく淋しく そしてなつかしく
生まれた時から この胸の
どこかで知らない 声が聞こえてる

この広い空 あの流れ星
いつか見たような 気がするの

もうひとりの私が 何処かにいます
もうひとりのあなたを 捜しています

誰かが私を 見つめてる
大きくやさしく そしてあたたかく
どんなに泣いても 悲しみは
私の中から 消えてくれない

この陽の光 あの長い影
側にいたような 気がするの

もうひとりの私が 何処かにいます
もうひとりのあなたを 捜しています

もうひとりの私が 何処かにいます
もうひとりのあなたを 捜しています


25.横須賀ストーリー

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

これっきり これっきり もうこれっきりですか
これっきり これっきり もうこれっきりですか

街の灯りが映し出す
あなたの中の見知らぬ人
私は少し遅れながら
あなたの後ろ 歩いていました

これっきり これっきり もうこれっきりですか
これっきり これっきり もうこれっきりですか

急な坂道 駆けのぼったら
今も海が 見えるでしょうか
ここは横須賀

話しかけても 気づかずに
ちいさなアクビ重ねる人
私は熱い ミルクティーで
胸まで灼けてしまったようです

これっきり これっきり もうこれっきりですか
これっきり これっきり もうこれっきりですか

あなたの心 横切ったなら
汐の香りまだするでしょうか
ここは横須賀

一緒にいても心だけ
ひとり勝手に 旅立つ人
私はいつも置いてきぼり
あなたに今日は聞きたいのです

これっきり これっきり もうこれっきりですか
これっきり これっきり もうこれっきりですか

そう言いながら 今日も私は
波のように抱かれるのでしょう
ここは横須賀


26.GAME IS OVER

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

しあわせとふしあわせの境目が
うすいドアー1枚分もないことを
今迄 わたし 知らなかったの

むきだしの床きしませ土足のまま
ノックもせずに入って来たのは
あれは確かにさよならの影

GAME IS OVER わたしにはそう聞こえたの
GAME IS OVER ドアのひらく音

天井にこだましながら返ってくる
砂糖菓子の夢が壊れてゆく音は
あれは確かにさよならの声

しあわせとふしあわせの境目に
そうね鍵をかけずにいたことが
やっぱり わたし いけなかったの

錆ついたノブをまわしいつのまにか
嵐のように出ていったのは
あれはたしかにさよならの影

GAME IS OVER わたしにはそう聞こえたの
GAME IS OVER ドアの閉じる音

もういちど泣きあかして眼がさめたら
心のなか大きな刷毛で塗りかえて
そして消すのよさよならの影
そして消すのよさよならの影


27.パールカラーにゆれて

作詞:千家和也
作曲:佐瀬寿一

街は恋するものたちの港
落葉はひき潮の浜辺
流れ星・人・影 愛はさざなみの夢

パールカラーの街あかり
この胸にうけとめて
甘い風にさそわれて
泣きながら歩きましょう

ふたり 揺れて揺られて 流れ流れて
あなたとなら どこまで
揺れて揺られて 流れ流れて
知らない港に 着きたい

街は恋するものたちの港
夜風は潮騒のしじま
濡れた髪・顔・指 愛は帆の切れた舟

テールランプの淋しさに
さよならの眼をとじる
ひかれるままくちづけを
人知れずかわしましょう

ふたり 揺れて揺られて 流れ流れて
あなたとなら どこまで
揺れて揺られて 流れ流れて
知らない港に 着きたい

ふたり 揺れて揺られて 流れ流れて
あなたとなら どこまで
揺れて揺られて 流れ流れて
知らない港に 着きたい


28.雨に願いを

作詞:千家和也
作曲:佐瀬寿一

雨は降り続く 水色にすべてを溶かして
ビルの陰で濡れて ふるえる私
街は暮れなずむ 薄もやの両手を広げて
何処にいるのあなた 姿も見せない
道を見失なって 迷う小犬みたいに
私は ひと足も 動けないの
話をさせて 話をさせて あゝもういちど
ふたりにさせて ふたりにさせて
雨・雨・雨 私たちを

雨は降り続く 容赦なく躰を叩いて
泪さえもとめて たたずむ私
人は遠去かる 哀れみを背中で示して
何をしたの私 あなたにそむいて
黒い水たまりに 沈む小石みたいに
私は悲しみに しばられている
話をさせて 話をさせて あゝもういちど
ふたりにさせて ふたりにさせて
雨・雨・雨 私たちを

