放浪酒

山本譲二 放浪酒歌詞
1.放浪酒

作詞:田久保真見
作曲:弦哲也

灯りまばらな 裏通り
今日もひとりの 放浪酒
何もやれない 俺だから
惚れているほど 背を向ける
疵(きず)さ 疵だよ こころの疵が
今夜もお前を 抱かせない

闇の深さを 知るものは
触れちゃいけない 花がある
すがる眼をして わたされた
鍵をそのまま 置き去りに
夢さ 夢だよ 叶わぬ夢よ
あかりの小部屋に 帰るなど

夜の苦(にが)さを 道づれに
明日もひとりの 放浪酒
泣かせたくない どうしても
呑んで酔えない 夜ばかり
風さ 風だよ 凍える風が
丸めた背中に 吹きすさぶ


2.城崎の雨

作詞:田久保真見
作曲:弦哲也

落ち合うはずの この駅に
あの日降りずに 行(ゆ)き過ぎた
雨の痛さに 耐えるよに
お前は俺を 待っていた
汽車の 汽車の 窓につめたい
あゝここは城崎 こぬか雨が降る

蛇の目をそっと 差しかけて
いつもお前は ぬれていた
そんな優しさ いじらしさ
どうして俺は 捨てたのか
泣いて 泣いて 泣いているよな
あゝここは城崎 絹の雨が降る

お前とならば 出直せる
見てはいけない 夢を見た
所詮 川面の浮き草は
根っこを張れぬ さだめだろ
濡れて 濡れて 何処へ行こうか
あゝここは城崎 みぞれ雨が降る