暫存

川中美幸 暫存歌詞
1.浪花夜曲

作詞:いではく
作曲:遠藤実

すがるこの手を ふりきって
あなたも泣いた 周防町
好きもきらいも 裏町なさけ
道頓堀の 灯がうるむ
好きになっては いけないと
わかっていても とまらない

肩を並べた 相合橋に
おんなを泣かす 通り雨
酒に逃げても おもかげは
浮んで消える 泣かされる
難波新地を さまよいながら
涙にくれた 法善寺

あなた死ぬなら 死にますと
あの日の言葉 嘘じゃない
浪花そだちは 情けと意地を
かくしてひとり 生きてゆく


2.北の想い

作詞:原真弓
作曲:久保田安紀

あなたがここにいて 私がここにいて
そんなことがあまりにもあたりまえだったから
何も言わなくてもわかる 心が通じ合っている
そんな瞬間があったことも 忘れてみたいけど
ああ いつだって 都会に疲れた夜 思い出すの
ああ どんな人より…どんな場所よりも…
北の愛が今熱い

北の冬が燃えてゆく 泣きたいくらい
あなたひとり思い続けています
一度はあきらめたけれど 何度か恋もしたけど
みんなあなたとは違うことに 今さらまた気付く
ああ 夢を見た 誰かと楽しそうに暮らすあなた
ああ こんな気持ちも…こんな切なさも…
遠く遠く離れても

愛しさだけそばにある
今でも私 あなたひとり思い続けています
北の愛が今熱い 北の冬が燃えてゆく
泣きたいくらい あなたひとり
思い続けています
思い続けています


3.らんぷの宿で

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

らんぷの宿は 海のそば
波を枕に 眠ります
心きずつけ やせ細り
恋にやつれた 女にも
眠れと歌う 子守唄
能登は冬です

手酌で酒を 飲みほして
海の幸にも 箸をつけ
あとはランプを ひき寄せて
長い手紙を書きましょう
泣くなと歌う 子守唄
能登は冬です

抱かれた夜の 想い出を
波に語って 夢見ます
細いランプの 灯の下で
流す涙は何のため
恋せと歌う 子守唄
能登は冬です


4.ふたりの窓

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

あなただけあなただけ
この世にひとり
迷わずについてきて
ほんとによかったわ
ついでつがれて 飲むお酒
あなたうれしい うれしいわ
苦労がまんで 咲いた花
春が来たわ 春が来た ふたりの窓に

しあわせはしあわせは
歩いちゃこない
あの言葉わすれずに
雨の日風の日も
夢をすてずに 来たわたし
かわす笑顔の ぬくもりに
あなた今夜は 泣けてくる
春が来たわ 春が来た ふたりの窓に

いつまでもいつまでも
あなたとふたり
寄り添っていたわって
暮らしてゆきましょね
腕をからめば 照れながら
そっとあなたが 指をさす
夜空にかがやく 二つ星
春が来たわ 春が来た ふたりの窓に


5.ふたりの海峡

作詞:池田充男
作曲:徳久広司

死ぬも生きるも あなたと決めて
夜ふけに出てゆく 船に乗る
恋の試練か 身を切るような
風が横顔 たたきます
ああ 波も荒れてる ふたりの海峡

おんな一筋 しあわせほしい
許して下さい ふる里よ
咽び泣きする 汽笛を聞けば
まつ毛濡らして 散るなみだ
ああ 肩をよせ合う ふたりの海峡

こんな小さな 鞄がひとつ
私のすべてを つめました
船が揺れれば こころも揺れて
強くあなたに また縋る
ああ 愛の旅ゆく ふたりの海峡


6.高千穂旅情

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

国見ヶ丘に ひとり来て
望めば遥かな 山脈よ
あなたのおもかげ 抱きしめて
別れつげれば 高千穂は 雲の海

くしふる岩戸 高千穂峡
たどれば瞳は 秋の色
あなたにもらった 倖せを
今日は涙で おいてゆく わかれ駅

山峡ぬって 走る汽車
五ヶ瀬の流れが ついて来る
瞼をとじれば あの夜の
夜神楽のせり唄 風にのり 聞こえます


7.風の異邦人

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

居心地がよすぎて 潮どきですと
走り書きした置手紙
運河沿いの倉庫
センチメンタルブルース
霧もでてきて
ガラスショップの灯が滲む
根なし草でも 恋は恋
風に吹かれた エトランゼ

やすらいだ歳月 感謝している
伝えられずに悔しいね
ソーダ割りのバーボン
センチメンタルジャーニー
泣くな海猫
霧にまぎれて飛ぶがいい
波の花でも 恋は恋
風に吹かれた エトランゼ
風に吹かれた エトランゼ


