全曲集

森若里子 全曲集歌詞
1.女の川

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

にわか雨 傘借りに
駆けこむ家の 軒先で
思わず聞いたふる里の
流れなし 流されなして
この川の 流れに沿うて
男のいのちを 吸いとりながら
女はつよい 母になる

おてんばが 過ぎた娘を
土蔵の中に 押しこんで
文読む癖を つけさせた 母ごころ
逆らうな 逆ろうちゃだめ
この川は 女のさだめ
さだめをしっかり 受けとめながら
女は美くしゅ なるのよし

山を越え 谷を抜け
母子に通う 血の流れ
流れていつか ふる里へ戻るとか
流れなし 流されなして
この川の 流れに沿うて
女のつとめを 果たしていつか
花咲く里に 辿り着く


2.浮草情話

作詞:荒川利夫
作曲:山口ひろし

この目に見えない運命の嵐
今日もふたりをもてあそぶ
もしもあなたが死ぬのなら
そうよ私も生きてない
ねぇあなた
命をひとつにかさねたい

負けたらだめだと心を叱る
別れられないこの人よ
肩を並べて酔う酒の
耳に聞こえる汽車の笛
ねぇあなた
涙にうかべる故郷よ

どこまで流れる運命の川を
ネオン灯りが目にしみる
どこへ着こうと浮草の
愛を明日へつれてゆく
ねぇあなた
この手を放して暮らせない


3.雪の華

作詞:池田充男
作曲:青山八郎

雪より白い この肌を
さくらに染める冬の宿
逢えば乱れて苦しむ恋に
とけてゆくのも おんなゆえ
あゝおんな おんな哀しや雪の華

吹雪が空に鳴る音の
恐さにふるえ ねむられず
指につたわる ぬくもりもとめ
強くあなたに またすがる
あゝ恋は恋は哀しや雪の華

私が泣いてたのんだら
あなたの命 くれますか
せめて春まで 別れるまでは
忍なさけに酔わせてよ
あゝ咲いて 咲いて哀しや雪の華


4.情け川

作詞:麻こよみ
作曲:市川昭介

あなたの淋しい 横顔が
いつしか心に 住み着いた…
いいのよいいの 私で良けりゃ
今夜はあなたを 帰さない
生きるつらさを 分け合って
ふたり流れる 情け川

あなたに寄り添い 目をとじりゃ
かすかに聞こえる 雨の音…
いいのよいいの あなたがいいの
涙をあずけて この胸に
そっとお酒を 注ぎ足して
結ぶ縁の しぐれ川

明日のことさえ わからない
この世の流れの 冷たさよ…
いいのよいいの 私で良けりゃ
今夜はあなたを 帰さない
夢もうたかた 浮き草に
命重ねる 情け川


5.母のいない故郷


6.お上手小唄


7.浮舟(うきふね)の宿

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

恋の行方を 追いながら
ふたり旅ゆく 忍ぶ川
何処へ行こうと あなたと生きる
夢の岸辺が あればいい
明日を水の 流れにまかす
浮舟ゆれる 月の宿

窓をゆらして 風が鳴る
溶けてはじける 紅の息
白い障子に 陽炎もえて
夢の中でも 離れない
この世の外で あなた過ごす
浮舟ゆれる 花の宿

にごり川でも 碧々と
いつか輝く 海へ着く
今のあなたで 私はいいの
つなぐこの手が ある限り
情けで結ぶ 運命の糸よ
浮舟けむる 雨の宿


8.女の酒

作詞:藤間哲郎
作曲:高野かつみ

命もあげた 女です
何が私に残ります
今はさいごに ただひとつ
あげる言葉の さようなら
女が女を捨てました
お酒をください お酒を お酒を

鬼にも 蛇にも なりきって
生まれかわろう かわりたい
憎いあなたを 撲よりは
ひとり手酌の ひとりごと
女が女を捨てました
お酒をください お酒を お酒を

あなたの胸に 誰かいる
どうせ私は 過去のひと
風にさみしく さりげなく
夜のちまたに 花が散る
女が女を捨てました
お酒をください お酒を お酒を


9.むすめ巡礼

作詞:星野哲郎
作曲:下川博省

沖に寄る浪 とんとろり
空にゃのどかな あげ雲雀
娘遍路は ひとり旅
ここはどこやら 故郷(さと)恋し
シャラリコ シャラリコ
シャンシャラリ
八十八ヵ所 鈴だより

親はないのか 母さんは
問えばうつむく 菅の笠
娘遍路は まだ二八
ひと目逢いたや 母恋し
シャラリコ シャラリコ
シャンシャラリ
頬にちょっぴり なみだ汗

いつか日暮れた 磯の道
帰る白帆が 見えたとて
娘遍路は ただひとり
帰命頂礼 父恋し
シャラリコ シャラリコ
シャンシャラリ
赤い夕焼 見て歩く


10.浮雲

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

風と旅ゆく 浮雲に
何処か運命が 似たふたり
木の葉舟でも 私はいいの
ふたり一緒の 人生ならば
こころを結び 歩いてゆける
あなたの杖に なりたいの

空にちぎれる 浮雲よ
泣けば日暮れの 雨になる
あなた飲む酒 涙であれば
分けて下さい 私にも
こころの冬に 灯りを点す
あなたの愛と 生きてゆく

明日が見えない 浮雲に
命ふたつを 乗せてゆく
夢のつぼみか 雪割り草よ
春を祈って 水をやる
ふたりは一人 ひとりは二人
あなたの愛が 道しるべ


11.恋情話

作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦

恋なら命も 惜しくない
この世のさだめが 恐いだけ
あなた あなた
あなた 捨てたりしないでよ
たとえ明日が 見えなくたって
行きます 放さず ついて行く

おんなと言う名の 浮きぐさは
男の情に 根をおこす
あなた あなた
あなた 泣いたら 許してよ
夢をささえに 艶歌のように
わたしは 他人と生きて来た

死ぬまで一緒に 暮らしたい
小雨の裏町 仮りの宿
あなた あなた
あなた ひとりにしないでよ
どうせこの恋 苦労の川を
流れてあなたと 生きて行く


12.鳩のいる港町

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

鴎にまじって 育った鳩は
自分を鴎と 思ってた
木の実を拾わず 鰯を餌に
やがて鴎に 恋をして
添えない運命に めぐり逢う
そんな女の お店がひとつ
ぽつんと灯りを 点す港駅

波止場を塒に 育った鳩は
自分を鳩と 気付かない
港を出てゆく 外国船の
白いマストを 追いかけて
溺れてわめいて 目がさめる
そんな女の のれんが今日も
夜風にゆれてる 北の岬町

鴎にまじって 育った鳩は
鴎の声色 使ってた
それでもやっぱり 鴎にゃなれず
泣いて涙も かれたけど
あきらめ切れぬと あきらめた
そんな女の 意気地がひとつ
ぽつんと灯りを 点す港町


13.人生三・三夢拍子


14.恋歌の里


15.椿ちる宿


16.明日坂