CD-BOX「MoRA」

椎名林檎 CD-BOX「MoRA」歌詞
1.正しい街

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

あの日飛び出した 此の街と君が正しかったのにね

不愉快な笑みを向け 長い沈黙の後 態度を更に悪くしたら
冷たいアスファルトに額を擦らせて 期待はずれのあたしを攻めた

君が周りを無くした あたしはそれを無視した

さよならを告げた あの日の唇が一年後
どういう気持ちで いまあたしにキスをしてくれたのかな

短い嘘を繋げ 赤いものに替えて 疎外されゆく本音を伏せた
足らない言葉よりも近い距離を好み 理解出来ていた様に思うが

君に涙を教えた あたしはそれも無視した

可愛いひとなら捨てる程いるなんて云うくせに
どうして未だに 君の横には誰一人居ないのかな

何て大それたことを夢見てしまったんだろう
あんな傲慢な類の愛を押し付けたり
都会では冬の匂いも正しくもない
百道浜も君も室見川もない

もう我が儘など 云えないことは分かっているから
明日の空港に 最後でも来てなんてとても云えない
忠告は全て いま罰として現実になった
あの日飛び出した 此の街と君が正しかったのにね


2.歌舞伎町の女王

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

蝉の声を聞く度に 目に浮かぶ九十九里浜
皺々の祖母の手を離れ 独りで訪れた歓楽街

ママは此処の女王様 生き写しの様なあたし
誰しもが手を伸べて 子供ながらに魅せられた歓楽街

十五に成ったあたしを 置いて女王は消えた
毎週金曜日に来ていた男と暮らすのだろう

「一度栄えし者でも必ずや衰えゆく」
その意味を知る時を迎え足を踏み入れたは歓楽街

消えて行った女を憎めど夏は今
女王と云う肩書きを誇らしげに掲げる

女に成ったあたしが売るのは自分だけで
同情を欲した時に全てを失うだろう

JR新宿駅の東口を出たら
其処はあたしの庭 大遊戯場歌舞伎町

今夜からは此の町で娘のあたしが女王


3.丸の内サディスティック

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

報酬は入社後並行線で
東京は愛せど何も無い

リッケン620頂戴
19万も持って居ない 御茶の水

マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ

最近は銀座で警官ごっこ
国境は越えても盛者必衰

領収書を書いて頂戴
税理士なんて就いて居ない 後楽園

将来僧に成って結婚して欲しい
毎晩寝具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って

青 噛んで熟って頂戴
終電で帰るってば 池袋

マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ

将来僧に成って結婚して欲しい
毎晩寝具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って


4.幸福論(悦楽編)

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

本当のしあわせを さがしたときに
愛し愛されたいと考えるようになりました。

そしてあたしは君の強さも隠しがちな弱さも汲んで、

時の流れと空の色に何も望みはしない様に
素顔で泣いて笑う君にエナジィを燃やすだけなのです

本当のしあわせは目に映らずに
案外傍にあって気付かずにいたのですが…。

かじかむ指の求めるものが 見慣れたその手だったと知って、

あたしは君のメロディーやその哲学や言葉、全てを
守る為なら少し位する苦労もいとわないのです。

時の流れと空の色に何も望みはしない様に
素顔で泣いて笑う君のそのままを愛している故に

あたしは君のメロディーやその哲学や言葉、全てを守り通します。
君が其処に生きているという真実だけで 幸福なのです。


5.茜さす 帰路照らされど…

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

何時もの交差点で 彼は頬にキスする
また約束もなく 今日が海の彼方に沈む

ヘッドフォンを耳に充てる アイルランドの少女が歌う
夕暮れには切な過ぎる 涙を誘い出しているの?

振り返る通りを 渡るひとに見蕩れる
また約束も無く 彼がビルの彼方に消える

ヘッドフォンを耳に充てる ファズの利いたベースが走る
夕焼けには切な過ぎる 涙を誘い出しているの?

今の二人には確かなものなど何も無い
偶には怖がらず明日を迎えてみたいのに

I PLACE THE HEADPHONES ON MY EARS AND LISTEN
SOMEONE SINGS A SONG.I FEEL SO BLUE
NOW DARLIN' PROMISE ME
PLEASE TELL ME SOMETHING WORDS TO SOOTHE
I DON'T WANNA CRY