話をさせて 話をさせて あゝもういちど
ふたりにさせて ふたりにさせて
雨・雨・雨 私たちを


29.赤い衝撃

作詞:千家和也
作曲:佐瀬寿一

あなたがいる 私がいる
答は愛だけ
あなたがいる 私がいる
何かが呼ぶだけ
愛は人と人をむすぶ鍵

罪があるなら 同じ痛み
私に投げかけて
たとえ躰は 傷ついても
心は汚さない 迷いながら
怖れながら 求めながら 傷つくなら
ともにふたり

なんにも無い なんにも無い
あるのは愛だけ
なんにも無い なんにも無い
あなたがいるだけ
愛は人と人をむすぶ鍵

あなたがいる 私がいる
答は愛だけ
あなたがいる 私がいる
何かが呼ぶだけ
愛は人と人をむすぶ鍵

許されるなら 胸をあけて
私をうけとめて
人は誰かを 愛した時
涙を知るという
かばい合って 支えあって
信じ合って 傷つくなら
ともにふたり

なんにも無い なんにも無い
あるのは愛だけ
なんにも無い なんにも無い
あなたがいるだけ
愛は人と人をむすぶ鍵
愛は人と人をむすぶ鍵


30.走れ風と共に

作詞:千家和也
作曲:佐瀬寿一

走れ風と共に 悲しみ捨てて
愛を胸に抱いて 明日へ急げ
通り過ぎた道に 残したものは
誰かあとの人が 見つけてくれる
私には あなたがいると
誇らしく みんなに言える
つまずいて 倒れた時も
うしろから ささえてくれる
何故走るのか 何故急ぐのか
愛としか愛としか 答えられない

流せ熱い涙 心ゆくまで
愛に瞳とじて ふるえて眠れ
遙か彼方にある倖せという
花の咲いた園に いつの日着ける
私には あなたがいると
誇らしく みんなに言える
傷ついて 迷った時も
生きること 教えてくれる
何故走るのか 何故急ぐのか
愛としか愛としか 答えられない


31.初恋草紙

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

口紅だけはさしましょう
冬の光りが集まるよう
想い出すたび眼を伏せる
肌にくいこむあなたの言葉
あなたの言葉
さよならたけのとおり道
実らぬものと姿を変えて
私の恋が 今 駆けてゆきます

口紅さえも裏切って
ひと色変り筆にのる
あなたの頬は大人びて
別れの重さで刻まれていた
刻まれていた
想い出ゆえにかえり道
蕾のままに命を移し
私の恋が 今 散ってゆきます

赤い実に針刺すように
唇かめば面影はじけ
揺らぐ別れを背にうけた
あの日の人があとずさりする
あとずさりする
恥じらいばかりまわり道
傷つくものと言葉で遊び
私の恋が 今 消えてゆきます
傷つくものと言葉で遊び
私の恋が 今 消えてゆきます


32.モノトーンの肖像画

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

正確なデッサンで 輪郭を
力強いタッチで 太い眉
真白なキャンバス やさしい目
鉛筆削り直し 長いまつげ

※私のこと 気づいてくれない
そうよ あなたは
近くて遠い人
心に描く 肖像画※

白いセーター良く似合う あのうなじ
笑いがはじけるたび 揺れる肩
スクラムを組んでいる 強い腕
フットボールの好きな 長い足も

(※くり返し)

目の前を楽しげに 手をつなぎ
誰かと歩いてゆく 背中なの
絵の具箱しまって 頬杖で
いつまでも見ていたの 後姿

(※くり返し)

私のこと 気づいてくれない
そうよ あなたは
近くて遠い人
心に描く 肖像画
心に描く 肖像画


33.夢先案内人

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

月夜の海に 二人の乗ったゴンドラが
波も立てずにすべってゆきます
朝の気配が 東の空をほんのりと
ワインこぼした色に染めてゆく
そんな そんな夢を見ました
あなたは時々振り向き
Wink and Kiss
微笑ながら合図に肩をすくめても
ちょっぴり眠い夜明け前です

三日月模様 空が尖ってゴンドラも
スピード上げて進んでゆきます
朝は半分 ビロード製の幕上げて
水の表面を鏡にしてゆく
そんな そんな夢を見ました
あなたは時々振り向き
Wink and Kiss
ときめく胸にほのかな愛のやさしさが
込み上げてくる夜明け前です

