全曲集2011

歌川二三子 全曲集2011歌詞
1.花影の母

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

妻という名を 捨てても恋に
生きてゆきたい 人だった
こんな母さん 許しておくれ
棘(とげ)をさすよな 世間の目より
純なこの子の 純なこの子の 目が怖い

誰れの力も 借りずにこの子
育てますわと 云ったけど
可愛いそうなは 片親育ち
ただの一度も 父(とう)さんの手に
抱いてもらえず 抱いてもらえず 寂しかろ

沈む夕陽を 追いかけるよな
恋にひとすじ 燃え尽きた
これでいいのか 間違いなのか
きっとこの子も わかってくれる
女ごころと 女ごころと 母ごころ


2.人生坂

作詞:歌川二三子
作曲:三浦丈明

足で踏まれて 育つ麦
いつか芽が出る 花も咲く
二人で荷物 背負いながら
辛抱してくれ 夫婦道
夢に…夢に
夢に向かって 歩きたい
のぼり下りの 人生坂

苦労苦の字を 越えてゆく
人は一人じゃ 生きられぬ
お前と俺の 助け合い
海原山坂 乗り越えて
夢に…夢に
夢に向かって 歩きたい
のぼり下りの 人生坂

七つ転んで 八つで起き
三歩進めば 二歩下がれ
泣きたい時は 泣けばいい
涙があるから 笑いもあるさ
夢に…夢に
夢に向かって 歩きたい
のぼり下りの 人生坂


3.北冬挽歌

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

風の竜飛に 夕日が落ちて
あんた恋しと ゴメが哭く
墨絵ぼかしの 津軽の海は
やがて漁り火 船がゆく
ハァ〜 沖が時化たらョー
ハァ〜 火照った 躰が せつないよ
あんたと唄った あいや節
寝床に響いて ひとり泣く ひとり泣く

せめてあんたの 飲む酒だけは
肌で温めて やりたいさ
のぼり列車の 呼ぶ声聞けば
飛んで行きたい 雪の中
ハァ〜 おんな盛りにゃョー
ハァ〜 ひと冬 我慢が 侘しいよ
あんたが出かせぎ 行ったあと
私のこころは 冬の海 冬の海

ハァ〜 離ればなれはョー
ハァ〜 今年で終りに しておくれ
雪解け季節を 夢にみて
あんたの枕と 添い寝する 添い寝する


4.命ひとすじ

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

好きになっては いけない恋に
はげしく燃える はげしく燃える 冬の花
あんな男と 云うのはやめて
親の情に そむいても
いのち 一すじ
今、この恋に 燃やしたい

悪いひとだと 世間のうわさ
そんなじゃないと そんなじゃないと ひとり言
しんはやさしい あなたの良さを
知っているのは 私だけ
いのち 一すじ
今、この恋に 燃やしたい

ついておいでと あなたが云えば
嵐の海も 嵐の海も 越えてゆく
きっと私に 幸せくれる
愛を信じて どこまでも
いのち 一すじ
今、この恋に 燃やしたい


5.男意地~田原坂~

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

雨は降る降る じんばはぬれる
越すに越されぬ 田原坂

明日の日本を 創るため
丸に十(じゅ)の字の 藩旗をかかげ
薩摩隼人が 打って出る
同胞(はらから)たちを まきこんで
だれが戦を したかろう
あ〜 若者よ 許してくれと
西郷隆盛 男泣き

小野小町の ふるさとよ
小野の泉水 湧き出る処
お湯と縁が 国じまん
田原の坂の 激戦は
勝つも負けるも 時の運
あ〜 雨空を 見上げるギョロ目
西郷隆盛 何想う

男同志の 夢かけて
続く戦い 十七昼夜
泥にまみれた 薩摩軍
多勢に無勢 弾丸(たま)も無し
今は これまで いさぎよく
あ〜 雨の中 田原よさらば
西郷隆盛 男意地

「晋どん もうこの辺で よかばい」


6.父娘鷹 (台詞入り)

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

(セリフ)この世で一番悲しいことは
親との別れではないでしょうか
返れないけれど もう一度昔に戻りたいと
思う時があります
どんなに貧しくても昔の方が
あったかさがありました

凩の哭き笛 身に沁む夜は
雪のふる里 越後が恋し
土産話しは いつの日できる
飛んで帰って 詫びたいけれど
父親は故郷の
父親は故郷の 墓の中

父の手をひき 山道越えて
何度通った 村から村へ
泣いて一節 笑って三節
遠い涙の 幼い日々が
今はなつかし
今はなつかし あかね空

(セリフ)見えない目の中で
父はどんな夢を見ていたのでしょうか
甘い黒豆湯を倖せそうに呑んでいました
あの頃は日本中が貧しい時代でした

瞼とじれば 越後の海が
根性なしだと 私を叱る
演歌は浪曲 荒海仕込
ふたり揃って 舞台へ立った
夢が命の
夢が命の 父親鷹(おやこだか)


7.江戸の華~野狐三次~

作詞:歌川二三子
作曲:宮川 ひろし

ハァードッコイ
年の始めの 出初め式
四十八組 揃い組
ソーレ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ
捩じり鉢巻き 若い衆
男火消しの 山車がゆく
華のお江戸の 祭り好き
三次だ 三次だ 三次だ 三次だ
ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ 男の祭り

格子造りに ご神燈下げて 兄貴や家かと
姉御に問えば 兄貴や二階で木遣りの稽古
音頭とるのは ありゃ内の人 エンヤラ エンヤラヤ
エンヤラ ヤレコノセーサノセー アレハサ エナヤラヤ