6.シドと白昼夢

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

昔 描いた夢で
あたしは別の人間で
ジャニス・イアンを
自らと思い込んでいた
現実には本物が
居ると理解っていた

此処の所描く夢の
あたしはあたしだから
欲望も何も区別が
つかなくなっていた
現実でも
ほとんど不確かだ

※あなたの髪を切らなきゃ
真っ黒な其の眼が
あたしの眼に光を射てば
呼吸が出来る
いまは還らない影など
全く厭だけれど
あなたには殺されても良いわ※

手錠をされたままで
あたしに 跪いた
独り切りじゃ
泣いてばかりになる為
誰かにそっと
寄り掛かるのであろう

あなたはあたしじゃなくちゃ
真っ白なほっぺたに
透き通る小さな雨垂れを
落としてしまう
でも泣かないで 今すぐ
鍵を開けてあげる
あなたには全て許しちゃうわ

(※くり返し)


7.積木遊び

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

あなたはいつもそうやって
丸い四角を選ぶ
あたしも特に気にせず
三角をのせてしまう

嗚呼 しくじった しくじった
まただわ YOU KNOW HOW MUCH I CARE IT
嗚呼 やられたり やられたり
ようやく 愛妻 某ジャクソン夫人

あなたはいつもそうやって
長い間悩んで
あたしを上手く丸める
全くの積木くろうと

嗚呼 しくじった しくじった
まただわ YOU KNOW HOW MUCH I LOVE IT
嗚呼 くやしけり くやしけり
ようやく 友好 傍若孫婦人

ののしるなんぢ 飽かずやあらむ
輒ち お相手 つかまつりませう
I REALLY REALLY DO
I REALLY REALLY DO

嗚呼 しくじった しくじった
まただわ YOU KNOW HOW MUCH I CARE IT
嗚呼 やられたり やられたり
ようやく 愛妻 某ジャクソン夫人

ののしるなんぢ 飽かずやあらむ
輒ち お相手 つかまつりませう
I REALLY REALLY DO
I REALLY REALLY DO

I REALLY REALLY DO
I REALLY REALLY DO

I REALLY REALLY DO
I REALLY REALLY DO

I REALLY REALLY DO
I REALLY REALLY DO


8.ここでキスして。

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

I'll never be able to give up on you
So never say good bye and kiss me once again

あたしは絶対あなたの前じゃ
さめざめ泣いたりしないでしょ
これはつまり常に自分が
アナーキーなあなたに似合う為
現代のシド・ヴィシャスに
手錠かけられるのは只あたしだけ

行かないでね
何処にだってあたしと一緒じゃなきゃ厭よ
あなたしか見て無いのよ
今すぐに此処でキスして

違う制服の女子高生を
眼で追っているの 知ってるのよ
斜め後ろ頭ら辺に痛い程視線感じないかしら
そりゃ あたしは綺麗とか美人な
タイプではないけれどこっち向いて

行かないでね
どんな時もあたしの思想を見抜いてよ
あなたの長い睫毛も其の華奢で大きな手も
全部大好きなの
何処にだってあなた程のひとなんて居ないよ
あなたしか見て無いのよ
今すぐに此処でキスして

行かないでね
何処にだってあたしと一緒じゃなきゃ厭よ
あなたしか見て無いのよ
今すぐに此処でキスして ねぇ

I feel so nice 'cause you are with me now
It is certain Ilove you so much baby
I'll never be able to give up on you
So never say good bye and kiss me once again
(woo… ai ai ai…)


9.同じ夜

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

飛交う人の批評に
自己実現を図り
戸惑うこれの根源に
尋ねる行為を忘れ

此の日々が訪れた
窓の外には
誤魔化しの無い夏
描かれている

吹き荒れる風に
涙することも
幸せな君を
只願うことも

同じ 空は明日を
始めてしまう
例え君が
此処に居なくても

彷徨う夢の天神に
生温さを望み
行交う人の大半に
素早く注目をさせ

其の欲が満たされた
あたしの眼にも
果てることない夢
映されるのか

泣き喚く海に
立ち止まることも
触れられない君を
只想うことも

※同じ 空は明日を
始めてしまう
例えあたしが
息を止めても※

吹き荒れる風に
涙することも
幸せな君を
只願うことも

泣き喚く海に
立ち止まることも
触れられない君を
只想うことも

(※くり返し)


10.警告

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

朝の訪れを微塵も感じない夜
闇がこの先の日本を考えるのか
TVも溜息も時計を滅多に止めない
何がこれ程迄に虚しさを呼ぶのだ?