月は光を朝に隠して影だけが
白く細い線になりました
太陽が今 たくさんの雲従えて
きらめきながら昇ってゆきます
そんな そんな夢を見ました
あなたは時々振り向き
Wink and Kiss
見つめる二人生きてることの喜びに
言葉を失くす夜明け前です
言葉を失くす夜明け前です


34.春に吹かれて

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

新しいドレスの事
一言も聞きもしないで いきなり
反射神経ゼロなんて ひどすぎるわ

入口のガラスの扉にぶつかったのは
良く磨かれた 季節のせいなのよ

声ばかりおーきな人
春に吹かれて 春に吹かれて
どこかへ行きましょうか
身軽なとこは 私のいいとこ

歩く時腕をかして
くれるわけでもないくせに まるで
運動神経ゼロなんてばかにしてる

足許の小さな小石につまづいたのは
タンポポよけて 歩いたせいなのよ

背ばかりおーきな人
春に吹かれて 春に吹かれて
どこかへ行きましょうか
素足の気分 今日のいいとこ

旅に出た雲の行くえ
追っていく私のことを ひどく
方向感覚ゼロなんて笑わないで

心ごと手繰(たぐり)寄せられる糸の強さを
風が怖れて 横向くせいなのよ

夢ばかりおーきな人
春に吹かれて 春に吹かれて
どこかへ行きましょうか
移ろいやすさ 若さのいいとこ


35.イミテイション・ゴールド

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

シャワーのあとの 髪のしずくを
乾いたタオルで 拭きとりながら

彼が窓辺で話しかけるわ
流れる雲さえ 季節の色だと
私は軽い目まいを感じ
マニキュアの指 かざしてみるの
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
ア・ア・ア 焼けた素肌が
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
若いと思う 今年の人よ
声が違う 年が違う 夢が違う
ほくろが違う
ごめんね 去年の人と 又比べている

西陽の強い 部屋の片隅
彼が冷蔵庫 バタンと閉じる
パックのままの 牛乳かかえ
身軽な動作で 運んでくれるわ
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
ア・ア・ア 命そのまま
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
飲み干したけど 今年の人よ
くせが違う 汗が違う 愛が違う
きき腕違う
ごめんね 去年の人に まだ縛られてる

ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
ア・ア・ア そのやさしさで
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
まっててほしい 今年の人よ
日が当れば 影が違う 色が違う
光が変わる
ごめんね 去年の人を 忘れるその日を


36.花筆文字

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

墨をすって一筆に
花と一文字書いたら
強く線をはねながら
揺れる女の黒髪になる

※髪は命 手ざわりごと
女の命
恋は命 うたかためく
私の命
静めても 静めても
心に溢れる命※

手がすべって一雫(しずく)
筆の先からこぼれる
白い和紙にくっきりと
滲(にじ)んだあとが花びらになる

花は命 そのひとひら
女の命
恋は命 宴のあと
私の命
なぐさめて なぐさめて
いつかは散りゆく命

(※くり返し)


37.秋桜

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

淡紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽溜りに揺れている
此頃涙脆くなった母が
庭先でひとつ咳をする

縁側でアルバムを開いては
私の幼い日の思い出を
何度も同じ話くり返す
独言みたいに小さな声で

こんな小春日和の穏やかな日は
あなたの優しさが浸みて来る
明日嫁ぐ私に苦労はしても
笑い話に時が変えるよ
心配いらないと 笑った

あれこれと思い出をたどったら
いつの日もひとりではなかったと
今更乍ら我儘な私に
唇かんでいます

明日への荷造りに手を借りて
しばらくは楽し気にいたけれど
突然涙こぼし元気でと
何度も何度もくり返す母

ありがとうの言葉をかみしめながら
生きてみます私なりに
こんな小春日和の穏やかな日は
もう少しあなたの子供で
いさせてください


38.最後の頁

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

慣れない煙草にむせたと
涙を胡麻化し乍ら
ちゃんとお別れが云えるなんて
君は大人になったね

不思議なもんだね二人
登り坂はゆっくりで
下りる速さときたらまるで
ジェット・コースターみたいだ

※君が「サヨナラ」とマッチの軸で
テーブルに書いたらくがき
僕がはじから火をともせば
ホラ「サヨナラ」が燃えてきれいだ※

前から判ってた事だと
君はそんな振りをして
冷静に過ごそうとしてる
最后の思いやり

不思議なもんだね二人
もう何年か過ぎたら
全く違うレールをきっと
走っているのだろうね

もしも僕達のこのあらすじが
鉛筆書きだったなら
もう一度位ならおそらく
ホラ書き直せたかも知れない

(※くり返し)


