海援隊

海援隊 海援隊歌詞
1.母に捧げるバラード

作詞:武田鉄矢
作曲:海援隊

「お母さん、今僕は思っています。僕に故郷なんか、
なくなってしまったんじゃないかと。
そして、ひとつ残っている故郷があるとすれば
お母さん、それはあなた自身です。
あなたは、何から何まで故郷そのものです。
今、こうして静かに目をとじていると、お母さん、
あなたの声が聞こえてくるんです。聞こえてくるんです。」

今も聞こえる あの おふくろの声
ぼくに人生を教えてくれた
やさしいおふくろ

「コラ!テツヤ!何ばしようとかいなこの子は、おまえ、
はよ学校いってこんか。デレーッとして。
近所の人からいつも、おまえ何てウワサされようか、
知っとうとか。タバコ屋の武田ん方の息子は、
フォーク・ソング狂いのバカ息子、バカ息子って、
噂されよっとお。どうしてまた、
こげん頭の悪か子のできたとかいなね。
ほんなこと、母ちゃん情けなか。あの日、あの日、
父ちゃんが酒さえ飲んで帰ってこんかったら、
おまえのごたあ、バカ息子はできとらんとにねえ。
ほんなことが。

待て!待てテツヤ!またタバコば だまって
もって行きよろうがこの子は。ほんなこと はらん立つ。
家の稼業がタバコ屋からちゅうて、この子は
小学校四年の時からタバコの味おぼえて、
中学校一年の時ゃ、おまえ、歯のウラまっくろやなかったか。
まだ判らんとか。母ちゃんが、このタバコ屋を経営するために
どれだけ苦労しようか、血と汗と泪でよごれた女の半生が。
まだわからんとか、このバカ息子は、ほんなこと。アホ!

行ってこい!どこへでも行ってきなさいテツヤ。
おまえのごたあ息子が おらんごとなっても、
母ちゃん、なあもさびしうなか。
死ぬ気で働いてみろ、テツヤ。働いて、働いて、働きぬいて、
遊びたいとか、休みたいとか、そんなことおまえ、
いっぺんでも思うてみろ。そん時ゃ、そん時ゃ、テツヤ、死ね!
それが、それが人間ぞ。それが男ぞ。
おまえも故郷をすてて、花の都へ行くかぎりは
輝く日本の星となって、帰ってこいよ。行ってこい。どこへでも。」

今も聞こえる あの おふくろの声
ぼくに人生を教えてくれた
やさしいおふくろ


2.隣り町のしのぶちゃん

作詞:武田鉄矢
作曲:中牟田俊夫

ぼくの住む街のちょっとはずれのとなりの町の
ぼくの大好きなしのぶちゃんのおうちがあります

しのぶちゃんのお父さんは
赤いレンガのビール工場へ
お母さんは郵便局で働いています

しのぶちゃんのお部屋は二階の六畳で
窓から波の音 草の芳りがしています

しのぶちゃんのお庭には
いつも白い洗たく物が
春には赤いツツジがいっぱい咲いてます

ぼくは学校サボッてしのぶちゃんのお家の前に
そして 大声で”好きです しのぶさま”と

しのぶちゃんは耳を傾け笑ってくれるだけ
生まれつき 耳のきこえないしのぶちゃんなのです

ぼくの住む街のちょっとはずれのとなりの町の
ぼくの大好きなしのぶちゃんのおうちがあります


3.風は春風

作詞:海援隊
作曲:千葉和臣

※雀が庭に三羽四羽
縁側でばあちゃんカックリキックルコ
日向でしろはあくびして
風は春風 南風※

雲雀がヒティティヒュティティ昼下がり
菜の花畑に蝶が舞う
みの虫 ゲジゲジ がまがえる
風は春風 南風

むすこは都会に行ったきり
今年の春にももどらない
もうじき田植えになるという
風は春風 南風

便りもこないとじいさんは
あきらめ顔で待ちぼうけ
そろそろ昼餉のしたくだよ
風は春風 南風

(※くり返し)