あなたの部屋の留守番電話が
近頃まめに働いているの
何故か少しも気にならないのよ
伸ばした髪も意味ないから

言葉で穴を埋めても 満たされる筈など無い
日の出を待ち切れぬまま 鋏を探し出す
あなたは全てをあたしが切っちゃっても効かない…

夏に見たのは実在しない人だった
寒くなる迄知らないで愛してしまった
今頃になってから「全部演じていた」なんて
受話器越しに泣かれたってこっちが泣きそう

あなたがあたしだけ呼んで居ても
幾ら素敵に気を引いていても
時は既に遅過ぎるのよ
答える努力もしないから

此の海を又訪れ 思い出そうと歩く
波を止めることよりは た易いと感じるのに
あたしの気持ちは何処に行ったって戻らない…

「嘘はつき つかれるもの」 あなたはそう笑うが
間抜けなあたしをはじめ 不可能な人種も居る
上手く前に進めずに不器用に倒れるなら
起き上がる道具ひとつ 持たないで死んで行くわ
殺意だけ仕舞ったら あたしは最後のいま
「機械の様に余り馬鹿にしないで」って云いたい…


11.モルヒネ

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

家にはひとりで帰ります
あたしには鳥が4羽ついてるので
家には納豆が有ります
あたしにはグリコゲンがあるし
驚きなのは地下鉄のレール

素敵な貴方をたたえます
あたしにはとりえなんて無いですので
素敵な赤色のボトムス あたしには少し似合わないし
驚きなのは空色のカーテン

※あたしの脳のなかで麻薬物質は
とめどなくとめどなく排出されゆき
あたしはひたすら、だ液を吐き捨てる
密やかな密やかな行為に専念していました※

あたしの頬が赤く染まりゆく中で
高らかな高らかな貴方の声を聞き
あたしはひたすら目をつぶって昔の
密やかな密やかな夢を見続け

(※くり返し)


12.幸福論(BONUS TRACK)


13.虚言症

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

しかし何故にこんなにも 眼が乾く気がするのかしらね
黄色の手一杯に広げられた地図には 何も無い

そして何故に 雨や人波にも傷付くのかしらね
魚の目をしているクラスメイトが敵では 決して無い

線路上に寝転んでみたりしないで大丈夫
いま君の為に歌うことだって出来る
あたしは何時も何時もボロボロで生きる

例えば少女があたしを憎む様な事があっても
摩れた瞳(め)の行く先を探り当てる気など丸で無い

※徒(いたずら)に疑ってみたりしないで大丈夫
いま君が独りで生きているなんて云えるの
君は常に常にギリギリで生きる
あたしは何時も君を想っているのに※

髪の毛を誘う風を何ともすんなりと受け入れる
眩しい日に身を委せることこそ悪いこととは云わない

無理矢理に繕ってみたりしないで大丈夫
いま君の為に歌うことだって出来る
あたしは何時も何時もボロボロで生きる

(※くり返し)


14.浴室

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

新宿のカメラ屋さんの階段を降りた茶店は
ジッポの油とクリーム あんたの台詞が香った
云ったでしょ?「俺を殺して」

今日は特別に笑ってばかりのあたしは丁度
さっき一度夢で死んだあんたを仕方無く愛す
どうか見捨てたりしないで

洗って切って水の中
呼吸器官は冒される
あたしが完全に乾くの いまきちんと見届けて
磨いて裂いて水の中
無重力に委される
あたしが完全に溶けたら すぐきちんと召し上れ

あんたが目の前で絶えて 嗚咽を止められなかった
何だか浮世の全て恋しくて堪らなかった
あんな夢を見させないで

甘い匂いに汚された
御留守になっていた守備部隊
あたしが完全に乾くのいまきちんと見届けて
赤い嘘に汚された
自分で吐いて傷を見た
あたしが完全に溶けたら すぐきちんと召し上がれ

云ったでしょ?「俺を殺して」

洗って切って水の中
呼吸器官は冒される
あたしが完全に乾くの いまきちんと見届けて
磨いて裂いて水の中
無重力に委される
あたしが完全に溶けたら すぐきちんと召し上れ

退屈なんか怖れていない
どうして二人は出会った?

退屈なんか怖れていない
どうして二人は出会った?


15.弁解ドビュッシー

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

言いたいことを探し疲れて 結果無駄口吐いてばかり
どうせあたしの人生語呂合わせなんだもん
どうして価値に理由を付けて ポーズを執らされているのかな
だって淀んだ水が薫るピアノなんだもん

あんたは仕様が無いと云うし 現実にあたしも判らぬ
泣いて惑う位なら もう 全部無かったことにしよう

甲斐性が無く向かい風のみ専門に出来る雄じゃなくちゃ
どうせあたしの人生語呂合わせなんだもん
チョーキングだけに支配されて変化する莫迦な女で宜(よろ)し
云々で誤魔化して好い加減に飛んで居たい

