真夜中は純潔

椎名林檎 真夜中は純潔歌詞
1.真夜中は純潔

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

洗い立ての黒い髪が馨(カヲ)って
今にも飛んで行きそう

カシス色に染まった爪
潤んだ二人の粘膜みたい

悪いけれど葡萄酒(ワイン)ならば
自分の口唇ダイレクトで

グラスよりも其の御口に
注いで載きたいのだもの

「始めませふ安易な位置づけ
属隷(ゾクレイ)の興行(ショウ)
簡単な選択(セレクション)
わたしは今夜 唯 攻められたひ」

類稀(タグイマレ)に理由もなく
平伏(ヒレフ)すだけの場合が有るの

近い様でも他人で在る
それ以外何も無い寂しさ

※「辱(ハズカシ)めて小粋な言葉で匂はす首
強引な仕草で捩ぢ伏せて
増歪(ディストーション)懸けたら
揺蕩(タユタ)ふ布
簡単な選択(セレクション)
わたしは只現在あなたが依々」※

蜷色(ニナイロ)に埋もれども
雑(マ)じり気なき身

(※くり返し)

あなたが依々
あなたが依々


2.シドと白昼夢

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

昔 描いた夢で
あたしは別の人間で
ジャニス・イアンを
自らと思い込んでいた
現実には本物が
居ると理解っていた

此処の所描く夢の
あたしはあたしだから
欲望も何も区別が
つかなくなっていた
現実でも
ほとんど不確かだ

※あなたの髪を切らなきゃ
真っ黒な其の眼が
あたしの眼に光を射てば
呼吸が出来る
いまは還らない影など
全く厭だけれど
あなたには殺されても良いわ※

手錠をされたままで
あたしに 跪いた
独り切りじゃ
泣いてばかりになる為
誰かにそっと
寄り掛かるのであろう

あなたはあたしじゃなくちゃ
真っ白なほっぺたに
透き通る小さな雨垂れを
落としてしまう
でも泣かないで 今すぐ
鍵を開けてあげる
あなたには全て許しちゃうわ

(※くり返し)


3.愛妻家の朝食

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

昼過ぎに珍しくテレビをちょっとだけ観たわ
果物が煙草の害を少し防ぐと言うの
それですぐこの間のお店へ買いに急いだわ
御出掛けになるのなら必ず召し上がってね

貴方はきっと外では違う顔なのでしょう?
だから此の手は其の疲れを癒す為だけに在るの

今朝の様にお帰りが酷く遅い日も屡々
明け方の孤独にはピアノで舞踏曲(ポロネーズ)を

貴方はそっと指先で髪を撫でるでしょう?
だからいま黒く揺蕩うまま伸ばす理由は只ひとつ

処でこんな情景をどう思われますか?
差し詰め勝手気儘な嘘を云いました
態とらしい空の色も全部疎ましくて
だから右手に強く握る光など既に見えない…

「もう 何も要りません。」