8.おんな花

作詞:松本礼児
作曲:平尾昌晃

雨に泣いて風に泣いて
咲いて哀しいおんな花

人の世はいつの日も 涙がつきまとう
出逢いも別離(わかれ)も運命(さだめ)が 運命が糸を引く
想い出のかけらも あなたのぬくもりも
時の流れに委(ゆだ)ねます
雨に泣いて風に泣いて
咲いて哀しいおんな花

人の世は駆け足で 過ぎゆく走馬燈
ふたりで重ねた月日が 月日が遠去かる
死ぬまで一緒と 信じてきたけれど
あなたどうして愛したの
雨に泣いて風に泣いて
咲いて哀しいおんな花

人の世は空蝉(うつせみ)の 生命(いのち)に似ています
愛するこころも儚(はかな)い 儚いまぼろしね
恋唄が聞こえる 夜更けの交差点
酔った笑いが追いかける
雨に泣いて風に泣いて
咲いて哀しいおんな花


9.紅(べに)の雪

作詞:田久保真見
作曲:弦哲也

足音を待てば 雪になります あなた
今日で最後と 決めて紅を引く
袖を通した着物は あなたの好きな色
竹が…はねる…
音もたてずに 降り積もる雪は
忍ぶこの恋に 似ています
ひらひら ひらひら 夢が舞う
くれないに 燃えて
ひらひら ひらひら 雪が舞う
運命が哀しい 紅の雪

溜め息をつけば 風のようです あなた
髪をほどいて のぞく姫鏡
せめて別れの時には 綺麗でいたいから
たった…ひとつ…
忘れられない 想い出があれば
生きてゆけるのが 女です
はらはら はらはら 夢が泣く
抱きしめて あなた
はらはら はらはら 雪が泣く
未練が哀しい 紅の雪

ひらひら ひらひら 夢が舞う
くれないに 燃えて
ひらひら ひらひら 雪が舞う
運命が哀しい 紅の雪


10.DEAR…again

作詞:広瀬香美
作曲:広瀬香美

元気でやってますか?
電話も最近かかって来ないけど
私と同じくらい
あなたも毎日に追われてるのでしょう
そうね 中途半端に あなたの声
聞いちゃったりしたら きっと
淋しいなんて 泣いちゃいそうで
迷惑かけたくはないから
ラジオからのクリスマスソング
あなたもどこかで聞いてますか?
あなたの知らない私
確かめたくないですか?
待っているから 待っているから
二人で過ごしたいから

クリスマスまでには 間に合うように
私のもとへ帰って来てね
ずっと遠く すごく遠く 離れているけど
いつも私を感じていてね
泣かせないでね 見つめていてね
遠い遠いこの距離に 心 止まらないでね

平気 あなたなしでも
私はちゃんと暮らしてますなんて
戻って来たら 目と目合ったら
バレちゃう強がり言ったりして
積もり積もったおしゃべりは
ゆっくり雪を解かすように
あなたのあったかい微笑みで
心に春が来るように
早く会いたい あとどれくらい
一人の夜を越えるの

クリスマスまでには 間に合うように
私のもとへ帰ってきてね
プレゼントなんていらない あなたがいればいい
サンタクロースが来るわ 私の街に
私のために 明日のために
世界一の幸福の時を運んでくれる

クリスマスまでには 間に合うように
私のもとへ帰って来てね
ずっと遠く すごく遠く 離れているけど
いつも私を感じていてね
泣かせないでね 見つめていてね
遠い遠いこの距離に 心 止まらないでね

今すぐにも 愛するあなたの胸の中へ


11.花のあとさき

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

明日の見えない 憂き世でも
恋は命を はこんでる
花でいうなら 桜の花の
大樹いっぽん 男気通す
凛とした あのひとに
わたしは惚れました

雨に濡れてる 紫陽花は
色をかえては 艶を増す
酒のちからで 勢いつけて
言ってしまおか 心のうちを
恋しさに せつなさに
なんども泣きました

所帯もてたら 朽ちるまで
情が濃いめの おんなです
どちらともなく 寄り添いあえば
長くなります ふたつの影が
あかね空 赤とんぼ
あなたに惚れました


12.雨情歌

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

雨がしとしと 降る夜は
心の芯まで 濡れてくる
あなたの熱い その胸で
泣いた日も 泣いた日も
そうよあの日も 雨でした

軒に吊した 赤ちょうちん
今夜もポツンと 闇に浮く
別れて遠く 離れても
消えもせず 消えもせず
今もやさしい ほゝ笑みよ

人と別れる 哀しみに
この世の無常を 知りました
お酒に夢を 注ぎたして
飲んだ日の 飲んだ日の
一期一会に 涙して


13.恋舟

作詞:里村龍一
作曲:聖川湧

いくら好きでも 運命の川に
想いを通わす 舟がない
風よ今夜は 哭かないで
口紅忘れた くちびるが
あなた恨んで 恋しがる
忘れたくない 恋は悲しい
未練のつくり花