何でも買ってあげるから 帰るだなんて巳(や)めなさい
真の慈愛等恐らく 最初から欲しくなかった

本当は全部大事である
本当は全部ラピッシュであろう
本当は全部真理である
本当は全部トリックであろう


16.ギブス

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

あなたはすぐに写真を撮りたがる
あたしは何時も其れを厭がるの
だって写真になっちゃえば
あたしが古くなるじゃない

あなたはすぐに絶対などと云う
あたしは何時も其れを厭がるの
だって冷めてしまっちゃえば
其れすら嘘になるじゃない

don't U θink?
i 罠 B wiθ U 此処に居て
ずっとずっとずっと
明日のことは判らない
だからぎゅっとしていてね

ぎゅっとしていてねダーリン

あなたはすぐにいじけて見せたがる
あたしは何時も其れを喜ぶの
だってカートみたいだから
あたしがコートニーじゃない

don't U θink?

i 罠 B wiθ U 傍に来て
もっともっともっと
昨日のことは忘れちゃおう
そしてぎゅっとしていてね
ぎゅっとしていてねダーリン

また四月が来たよ
同じ日のことを思い出して

don't U θink?
i 罠 B wiθ U 此処に居て
ずっとずっとずっと
明日のことは判らない
だからぎゅっとしていてね

i 罠 B wiθ U 傍に来て
もっともっともっと
昨日のことは忘れちゃおう
そしてぎゅっとしていてね
ぎゅっとしていてねダーリン


17.闇に降る雨

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

余りの暑さに目を醒まし
さっき迄見ていた夢の中
東西線はあたしを乗せても
新宿に降ろしてくれなくて

辿り着けない 此処に欲しい腕や髪や首筋
貴方の嫌う生温い雨に濡らされてゆく

貴方に降り注ぐものが
譬え雨だろうが運命だろうが
許すことなど出来る訳ない
此の手で必ず守る
側に置いていて

天気予報が外れてばかりの
毎日が見させた嘘の闇
高揚も時めきも溜め息も消耗し
やがて失くなりそうで

招きたくない
空々しい土の香や向日葵の
すぐにも迎う馨(かぐわ)しい 絵画と化する日など

貴方を知り尽くすことが譬え
可能だろうが不可能だろうが
満たされる日が来る筈もない
身体が生きている限り
側に置いていて

貴方に身を委(まか)すことが譬え
危険だろうが安全だろうが
留め金などが在る筈もない
全て惜しみなく挙げる
貴方に降り注ぐものが譬え
雨だろうが運命だろうが
許すことなど出来る訳ない
此の手で必ず守る
側に側に置いていて


18.アイデンティティ

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

是程多くの眼がバラバラに
何かを探すとなりゃあ其れなり
様々な言葉で各々の全てを
見極めなくちゃあならない
正しいとか 間違いとか
黒だとか 白だとか

何処に行けば良いのですか
君を信じて良いのですか
愛してくれるのですか
あたしは誰なのですか
怖くて仕方が無いだけなのに…

是迄多くの眼がちやほやと
ひたすらあたしを肯定した
様々な合図でてきぱきと
姿を見破られなくちゃあならない
優れていて 劣っていて
数だとか レヴェルとか

此処に居れば良いのですか
誰が真実なのですか
お金が欲しいのですか
あたしは誰なのですか
何処に行けば良いのですか
君を信じて良いのですか
愛してくれるのですか
あたしは誰なのですか
此の先も現在(いま)も無いだけなのに…


