全曲集~二三子の鉄砲節~

歌川二三子 全曲集~二三子の鉄砲節~歌詞
1.演歌街道


2.花嫁の母


3.花影の母

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

妻という名を 捨てても恋に
生きてゆきたい 人だった
こんな母さん 許しておくれ
棘(とげ)をさすよな 世間の目より
純なこの子の 純なこの子の 目が怖い

誰れの力も 借りずにこの子
育てますわと 云ったけど
可愛いそうなは 片親育ち
ただの一度も 父(とう)さんの手に
抱いてもらえず 抱いてもらえず 寂しかろ

沈む夕陽を 追いかけるよな
恋にひとすじ 燃え尽きた
これでいいのか 間違いなのか
きっとこの子も わかってくれる
女ごころと 女ごころと 母ごころ


4.あねさん女房


5.古い女で通します


6.越後雪の竹


7.母灯台

作詞:鈴木宗敏
作曲:遠藤実

世間の海へ 明日(あした)から
一人で船出を するおまえ
人生荒波 暗い海
なんの負けずに 乗り越えろ
無事を祈って ゝ 照らしつづける
母灯台よ

心配かけた 我が子ほど
愛しいものです 母ごころ
幼い頃から 今日までを
想い出すたび 辛いけど
涙かくして ゝ 照らしつづける
母灯台よ

わたしの背丈 追いぬいて
今では立派な 若者よ
ふたたび故郷に 帰るまで
どうか達者で いておくれ
無事を祈って ゝ 照らしつづける
母灯台よ


8.父娘鷹 (台詞入り)

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

(セリフ)この世で一番悲しいことは
親との別れではないでしょうか
返れないけれど もう一度昔に戻りたいと
思う時があります
どんなに貧しくても昔の方が
あったかさがありました

凩の哭き笛 身に沁む夜は
雪のふる里 越後が恋し
土産話しは いつの日できる
飛んで帰って 詫びたいけれど
父親は故郷の
父親は故郷の 墓の中

父の手をひき 山道越えて
何度通った 村から村へ
泣いて一節 笑って三節
遠い涙の 幼い日々が
今はなつかし
今はなつかし あかね空

(セリフ)見えない目の中で
父はどんな夢を見ていたのでしょうか
甘い黒豆湯を倖せそうに呑んでいました
あの頃は日本中が貧しい時代でした

瞼とじれば 越後の海が
根性なしだと 私を叱る
演歌は浪曲 荒海仕込
ふたり揃って 舞台へ立った
夢が命の
夢が命の 父親鷹(おやこだか)


9.華があっての人生さ

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

指をまるめて 世間を見れば
猫にこび売る 子ねずみばかり
見栄が七分で 生きてくよりも
誠三分を 抱いてゆけ
風に散ろうと 名を残す
華があっての
男の 男の 男の 男の人生さ

胸にかくした 男の夢を
咲かす散らすも 女の器量
銭の無いのは 心の裏に
秘めて笑顔で 惚れ通す
愛の一輪 かんざしに
華があっての
女の 女の 女の 女の人生さ

高い山ほど 谷間は深い
ころげ落ちたら またはいあがれ
渡る憂き世は 切り紙細工
涙こぼせば しみになる
泣いて笑って 夜が明けて
華があっての
二人の 二人の 二人の 二人の人生さ

おもて通りの ひと筋裏は
のぼる朝日も 遅れて当たる
楽を選ぶか 苦労をとるか
とった苦労に 甲斐がある
我慢二文字 腹にさし
華があっての
目出たい目出たい 目出たい 目出たい人生さ


10.北冬(ほくとう)挽歌


11.女傑~島村ギン物語~

作詞:和田健一
作曲:宮川ひろし

風の噂を伝便り、
年齢七つの幼子が
母さん恋しや父恋し、雪の函館後にして
ひもじさ、こらえて来たとゆう

女盛りのを どてらにかくし
女傑一代 修羅の道
好きで選んだ 人生ではないが
筋を通さぬ 奴もいる

(セリフ)そりゃ世間じゃ、どてら婆さんとか、女やくざとか
噂しちょる事はよう知っちょるばい
ばってんあてんと様に、恥じる事は何もしちょらんとよ
こげん女が、ひとりぐらい、おっても 罰ちゃあたらんばい

