風樹の母

森山愛子 風樹の母歌詞
1.風樹の母

作詞:松井由利夫
作曲:水森英夫

あれは一昨年 二月の半ば
朝からつめたい みぞれの日
親をたよるな これから先は
世間の辛さも しょっぱさも
お前が お前で 始末をつけろ
わかったか わかったね
別れの駅で…母さんの
あの言葉忘れない 忘れない

匂う卯の花 五月の五日
届いた小包 柏餅
涙こぼすな 泣き言云うな
いいことばかりを 追いかけて
歩けば躓く どこかで転ぶ
わかったか わかったね
故里遠く…母さんの
あの便り忘れない 忘れない

月も半欠け 九月の終わり
あれから二年の 杉木立
生きているから 花実も咲くと
働きづくめで 目を閉じた
きびしさ やさしさ 袷の絣
わかったか わかったね
夜空の星の…母さんの
あの姿忘れない 忘れない


2.あかね空

作詞:松井由利夫
作曲:水森英夫

茜ひと刷毛 お山を染めて
日暮れが 涙を 涙を 連れてくる
あの人 どうして いるかしら
逢いたいな 逢いたいな 逢いたいな
夢の笹舟 浮かべた 小川
どこへ 流れて 行ったやら

風はきまぐれ もうこの頃は
噂も 便りも 便りも 梨畑
あの人 どうして いるかしら
逢いたいな 逢いたいな 逢いたいな
月も わたしも 十三、七つ
話し 相手は 案山子だけ
ひとつ残った 藁ぶき屋根に
燕が 今年も 今年も 巣をつくる

あの人 どうして いるかしら
逢いたいな 逢いたいな 逢いたいな
幼なじみの お地蔵さんと
今日も 夜露に 濡れて泣こう