全曲集

歌川二三子 全曲集歌詞
1.父娘鷹 (台詞入り)

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

(セリフ)この世で一番悲しいことは
親との別れではないでしょうか
返れないけれど もう一度昔に戻りたいと
思う時があります
どんなに貧しくても昔の方が
あったかさがありました

凩の哭き笛 身に沁む夜は
雪のふる里 越後が恋し
土産話しは いつの日できる
飛んで帰って 詫びたいけれど
父親は故郷の
父親は故郷の 墓の中

父の手をひき 山道越えて
何度通った 村から村へ
泣いて一節 笑って三節
遠い涙の 幼い日々が
今はなつかし
今はなつかし あかね空

(セリフ)見えない目の中で
父はどんな夢を見ていたのでしょうか
甘い黒豆湯を倖せそうに呑んでいました
あの頃は日本中が貧しい時代でした

瞼とじれば 越後の海が
根性なしだと 私を叱る
演歌は浪曲 荒海仕込
ふたり揃って 舞台へ立った
夢が命の
夢が命の 父親鷹(おやこだか)


2.北冬挽歌

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

風の竜飛に 夕日が落ちて
あんた恋しと ゴメが哭く
墨絵ぼかしの 津軽の海は
やがて漁り火 船がゆく
ハァ〜 沖が時化たらョー
ハァ〜 火照った 躰が せつないよ
あんたと唄った あいや節
寝床に響いて ひとり泣く ひとり泣く

せめてあんたの 飲む酒だけは
肌で温めて やりたいさ
のぼり列車の 呼ぶ声聞けば
飛んで行きたい 雪の中
ハァ〜 おんな盛りにゃョー
ハァ〜 ひと冬 我慢が 侘しいよ
あんたが出かせぎ 行ったあと
私のこころは 冬の海 冬の海

ハァ〜 離ればなれはョー
ハァ〜 今年で終りに しておくれ
雪解け季節を 夢にみて
あんたの枕と 添い寝する 添い寝する


3.母三味線


4.命いちりん


5.平手造酒


6.ホントの気持ち


7.女傑-島村ギン物語-

作詞:和田健一
作曲:宮川ひろし

風の噂を伝便り、
年齢七つの幼子が
母さん恋しや父恋し、雪の函館後にして
ひもじさ、こらえて来たとゆう

女盛りのを どてらにかくし
女傑一代 修羅の道
好きで選んだ 人生ではないが
筋を通さぬ 奴もいる

(セリフ)そりゃ世間じゃ、どてら婆さんとか、女やくざとか
噂しちょる事はよう知っちょるばい
ばってんあてんと様に、恥じる事は何もしちょらんとよ
こげん女が、ひとりぐらい、おっても 罰ちゃあたらんばい

馬鹿じゃなれない 利口じゃなれぬ
まして女じゃ なおなれぬ
恋もあきらめ 女も捨てて
度胸ひとつの 修羅を行く

(セリフ)母と名乗れず、我が子と抱けず、ましてやくざな女伊達
心を鬼に詫びながら、腹も空いたろう、疲れてもいよう

ひと風呂浴びて手作りの、浴衣を着せて髪をすく
春もらんまん 月も十六夜、若松港、
女狭一代 島村ギン物語

ひとを押し退け 世間をせまく
生きる奴には 牙をむく
せめて日本の いしずえに
なれるものなら 悔いはない


8.大祭~馬追い祭り~

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)九州 火の国 熊本に これぞ 馬追い 若い衆 イヤサ

神幸行列 随兵と
歴史 受けつぐ 馬追で
これから 始まる 秋まつり
朝から 晩まで
ドウカイ イヤサ イヤサッサ
街ねり歩く 馬が跳ねれば 日本晴れ

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)熊本 お城の お殿様 知恵で 築いた 武者返し イヤサ

ここは 火の国 肥後の国
街に 秋風 そよぐ頃
揃いの はっぴに 身をつつみ
馬追い 奉納
ドウカイ イヤサ イヤサッサ
声 高らかに 祭りばやしで 躍り出す

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)熊本 生まれの 勢子達の 燃える 血潮は 親ゆずり イヤサ