19.罪と罰

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

頬を刺す朝の山手通り
煙草の空き箱を捨てる
今日もまた足の踏み場は無い
小部屋が孤独を甘やかす

「不穏な悲鳴を愛さないで
未来等 見ないで
確信出来る現在だけ重ねて
あたしの名前をちゃんと呼んで
身体を触って必要なのは是だけ認めて」

愛してる独り泣き喚いて
夜道を弄れど虚しい
改札の安蛍光燈は
貴方の影すら落さない

歪んだ無常の遠き日も
セヴンスターの香り
味わう如く 季節を呼び起こす
あたしが望んだこと自体
矛盾を優に超えて
一番愛しいあなたの声迄
掠れさせて居たのだろう

静寂を破るドイツ車とパトカー
サイレン 爆音 現実界
或る浮遊

「不穏な悲鳴を愛さないで
未来等 見ないで
確信出来る現在だけ重ねて
あたしの名前をちゃんと呼んで
身体を触って必要なのは是だけ認めて」

「不穏な悲鳴を愛さないで
確信出来る 現在だけ 重ねて
あたしの名前をちゃんと呼んで
身体を触って必要なのは是だけ認めて」

頬を刺す朝の山手通り
煙草の空き箱を捨てる
今日もまた足の踏み場は無い
小部屋が孤独を甘やかす


20.ストイシズム

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎
編曲:亀田誠治、椎名林檎
あっあー

あーああーああ ああーあ あーあー
あーああーああ ああーあ あーあー
あーああーああ ああーあ あーあー
あーああーああ ああーあ あーあー

でんよとんゃちを
えまなのしたあ

ララララ あなた あなた ルルルル きれい きれい ドシーラーソファ
ララララ すてき すてき ルルルル きらい きらい ドシーラーソファソー

アクセル アクセル ブレーキ ブレーキ
ブレーキ アクセル ブレーキ ブレーキ
アクセル ブレーキ ブレーキ アクセル
パーキング

あーああーああ ああーあ あーあー
あーああーああ ああーあ あーあー
あーああーああ ああーあ あーあー
あーああーああ ああーあ あーあー

でいなさいあを
いめひなんおふ

ララララ つよい つよい ルルルル きれい きれい ドシーラーソファ
ララララ よわい よわい ルルルル きらい きらい ドシーラーソファ
ララララ あなた あなた ルルルル きれい きれい ドシーラーソファ
ララララ すてき すてき ルルルル きらい きらい ドシーラーレシレ


