太陽が見てるから

橘いずみ 太陽が見てるから歌詞
1.1982年の缶コーラ

作詞:橘いずみ
作曲:橘いずみ

君の車はエアコンがきいてる
だけどスピードが出ない
マリンブルーで外国製で
だけど定員はたったの二人
渋滞の高速で立往生
君は汗をかいて いらついてる

地下鉄の階段を駆け下りて
閉まるドアをこじ開けて
押し出され 薄い酸素分け合い
空を探して焦ってる
急ぐ用事もないのに慌てて
人の背中を憎んで歩く

悪いのは君のせいじゃない
悪いのは君のせいじゃない

Woo… Woo… Woo…

暑くてとてもやり切れないから
赤い缶コーラ盗んで
一息に飲み干して笑ってる
仲間たちと顔見合わせた
喉元に突き上がる苦しさを
ずっと我慢してた十三の夏

悪いのは君のせいじゃない
悪いのは君のせいじゃない

Woo… Woo…

右から見た自分が好きだから
いつも左側に立ち
余裕などひとつもないのに ただ
与えることだけ考え
好かれたい愛されたい そのために
人を傷つけ うなだれてばかり

Woo…
悪いのは君のせいじゃない
悪いのは君のせいじゃない

Woo… Woo… Woo…

悪いのは君のせいじゃない
Yeah…
悪いのは君のせいじゃない
Yeah
悪いのは君のせいじゃない
君のせいじゃない

Woo…
Woo…


2.可愛い女


3.ピストル

作詞:橘いずみ
作曲:橘いずみ

買いたいものは山ほどあるけど
手元にあるのは限られたもの
無いものねだりと わかっているけど
手にした後からすぐ飽きるから

涙も笑いもいつでも一緒
人間らしく見られたいから
立派な大人になれるように
近くの神社にお参りしよう

小さな穴を埋めてふさいで
大きな穴をまた作り出す
いらないものは捨ててしまいたい
欲しいものだけを手に入れて

幸せになる もっと幸せに
ものに囲まれて生きていきたい
知らない世界に入り込んだら
新しい命をひとつもらう

春夏秋冬 休みを取って
ゆとりの里に旅してみても
安らぐ誰かの顔見てばかり
自分の体は疲れるばかり

いくつになっても成長しない
ここであがりと胸なでおろし
気ままにできたら どんなにいいか

そんなに甘くはないものだから
適当で最低の私を叱り
厳しく育てる誰かが必要
成長するため成長しよう

知らない世界に すべてを託して
欲望 絶望 希望に展望
細胞 陰謀 多忙も辛抱

どうしても どうしても
どうしても どうしても
どうしても どうしても
ピストルが欲しい

少しの蓄え 増やすことばかり
少しの時間に利口に投資
楽しむことが人生なんだと
さらりととぼけて知ってるつもり

買いたいものは山ほどあるけど
手元にあるのは限られたもの
色や形がぴったりきてても
重さがちょっと足りないみたい

両手いっぱい抱えたものを
今すぐ外に放り投げよう
小さな穴を埋めてふさいで
大きな穴をまた作り出す

幸せになる もっと幸せに
ものに囲まれて生きていきたい
新しい命ひとつもらって
知らないことなど何もない

父さん母さん姉さん どうか
離れた私を忘れないでね
誕生日には電話をかけて
愛していると必ず言って

Ah…
人間づき合い複雑すぎて
もつれてもつれて絡まるうちに
面倒臭くて全部切りたい

知らない言葉をなくしたいから
いつでも辞書を片手に持って

幸せになる もっと幸せに
ものに囲まれて溺れてしまいたい

いらないものを捨ててしまいたい
欲しいものだけを手に入れて
知らない人とも会話を持って
心と心を通じ合わせて

Ah
いくつになっても成長しない
ここであがりと胸なでおろし
明日からは自由の身になり
気ままにできたら どんなにいいか

そんなに甘くはないものだから
適当で最低の私を叱り
厳しく育てる誰かが必要

どうしても どうしても
どうしても どうしても
どうしても
ピストルが欲しい
どうしても どうしても
どうしても
ピストルが欲しい
ピストルが欲しい
Hai


4.ゼッケン5

作詞:IZUMI TACHIBANA
作曲:IZUMI TACHIBANA

白髪が増えたとぼやく男は
自慢してるみたいに照れて
ガタゴトうるさい機械に油を
ビールつぐように飲ませてる
3度目の結婚で生まれた子供は50も年が離れ
ヤニで汚れた歯を食いしばり
朝から晩までねじりはち巻き
男の寝言が外まで聞こえる
私の寝言も外まで聞こえる