木の葉舟でも あなたとならば
夢ではなかった 倖せも
窓の陽がさす 夜明けごろ
あなたを探して 肩が泣く
いつか慣れてた 腕枕
覚めて流れる 酒は悲しい
涙のさそい水

雨よ想い出 呼ばないで
あなたのパジャマも 歯ぶらしも
捨てる勇気の 邪魔になる
今も燃えてる 愛が悲しい
おんなの 恋艶歌


14.川の流れのように

作詞:秋元康
作曲:見岳章

知らず知らず 歩いて来た
細く長い この道
振り返れば 遥か遠く
故郷が見える

でこぼこ道や
曲がりくねった道
地図さえない
それもまた人生

ああ 川の流れのように
ゆるやかに
いくつも 時代は過ぎて
ああ 川の流れのように
とめどなく
空が黄昏に 染まるだけ

生きることは 旅すること
終わりのない この道
愛する人 そばに連れて
夢探しながら

雨に降られて
ぬかるんだ道でも
いつかはまた
晴れる日が来るから

ああ 川の流れのように
おだやかに
この身を まかせていたい
ああ 川の流れのように
移りゆく
季節 雪どけを待ちながら

ああ 川の流れのように
おだやかに
この身を まかせていたい
ああ 川の流れのように
いつまでも
青いせせらぎを 聞きながら


15.祝い酒

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

浮世荒波 ヨイショと越える
今日はおまえの 晴れの門出だよ
親が咲かせた 命の花が
二つ並んだ 鶴と亀
笑顔うれしい 祝い酒

五臓六腑に 樽酒しみる
酔うてめでたい 唄のはなむけさ
七つ転んで 八つで起きろ
明日は苦労の ふたり坂
縁がうれしい 祝い酒

花も嵐も 人生船路
愛が舵とる 若い二人だよ
吹けばとぶよな 小さな木でも
枝は栄える 葉もしげる
門出うれしい 祝い酒


16.みだれ髪

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

髪のみだれに 手をやれば
赤い蹴出しが 風に舞う
憎や 恋しや 塩屋の岬
投げて届かぬ 想いの糸が
胸にからんで 涙をしぼる

すてたお方の しあわせを
祈る女の 性かなし
辛らや 重たや わが恋ながら
沖の瀬をゆく 底曳き網の
舟にのせたい この片情け

春は二重に 巻いた帯
三重に巻いても 余る秋
暗や 涯てなや 塩屋の岬
見えぬ心を 照らしておくれ
ひとりぽっちに しないでおくれ


17.人生いろいろ

作詞:中山大三郎
作曲:浜口庫之助

死んでしまおうなんて 悩んだりしたわ
バラもコスモスたちも 枯れておしまいと
髪をみじかくしたり つよく小指をかんだり
自分ばかりを責めて 泣いてすごしたわ
ねぇおかしいでしょ 若いころ
ねぇ滑稽でしょ 若いころ
笑いばなしに 涙がいっぱい
涙の中に 若さがいっぱい
人生いろいろ 男もいろいろ
女だっていろいろ 咲き乱れるの

恋は突然くるわ 別れもそうね
そしてこころを乱し 神に祈るのよ
どんな大事な恋も 軽いあそびでも
一度なくしてわかる 胸のときめきよ
いまかがやくのよ 私たち
いまとびたつのよ 私たち
笑いばなしに 希望がいっぱい
希望の中に 若さがいっぱい

人生いろいろ 男もいろいろ
女だっていろいろ 咲き乱れるの
人生いろいろ 男もいろいろ
女だっていろいろ 咲き乱れるの
人生いろいろ 男もいろいろ
女だっていろいろ 咲き乱れるの


18.無錫旅情

作詞:中山大三郎
作曲:中山大三郎

君の知らない 異国の街で
君を想えば 泣けてくる
おれなど忘れて しあわせつかめと
チャイナの旅路を 行くおれさ
上海 蘇州と 汽車に乗り
太湖のほとり 無錫の街へ

船にゆられて 運河を行けば
ばかな別れが くやしいよ
あんなに愛した あんなにもえてた
いのちを賭けたら できたのに
涙の横顔 ちらついて
歴史の街も ぼやけて見える