39.赤い絆(レッド・センセーション)

作詞:松本隆
作曲:平尾昌晃

泣きながらラッシュ・アワーの
人ごみを縫うように走る
左手にあなたの手紙
くしゃくしゃに 握りしめながら
レッド・センセーション
涙をかくした真っ赤なコート
レッド・センセーション
あなたを愛した証しの色よ
許せない 電話をかけてもなしのつぶてね
許せない あなたの心がつかめない

プラチナの指輪がひとつ
封筒の底から転がる
顔を見て返せないほど
いくじなし それが憎らしい
レッド・センセーション
二人を引き裂く愛の稲妻
レッド・センセーション
私の背中の赤くつらぬく
許せない 心を勝手に切りとった人
許せない あなたは誰かと生きるのね

乗り換えた電車のドアで
あなたの名 三度つぶやくの
レッド・センセーション
暮れゆく間際の夕陽の赤が
レッド・センセーション
私の心に火を走らすわ
許せない 必死に信じて生きてきたの
許せない あなたは掌かえすのね


40.口約束


41.乙女座宮

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

私 ついてゆくわ(ホント)
とうに 決めているの(どこへ)
今から旅に出ようと
あなたがもしも誘ってくれたら

軽く まぶた閉じて(ステキ)
そっと うなずくのよ(そして)
星座の地図を頼りに二人で
幸福を探しにゆくの

さあ 流星に乗って 銀河大陸横断鉄道
そう 夜空にきらめく 星の星の世界ね
ペガサス経由で 牡牛座廻り
蟹座と戯れ 今は獅子座のあなたと一緒に

私 すぐに行くわ(本気)
いいえ 悔やまないわ(誰と)
信じる事が愛だと教えてくれた
やさしいあなたと

ウェディング・ドレスを着て(白い)
バラの花をかかえ(まるで)
少女漫画の恋人同志ね
二人の目に星が光る

さあ 流星に乗って 銀河大陸横断鉄道
そう この世に散らばる 星の星の中から
山羊座に恋して さそり座ふって
魚座に初恋 今は獅子座のあなたに夢中よ

さあ 流星に乗って 銀河大陸横断鉄道
そう 夜ごとに輝く 星は星は生きてる
恋する命のときめきだけが 乙女座の祈り
若い獅子座のあなたに夢中よ 夢中よ


42.視線上のアリア

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

それはまるで子供達の
しのび笑いのような音楽を
あなたの腕の中で
聞くようになったのは いつから

とても澄んだ高い声で
楽しそうに誰れかが耳元で
懐かしい童唄くり返しくり返し唄うの

涼しい目もとの熱い人
こうして一緒にいられるのは いつまで
愛と悲しみ 紙一重まぶた
だから だから 強く 強く
もっと もっと強く 今は愛して

昔聞いた子鳩達の
ふくみ笑いにも似たあのリズム
私の胸の中で
だんだん高まるのは どうして

それはいつか変わりばんこ
幸福と不幸福を鍵盤に弾(はじ)くピアノの音に
変わってしまいそうで怖いわ

やさしい瞳の燃える人
あなたが楽器を奏でるのは いつまで
愛と憎しみ 紙一重まぶた
だから だから 強く 強く
もっと もっと強く 今は愛して

寂しい目をする好きな人
二人でデュエット唄えるのは いつまで
愛と別れは 紙一重まぶた
だから だから 強く 強く
もっと もっと強く 今は愛して


43.プレイバック Part2

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

緑の中を走り抜けてく真紅(まっか)なポルシェ
ひとり旅なの 私気ままにハンドル切るの
交差点では隣りの車がミラーこすったと
怒鳴っているから私もついつい大声になる

馬鹿にしないでよ そっちのせいよ
ちょっと待って Play Back, Play Back
今の言葉 Play Back, Play Back

馬鹿にしないでよ そっちのせいよ
これは昨夜の私のセリフ
気分次第で抱くだけ抱いて
女はいつも待ってるなんて
坊や、いったい何を教わって来たの
私だって、私だって、疲れるわ

