歌謡紀行VI~ひとり薩摩路~

水森かおり 歌謡紀行VI~ひとり薩摩路~歌詞
1.青海島


2.五能線

作詞:木下龍太郎
作曲:弦哲也

どこへ行ったら あなたから
旅立つことが 出来るでしょうか
残りの夢を 詰め込んだ
鞄を膝に 列車旅
女 みちのく 五能線
窓いっぱいに 日本海

愛が終わった あの部屋に
あなたはいまも ひとりでしょうか
私の匂い するものは
どこかへ捨てて 邪魔ならば
過去を 置き去り 五能線
出直すための 衣替え

ひとり歩きに 馴れるには
時間が幾ら かかるでしょうか
終着駅の そこからが
本当は長い こころ旅
涙 みちのく 五能線
夕陽が落ちる 日本海


3.近江八幡

作詞:麻こよみ
作曲:森川龍

地図を広げて 探してみても
どこにもなかった ふたりの住む場所は
ただ待つだけの つらい恋
断ち切り別れて 来たものを
近江八幡 掘割沿いに
歩けば身を切る 未練風

いつか二人で 寄り添い暮らす
夢など涙に 包んで捨てました
あなたを無理に 奪ったら
誰かを泣かせる ことになる
近江八幡 白壁越しに
見上げてせつない 曇り空

すべて捨てても この恋きっと
貫く覚悟が 二人にあったなら
あなたが追って 来るようで
何度も振り向く 愚かさよ
近江八幡 小舟に揺られ
戻って行きたい あの胸に


4.熊野古道

作詞:木下龍太郎
作曲:弦哲也

離れるほどに 恋しさつのる
心はなんて あまのじゃく
列車を何度か 乗り継いで
熊野古道を ひとり旅
切れぬ未練に 振り向けば
足を取られる 木の根道

女は愛に 欲ばりだから
重荷になって いたみたい
ないものねだりの 悪いくせ
熊野古道は 石畳
消したつもりの 面影が
杉の木立に 見え隠れ

涙の川を 何度か渡り
女は強く なると言う
つまづきながらも また一歩
熊野古道を 峠越え
歩き通した その時が
きっと私の ひとり立ち


5.鳥取砂丘

作詞:木下龍太郎
作曲:弦哲也

潮の匂いに 包まれながら
砂に埋れて 眠りたい
失くした後で しみじみ知った
あなたの愛の 大きさを
鳥取砂丘の 道は迷い道
ひとりで生きて 行けるでしょうか……。

指のすき間を こぼれて落ちた
砂と同じ しあわせは
愛されぐせが いつしか付いて
愛することを 忘れてた
鳥取砂丘の 風に尋ねたい
私に罪が あるのでしょうか……。

二度と昨日へ 戻れぬように
砂が足跡 消して行く
あなたと生きた 想い出捨てて
背伸びをすれば 涙越し
鳥取砂丘の 星が道しるべ
見えない明日が 見えるでしょうか……。


6.釧路湿原

作詞:木下龍太郎
作曲:弦哲也

愛の暮らしも 月日が経てば
どこかでボタンの 掛け違い
釧路湿原……
荒野をめぐる 迷い川
別れたはずの あなたの胸に
いつか心は 後もどり

二人掛りの 幸せ積み木
一人じゃ出来ない 崩れたら
釧路湿原……
夕陽にしぼむ エゾキスゲ
女の夢と 一日花は
なんでそんなに 散り急ぐ

二度とあの日に 戻れぬ旅は
地図なし当てなし ひとり旅
釧路湿原……
明日が見えぬ 迷い川
あなたの居ない 心の闇を
どうぞ照らして 星明かり


7.マリモの唄

作詞:岩瀬ひろし
作曲:八州秀章

水面にわたる 風さみし
阿寒の山の 湖に
浮かぶマリモよ なに思う
マリモよ マリモ 緑のマリモ

晴れれば浮かぶ 水の上
曇れば沈む 水の底
恋は悲しと 嘆きあう
マリモよ マリモ 涙のマリモ

アイヌの村に いまもなお
悲しくのこる ロマンスを
歌うマリモの 影さみし
マリモよ マリモ 緑のマリモ


8.銀座カンカン娘

作詞:佐伯孝夫
作曲:服部良一

あの娘可愛いや カンカン娘
赤いブラウス サンダルはいて
誰を待つやら 銀座の街角
時計ながめて そわそわ にやにや
これが銀座の カンカン娘

雨に降られて カンカン娘
傘もささずに 靴までぬいで
ままよ 銀座は私のジャングル
虎や狼恐くはないのよ
これが銀座の カンカン娘

指をさされて カンカン娘
ちょいと啖呵も 切りたくなるわ
家はなくても お金がなくても
男なんかにゃ だまされまいぞえ
これが銀座の カンカン娘

カルピス飲んで カンカン娘
一つグラスに ストローが二本
初恋の味 忘れちゃいやよ
顔を見合わせ チュウチュウチュウチュウ
これが銀座の カンカン娘

これが銀座の カンカン娘


9.港が見える丘

作詞:東辰三
作曲:東辰三

あなたと二人で 来た丘は 港が見える丘
色あせた桜 唯一つ 淋しく咲いていた
船の汽笛 むせび泣けば
チラリホラリと 花びら
あなたと私に 降りかかる
春の午後でした