学校飛び出し迷った少年
勤めをさっさと辞めてしまって
行ったり来たりの往復ビンタで
自分の頬を叩いてばかり
何とか暮らしを変えてみたくて
声をかけられたら話しこむ
空き缶ガラクタひしめく通り
風に吹かれてスカンピン
少年の瞳 ビー玉に似てる
私の瞳 ビー玉に似てる

最終バスに遅れた女は
2キロの距離を歩いて帰る
スパンコールの夜景の果てに
電話をかける相手もいない
カオリにカズミにヤスコにサユリ
学校出てから音信不通
パックに入ったご飯をチンして
ベッドの上で食べてる
女は今夜も虫歯が痛くて
私も今夜は虫歯が痛くて

真夏が来るとはるばる明石に
ばあちゃんの顔を見に出かけたよ
古いマンション 5階の部屋には
日差しがないのに蒸し暑い
いつでも長生きしてると楽しみもある
(いつでもこうして会えたらいいね)
一緒の布団で抱かれて寝たよ
狭い窓から星が見えた
ばあちゃん あの日ニコニコ笑った
私もあの日 ニコニコ笑った

未来の私はどんな姿で
どんな人生送っているか
踏み台に乗り 少しの背のびで
自分の未来が見えたらいいのに


5.太陽

作詞:橘いずみ
作曲:橘いずみ

ねぇ どうかあなた死なないで
何でもいいから 生きていて
あなたの存在があるから
何とか 私は生きられる
つらくて 寒くて 悲しくて
ひとりを感じることばかり
それでも あなたの笑顔を
思い浮かべたら強くなる

太ったねと言われて
食べずに流行りの洋服に身を包んで
仲間はずれにだけは ならないで
ニコニコしながら はしゃいでる
何にも楽しいことがない
何にも必死になれなくて
それでもあなたの生き方
思い浮かべたら熱くなる

もしも飛べたら あなたの空を
隅から隅まで 飛び回りたい
どんなに遠く離れていても
あなたの中にいる

女らしく楚々と控え目に
出しゃばらず 愛敬ふりまいて
つかず離れず
人の道の真ん中あたりで まごついて
何のために生きているのと
自分の弱さに はむかっても
泣いて 泣いて 泣いて 疲れて
見上げた空には あなたがいた

グズで のろまで 不器用で
それでもすたこら歩くから
山あり 谷あり 雨あられ
嵐が来てもがんばるから
だから たとえ人のものでも
あなたは どこかで生きていて
あなたの笑顔があるから
何とか私は生きられる

もしもあなたが 少し疲れて
いつかこの手が 必要ならば
そっと名前をつぶやきながら
やさしく微笑んで

自分を取り戻すスペ-スを
手に入れるために働いて
息を継ぐはずの時間にさえ
疲れ果てて 眠りこけている
ひとりぼっちになりたいけど
ひとりぼっちは とてもさみしいよ
あなたのそばにいられるなら
他には 何にも欲しくない

いじけて古くてばかげてる
だめな女だと言われても
それでも命のある限り
あなたの後ろをついていく

ねぇ どうかあなた死なないで
何でもいいから 生きていて
ねぇ どうかあなた死なないで
何でもいいから 生きていて


6.バニラ

作詞:橘いずみ
作曲:橘いずみ

どこを見てるのこっちを向いて
何を考えてるの私の目を見て
溶けそうなのは目の前の
アイスクリームじゃなくて私の心
アスファルトに落ちた雪のかけらみたいに
溶けて染みになって
明日になれば何もなかったように全部
乾いてしまうなんて

そんなに私 若くない
そんなに私利口じゃない
そんなに私都合よくない
本当にごめんなさい

子供の頃にいつも言われた
後ろ指差されることしてはいけません
危ないこと人に迷惑かけること
みんなしてはいけません
何もかも奪われて恋をしてるだけなのになぜか
悪いことしているような気がして
おどおどおどしてます
こんなに私 震えてる
こんなに私 泣いている
こんなに私 まじめなんです
本当にごめんなさい

いい加減にしなさいのぼせてないで
目を覚ましなさい
わきまえなさい
頭を冷やしなさい
なんて何回言われてもわからない
ふざけんじゃないバカヤロウ
やり直したくなんてない
もうたくさんもうたくさん
もうたくさんもうたくさん…
甘くとろけた真っ白なバニラが
どうしても食べたかったそれだけ