むかしながらの ジャンクが走る
はるか小島は 三山か
鹿頂山から 太湖をのぞめば
心の中まで 広くなる
ごめんよ も一度 出直そう
今度は君を はなしはしない


19.想いで迷子

作詞:荒木とよひさ
作曲:三木たかし

愛に溺れて あなたに疲れ
生きることにも ため息ついて
ひとり口紅 ふきとるだけの
生き方だけなら 淋しい
こんな夜には 少しお酒で
泪の相手しましょう
そしてぬけがらパジャマあなたのかわりに
時はあしたを連れてくるけど
過去のどこかで迷子になってる

夢のつづきを 誰かに見ても
若くないから あしたが恐い
綺麗ごとなら 愛するだけで
本当は何んにも いらない
だから鏡に映るわたしに
想いでばなし しましょう
そして枕を抱いて あなたのかわりに
時はあなたの移り香だけを
今もこの部屋残しているから

こんな夜には 少しお酒で
泪の相手しましょう
そしてぬけがらパジャマあなたのかわりに
時はあしたを連れてくるけど
過去のどこかで迷子になってる


20.命くれない

作詞:吉岡治
作曲:北原じゅん

生まれる前から 結ばれていた
そんな気がする 紅の糸
だから死ぬまで ふたりは一緒
「あなた」「おまえ」夫婦みち
命くれない 命くれない ふたりづれ

人目をしのんで 隠れて泣いた
そんな日もある 傷もある
苦労積荷の 木の葉の舟で
「あなた」「おまえ」あぶな川
命くれない 命くれない ふたりづれ

なんにもいらない あなたがいれば
笑顔ひとつで 生きられる
泣く日笑う日 花咲く日まで
「あなた」「おまえ」手をかさね
命くれない 命くれない ふたりづれ


21.奥飛騨慕情

作詞:竜鉄也
作曲:竜鉄也

風の噂さに 一人来て
湯の香恋しい 奥飛騨路
水の流れも そのままに
君はいでゆの ネオン花
ああ奥飛騨に 雨がふる

情けの淵(ふち)に 咲いたとて
運命(さだめ)悲しい 流れ花
未練残した 盃に
面影揺れて また浮かぶ
ああ奥飛騨に 雨がふる

抱(だ)いたのぞみの はかなさを
知るや谷間の 白百合よ
泣いてまた呼ぶ 雷鳥の
声もかなしく 消えてゆく
ああ奥飛騨に 雨がふる


22.大阪しぐれ

作詞:吉岡治
作曲:市川昭介

ひとりで 生きてくなんて
できないと
泣いてすがればネオンが ネオンがしみる
北の新地は おもいでばかり
雨もよう
夢もぬれます ああ大阪しぐれ

ひとつや ふたつじゃないの
ふるきずは
噂並木の堂島 堂島すずめ
こんなわたしで いいならあげる
なにもかも
抱いてください ああ大阪しぐれ

しあわせ それともいまは
不しあわせ
酔ってあなたは曽根崎 曽根崎あたり
つくし足りない わたしが悪い
あのひとを
雨よ帰して ああ大阪しぐれ


23.夢追い酒

作詞:星野栄一
作曲:遠藤実

悲しさまぎらす この酒を
誰が名付けた 夢追い酒と
あなたなぜなぜ
わたしを捨てた
みんなあげてつくした その果てに
夜の酒場で ひとり泣く

死ぬまで一緒と 信じてた
わたし馬鹿です 馬鹿でした
あなたなぜなぜ
わたしを捨てた
指をからめ 眠った幸せを
思いださせる 流し唄

おまえと呼ばれた 気がしたの
雨ににじんだ 酒場の小窓
あなたなぜなぜ わたしを捨てた
じんとお酒 心に燃えさせて
夢を追いましょ もう一度


24.能登半島

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

夜明け間近か北の海は波も荒く
心細い旅の女泣かせるよう
ほつれ髪(がみ)を指に巻いてためいきつき
通り過ぎる景色ばかり見つめていた
十九なかばの恋知らず
十九なかばで恋を知り
あなたあなたたずねて行く旅は
夏から秋への能登半島

ここにいると旅の葉書もらった時
胸の奥で何か急にはじけたよう
一夜だけの旅の仕度すぐにつくり
熱い胸にとびこみたい私だった
十九なかばの恋知らず
十九なかばで恋を知り
すべてすべて投げ出し馳けつける
夏から秋への能登半島
あなたあなたたずねて行く旅は
夏から秋への能登半島