あなたと別れた あの夜は 港が暗い夜
青白い灯り 唯一つ 桜を照らしてた
船の汽笛 消えて行けば
チラリチラリと 花びら
涙の雫で きらめいた
霧の夜でした

あなたを想うて 来る丘は 港が見える丘
葉桜をソヨロ 訪れる しお風浜の風
船の汽笛 遠くきいて
ウツラトロリと 見る夢
あなたの口許 あの笑顔
淡い夢でした


10.男鹿半島

作詞:仁井谷俊也
作曲:杜奏太朗

汽車からバスに 乗り継いで
入道崎(にゅうどうざき)に 来たけれど…
突然終わった 恋のよに
岬はとぎれて 海になる
風に群れ飛ぶ 鴎より
小さな自分が 悲しくて…
水平線に 瞳(め)を移す
旅のみちのく 男鹿半島

素直にあなた 愛せたら
我儘(わがまま)言わず 甘えたら…
こころでどんなに 悔やんでも
昨日のふたりに 戻れない
空と海とを 染めてゆく
夕陽が 美しすぎるから…
思わず涙 溢(あふ)れます
女ひとりの 男鹿半島

窓の向こうの 漁火に
せつない残り火 また燃えて…
出せない手紙 書いてみる
旅のみちのく 男鹿半島


11.信州信濃のお母さん

作詞:松井由利夫
作曲:弦哲也

野風・山風 杏の花を
乗せて流れる 岩清水
信州信濃の 故郷は
あなたのやさしい 心です
姿(なり)も構わず 女手ひとつ
わたしを育ててくれた人… お母さん

上り下りの 一里の道を
日毎 朝から 引き売りに
信州信濃の 故郷は
あなたの きれいな 涙です
苦労つきもの 生きてるうちは
忘れはしません その言葉… お母さん

春の便りは たらの芽・わらび
秋の知らせは 祭りうた
信州信濃の 故郷は
あなたのまごころ 命です
いつも前向き 強くてよわい
茜の空見りゃ浮かぶ顔… お母さん


12.南国土佐を後にして

作詞:武政英策
作曲:武政英策

南国土佐を 後にして
都に来てから 幾歳ぞ
思い出します 故郷の友が
門出に歌った よさこい節を
土佐の高知の
ハリマヤ橋で
坊さんかんざし 買うをみた

月の浜辺で 焚火を囲み
しばしの娯楽の 一時を
私も自慢の 声張り上げて
歌うよ土佐の よさこい節を
みませ みせましょ
浦戸をあけて
月の名所は 桂浜

国の父さん 室戸の沖で
鯨釣ったと いう便り
私も負けずに 励んだあとで
歌うよ土佐の よさこい節を
いうたち いかんちゃ
おらんくの池にゃ
潮吹く魚が 泳ぎよる
よさこい よさこい


13.蘇州夜曲

作詞:西條八十
作曲:服部良一

君がみ胸に 抱かれて聞くは
夢の船歌 鳥の歌
水の蘇州の 花散る春を
惜しむか 柳がすすり泣く

花を浮かべて 流れる水の
明日の行方は 知らねども
今宵うつした 二人の姿
消えてくれるな いつまでも

髪にかざろか 接吻(くちづけ)しよか
君が手折(たお)りし 桃の花
涙ぐむよな おぼろの月に
鐘が鳴ります 寒山寺


14.ひとり薩摩路

作詞:下地亜記子
作曲:弦哲也

春は桜の 薩摩路を
行けば涙が こぼれます
あなたを忘れる 旅なのに
いつまで未練に 泣くのでしょうか…
ここは 出水の 鶴の里
頬を濡らして 雨が降る

待つか奪うか 別れるか
雲の流れに 聞いてみる
心にしまった 恋ならば
誰にも邪魔など されないでしょう…
ひとり 指宿 枕崎
波が想い出 つれてくる

秋は紅葉の 薩摩路へ
ふたり旅する はずでした
うしろを見ないで 歩いたら
私の明日に 逢えるでしょうか…
日暮れ 鹿児島 桜島
あなた恋しと 風が泣く


15.伊良湖岬