はるかな波がキラキラ光る海岸通り
みじかい旅よ力一杯アクセル踏むの
潮風の中ラジオのボリュームフルに上げれば
心かすめてステキな唄が流れてくるわ

勝手にしゃがれ 出ていくんだろ
ちょっと待って Play Back, Play Back
今の歌を Play Back, Play Back

勝手にしゃがれ 出ていくんだろ
これは昨夜のあなたのセリフ
強がりばかり言ってたけれど
本当はとても淋しがり屋よ

坊や、いったい何を教わって来たの
私やっぱり、私やっぱり、帰るわね

あなたのもとへ Play Back, Play Back
あなたのもとへ Play Back


44.賭け

水鳥がボートの横 すり抜けて
お堀の水に流れる線を描いてゆくわ

対岸の山吹きの花きれいだと
オールの先きであなたはそっと教えてくれる

お見合いするかも知れないわ いい人そうなの
二人の間の少しの沈黙 わかってくれますか

私の最後の賭けなの

一陣の強い風が 吹き抜けて
膝に当ててたハンカチーフが飛ばされてゆく

白鳥が水浴びをする時のよう
やさしい布はくるりと舞って水面に浮ぶ

結婚するかも知れないわ いい人だったら
あなたの答えを聞くのが恐いの

わかってくれますか
私の最後の賭けなの


45.絶体絶命

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

別れて欲しいの 彼と
そんな事は出来ないわ
愛しているのよ 彼を
それは私も同じ事

夕暮れ迫るカフェテラス
その人は白いハンカチを噛む
薬指には銀色に
輝く指輪が私を弾いてる
そこへ彼 遅れて来た彼
ふたりとも 落ちついてって言ったわ
三人模様の絶体絶命

さあさあ さあさあ
はっきりカタをつけてよ
はっきりカタをつけてよ
はっきりカタをつけてよ
やってられないわ
その人と私のどちらを選ぶの

一輪差しの薔薇の花
その人はずらし涙を隠すの
チラリと視く唇は
コーヒーカップと一緒に震えてる
そこへ彼 話しかける彼
二人共 愛してるって言ったわ
人間模様の絶体絶命

さあさあ さあさあ
すっかりカタはついたわ
すっかりカタはついたわ
すっかりカタはついたわ
やってられないわ
その人の涙の深さに負けたの

bye bye bye bye やってられないわ
bye bye bye bye やってられないわ


46.落葉の里

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

ビルの谷間に秋風が吹き
枯葉が吹き抜けてゆきます

ヒールの靴は時計のような音がして
コツコツ昨日をのがれて歩いています

約束を守らなくて
許して下さい
またここで 季節を見送ります

今年も私は道に迷って
あなたの所へ 帰れません

落葉の里に住む
あなたの所へは

化石に変る都会の夜は
すべてが息をひそめてます

秋の深さは心細さを道づれに
シンシン心の中まで響いてきます

約束を守らなくて
許して下さい
またここで 季節を見送ります

小さな夢でも見果てぬうちは
今のままでは 帰れません

落葉の里に住む
あなたの所へは

落葉の里に住む
あなたの所へは


47.いい日旅立ち

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

雪解け間近の北の空に向かい
過ぎ去りし日々の夢を叫ぶ時
帰らぬ人達熱い胸をよぎる
せめて今日から一人きり旅に出る
あゝ日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日 旅立ち夕焼けをさがしに
母の背中で聞いた歌を道連れに……

岬のはずれに少年は魚つり
青い芒(すすき)の小径を帰るのか
私は今から想い出を創るため
砂に枯木で書くつもり“さよなら”と
あゝ日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち羊雲をさがしに
父が教えてくれた歌を道連れに……

あゝ日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち幸福(しあわせ)をさがしに
子供の頃に歌った歌を道連れに……


48.スキャンダル-愛の日々-


49.美・サイレント

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

季節が変わるたびごと
花を抱いて
娘達は着飾って
街に出るわ
それを目で追うあなたは
あたしの事など忘れて
横顔の向うで
誘っているのよ
Fum…胸さわぎ

Be silent, be silent, be silent, be silent
あなたの○○○○が欲しいのです
燃えてる××××が好きだから

女の私にここまで言わせて
じらすのは じらすのは 楽しいですか

流行りのドレス着ている
マネキン人形
動かない大きな目が
泣いてるみたい
ショウウィンドウを鏡に
あなたはいつでも気取って
自分の姿だけ
見つめているのよ
Fum…悲しいわ