25.浪花節だよ人生は

作詞:藤田まさと
作曲:四方章人

飲めと言われて 素直に飲んだ
肩を抱かれて その気になった
馬鹿な出逢いが 利口に化けて
よせばいいのに 一目惚れ
浪花節だよ 女の女の人生は

嘘は誰かが 教えてくれる
恋も誰かが 見つけてくれる
そんな誰かに 振り廻されて
消えた女が またひとり
浪花節だよ 女の女の人生は

咲いて萎んで 捨てられました
逢って別れて 諦めました
人の情けに つかまりながら
折れた情けの 枝で死ぬ
浪花節だよ 女の女の人生は


26.矢切の渡し

作詞:石本美由起
作曲:船村徹

「つれて逃げてよ……」
「ついて おいでよ……」
夕ぐれの雨が降る 矢切の渡し
親のこころに そむいてまでも
恋に生きたい 二人です

「見すてないでね……」
「捨てはしないよ……」
北風が泣いて吹く 矢切の渡し
噂かなしい 柴又すてて
舟にまかせる さだめです

「どこへ行くのよ……」
「知らぬ土地だよ……」
揺れながら艪が咽ぶ 矢切の渡し
息を殺して 身を寄せながら
明日へ漕ぎだす 別れです


27.津軽海峡冬景色

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

上野発の夜行列車 おりた時から
青森駅は雪の中
北へ帰る人の群れは 誰も無口で
海鳴りだけをきいている
私もひとり 連絡船に乗り
こごえそうな鴎見つめ
泣いていました
ああ 津軽海峡冬景色

ごらんあれが竜飛(たっぴ)岬 北のはずれと
見知らぬ人が指をさす
息でくもる窓のガラス
ふいてみたけど
はるかにかすみ見えるだけ
さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする
泣けとばかりに
ああ 津軽海峡冬景色

さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする
泣けとばかりに
ああ 津軽海峡冬景色


28.北の宿から

作詞:阿久悠
作曲:小林亜星

あなた変わりはないですか
日毎寒さがつのります
着てはもらえぬセーターを
寒さこらえて編んでます
女心の未練でしょう
あなた恋しい北の宿

吹雪まじりに汽車の音
すすり泣くよに聞こえます
お酒ならべてただ一人
涙唄など歌います
女心の未練でしょう
あなた恋しい北の宿

あなた死んでもいいですか
胸がしんしん泣いてます
窓にうつして寝化粧を
しても心は晴れません
女心の未練でしょう
あなた恋しい北の宿


29.花ある人生

作詞:もず唱平
作曲:浜圭介

旅立ちの朝のこと 駅のプラットホームで
列車の窓越しに 母が
手をのばしバラの花を 差し出してくれた
勢(せい)いっぱい 花ある人生を
歩んでおくれと いってくれた
私は忘れない 今も忘れない

来た道を振り返り 悔(くい)はないかと問われて
まだまだ これからがあると
いつだって笑いながら いうことにしている
ひとそれぞれ 花ある人生は
遣(や)りよう次第で きっとあると
私は信じたい いつも信じたい

喝采(かっさい)はなくても おりる訳にはゆかない
主役はいつだって 自分
生きてることはドラマ 二度はないドラマ
夢捨てずに 花ある人生を
この手で掴む こころ意気を
私はあたためる 胸であたためる


30.北京に夢中(情滿北京)

作詞:もず唱平
作曲:楊鴻年

盃(さかずき)あげた老北京
一緒に遊んだ少女よ子らよ
誰れも彼もが優しくて
想い出残る胡同(ふうとん)広場
訪ねてみたい もう一度
私は夢中 北京に夢中

春にはぼたん 秋には紅葉(もみじ)
粧(よそお)い彩(いろど)り季節が巡る
青い甍(いらか)の天壇(てんだん)に
レンガの壁の家並(やなみ)が似合う
はるかに望む ゴビ砂漠
私は夢中 北京に夢中

「再見(さいちえん)」なんて素敵な言葉
サヨナラよりも 心がかよう
北へ飛び立つ 渡り鳥
伝えておくれ親しい人に
お変りその後ないですか
私は夢中 北京に夢中


31.哈爾濱慕情

作詞:もず唱平
作曲:張梅果

さわやかな夏の日の宵
肩組んで歌った友よ
石の舗道のアカシヤ並木
ロマンチックな中央大街
哈爾濱 哈爾濱 忘れじの街よ
哈爾濱 哈爾濱 忘れじの街よ

松花江 ソリで渡った
おとめごの瞳に涙
胸の痛みは 別れか恋か
誰れが心を射止めたのだろう
哈爾濱 哈爾濱 忘れじの街よ
哈爾濱 哈爾濱 忘れじの街よ

牡丹江 そして佳木斯(ちゃむす)へ
なぜ急ぐ感傷列車
赤い夕陽よ無辺の大地
何を目指せと教えておくれよ
哈爾濱 哈爾濱 忘れじの街よ
哈爾濱 哈爾濱 忘れじの街よ


32.上海摩登姑娘

作詞:もず唱平
作曲:商易

紹興酒(おさけ)を積み出す手を休め
別れを惜んだ 母の顔
想えば涙が こぼれます
摩登姑娘と呼ばれても
やっぱり恋しい ふるさとが

外灘(バンド)に灯りが点(とも)る頃
明日の倖せ語りあう
二人を夜霧が濡らします
摩登姑娘と呼ばれても
恋には揺れます人並みに

赦るして貰えば この秋に
結婚したいと思うひと
見つかりましたと書く便り
摩登姑娘と呼ばれても
父さんゆずりの筆の跡


33.旅しない?