年に一度の 飾り馬
鳴らす ラッパと おはやしで
男も 女も にぎやかに
こどもも おとなも
ドウカイ イヤサ イヤサッサ
ああ うかれだす 皆んな集まれ 藤崎宮

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)九州 火の国 熊本に これぞ 馬追い 若い衆 イヤサ


9.人生坂

作詞:歌川二三子
作曲:三浦丈明

足で踏まれて 育つ麦
いつか芽が出る 花も咲く
二人で荷物 背負いながら
辛抱してくれ 夫婦道
夢に…夢に
夢に向かって 歩きたい
のぼり下りの 人生坂

苦労苦の字を 越えてゆく
人は一人じゃ 生きられぬ
お前と俺の 助け合い
海原山坂 乗り越えて
夢に…夢に
夢に向かって 歩きたい
のぼり下りの 人生坂

七つ転んで 八つで起き
三歩進めば 二歩下がれ
泣きたい時は 泣けばいい
涙があるから 笑いもあるさ
夢に…夢に
夢に向かって 歩きたい
のぼり下りの 人生坂


10.笠森恋唄


11.鶴と亀

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

ハァー春のはじめに この家旦那様は
七福神のお供して コラ俵つみに参った

今日は 娘の 嫁入りと
庭の 小梅も ほころびを
見せて くれたは 祝うため
花嫁 すがたが 良くにあう
祝う 言葉は 鶴と亀

(セリフ)ハァーめでたい めでたい

やっと おまえに さずかった
かわい 初孫 じじ ばば は
だいて うれしいや 恵比寿顔
我家の 宝が また ひとつ
祝う 言葉は 鶴と亀

年の 初めに 目出度いと
お家 繁盛 俵つみ
無病息災 金茶釜
炉りを 囲んで 福がくる
祝う 言葉は 鶴と亀

ハァーめでたいナー めでたいナー
この家 旦那様は 億万長者と申される


12.千倉はやっぱり素晴らしい


13.華があっての人生さ

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

指をまるめて 世間を見れば
猫にこび売る 子ねずみばかり
見栄が七分で 生きてくよりも
誠三分を 抱いてゆけ
風に散ろうと 名を残す
華があっての
男の 男の 男の 男の人生さ

胸にかくした 男の夢を
咲かす散らすも 女の器量
銭の無いのは 心の裏に
秘めて笑顔で 惚れ通す
愛の一輪 かんざしに
華があっての
女の 女の 女の 女の人生さ

高い山ほど 谷間は深い
ころげ落ちたら またはいあがれ
渡る憂き世は 切り紙細工
涙こぼせば しみになる
泣いて笑って 夜が明けて
華があっての
二人の 二人の 二人の 二人の人生さ

おもて通りの ひと筋裏は
のぼる朝日も 遅れて当たる
楽を選ぶか 苦労をとるか
とった苦労に 甲斐がある
我慢二文字 腹にさし
華があっての
目出たい目出たい 目出たい 目出たい人生さ


14.二三子の鉄砲節

作詞:鉄砲光三郎、歌川二三子
作曲:鉄砲光三郎

エーさては一座の皆様へ 一寸出ました私も
お見かけ通りの悪声で ヨーホーホーイホイ
ハーイヤコラセー ドッコイセー

罷り出ました未熟者 お気に召すよにゃ読めないけれど
父と私の思い出を 歌い続けた
鉄砲節に乗せまして 精魂篭めて唄いましょう
ソーラーヨーイトコサッ
サノーヨイヤーサッサー

エー雪のふるさと越後の海で 鍛えたノドで
一節を ヨーホーホーイホイ
ハーイヤコラセー ドッコイセー

語りまするは 浪花節 父の手を引き
旅から旅へ 父の目となり足となり
今は二三子も アンアンアン
唄います 鉄砲節と申します
聴いておくれよ 荷物にゃならぬ
聴いて心も浮き浮きしゃんせ
気から病は出るわいなぁ 唄の文句は小粋でも
私ゃ未熟で とっても 上手くも きっちり
実際 誠に 見事に読めないけれど
八千八声の不如帰(ほととぎす)
血を吐くまでも 血を吐くまでも 勉めましょう
ソーラーヨーイトコサッ
サノーヨイヤーサッサー


15.知覧の母~ホタル~