永井裕子全曲集2009

永井裕子 永井裕子全曲集2009歌詞
1.和江の舟唄

作詞:吉岡治
作曲:四方章人

酒の終わりは 丼(どんぶり)めしに
煮汁(にじる)ぶっかけ 掻(か)き込んだ
そんなあんたが いとしくなって
男やもめに お節介
わたしはかもめ あんたはやもめ
和江(わえ)の港の かくれ妻

無理はしないで 人それぞれに
流れ浮(う)き寝(ね)の 過去をもつ
女房きどりで つくしてみても
いつも勝てない 影がある
わたしはかもめ あんたが命
和江の港の 風に泣く

夕日背にして あんたの船が
波にもまれて 帰る頃
セリで高値が ついたらいいね
髭(ひげ)の笑顔が 見たいから
わたしはかもめ あんたは漁師(おとこ)
和江の港は 日本海


2.恋雨港


3.石見路ひとり

作詞:吉岡治
作曲:四方俊明

心変わりを 尋ねてみても
あなたの心は 帰らない
唐人坂に 銀の雨
石見路ひとり……
夢の花火か 曼珠沙華
花を散らして あゝ風が立つ

昔そのまま 寄り添うような
今夜は温泉津に泊ります
生意気ですが 湯上りに
地酒をちびり……
問わず語りに 海鳴りと
酔ってからんで あゝ泣きますか

五百羅漢に お参りしたら
反り橋渡ってバスに乗る
金木犀が 匂いたつ
石見路ひとり……
未練ごころを 少しずつ
捨てて笑顔で あゝ帰りたい


4.望郷神楽ばやし

作詞:吉岡治
作曲:四方俊明

夕月は三瓶の山に
宵闇の神楽は風に
遥か神代を連れてくる
どんなに遠く離れても
呼んでる故郷が
慣れぬ東京で気を張って
涙に負けた夜もある
わたしは挫けない
いつも心に故郷がある

夢の中ウミネコ飛んだ
琴ヶ浜夕波小波
ひとり歩けば砂が鳴く
三年ぶりに帰ろかな
あなたに会えるかな
淡くはかない初恋は
始まる前に終わるとか
あの日の落し物
わたし見守る故郷がある

淋しいときは目を閉じりゃ
浮かぶよ故郷が
石見銀山 三瓶川
夕焼け雲に笛太鼓
わたしを抱きしめる
神楽囃子の故郷がある

神楽囃子の故郷がある


5.雪港

作詞:木下龍太郎
作曲:四方章人

どこかへ下駄も 脱ぎ捨てて
走って来たけど
船は桟橋 離れてく
ひと足違いで 掴めなかった
女ごころの しあわせを
あなた待ってて いいですか…
声も届かぬ 雪港

見馴れた文字が 乱れてた
別れの一行
走り書きした置手紙
苦労を背負って 一緒に行くと
決めた想いも 知らないで
あなた本当に 罪ですね…
夢も凍える 雪港

どんなに袖を 振ろうとも
霧笛を残して
船は岬に消えて行く
これきり恋など しないと言った
酔った昨夜の ひとり言
あなた信じて いいですか…
答え貰えぬ 雪港


6.明日に咲け

作詞:木下龍太郎
作曲:四方章人

先に咲いたら 散るのも早い
早いばかりが 勝ちじゃない
遅い分だけ 陽差しが伸びた
春が苦労の 先で待つ
人生焦らず 明日に咲け

持ちつ持たれつ この世の中は
何も出来ない 一人では
傘を譲れば 土砂降り雨に
他人(ひと)は情けの 軒を貸す
人生迷わず 明日に咲け

長く厳しい 冬の夜(よ)だって
遅れようとも 朝は来る
いまは値打ちに 気づかぬけれど
いつか世間も 目を覚ます
人生挫けず 明日に咲け


7.山鳩の啼く町

作詞:ちあき哲也
作曲:四方章人

屋根で啼く山鳩が 突然啼きやんで
もしやと身支度をすれば また啼く鳩よ…
こんな夜更けの ひとり芝居に
幕引く痛さも もう慣れて
帰るのですか 帰らないのですか
秋桜(こすもす) 目映(まばゆ)い この町に
一年のはずが 三年も
わたしは 数えて 待ちました

少年の眼差しで あなたが追う夢を
わかってあげたくて ひとり 送った駅よ…
母が気を揉む 見合い話も
写真は手つかず 閉じたまま
ばかな娘(こ)ですね 不孝ばかりですね
もらった 恩さえ 返せずに
鉄橋を愛が 戻るまで
わたしは 運命(さだめ)を 止めました

迷い込んだか 朱(あか)いとんぼよ
窓から放せば 星月夜
帰るのですか 帰らないのですか
都会は 地球の 裏だから
一年のはずが いつまでも
わたしは その日を 待つでしょう


8.渡し舟


9.さすらい海峡

作詞:池田充男
作曲:四方章人

恋をつらぬく 覚悟をきめて
しのび発(だ)ちです…
港夜景が 遠ざかる
船は北国 小樽ゆき
泣くなとあなたに 抱きしめられりゃ
なみだが溢(あふ)れる さすらい海峡