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

うつむいて 飲む酒は
うつむいた 酔いになる
思い出してはいけないひとを
思い出すよなことになる
あんた わたしと 旅しない?
三日一緒にいてみない?

悲しみを 背負ったり
淋しさに 好かれたり
はしゃぐぐらいじゃ消えないものを
胸のどこかに抱いている
あんた わたしと 旅しない?
三日一緒にいてみない?

何かしら 空っぽに
おたがいが 真白に
好きも嫌いも それからのこと
少し身軽になってから
あんた わたしと 旅しない?
三日一緒にいてみない?


34.雪女郎

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

転んでも 凍えても
道に迷って 眠っても
死んで消えない女の愛を
抱いて一途に逢いに行く
歩きながらに夢を見る
忘れられないしあわせの
雪はしんしん 降り積む中で
白い女が涙を赤くする

逢えたなら 抱かれたら
熱い吐息にふれたなら
とけてしまうと女は思い
遠い灯りを追って行く
夢とうつつの真中で
心ばかりが走り出す
雪はしんしん 降り積む中で
白い女が涙を赤くする

戸をたたき 声からし
恋し名前を 呼びつづけ
いるかいないか いら立ちながら
軒のつららを 折っている
こんな姿を 見られたら
人のうわさの 雪女郎
雪はしんしん 降り積む中で
白い女が涙を赤くする


35.停車場

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

季節に似合いの停車場に
都会の女がおりて来る
霙でかすんだ広場には
小犬が一匹遊ぶだけ
行ったり来たりの人生は
誰にもあるにはあるけれど
二人で出かけたあのひとが
一人で来るのは 哀しいね

やがてはなくなる停車場の
待合室には人もなく
何年前かの消し忘れ
伝言板には さよならと
泣くのも笑うも人生と
思えば何でもないけれど
それさえ見つめることもなく
終わりになるのは 淋しいね

小雪が降りつむ停車場を
都会の女がまた帰る


36.寝台特急北斗星

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

お休みをいただきました
五泊六日の旅に出ます
夜が明けたら 北国の
雪の景色がのぞみです
金で縁どる招待状
捨てもしないで読みかえし
眠れば夢を見るかしら
寝台特急“北斗星”

つらいねと云われるよりは
北の寒さの方がいいわ
なみだ流した海峡も
今は知らない間です
掴みそこねたしあわせも
ほんの小さな傷だよと
窓にはりつく冬の色
寝台特急“北斗星”

お土産を考えました
ふられ記念と笑えますね
やがて終着札幌で
化粧なおして待ってます
旅と涙は不似合で
誰も笑顔で話し合い
それがちょっぴり辛かった
寝台特急“北斗星”


37.忘帰行

作詞:いではく
作曲:弦哲也

冬の海辺を走る列車は
思い出さえも とじこめて
ひざのコートを 胸にあげても
こころの寒さは とまらない
あなたのもとへ帰りたい
女がひとりで 行く先は
粉雪 ちらちら 舞う街か

空と海とが 色もないまま
とけてる中に とぶ鴎
未練がらみの こころさすよに
汽笛が長めの 糸をひく
あなたのもとへ帰りたい
昨日にさよなら するために
あしたは 見知らぬ 港町

街のはずれに にじむ灯りの
小さな酒場で きく霧笛
雪がとければ 傷もいえると
誰もがだまって 酒をのむ
あなたのもとへ帰りたい
こごえる指先 ほゝにあて
つかのま 忘れる 酒に酔う


38.遅い春

作詞:吉岡治
作曲:岸本健介

*おまえになんにも してやれないと
握ったわたしの 手を離す 春よこいこい
春よこいこい 一足おくれの 遅い春 別れ話も
あったねと ふたりで笑える ふたりで笑える
明日をつれてこい

*お酒を飲んでも 飲まれちゃだめと
わかって酔ってる 憂き世酒 春よこいこい
春よこいこい 一足おくれの 遅い春
子どもみたいに 水中花 咲かせたあの夜の
咲かせたあの夜の あなたをつれてこい