そんなに私弱くはないから
そんなに私強くはないから
そんなに私弱くはないから
本当にごめんなさい

Yeah!どこを見てるのこっちを向いて
何を考えてるの
私の目を見て 溶けそうなのは
目の前のアイスクリームじゃなくて私の心
アスファルトに落ちた雪のかけらみたいに
溶けて染みになって
明日になれば何もなかったように全部
乾いてしまうなんて

そんなに私 若くない
そんなに私利口じゃない
そんなに私都合よくない
本当にごめんなさい
本当にごめんなさいWow…


7.ハムレット

作詞:橘いずみ
作曲:橘いずみ

※「君の体が欲しいわけじゃない」
(そう あの人は呟いた)
「僕はいつでも誤解されてる」
(そう あの人はうつむく)

「せつなさが僕をくるわせ
いとしさで君を切りつけて わかってもらえない」
なんて もう言わないで※

「どうしてそんな目で僕を見るの?」
(そう あの人は囁いた)
「君が愛してるのは 君自身」
(そう あの人はふり向く)

「僕を傷つけて苦しめて
それでも試してばかりいる 本気になってくれ」
なんて もう言わないで

「たとえば ささやかなプレゼントを贈りたくて
派手なリボンで飾れば 開ける前から 君は喜ぶわけで」
そう あの人は困ったような顔をする

「誰よりも 君のこと愛してる」
(そう あの人は呟いた)
「同じくらい 僕を愛せるかい?」
(そう あの人はうなだれ)

「裸になって 君を知って
抱き合うたびに 重ね着して 僕は僕 君は君」
なんて もう言わないで

「男に生まれて 本当によかった」
(そう あの人は囁いた)
「女に生まれて 本当によかった?」
(そう あの人は尋ねる)

「巡り合いなど ただの偶然
別れるために出会えるだけで すべてが運命だ」
なんて もう言わないで

「お互いのいやしさを隠して どこか無理して
向かい合っているから 貧しい自分を吐き出してしまいそう」
そう あの人は困ったような顔をする

(※くり返し)

言わないで 言わないで 言わないで


8.ひとでなし

作詞:橘いずみ
作曲:橘いずみ

結局はひとでなし 要するにろくでなし
何もかもが全部だめで 誰よりも愚か者で
そそくさとごまかして へらへらと笑ってる
地獄まで落ちてゆけ そう私ひとでなし

あの人に言われたよ おまえなんか死んじまえ
自分だけ大事にして 人のこと踏み潰す
地獄まで落ちるはず そう私ひとでなし

結局はひとでなし 要するにろくでなし
何をしてもドジばかりで 誰にでも邪魔者で
地獄にも行けやしない そう私ひとでなし

結局はひとでなし 要するにろくでなし
何もかも 全部だめで 誰よりも愚か者で
そそくさとごまかして へらへらと笑ってる
ひとでなし


9.サルの歌

作詞:橘いずみ
作曲:橘いずみ

淋しくなんかないんだよって 泣いてるのが子供
淋しい… つぶやいて涙隠す大人
そつなくうまく振る舞おうと 人の目を気にして
下手な芝居してた私 不自然なしぐさ 自分らしく

人と違う路地裏歩き 意地になって遠回りしてた
まねをしては情けなくて 自分を責めた
お手本ならいくつもあったけれど
嘘をつくことにあきたなら

本音で生きてみて敵を作ったなら こそこそ逃げ出し
悲しそうな表情したら 魅力的と言われ
空ばかり見ていたら 友が遠ざかる
孤独が好き ひとりが好き それは強がり

壁を作って きどってみても 私はここ
忘れないでと 叫んでいたよ
愛されたいと思っていた 本当は

爪を立ててひっかいたら 頭をなでられ
素直になれと やさしく人は笑う
まねをしては照れ隠しで うつむいていたよ
人を認めラクになれた
孤独が好き ひとりが好き それは強がり

愛されたい 本気で思った あの日
愛されたい 本気で思った あの日


10.空になりたい

作詞:橘いずみ
作曲:橘いずみ

出しゃばらないで 助け合い
可憐に素直に 女は生きて
半歩下がって ニコニコと
やさしい笑顔と 母が教えた

※冷たい木枯しの中で 震えてる
子犬抱いたまま じっとしてられない
守るべきものが もしもあるならば
たとえ女でも 強く強く生きたい※

欲張らないで 控え目に
質素で賢く 女は生きて
道を外れず ハキハキと
元気がとりえと 父が教えた

自分を捨てても 命を賭けても
なくしたくないもの 見つけたからには
人に見捨てられ とがめられたって
私らしくして 強く強く生きたい

(※くり返し)