はぐれ鴎(かもめ)よ どこまで行くの
破れ翼で…
船と一緒の 浪のはて
あれは漁火(いさりび) まぼろしか
見えない明日に いのちをかける
しあわせ探しの さすらい海峡

弱いわたしを あなたにあずけ
せめて一刻 (ひととき)…
むすぶ仮寝の せつなさよ
風にまかせて 船泊り
こゝろが搖れます 夜明けが寒い
霧笛が哭(な)いてる さすらい海峡


10.しあわせ音頭

作詞:坂口照幸
作曲:四方章人

ハアー 北に南に 東に西に
春は一番 歌が咲く
花は桜木 日本一の
ちょいとその名の 上をゆく
しあわせ音頭で しあわせ音頭で
晴れやかに

ハアー 生まれ有明 そのお隣りで
浴びた産湯の 演歌節
買って出ましょう 旗振り役を
とかく元気の ない浮世
しあわせ音頭で しあわせ音頭で
ご一緒に

ハアー もっとご縁が 出来ますように
野暮な意見は 無用です
老いも若きも 手に手をとって
踊る笑顔の あたたかさ
しあわせ音頭で しあわせ音頭で
輪になって

ハアー 今日と云う日は 昨日の明日
うまく例える ものですね
夢を追う人 一番偉い
あなた好き好き みんな好き
しあわせ音頭で しあわせ音頭で
高らかに


11.旅路の女

作詞:たかたかし
作曲:四方章人

雨が降るから 泣けるのか
窓うつ汽笛が 泣かすのか
港 みなとを
あなたたずねて 汽車から船に
春は瀬戸内 日が暮れて
汐鳴りきいてる かもめ宿

いつか逢えると 信じても
旅路の灯りに 瞳(め)がぬれる
港 みなとを
あなたたずねて 女がひとり
浜のさびれた 居酒屋で
お銚子ころがし 酒に泣く

西へ行っても
だめだから
連絡船で
北へ行く
港 みなとを
あなたたずねて 秋から冬へ
星が流れる 岬町
明日はしあわせ 見えますか…


12.北の里唄

作詞:たかたかし
作曲:四方章人

風の便りにヨー枕をぬらす
離ればなれの二人にも 春はきっと来る

東京へ行ったきり 帰ってこない
必ず迎えに 来るといい
祭りの晩に 抱きしめた
あの日の指切り わすれたか
里の裏山 藪鶯(やぶうぐいす)が
鳴いてあんたに ホーホケキョー

惚れてしまえば 女のまけよ
今年も雪んこ 里に降り
お地蔵さんは 綿帽子
お嫁にゆけるのは いつの日か
早く帰って 帰ってこいよ
あんた逢いたい 逢いたいよ

軒の氷柱(つらら)がヨー 解けだすころにゃ
白いりんごの花が咲く 春がやって来る


13.片恋しぐれ町

作詞:吉岡治
作曲:四方章人

酒のちからで 弾(はず)みをつけて
それでどうなる 未練じゃないか
なんなのなんです たかが恋ひとつ
弱虫毛虫 屋台の酒に
小犬もすり寄る しぐれ町

その場かぎりの やさしさだって
いっそ戻ろか あんたの胸に
よしてよよしましょ それはないじゃない
似たもの同士 誰でも迷子
この指とまれよ しぐれ町

ぐらりよろけて お不動さんに
片手拝みの 酔いどれ千鳥
いいのいいから 明日も風まかせ
涙をからめ 夢寄せ合えば
灯もゆれます しぐれ町


14.菜の花情歌

作詞:阿久悠
作曲:四方章人

三日つづいた 西風が
夜の終わりに ふと止んで
窓を開けたら 一面に
菜の花咲いて 春でした
これなら沖から見えるでしょう
沖の舟からわかるでしょう
わたしがきれいになったのが

陸を黄色に 染めたのは
わたし迎えて ほしいから
千も万もの ハンカチを
並べたような つもりです
これなら沖から見えるでしょう
沖の舟からわかるでしょう
わたしが本気になったのが

朧月夜の 菜の花は
恋のしとねに なるでしょうか
そんな想いに 頬そめて
夢みて暮らす わたしです
これなら沖から見えるでしょう
沖の舟からわかるでしょう
わたしの涙が光るのが


15.哀愁桟橋

作詞:坂口照幸
作曲:四方章人

あの日あなたと ここへ来た
「もしや」に賭けたい 尋ね旅
どうして 教えて
あなた その訳を
汽車を下りたら 終着駅の
そこはもう海 哀愁桟橋

雨と思えば 雪になる
海から日暮れる 岬町
逆巻く波間に
小石 投げるよな
頼りない恋 わたしの恋は
想いとどかぬ 哀愁桟橋

船の別離(わかれ)は つらいから
あんなに汽笛が むせぶのね
どうして 教えて
あなた 逢える日を
望み薄でも 北海岸の
ここで春待つ 哀愁桟橋


16.かもめ屋主人