Be silent, be silent, be silent, be silent
あなたの○○○○が欲しいのです
生きてる××××が見たいから

いつでも私に言うだけ言わせて
知らん顔 知らん顔 どうしてですか

Be silent, be silent, be silent, be silent


50.曼珠沙華

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

涙にならない悲しみのある事を
知ったのは ついこの頃
形にならない幸福(しあわせ)が何故かしら
重いのも そうこの頃
あなたへの手紙
最後の一行 思いつかない
どこでけじめをつけましょ
窓辺の花が咲いた時
はかなく花が散った時
いいえ あなたに愛された時

マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
白い花さえ 真紅(まっか)に染める

あてにはならない約束をひたすらに
待ち続け そう今でも
言葉にならない優しさをひたむきに
追いかける そう今でも
あなたへの想い
どこまで行ったら止まるのかしら
そんな自分をもて余す
机の花が揺れた時
ほのかに花が匂う時
いいえ あなたに愛された時

マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
命すべてを もやし尽すの

マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
白い夢さえ 真紅に染める


51.愛の嵐

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

その人は幻(まぼろし) うす紅(くれない)のドレス着て
にっこり微笑んで
あなたに向って手招きしてた

心配そうなあなたの声で
私はようやく夢から醒める
さっきの首にまわした指が
ほんのちょっぴり強すぎたみたい

炎と書いてジェラシー
二人でこうして一緒にいるのに
ルビをふったらジェラシー
あなたがどこかへ行ってしまいそう
Jealousy storm, jealousy storm, storm storm……
心の貧しい女だわ……私

紫の煙 一息吐いて
好きだと容易(たやす)く口にするけど
屈託のない笑顔を見るとき
軽くあなたを憎んでしまう

狂うと書いてジェラシー
あなたのすべてを縛れない限り
ルビをふったらジェラシー
愛する極みで巻きこまれてゆく

Jealousy storm, jealousy storm
Jealousy storm, jealousy storm, storm, storm storm……
心の貧しい女だわ……私


52.シニカル


53.しなやかに歌って

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

しなやかに歌って 淋しい時は
しなやかに歌って この歌を

坂の上から見た街は陽炎(かげろう)
足につけたローラー 地面をけって滑ってく
夜は33の回転扉(とびら)
開ければそこには愛が溢れているのに
レコードが廻るだけ あなたはもういない
しなやかに歌って 淋しい時も
しなやかに歌って この歌を
素顔のままで 私はひとり
あなたの帰り待っているのです

澄んだ青い空の彼方をめざし
栗毛色のポニー手綱(たずな)を引けば走ってく
夜は33のページを開き
昨日の続きの本を読んでいるのに
お話は終りなの あなたはもういない
しなやかに歌って 淋しい時も
しなやかに歌って この歌を
飾りをすてた心のなかで
あなたの名前呼んでいるのです

しなやかに歌って 淋しい時は
しなやかに歌って この歌を
静かに時は流れてゆくの
夜はいつでも朝に続くはず
しなやかに歌って 淋しい時は
しなやかに歌って この歌を
しなやかに歌って 淋しい時に
しなやかに歌って この愛を


54.娘たち

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

どこから漂ってくるのだろう
月下美人 不思議な花の香り

甘い香りに誘われて
河のせせらぎの中を
娘達が渡ってゆく 今日も一人一人一人

水は身体に まといつき
豊かな胸は ビーナス

愛を大事に籠に入れ
頭にのせた ビーナス

鏡の中を通ったら
二度と無邪気な日々には
戻れないと知っているのに 今日も一人一人一人

ラララ

濡れたドレスは重くなり
月の雫のビーナス

愛を大事に籠に入れ
頭にのせた ビーナス

住みなれた家をあとに
時間に追われるように
娘達が渡ってゆく 今日も一人一人一人


55.愛染橋

作詞:松本隆
作曲:堀内孝雄

春一番が吹き荒れた後
花を敷いた路地へ
今日こそ返事聞かせてくれと
問いつめられそうで

あなた以上にやさしい人は
いそうにもないけど
結婚なんて旧(ふる)い言葉に
縛られたくなくて

橋の名は愛染橋
ほほえんで渡れば恋がかなう
うつむけばそれきりとまどい橋

うちは淋しい女やからね
愛なんてよう知らん
時の流れも春のうららに
渡りたい 渡れない

髪の芯まで飽きられる日が
来ないとも限らず
そしたらすぐに別れる勇気
ありそうでなさそで

橋の名は愛染橋
ただ一度渡ればもう戻れぬ
振り向けばそこから想い出橋

うちは愚かな女やからね
人生もよう知らん
けれどあなたに手招きされて
渡りたい 渡れない


56.イノセント(純粋)