ハァードッコイ
孝行鳶は に組の三次
浅草観音 授けもの
ソーレ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ
鳶の勲章 ほりものは
親子狐で 命がけ
華のお江戸の 人気もの
三次だ 三次だ 三次だ 三次だ
ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ 男の祭り
半鐘鳴るたび 野狐は
火の粉 火の雨 かぶっても
華のお江戸の 屋根に立つ
三次だ 三次だ 三次だ 三次だ
ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ 男の祭り

サァー どけどけどけー 野狐三次の お通りだい


8.おとこの出船(掛声入り)


9.知覧の母~ホタル~


10.回天の母~人間魚雷~


11.二三子の鉄砲節

作詞:鉄砲光三郎、歌川二三子
作曲:鉄砲光三郎

エーさては一座の皆様へ 一寸出ました私も
お見かけ通りの悪声で ヨーホーホーイホイ
ハーイヤコラセー ドッコイセー

罷り出ました未熟者 お気に召すよにゃ読めないけれど
父と私の思い出を 歌い続けた
鉄砲節に乗せまして 精魂篭めて唄いましょう
ソーラーヨーイトコサッ
サノーヨイヤーサッサー

エー雪のふるさと越後の海で 鍛えたノドで
一節を ヨーホーホーイホイ
ハーイヤコラセー ドッコイセー

語りまするは 浪花節 父の手を引き
旅から旅へ 父の目となり足となり
今は二三子も アンアンアン
唄います 鉄砲節と申します
聴いておくれよ 荷物にゃならぬ
聴いて心も浮き浮きしゃんせ
気から病は出るわいなぁ 唄の文句は小粋でも
私ゃ未熟で とっても 上手くも きっちり
実際 誠に 見事に読めないけれど
八千八声の不如帰(ほととぎす)
血を吐くまでも 血を吐くまでも 勉めましょう
ソーラーヨーイトコサッ
サノーヨイヤーサッサー


12.大祭~馬追い祭り~

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)九州 火の国 熊本に これぞ 馬追い 若い衆 イヤサ

神幸行列 随兵と
歴史 受けつぐ 馬追で
これから 始まる 秋まつり
朝から 晩まで
ドウカイ イヤサ イヤサッサ
街ねり歩く 馬が跳ねれば 日本晴れ

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)熊本 お城の お殿様 知恵で 築いた 武者返し イヤサ

ここは 火の国 肥後の国
街に 秋風 そよぐ頃
揃いの はっぴに 身をつつみ
馬追い 奉納
ドウカイ イヤサ イヤサッサ
声 高らかに 祭りばやしで 躍り出す

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)熊本 生まれの 勢子達の 燃える 血潮は 親ゆずり イヤサ

年に一度の 飾り馬
鳴らす ラッパと おはやしで
男も 女も にぎやかに
こどもも おとなも
ドウカイ イヤサ イヤサッサ
ああ うかれだす 皆んな集まれ 藤崎宮

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)九州 火の国 熊本に これぞ 馬追い 若い衆 イヤサ


13.おまえが出番

作詞:遠藤実
作曲:遠藤実

がまんをするのがサー 人生だ
この山越えたら なんとかなるさ
身内と思った あいつが敵で
敵だと思った あいつが味方
苦しい時こそ 真実(まこと)が見える
元気だせ 元気だせ おまえが出番だぜ

暗闇地獄にね 火を点(とも)せ
愛情灯りで 行先照らす
口先上手じゃ 仕事は出来ぬ
額に汗して 頑張りなされ
苦しい時こそ 真実が見える
元気だせ 元気だせ おまえが出番だぜ

はじけた夢なんか 忘れろよ
裸で生まれて 来たんじゃないか
一から出直しゃ 気持ちがいいぜ
負けてもまた勝つ 根性持とう
苦しい時こそ 真実が見える
元気だせ 元気だせ お前が出番だぜ


14.女傑-島村ギン物語-

作詞:和田健一
作曲:宮川ひろし

風の噂を伝便り、
年齢七つの幼子が
母さん恋しや父恋し、雪の函館後にして
ひもじさ、こらえて来たとゆう

女盛りのを どてらにかくし
女傑一代 修羅の道
好きで選んだ 人生ではないが
筋を通さぬ 奴もいる

(セリフ)そりゃ世間じゃ、どてら婆さんとか、女やくざとか
噂しちょる事はよう知っちょるばい
ばってんあてんと様に、恥じる事は何もしちょらんとよ
こげん女が、ひとりぐらい、おっても 罰ちゃあたらんばい

馬鹿じゃなれない 利口じゃなれぬ
まして女じゃ なおなれぬ
恋もあきらめ 女も捨てて
度胸ひとつの 修羅を行く

(セリフ)母と名乗れず、我が子と抱けず、ましてやくざな女伊達
心を鬼に詫びながら、腹も空いたろう、疲れてもいよう

ひと風呂浴びて手作りの、浴衣を着せて髪をすく
春もらんまん 月も十六夜、若松港、
女狭一代 島村ギン物語

ひとを押し退け 世間をせまく
生きる奴には 牙をむく
せめて日本の いしずえに
なれるものなら 悔いはない


15.いっしょがええなあ

作詞:大野勝彦
作曲:三浦丈明

荒れる嵐に まがり坂
なんどこの道 行き止まり
おまえの支えで すくわれた
夕日がきれいな 風の丘
やっぱり いっしょが ええな ええな

若い頃には 倖せが
すぐに来る気が したものさ
今では時間を ゆっくりと
心にきざんで 歩きたい
やっぱり いっしょが ええな ええな

今の俺には 何よりも
君の笑顔が 宝もの
やさしさぬくもり ありがとう
二人で手を取り 夫婦道
やっぱり いっしょが ええな ええな

(台詞)
永い事 苦労をかけて すまないな
本当にありがとう ありがとう


16.想ひ出