21.月に負け犬

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

好きな人や物が多過ぎて 見放されてしまいそうだ
虚勢を張る気は無いのだけれど 取分け怖いこと等ない

此の河は絶えず流れゆき
一つでも浮かべてはならない花などが在るだろうか
無い筈だ
僕を認めてよ

明日 くたばるかも知れない
だから今すぐ振り絞る
只 伝わるものならば 僕に後悔はない

何時も身体を冷やし続けて 無言の季節に立ち竦む
浴びせる罵倒に耳を澄まし 数字ばかりの世に埋まる

上手いこと橋を渡れども
行く先の似た様な途(みち)を 未だ走り続けている
其れだけの
僕を許してよ

逢いたい人に逢うこともない
だから手の中の全てを
選べない 日の出よりも先に 僕が空に投げよう

吐く息が 熱くなってゆく
明日くたばるかも 知れない だから今すぐ 振り絞る
只 伝わるものならば 僕に後悔はない

逢いたい人に 逢うこともない だから 手の中の全てを
選べない 日の出よりも先に 僕が空に投げよう


22.サカナ

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

ちっぽけで汚らしい動物 雌
一体生まれてから二十年弱
生きて来たのだろうか 其の上
只 易々と 泳いで行くのかしら

たった今頂戴した言葉 其れ
一体どういう意味を持つのですか
「愛している」と云う腕の中で
只 易々と 泳いで行くのかしら

※あたしが足の指五本 踵一個
不思議も無く此処にへばりつける
此のことを詳しく説明して下さいな
唇ばかりをそう見つめる前に

はっきりしないあたしの生態 雌
一体 生まれる迄歴史などが
少しでも動いたと 云えるの
只 安々と 泳ぐだけなら

あたしが届かない雲の彼方に
不思議も無く厳かに構える
日のことを詳しく説明して下さいな
手を取り優しくそう捕える前に


23.病床パブリック

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

ドイツ色のタクシーなら
新橋目指す 外苑東
レスポールは 絶対 黒
対向車線 快感ジャガー

巧妙 自制 白血球
片や妄想に生命を揺らし
消化した筈の汚物まで
戻して失う

噛んだ爪を吐いて捨てた
四丁目は呑気過ぎる
感情共 燃焼さす
Y染色 減少気味

頽廃 裸体 安全圏
既にもう女として生まれた才能は
発揮しているのだけど
脱がせて欲しい

巧妙 自制 白血球
片や妄想に生命を揺らし
消化した筈の汚物まで
戻して失う

倦怠 虚勢 優等生
もしも愛なんて呼んでいなくて
信号と言う回答であなたを 誘い出しても
変わらないかな


24.本能

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

約束は 要らないわ
果たされないことなど 大嫌いなの
ずっと繋がれて 居たいわ
朝が来ない窓辺を 求めているの

どうして 歴史の上に言葉が生まれたのか
太陽 酸素 海 風
もう充分だった筈でしょう

淋しいのはお互い様で
正しく舐め合う傷は誰も何も 咎められない
紐 解いて 生命に 擬う

気紛れを 許して
今更なんて思わずに急かしてよ
もっと中迄入って
あたしの衝動を 突き動かしてよ

全部どうでもいいと云っていたい様な月の灯
劣等感 カテゴライズ
そういうの 忘れてみましょう

終わりにはどうせ独りだし
此の際虚の真実を押し通して絶えてゆくのが良い
鋭い其の目線が 好き

約束は 要らないわ
果たされないことなど 大嫌いなの
ずっと繋がれて 居たいわ
朝が来ない窓辺を 求めているの

気紛れを 許して
今更なんて思わずに急かしてよ
もっと中迄入って
あたしの衝動を 突き動かしてよ


25.依存症

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

急に只 寝息が欲しくなって 冷凍庫にキーを隠したのです
夢の隙に現を殺し 戦う不条理なレッグカフ
…今朝の二時

シヤーベッツのロゴが溶けている 黄色い車の名は「 」
明け立ての夜を強請(ねだ)る 品川埠頭に似合うのです
…今朝の五時

あたしが此のまヽ海に沈んでも 何一つ汚されることはありませぬ
其れすら知りながらあなたの相鎚だけ
望んでいるあたしは病気なのでしょう

甲州街道からの渋滞が激化して 日本の朝を見ました
覚醒を要する今日と云う 厳しい矛盾に惑うのです
…つい先(さっき)も

どれ程 若さの上に丸で雲切れの笑顔を並べど変わりませぬ
孤独を知る毎に あなたの相鎚だけ望んでいるあたしはあたしは
あなたの其の瞳が頷く瞬間に初めて生命の音を聴くのです
天鵞絨(ビロード)の海にも 仕方のないことしか無かったら
あたしはどう致しましょう

翻弄されているということは 状態として美しいでしょうか
いいえ 綺麗な花は枯れ 醜い過程が嘲笑(わら)うのです
…何時の日も


26.真夜中は純潔(BONUS TRACK)


27.宗教

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

誰か僕に巧いお菓子を
毒で本望 嘘で元々さ
可成なら甘いものが善い
湯呑勘定 蟲歯も厭はない

「立て」「撃て」「切り裂いても敬ひ去れ」「歇(や)むな」「惡(にく)むな」
「吐け」「出せ」「引き摺つても歩き行け」「振り向くべからず」

色彩

丁度好い洋杯(コップ)が何処に行つても見付からないのだ 如何して
こんなにビルも道路も 増えて居るのに
飲むでも飲み切れぬ壜(ボットル)で不條理を凝視せよ

季節は廻つて急ぎ足
花は咲いた 蜂を呼寄せた
幾度も繰り還しをする
寛る様で 枯れるのが常と

「待て」「伏せ」「不可解でも崇め逝け」「病むな」「憎むな」
「視ろ」「嗅げ」「不愉快でも味わひ識(し)れ」「覚悟を極めろ」

芳醇

長嘉の勝訴が何時になつても見當(みあ)たらないのだ 如何して
品位が麗しいのは事実なのに
泣いて負けを認むる獣の條理を諷刺せよ

あ、通り雨 憂ひ菩薩 雲 行きて また 晴れて
配置されし 僕の記号 期待すれば氣付いてしまふ
模範だらけ 模倣だらけ 續いて 往く 此の 営み


28.ドツペルゲンガー

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

今日は 然樣なら
愛してる 大嫌ひ
夕暮 目雨
懇(ねんごろ) 赤の他人

見えてしまつたよ 慾を掌つた過去形
まう罷めるよ ほらすぐ此處に示して
樂にしてあげる

今日は 御休み
前のめり 淑(しとやか)
夕暮 波久扎雲
苗床 赤の他人

消えてしまつたよ 己を能(よ)く模した騷靈
まう決めたよ ほら災ひを起こして
取り憑いてあげる

見えてしまつたよ 美意識を孕むだ愛憎
まう辭めたよ ほら須く示して
其處は天國


29.迷彩

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

「ねえ一層遠く知らない街に隠居して沈黙しませぬこと?
こんな日々には厭きたのさ ねえだうぞ攫つて行つて」

逃げ延びて水密桃(すいみつとう)に未練
砂みたいな意識と云ふ次元で
逃げ延びた暑さよ何邊(いずこ)へ 揺れが生じ

其の儘 怠惰に委ねた 最後の青さ
もう還らないと知つた温度も 超へられぬ夜の恐怖色
境界に澱むでゐた決心の甘さ
たうに喪(うしな)つた岸壁打つは 引いてくれぬ後悔と濤(なみ)の色

待ち侘びて凍る馨(か)は混凝土(コンクリイト)
砂みたいな意識と云ふ器官で
待ち侘びた寒さよ何邊へ 揺れに動じ

此の儘 愛情に模した 修正ペンの白さ
現状を必死で繕つては 剥いだ素肌に恐怖色
傍観に徹してゐた感慨の淡さ
たうに喪つた雷雨仰ぐは 泣いてくれぬ残忍な雲の色
最後の青さ