作詞:松本隆
作曲:堀内孝雄

嵐の前の静けさ真似て
私は独りうずくまり
こんな仕打ちを投げた貴方を
憎みきれずに口を噛む

ありったけの想いをこめて
つめたい頬を打ちたいけれど
それで心の痛みが
消える訳でもあるまいし

※イノセント 愛しすぎて
イノセント 息がつまり
先ずあなたが次に私が哀しみに溺れる※

はなやぐ頃の手紙の束に
夜更けの庭で火を点けて
こんな綺麗に燃えるのよって
ちょっと虚ろに呟いた

吸えもしない煙草をふかし
むせても肩を撫でてくれない
叱る気持も失いほど
心が冷えてしまったの?

(※くり返し×2)


57.謝肉祭

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

愛して 愛して 祭りが始まる
愛して 愛して 夜が始まる

のけぞる背中に 喝采の渦
男の視線が 突きささる
あなたに放(ほう)った 真赤なバラは
今夜の気持と 受けとって
炎の中 くべた叫び 天をこがすわ

愛して 愛して 祭りは短かい
愛して 愛して 夜も短かい

人よりたくさん いい目に遭って
人よりたくさん 悲しんだ

ジプシー ジプシー 踊り疲れたらどうなるの
ジプシー ジプシー 風の花で舞うだけね

タロット占い 別離(わかれ)のカード
二人のあしたが見えそうね
幸福(しあわせ)な日々に 憧れながら
心の潮騒 消せないの
流れ星が ひとつ消えて 暁の空

愛して 愛して 祭が終るわ
愛して 愛して 夜も終るわ

人よりたくさん 浮名を流し
人よりたくさん 血を流す

ジプシー ジプシー 歌い疲れたらどうなるの
ジプシー ジプシー 篭の鳥で鳴くだけね

人よりたくさん 傷つけあって
人よりたくさん 夢を見た

ジプシー ジプシー 恋に疲れたらどうなるの
ジプシー ジプシー 一人ぼっちで果てるだけ


58.イントロダクション・春

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

夢見る頃を いくつか過ぎて
花吹雪の下 私がいる
制服を着た 乙女達の
弾んだ会話に微笑んでる

過ぎゆく時の追憶よりも
迎える季節の重さを想いながら

今、人生が厚い扉を開いて
二人にその姿を見せる

山や河や谷や海 丘や森や空
……そして愛 愛に賭ける
あなたこの手を離さないで

死が二人を 分つまで
死が二人を 分つまで

出会いの頃の 記憶たどれば
春霞色のセピア・トーン
幼いままの 淡い恋が
やすらぎの中で 育っていた

不思議な時の生命にひかれ
まぶしく季節は一度に花を咲かす

今、人生が重い扉を開いて
二人に呼びかけているわ

風や波や鳥や木々 雨や雪や露
そして愛 愛がすべて
あなたこの手を離さないで

死が二人を 分つまで
死が二人を 分つまで


59.ロックンロール・ウィドウ

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

もてたいための ロックンローラー
あなた動機が不純なんだわ
金髪美人のグルーピー
いつもはべらせ歩いてる
人の曲には ケチつけて
スーパースターを気取っているけど
何かが違うわ
かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ
かっこばかり 先ばしり

ロックンロール・ウィドウ
ロックンロール・ウィドウ
いい加減にして
私あなたのママじゃない

人目気にする ロックンローラー
金の指輪を右手にしてる
シャウトするのがエクスタシー
のれば朝まで 帰らない
もしも誰かに聞かれたら
夫はとうに亡くなりました
いい人でした
かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ
かっこつけて 泣きたいわ

ロックンロール・ウィドウ
ロックンロール・ウィドウ
いい加減にして
男はあなた一人じゃない

ロックンロール・ウィドウ
ロックンロール・ウィドウ
ロックンロール・ウィドウ


60.アポカリプス・ラブ

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

蒼ざめた馬を見よ
それは死 ひとつの恋の終り
幻の都 バビロン 酒肉の宴 蜜の夜
乙女は誘われて 肌を開き
愛を語る
アー泣かないで アー泣かないで
たゆとうままの 歴史の流れ
人の営みは 変わらない
アー愛しても アー愛しても
アポカリプス・ラブ
私達
ヨハネ黙示録21章6節