*はじけた夢なら はじけたなりに
ちいさな暮らしを まもりたい 春よこいこい
春よこいこい 一足おくれの 遅い春
薄い陽ざしの 街うらに 短かい春でも
短かい春でも しあわせつれてこい


39.奥飛騨の女

作詞:竜鉄也
作曲:竜鉄也

霧にかすんだ奥飛騨(おくひだ)の
なぜか侘(わび)しい 湯のけむり
すすり泣くよな 虫の音(ね)聞けば
捨てた故郷(こきょう)が
なつかしい なつかしい
ああ哀愁の 奥飛騨(おくひだ)の女(ひと)

逢えば別れが 来るものと
知っていながら なぜ泣かす
かたくにぎった 手のぬくもりに
うしろ髪ひく
この思い この思い
ああ哀愁の 奥飛騨(おくひだ)の女(ひと)

清き流れの 飛騨川(ひだがわ)の
水に映(うつ)した 影ふたつ
別れ切ない あの横顔に
いつか来るだろ
幸せが 幸せが
ああ哀愁の 奥飛騨(おくひだ)の女(ひと)


40.春夏秋冬

作詞:石坂まさを
作曲:石坂まさを

人は喜び 哀しみ怒(おこ)り
あとで楽しい 酒を飲む
甲斐性無くても あんたには
夢があるわと 泣かす奴
人生は 春夏秋冬
その日その日の 顔を持つ

ほかの奴なら 辛抱できず
愛想つかして 逃げただろ
いつも単衣の 着物きて
そっと微笑む いじらしさ
人生は 春夏秋冬
きっと二人の 花が咲く

一つ山越しゃ 今度は川が
照る日曇る日 雨の日が
傘になってね 寄り添って
月が雲間に 見えるまで
人生は 春夏秋冬
心重ねて 生きるもの


41.夢前川

作詞:もず唱平
作曲:浜圭介

湯の香が誘う夢灯り
なんで私を泣かすのか
教えて欲しい 夢前川よ
少こし倖せ 先送り
想い断ち切れ 諦らめと
水面(みのも)騒がせ 鳥がたつ

はかない恋の夢枕
濡らす女の この涙
流しておくれ 夢前川よ
出来ることなら もう一度
あれが雪彦(ゆきひこ) 城山(しろやま)と
肩を並べて 見上げたい

螢が結ぶ夢模様
ひと夜限りの命でも
あやかりたいわ 夢前川よ
家路忘れた あのひとに
待てば逢わせて くれますか
両手合わせる 満願寺


42.春隣

作詞:もず唱平
作曲:浜圭介

帰らぬ人の名指で書く
外は吹雪のガラス窓
冷たすぎます こたえます
これが十八番(おはこ)といっていた
森繁節の「枯れすすき」
挽歌(ばんか)がわりに歌おうか
………おれは河原の枯れすすき
同じお前も枯れすすき
どうせ二人はこの世では
花の咲かない枯れすすき

祝福されない恋ゆえに
じっと宿命(さだめ)に耐えながら
心燃やした二人です
親や世間に背を向けた
報(むく)いでしょうか 倖せは
たったひと冬あっただけ

大事な命を宿(やど)す身で
後を追ってはいけないと
きっとあなたに叱られる
全て失(な)くしたわけじゃない
まだまだ春は遠いけど
今が我慢ね 春隣


43.時の流れに身をまかせ

作詞:荒木とよひさ
作曲:三木たかし

もしも あなたと逢えずにいたら
わたしは何を してたでしょうか

平凡だけど 誰かを愛し
普通の暮し してたでしょうか

時の流れに 身をまかせ
あなたの色に 染められ
一度の人生それさえ
捨てることもかまわない

だから お願い そばに置いてね
いまは あなたしか 愛せない

もしも あなたに嫌われたなら
明日という日 失くしてしまうわ

約束なんか いらないけれど
想い出だけじゃ 生きてゆけない

時の流れに 身をまかせ
あなたの胸に より添い
綺麗になれたそれだけで
いのちさえもいらないわ

だから お願い そばに置いてね
いまは あなたしか 見えないの

時の流れに 身をまかせ
あなたの色に 染められ
一度の人生それさえ
捨てることもかまわない

だから お願い そばに置いてね
いまは あなたしか 愛せない


44.雪國

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

好きよあなた 今でも今でも
暦はもう少しで 今年も終りですね
逢いたくて恋しくて 泣きたくなる夜
そばにいて少しでも 話を聞いて
追いかけて 追いかけて
追いかけて…雪國

窓に落ちる 風と雪は
女ひとりの部屋には 悲しすぎるわあなた
酔いたくて泣きたくて ふるえるくちびる
そばに来て少しでも わがまま聞いて
追いかけて 追いかけて
追いかけて…雪國