もう還らないと知つた温度も 超へられぬ夜の恐怖色
境界に澱むでゐた決心の甘さ
たうに喪(うしな)つた岸壁打つは 引いてくれぬ後悔と濤(なみ)の色


30.おだいじに

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

氣持ちは晴れ 身体も未だ自由が利く
眼に映る良さ 映らぬ善さ
隣の芝 青く見えたら出来るだけ睡(ねむ)るのさ
肌を包むガーゼは白い嘘 甘い羂(わな)
自ら裏切るなら楽をするに限るさ
大人だから小さく唄ふ位 笑ふ位許してね
息が出来る頃迄

氣の果てまで同じ風が馨つたら善い
手にする貴さ 出来ぬ尊さ
覚えた儘 内緒の地圖で雨の中を出掛けやう
背中を湿らすのは赤い疑念 辛い罰
憂き世に居た堪れない悲劇が溢れたとしやう
大人だから今日はまう唄ふ位 笑う位許してね
守るものは護るさ


31.やつつけ仕事

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

毎日襲来する強敵電話のベル
迫っては平穏なる感度を欲するのさ

高速 渋滞とは云っても低速だろう
真理と相反する条理に従服姿勢

何も良いと思えない
余り憤慨もしない
今日は何曜日だった
然して問題じゃないか
------嗚呼 痛い思いをしたいのに

興味や関心を奪う程合う辻褄
或いは目合(まぐわ)いを以って営んでなんて目論んで居ないか

操作(コントロール)して頂戴
退屈が忌ま忌ましい
銀座線 終電何時?
然して問題じゃないか
------嗚呼 機械になっちゃいたいのに

ねぇ「好き」って何だっけ?
思い出せないよ…


32.茎

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

此の扉(ドア)なら破れない
其の塔なら崩れない
彼(あ)の天なら潰れない
何(ど)れも嘘らしく馨つてゐます

喩へ蒔いても育つても仙人草(クレマチス)
咲いても強く色付かうとも
瞬時に黙つて堕ちて逝きます

如何して? 何故 哀しくなつたの
現実の夢

此の肺なら破れない
其の顔なら崩れない
彼の天なら限りない
何れも赤色に匂つてゐます

斯くて哭(な)いては惑つては生(な)りませぬ
立つたら強く進まなくては
やつとで呼吸に成つて来ました

如何して? 何故 魘(うな)されてゐるの
現実が夢

今日からは生えても芽吹いても仙人草
咲いても悦び過ぎないから
大事な生命 壱ツだけ だうか持つて行かれませぬ様に
哭いたり惑つたり致しませぬ 立つたら弐度と倒れないから
何も要らない 壱ツだけ だうか 誰か 嗚呼

エントリー番号壱(ナンバーワン)


33.とりこし苦労

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

えゝい儘よ 恥ぢも棄て去らむ
あんた程の 男等居らぬ
燃盛る様 爪 熔けにけり
あんただけは 奪はれたくない

お願ひ 何處にも行かないでよ
ねえ 後生だから傍に置いてよ

えゝい儘よ 髪 伸びにけり
あんた故の 乙女心さ
如何でも宜し 詰まる処は
あんたの眼で 奪はれたのさ

お願ひ 誰にも云はないでよ
ねえ 後生だから秘密にしてよ

どんな科白の効力に参つたつもりも無いわ
女の私を信じたきや黙つて「ついて」来い

えゝい儘よ 廻り諄(くど)いぞなもし
こんなことにまう 口は使わぬ


34.おこのみで

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

指と謂う指を貴方に委ね疎通
夢を見てゐる金色エナメルが伍本揃ふ
其処で 鳥渡(ちょっと)だけ 休憩を お口に合ひますか
さあだうぞ 唯濃密な接吻を お口に合ひますか

生命さへ怪しき瞬きに過呼吸
貴方に塗つて戴いた金色エナメルが壱拾本揃ふ
此処で やつとこさ 完成品 お眼鏡は如何
さあだうぞ 唯従服の快感を お眼鏡は如何

「愛したひとは貴方だけ」善くも平氣で濡れし此の色目よ
似合ふのは さう 興味本位な 金色の爪(ネイル)
そして燃ゆる頬令今宵は果実色に
無言(しじま)の意圖か熟れゆく鎖骨のお皿
注いで 銘酒の内の取つて置きなら

処變はればお相手も變はつて往きます
虚構みたいに真赤のエナメル弐拾本揃ふ

此処でも 矢張り 同様に 御顔色を窺ひつ
さあだうぞ 唯恍惚と心中を 御顔色を窺ひつ

「愛と謂う言葉が嫌ひです」善くも平氣で抜かす此の色目よ
似合ふのは さう 鋭利で気丈な真赤の爪(ネイル)
そして燃ゆる頬血液に似た色に
日向の意圖か熟れゆく羞恥心のお庭
注いで 銘酒の内の取つて置きなら