馬鹿じゃなれない 利口じゃなれぬ
まして女じゃ なおなれぬ
恋もあきらめ 女も捨てて
度胸ひとつの 修羅を行く

(セリフ)母と名乗れず、我が子と抱けず、ましてやくざな女伊達
心を鬼に詫びながら、腹も空いたろう、疲れてもいよう

ひと風呂浴びて手作りの、浴衣を着せて髪をすく
春もらんまん 月も十六夜、若松港、
女狭一代 島村ギン物語

ひとを押し退け 世間をせまく
生きる奴には 牙をむく
せめて日本の いしずえに
なれるものなら 悔いはない


12.河内(監修:鉄砲光三郎)


13.江戸の華~野狐三次~

作詞:歌川二三子
作曲:宮川 ひろし

ハァードッコイ
年の始めの 出初め式
四十八組 揃い組
ソーレ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ
捩じり鉢巻き 若い衆
男火消しの 山車がゆく
華のお江戸の 祭り好き
三次だ 三次だ 三次だ 三次だ
ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ 男の祭り

格子造りに ご神燈下げて 兄貴や家かと
姉御に問えば 兄貴や二階で木遣りの稽古
音頭とるのは ありゃ内の人 エンヤラ エンヤラヤ
エンヤラ ヤレコノセーサノセー アレハサ エナヤラヤ

ハァードッコイ
孝行鳶は に組の三次
浅草観音 授けもの
ソーレ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ
鳶の勲章 ほりものは
親子狐で 命がけ
華のお江戸の 人気もの
三次だ 三次だ 三次だ 三次だ
ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ 男の祭り
半鐘鳴るたび 野狐は
火の粉 火の雨 かぶっても
華のお江戸の 屋根に立つ
三次だ 三次だ 三次だ 三次だ
ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ 男の祭り

サァー どけどけどけー 野狐三次の お通りだい


14.二三子の鉄砲節

作詞:鉄砲光三郎、歌川二三子
作曲:鉄砲光三郎

エーさては一座の皆様へ 一寸出ました私も
お見かけ通りの悪声で ヨーホーホーイホイ
ハーイヤコラセー ドッコイセー

罷り出ました未熟者 お気に召すよにゃ読めないけれど
父と私の思い出を 歌い続けた
鉄砲節に乗せまして 精魂篭めて唄いましょう
ソーラーヨーイトコサッ
サノーヨイヤーサッサー

エー雪のふるさと越後の海で 鍛えたノドで
一節を ヨーホーホーイホイ
ハーイヤコラセー ドッコイセー

語りまするは 浪花節 父の手を引き
旅から旅へ 父の目となり足となり
今は二三子も アンアンアン
唄います 鉄砲節と申します
聴いておくれよ 荷物にゃならぬ
聴いて心も浮き浮きしゃんせ
気から病は出るわいなぁ 唄の文句は小粋でも
私ゃ未熟で とっても 上手くも きっちり
実際 誠に 見事に読めないけれど
八千八声の不如帰(ほととぎす)
血を吐くまでも 血を吐くまでも 勉めましょう
ソーラーヨーイトコサッ
サノーヨイヤーサッサー


15.知覧の母~ホタル~


16.男意地~田原坂~

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

雨は降る降る じんばはぬれる
越すに越されぬ 田原坂

明日の日本を 創るため
丸に十(じゅ)の字の 藩旗をかかげ
薩摩隼人が 打って出る
同胞(はらから)たちを まきこんで
だれが戦を したかろう
あ〜 若者よ 許してくれと
西郷隆盛 男泣き

小野小町の ふるさとよ
小野の泉水 湧き出る処
お湯と縁が 国じまん
田原の坂の 激戦は
勝つも負けるも 時の運
あ〜 雨空を 見上げるギョロ目
西郷隆盛 何想う

男同志の 夢かけて
続く戦い 十七昼夜
泥にまみれた 薩摩軍
多勢に無勢 弾丸(たま)も無し
今は これまで いさぎよく
あ〜 雨の中 田原よさらば
西郷隆盛 男意地

「晋どん もうこの辺で よかばい」