私はアルパ オメガ
汲んでも尽きぬ命の泉
滅びゆく都 バビロン 最後の姫の涙壺
仕える少年の細い肩にくいこむ鎖
アー泣かないで アー泣かないで
悲劇も長い時間がたてば
砂漠の砂に変わるだけ
アー愛しても アー愛しても
アポカリプス・ラブ
あなた達

アー愛しても アー愛しても
アポカリプス・ラブ
黙示録


61.さよならの向う側

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

何億光年 輝く星にも 寿命があると
教えてくれたのは あなたでした
季節ごとに咲く 一輪の花に 無限の命
知らせてくれたのも あなたでした
Last song for you,
Last song for you
約束なしの お別れです
Last song for you,
Last song for you
今度はいつと言えません

あなたの燃える手 あなたの口づけ
あなたのぬくもり あなたのすべてを
きっと 私 忘れません
後姿 見ないで下さい

Thank you for your kindness
Thank you for your tenderness
Thank you for your smile
Thank you for your love
Thank you for your everything
さよならのかわりに

眠れないほどに 思い惑う日々 熱い言葉で
支えてくれたのは あなたでした
時として一人 くじけそうになる 心に夢を
与えてくれたのも あなたでした
Last song for you,
Last song for you
涙をかくし お別れです
Last song for you,
Last song for you
いつものように さり気なく

あなたの呼びかけ あなたの喝采
あなたのやさしさ あなたのすべてを
きっと 私 忘れません
後姿 見ないでゆきます

Thank you for your kindness
Thank you for your tenderness
Thank you for your smile
Thank you for your love
Thank you for your everything
さよならのかわりに
さよならのかわりに
さよならのかわりに


62.死と詩-death and poem-


63.一恵

作詞:横須賀恵
作曲:谷村新司

一期一会… いくつかの出逢いの中で
それぞれに心を知りました

「貴女は夢だ」と人は言う
何故 何故夢なのかとふと思う

そんな想いは幼い頃の
雨に降られた 秋祭り
ガラス越しの雨だれに
ため息ひとつ瞳(め)をふせた
あの日の私想わせる

現(うつつ)の心届かぬままの
不知火(しらぬい)のような不思議さを
背おいきれずに呟(つぶ)いた
私は女――

一期一会… あなたとの出逢いの中で
私は自分を知りました

私の胸によせる波は
あなたの あなたの心にひいて行く

母にもらった名前通りの
多すぎる程の倖せは
やはりどこか寂しくて
秋から冬へ 冬から春へ
ひとつの愛を追いかけた

※現に戻す罪の深さを
知ってか知らずかあなたへの
愛を両手に呟いた
私は女――※

(※くり返し)


64.想い出のストロベリーフィールズ

作詞:横須賀恵
作曲:杉真理

銀色のストロベリー
風に騒ぐ楡の木
金色の干し草は夕焼けに輝く
Don't forget darling
あの頃の二人 はじめてのくちづけ
もうもどれない みつめあっても
Two lonely people on the hill

灰色の森をぬけ
やがて大人になるけど
オレンジの腕時計 時には逆まわし
Don't forget darling
あの頃の二人 はじめてのくちづけ
もうもどらない あなたの心
Two lonely people on the hill

はしゃぎすぎてた日々が
優しすぎるから
ひとりで居るこの部屋が
涙でにじんでく

灰色の森をぬけ大人になるけれど
Don't forget darling
あの頃の二人 はじめてのくちづけ
もうもどらない あなたの心
I say hello and you say good-bye

Don't forget darling
あの頃の二人 はじめてのくちづけ
もうもどらない あなたの心
I say hello and you say good-bye


65.惜春(せきしゅん)通り

作詞:石丸博
作曲:川口真

突然に肩を抱く彼の寒い指がわたしを包む
稲妻のひかる夕空に暗い雲が流れてる
惜春(せきしゅん)通りでは 花屋のスミレも濡れて
惜春(せきしゅん)通りでは わかれに酔うひとよ
忘れないで友よ
どこにいても優しい愛を
日溜りを歩いた学生達の街角
ごきげんよう

突然に雨は晴れ樹々の緑萌(も)えてあたたかくなる
そよ風のひかる夕空に白い雲が流れてる
惜春(せきしゅん)通りでは 制服脱ぐ日も近く
惜春(せきしゅん)通りでは わかれに酔うひとよ
手紙書くと泣いた
彼の澄んだ瞳を胸に
日溜りを歩こう青春達の街角
ごきげんよう

忘れないで友よ
どこにいても優しい愛を
日溜りを歩いた学生達の街角
ごきげんよう



百恵辞典