だつて明日は如何生る身露知れず 果てはたつた一時先の未来
其れすら確かぢや無いもの 確かぢやないでせう

「愛するひとは貴方だけ」是がたつた一時の真事(まこと)で痛くもない
剥いではまた塗つて戴く爪(ネイル)
「愛と謂う言葉は不要です」いとも容易に濡れし此の色目を
新しく演出して さあ何方でも
…お好きな様に


35.意識

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

頭が有れば要は簡単に片付いて
子供と呼べば汚されないで済むのさ
僕に少しの光合成 君に似合ふ遺伝子を
ヒトは仕様の無いことが好きなのだらう「嘘ヲ吐クナヨ」

泣いたら何だつて此の白い手に入りさうで
答へなら純粋だ 惹かれ合つてゐる
こんな風に君を愛する 多分

幾つに成れば淋しさや恐怖は消へ得る
子供を持てばやがて苦痛も失せるのか
君が慕ふ思春期と 僕が用ゐる反抗期
最早語呂を合はすことが好きなのだらう「嘘ヲ吐クナヨ」

泣いたらどんな法も覆して願望通り
答へなら残忍だ 騙し合つてゐる
こんな風に君は愛する 多分

「嘘ヲ吐クナヨ」

もう是以上知つて眠らない夜と心中未遂
思ひ出に酸化した此の含嗽薬(うがいやく) 迷彩(カムフラーヂュ)
無い物 頂戴なんて 憤(むずか)つてゐる幼児同様
お母様 混紡の僕を恥ぢてゐらつしやいますか

君が愛した 僕


36.ポルターガイスト

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

もつと澤山(たくさん)逢いにゐらして下さい…さう口走つた君。
僕は愛ほしく思ひ、大層動じたので、
前髪の成す造形に神経を奪はれて、
鍵(キイ)も持たず家を出たのです。
斯くして、麗しき君の許へ超へていく想ひ、抑へました。
「今日は電車で!」壱度乗り換へた頃、高まつていく時めきに
負けさうになつてゐることに氣付き始めました。
真実は最初で最後なのです…さう口走つた君。
僕は思ひ出しつつ、聡明な生き方を
鳥渡(ちょっと)真似たいと感じ颯爽と歩いては、
キツと厳しい表情(かほ)をしたのです。
君を笑はす為に、微笑むでゐやうと思ひ、鍛へました。
「扉(ドーア)の前にて!」若しも、
此の部屋も無く、連なつてゐる輝きが
まやかしであらうとも僕に恐れなどはないです。
君はひと足先に微笑むで、幻視を與(あた)へました。
「こんな僕に!」徐(やを)ら、
見境も無く慾しくなるまぼろしは孰(いづ)れ衰へても
僕には美しく見えます。君だけに是を唄ひます。


37.葬列

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

今朝は妙なメイルを拝受しました。
其処に「出生の意志」が載つて居り、
現在(いま)は、酸素を押し返さうと必死です。
まう亡骸は消去完了・・・・何處にも桃源郷は無いと云ひます。

僕は、両(りやう)の肢から認知しました。
此処に「半分の意味」を見出して、
現在は、酸素を吸ひ切つてしまふ準備中です。
亡骸に弁護は不要・・・・
何處にも桃源郷が無いのなら、お造り致しませう。

・生むで廃棄する勇氣
・空を斬つてゆく庖丁(ナイフ)
・今日、胎盤、明日

僕を食しても植わらない理由は「渾(すべ)て獨りぼつちだから」。

偖(さて)は、こんな輪廻と交際をする業が、
お嫌ひなのでせう、当然です。
未だ何の「建設も着工」してゐない、白紙に還す予定です。

お顔を。
さあ、拝見させて下さい。


38.茎 ~大名遊ビ編~(BONUS TRACK)


39.りんごのうた

作詞:しいなりんご
作曲:しいなりんご

わたしのなまえをおしりになりたいのでしょう
でもいまおもいだせなくてかなしいのです

はたらくわたしになづけてください
およびになってどうぞおすきなように
5がつにはなをさかす わたしに にあいのなを

あけびがひらいたのはあきいろのあいずでしょう
きせつがだまってさるのはさびしいですか

なみだをふいてかおをあげてください
ほらもうじきわたしもみをつくります
ふゆにはみつをいれて あなたに おとどけします

わたしがあこがれているのは にんげんなのです
ないたりわらったりできる ことがすてき

たったいまわたしのながわかりました
あなたがおっしゃるとおりの「りんご」です
おいしくできたみからまいとしおとどけします
めしませ
つみのかじつ