好きな人はいるの あなた
バカねバカな女ね 意地をはってた私
逢いたくて夜汽車乗る デッキの窓に
とめどなく頬つたう 涙のあとを
追いかけて 追いかけて
追いかけて…雪國

逢いたくて恋しくて 泣きたくなる夜
そばにいて少しでも 話を聞いて
追いかけて 追いかけて
追いかけて…雪國


45.わかれの午前零時

川中美幸・弦哲也
作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

(男)琥珀のグラス飲みほせば
(男)最期のわかれが 訪れる
(女)こんなに あなたを
(女)愛しているのに
(男)めぐり逢うのが おそすぎた
(女)アデュー (男)アデュー
(男女)ふたりの恋よ

(女)時計の針が かさなれば
(女)これきり逢えなくなるふたり
(男)泣くのに 弱いぜ
(男涙をおふきよ
(女)なんであなたを 忘れましょう
(男)アデュー (女)アデュー
(男女)ふたりの恋よ

(男)夜霧が濡らす 街角を
(男)男と女が すれ違う
(女)咲く恋 散る恋
(女)わかれのくちづけ
(男)きっとなるんだ 倖せに
(女)アデュー (男)アデュー
(男女)ふたりの恋よ


46.じゃがいもの唄

川中美幸・黒柳徹子・森進一・森昌子・森口博子
作詞:原田博行
作曲:森進一

でこぼこ顔の お兄さん
どろにまみれた お父さん
ちっちゃな花咲く お姉さん
家族の幸せ お母さん

土の中から 顔出して
今日も元気に こう叫ぶ
さあ ほほえみ 忘れずに

じゃがじゃが じゃがじゃが 手をつなぎ
ごろごろごろごろ かけてゆく
今 誰かが 待っている
この愛を 届けよう

虫にかまれた おじさんも
指にあかぎれ おばさんも
朝日のような まごころは
光り輝く 宝物

土の中から 顔出して
今日も明るく こう叫ぶ
さあ 元気に 生きようよ

※じゃがじゃが じゃがじゃが 手をつなぎ
ごろごろごろごろ かけてゆく
さあ 幸せ わけあおう
さあ 愛の輪 広げよう※

(※くり返し)


47.愛人

作詞:荒木とよひさ
作曲:三木たかし

あなたが好きだから それでいいのよ
たとえ一緒に街を 歩けなくても
この部屋にいつも 帰ってくれたら
わたしは待つ身の 女でいいの

尽くして 泣きぬれて そして愛されて
時がふたりを 離さぬように
見つめて 寄りそって そして抱きしめて
このまま あなたの胸で暮らしたい

めぐり逢い少しだけ 遅いだけなの
何も言わずいてね わかっているわ
心だけせめて 残してくれたら
わたしは見送る 女でいいの

尽くして 泣きぬれて そして愛されて
明日がふたりを こわさぬように
離れて 恋しくて そして会いたくて
このまま あなたの胸で眠りたい

尽くして 泣きぬれて そして愛されて
明日がふたりを こわさぬように
離れて 恋しくて そして会いたくて
このまま あなたの胸で暮らしたい


48.小雨の丘

作詞:サトウハチロー
作曲:服部良一

雨がしずかに降る
日暮れの 街はずれ
そぼ降る小雨に 濡れゆくわが胸
夢のような こぬか雨
亡き母の ささやき
ひとりきく ひとりきく
さびしき胸に

つらいこの世の雨
悲しき たそがれよ
そぼ降る小雨に 浮かぶは想い出
うつり行く 日を数え
亡き母を 偲べば
ともしびが ともしびが
彼方の丘に

丘に静かに降る
今宵の さみしさよ
そぼ降る小雨と 心の涙よ
ただ一人 たたずめば
亡き母の おもかげ
雨の中 雨の中
けむりて浮かぶ


49.丘は花ざかり

作詞:西條八十
作曲:服部良一

若い生命の カレンダーを
今日もひらけば 君の顔
呼びかける あのひとみ
モナリザの 謎のいとしさ
ああ若い日の 丘は花ざかり
ああ若い日の 丘は花ざかり

青いホールのシャンデリヤ
抱いて踊れば 黒髪の
なやましい 移り香に
春はゆく 涙ながして
ああ若い日の 丘は花ざかり
ああ若い日の 丘は花ざかり

想い想われ 散ってゆく
恋は真紅な 天竺葵(ゼラニアム)
あのひとも このひとも
ながれゆく 淡い白雲
ああ若い日の 丘は花ざかり
ああ若い日の 丘は花ざかり