全曲集~人生坂~

歌川二三子 全曲集~人生坂~歌詞
1.人生坂

作詞:歌川二三子
作曲:三浦丈明

足で踏まれて 育つ麦
いつか芽が出る 花も咲く
二人で荷物 背負いながら
辛抱してくれ 夫婦道
夢に…夢に
夢に向かって 歩きたい
のぼり下りの 人生坂

苦労苦の字を 越えてゆく
人は一人じゃ 生きられぬ
お前と俺の 助け合い
海原山坂 乗り越えて
夢に…夢に
夢に向かって 歩きたい
のぼり下りの 人生坂

七つ転んで 八つで起き
三歩進めば 二歩下がれ
泣きたい時は 泣けばいい
涙があるから 笑いもあるさ
夢に…夢に
夢に向かって 歩きたい
のぼり下りの 人生坂


2.北冬挽歌

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

風の竜飛に 夕日が落ちて
あんた恋しと ゴメが哭く
墨絵ぼかしの 津軽の海は
やがて漁り火 船がゆく
ハァ〜 沖が時化たらョー
ハァ〜 火照った 躰が せつないよ
あんたと唄った あいや節
寝床に響いて ひとり泣く ひとり泣く

せめてあんたの 飲む酒だけは
肌で温めて やりたいさ
のぼり列車の 呼ぶ声聞けば
飛んで行きたい 雪の中
ハァ〜 おんな盛りにゃョー
ハァ〜 ひと冬 我慢が 侘しいよ
あんたが出かせぎ 行ったあと
私のこころは 冬の海 冬の海

ハァ〜 離ればなれはョー
ハァ〜 今年で終りに しておくれ
雪解け季節を 夢にみて
あんたの枕と 添い寝する 添い寝する


3.男意地~田原坂~

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

雨は降る降る じんばはぬれる
越すに越されぬ 田原坂

明日の日本を 創るため
丸に十(じゅ)の字の 藩旗をかかげ
薩摩隼人が 打って出る
同胞(はらから)たちを まきこんで
だれが戦を したかろう
あ〜 若者よ 許してくれと
西郷隆盛 男泣き

小野小町の ふるさとよ
小野の泉水 湧き出る処
お湯と縁が 国じまん
田原の坂の 激戦は
勝つも負けるも 時の運
あ〜 雨空を 見上げるギョロ目
西郷隆盛 何想う

男同志の 夢かけて
続く戦い 十七昼夜
泥にまみれた 薩摩軍
多勢に無勢 弾丸(たま)も無し
今は これまで いさぎよく
あ〜 雨の中 田原よさらば
西郷隆盛 男意地

「晋どん もうこの辺で よかばい」


4.鶴と亀

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

ハァー春のはじめに この家旦那様は
七福神のお供して コラ俵つみに参った

今日は 娘の 嫁入りと
庭の 小梅も ほころびを
見せて くれたは 祝うため
花嫁 すがたが 良くにあう
祝う 言葉は 鶴と亀

(セリフ)ハァーめでたい めでたい

やっと おまえに さずかった
かわい 初孫 じじ ばば は
だいて うれしいや 恵比寿顔
我家の 宝が また ひとつ
祝う 言葉は 鶴と亀

年の 初めに 目出度いと
お家 繁盛 俵つみ
無病息災 金茶釜
炉りを 囲んで 福がくる
祝う 言葉は 鶴と亀

ハァーめでたいナー めでたいナー
この家 旦那様は 億万長者と申される


5.村上水軍

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

瀬戸内 海はョー
朝日に 輝く 海原 にらむ
これぞ 師清 男の 勇姿
能島 来島 因島… 俺の海
ここは 瀬戸内… 時代は戦国
その名はアアンア… 村上水軍ぞ

瀬戸内 海はョー
きらきら きらめく 芸予の島は
歴史 重ねて きた 島々だ
兄の代わりに 鶴姫は… 鎧つけ
胸にお祈り… 木の葉に書こみ
乙女のアアンア… はかない恋ごころ

