暫存

柴草玲 暫存歌詞
1.千代さんの日記

作詞:柴草玲
作曲:柴草玲

某月某日草むしりをした
某月某日草むしりをした
某月某日草むしりをした
某月某日草むしりをした
晩年の千代さんの日記
大学ノートにびっしり

千代さんは頼りになる女
千代さんは小柄な女
千代さんは淡々とした女
そうさ 千代さんは明治生まれの女

千代さんは七人の子を生み育てた
そして夫の二十数回目の命日に
花馬車に乗った 花馬車に乗った
里に花びらが 里に花びらが舞う

(セリフ)
へぇ この味噌漬けちっともうまくねえんだ

まぁ あそこんとこのじいさんも下んとこのばあさんも
すっかり馬鹿になっちまって

なんだヨシト おめぇは
おらにもうすぐお迎えが来るからって
そうやってわざわざしょっちゅう東京から会いに来んのか

この子はだんだんユズコに似て来たな

枝豆持ってけ
もろこし持ってけ
夕顔持ってけ
あれ りんごジュース持たせてやれ
蜂蜜持たせてやれ
梅漬け持ってくかや?

小っちゃめの千代さんの瞳
強く柔らかい光

千代さんは七人の子を生み育てた
そして夫の二十数回目の命日に
天へと走る 花馬車に乗った
それは偶然か わざとだったのか
誰にもわからない

花馬車はぐんぐん進む
千代さんはまっすぐ前を見てる
懐かしい人が近付く
ああ あの子もいる
いつしか千代さんの腰は伸び
黒髪は風になびき
里は遠くなる 慣れ親しんだ里
でも千代さんは振り向かない

99年 女の一生
99年 女の一生
99年


2.ホテルおぎくぼ

作詞:柴草玲
作曲:柴草玲

なくなっちゃったね
なくなっちゃったね
なくなっちゃったんだね
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
なくなっちゃったね
なくなっちゃったね
ほんとになくなっちゃったんだね
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ

いいホテルだったよね
行きつけだったよね
さびれ具合もほどよかったよね

駐車場がやや丸見えだったね
受付が気まずかったよね
変な造花があったよね

場所が中途半端なのがまたよかったよね
でも客足的にはだんだんきびしくなったのかもね
どこかの企業が買い取ったのかな
きれいにきれいにきれいにきれいにきれいに
建て直したんだね

でも看板がひとつ残ってる
看板がひとつ残ってる
黄色と紫が残ってる
消えたネオンが
ホテルおぎくぼココ
ホテルおぎくぼココ
ホテルおぎくぼココ ココ
ホテルおぎくぼココ

あの日 二人が抱き合ったあたりに
今は真新しい事務机でも
あるのかな あるのかな
あるのかな あるのかな
あるのかな
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
蛍光灯に照らされて
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
なくなっちゃったね
なくなっちゃったね
なくなっちゃったんだね
なくなっちゃったね
なくなっちゃったね
なくなっちゃったんだね
なくなっちゃったね
なくなっちゃったね
なくなっちゃったんだね
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ
ホテルおぎくぼ


3.さげまんのタンゴ

作詞:柴草玲
作曲:柴草玲

わたしはさげまん
美しいさげまん
確率100%
残念ながら100%
長年半信半疑だったけど
ここへ来て確信を持ちました
わたしと愛し合えば
男はみんな地獄の底を見る

ある人は職を失い
ある人は地位を失い
ある人は家庭を失い
ある人は人格すら失った

いいえ違うわ誓ってわたしは何もしていないのよ
彼らが勝手にいつの間にかぼろぼろに崩れてゆくのよ
さあ!わたしに近付いてみて
素晴らしい覚悟をお待ちしているわ
覚悟が無いなら近付かないで
中途半端に近付いて来ないで

わたしはさげまん
この世でいちばん美しいさげまん
地獄の果てには
極楽が無いとも言えなくも無い

ある人は面目を失い
ある人は金を失い
ある人はプライドを失い
ある人は命さえ失った

いいえ違うわ誓ってわたしは何もしていないのよ
その時その時の愛を精一杯生きている
ただそれだけよ
さあ!わたしに近付いてみて
わたしは生けるリトマス試験紙よ
言い訳するなら近付かないで
結局自分しか守らない男は願い下げ

わたしはさげまん
この世でいちばん美しいさげまん
わたしと愛し合えば
そう もれなく地獄が見れる
けれど別れたあとは運気は上昇するわ
ほんとなのよ
以前よりも 運気は上昇するわ
そう言う意味では
わたしはむしろあげまんなのかもしれない
そうよ 突き詰めて考えれば
わたしはあげまんなのかもしれない
そうよ 長い目で見れば
わたしはあげまんなのかもしれない
そうよ わたしはむしろあげまんなのかもしれない
そうよ そうよ わたしはむしろ
わたしはむしろ むしろ

あ げ ま ん

ララララララララン♪