瀬戸内 海はョー
荒れて うずまく 厳しい海よ
板子 一枚 命を 掛けて
毛利 村上 攻めこんだ… 厳島
海の男の… 度胸の勝利
これこそアアンア… 戦国武勇伝


6.女傑-島村ギン物語-

作詞:和田健一
作曲:宮川ひろし

風の噂を伝便り、
年齢七つの幼子が
母さん恋しや父恋し、雪の函館後にして
ひもじさ、こらえて来たとゆう

女盛りのを どてらにかくし
女傑一代 修羅の道
好きで選んだ 人生ではないが
筋を通さぬ 奴もいる

(セリフ)そりゃ世間じゃ、どてら婆さんとか、女やくざとか
噂しちょる事はよう知っちょるばい
ばってんあてんと様に、恥じる事は何もしちょらんとよ
こげん女が、ひとりぐらい、おっても 罰ちゃあたらんばい

馬鹿じゃなれない 利口じゃなれぬ
まして女じゃ なおなれぬ
恋もあきらめ 女も捨てて
度胸ひとつの 修羅を行く

(セリフ)母と名乗れず、我が子と抱けず、ましてやくざな女伊達
心を鬼に詫びながら、腹も空いたろう、疲れてもいよう

ひと風呂浴びて手作りの、浴衣を着せて髪をすく
春もらんまん 月も十六夜、若松港、
女狭一代 島村ギン物語

ひとを押し退け 世間をせまく
生きる奴には 牙をむく
せめて日本の いしずえに
なれるものなら 悔いはない


7.二三子の鉄砲節

作詞:鉄砲光三郎、歌川二三子
作曲:鉄砲光三郎

エーさては一座の皆様へ 一寸出ました私も
お見かけ通りの悪声で ヨーホーホーイホイ
ハーイヤコラセー ドッコイセー

罷り出ました未熟者 お気に召すよにゃ読めないけれど
父と私の思い出を 歌い続けた
鉄砲節に乗せまして 精魂篭めて唄いましょう
ソーラーヨーイトコサッ
サノーヨイヤーサッサー

エー雪のふるさと越後の海で 鍛えたノドで
一節を ヨーホーホーイホイ
ハーイヤコラセー ドッコイセー

語りまするは 浪花節 父の手を引き
旅から旅へ 父の目となり足となり
今は二三子も アンアンアン
唄います 鉄砲節と申します
聴いておくれよ 荷物にゃならぬ
聴いて心も浮き浮きしゃんせ
気から病は出るわいなぁ 唄の文句は小粋でも
私ゃ未熟で とっても 上手くも きっちり
実際 誠に 見事に読めないけれど
八千八声の不如帰(ほととぎす)
血を吐くまでも 血を吐くまでも 勉めましょう
ソーラーヨーイトコサッ
サノーヨイヤーサッサー


8.大祭~馬追い祭り~

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)九州 火の国 熊本に これぞ 馬追い 若い衆 イヤサ

神幸行列 随兵と
歴史 受けつぐ 馬追で
これから 始まる 秋まつり
朝から 晩まで
ドウカイ イヤサ イヤサッサ
街ねり歩く 馬が跳ねれば 日本晴れ

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)熊本 お城の お殿様 知恵で 築いた 武者返し イヤサ

ここは 火の国 肥後の国
街に 秋風 そよぐ頃
揃いの はっぴに 身をつつみ
馬追い 奉納
ドウカイ イヤサ イヤサッサ
声 高らかに 祭りばやしで 躍り出す

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)熊本 生まれの 勢子達の 燃える 血潮は 親ゆずり イヤサ

年に一度の 飾り馬
鳴らす ラッパと おはやしで
男も 女も にぎやかに
こどもも おとなも
ドウカイ イヤサ イヤサッサ
ああ うかれだす 皆んな集まれ 藤崎宮

(お囃子)ドウカイドウカイ
(口上)九州 火の国 熊本に これぞ 馬追い 若い衆 イヤサ


9.芸道の花


10.母三味線


11.おとうさん

作詞:歌川二三子
作曲:くにひろし

あなた愛して 生きるときめた
そんな ふたりを 引き離す
お腹に ややこが いるのです
運命(さだめ)を うらんでも うらんでも
生まれて 来る子に 罪はない

「この子は きっと いい子に育てて見せます」

かわい我が子の 寝顔を見れば
父の ない子に 出来ないと
幸福願って 生きました
やさしく 母さんは ほほえんで
子供は 命の きずなです

「育ての 父が この世を去り その後 実の父も他界
その時 初めて 母から 聞かされました
父親に 縁のない子だね」

離ればなれで 我が子と抱けず
そっと見守る 実の親
今では 空から 見ています
一度で いいんです 父さんと
呼びたい 逢いたい 抱きしめて

「おとうさん」


12.知覧の母~ホタル~