4.ほととぎす

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

季節はずれなのは ほととぎす
誰が笑ってるも 知らぬまま
咽に血吐みせて狂いなく
あわれ あわれ 山のほととぎす

もうすぐだね 君の家まで

雨が濡らすだけの 田植え唄
黒い牛の背に乗った人
空はみてるだけでこわれそう
長い終わりのない 田植え唄

もうすぐだね 君の家まで

何処へ流れて行く 天の川
渡る船のような流れ星
ぼくの二つの目で 見えるもの
全部 流せ流せ 天の川


5.スケッチ

作詞:武田鉄也
作曲:中牟田俊男

暗い窓から灯を探す
雨降り風吹き雪落つ日々に
机の隅の鉛筆ひろい
スケッチ・ブックの落書きつづく

幼い頃に夢見た夢は
赤や黄色や白や緑
小さな花の冠かぶり
花のお城の王子さまだよ

星のきれいな寒い夜に
一人の男が酒を飲んで唄う
まがった口から流れる唄に
忘れかけた故郷思う

汚いネオンが川面に映り
道を忘れた旅人一人
装うことしか知らない女に
愛の行方をたずねている

夢を追うなと教えた人が
夢を抱いて死んで行った
みぞれ混りの雨降る中に
盲の犬が高く吠えてる

あてない時が流れて過る
多くの人が影となって揺れる
一つの窓から見上る空は
今日も昨日と同んなじ空か


6.節子への手紙


7.青春流れ者


8.君のお家が遠くなって

作詞:武田鉄矢
作曲:仲井戸麗市

君のお家が遠くなってしまった
君のお家が遠くなってしまった

縁側に立って ちょっと背伸びすれば
君のお家の台所が見えたね

垣根ごしに ピョンとはねれば
君の笑い顔も一緒にはねたヨ
夏になると僕の家の
朝顔が 君の庭のブランコに咲いたヨ

君のお家が遠くなってしまった
君のお家が遠くなってしまった

窓を開けて見えるものと云えば
白い壁のアパートばかり

遠い街に来て君を想うことが
こんなに淋しいとは知らなかったヨ
だから一人窓の中 君の想い出抱きしめて
ピョンと跳ねているのさ

君のお家が遠くなってしまった
君のお家が遠くなってしまった


9.故郷未だ忘れ難く

作詞:武田鉄矢
作曲:中牟田俊男

東へ走る夜汽車の音に ついついさそわれ家を出て
気付いて見たら一人ぼっちで 見知らぬ街に居た
夢のように流れる月日に 追われ追われて半年過ぎ
街の風にも何とか慣れた 一人すましていたが
心の中まで吹きこむ風が
思い出の風鈴ゆらします
故郷未だ忘れ難く 酒さえ飲まなきゃやさしい親父
故郷未だ忘れ難く なぐられた痛みも忘れました

他人の街の祭りにうかれ うかれうかれて酒を飲み
有明月の照らす道を ひとりぼっちの子守唄
部屋に帰って灯りをつけると 貴方からの手紙がある
忘れかけた人だからと なつかしさだけで読み出すと
二年たったら帰って来てね
インクの文字がにじんでます
故郷未だ忘れ難く 俺のことなど忘れておくれ
故郷未だ忘れ難く 手紙を抱きしめ泣きました


10.僕の部屋から

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

春の終りの夏の始め
君はそんな季節が好きなんだね
風に揺れてる洗たく物みつめて
倖せそうなため息ばかり
まだ帰らなくてもいいだろう
僕の部屋から

春の終りのたそがれ雲は
君の瞳の中で苺色に
今日は八百屋のおばさんに
ひやかされたね
”赤ちゃんまだですか”って
ホラ!帰り仕たくは早すぎるよ
まだ 六時半

夏の始めのさみしい風
君はエプロン姿にシャボンの手袋
僕はヒザを抱えて口笛吹いて
最終電車はもう出たし
タクシーなんかはぜいたくさ
もう 帰らなくてもいいだろう
僕の部屋から


11.蝉

作詞:山木康世
作曲:山木康世

蝉が鳴いてる いつからとなく
短い命に 空は高すぎる
落る滴くは いつまで青い
ゆるく流れる 時は影となり

思い出が次々と 梢から
サヨナラの羽根をつけ 飛びたてば

風は背を向ける

蝉が鳴いてる どこか遠くで
短い命に 夏は長すぎる
深い林は どこまで続く
もれる光に 道は遠すぎる

思い出が次々と 梢から
サヨナラの羽根をつけ飛びたてば

夏は背をむける

思い出が次々と 梢から
サヨナラの羽根をつけ 飛びたてば


12.ここからどこへ


13.一人ぼっちの軍隊

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

昔 僕が 僕らしく 流す涙を 信じられた時
僕は君なんか 信じなかったよ

大きなポケットに何も入れないで
たった 一人で 生きていた時
僕は君なんか 愛さなかったよ

※君を愛していたんじゃなくて
君を愛してみたかっただけさ
君を信じていたんじゃなくて
君を信じてみたかっただけさ※

君が僕から去って行けば
何もかもが消えてしまう

(※くり返し×2)

俺を愛していたんじゃなくて
俺を愛してみたかっただけさ
俺を信じていたんじゃなくて
俺を信じてみたかっただけさ


14.春は南から

作詞:井上良介
作曲:井上良介

春は はるか南の海の彼方から
甘い潮の香りにのってやってくる
幼い頃にかけた田んぼ道
春が来ただろう菜の花畑
それでももどれぬ 今ははぐれどり

南の風の吹く頃 思い出すのは
緑 しげるふるさと 風の吹く丘
しかくい窓を見上げ ひざかかえ
闘い敗れたこの僕にも
春がやってきたのか 窓の中にだけ

南の空へとんで帰るにも
翼なくした はぐれどりよ
お前も一緒に泣いてくれるのか


15.おはようさんおてんとさん


16.荒野より

作詞:武田鉄矢
作曲:中牟田俊男・武田鉄矢

荒れ果てた時代の上を吹き過ぎる風が
今 君にささやく言葉は何ですか
壊れたガラス窓から 差し込む光に
今 君が祈る言葉は何ですか

声高く唄えども自分の唄に
なぐさめられることもなく また
はげまされることもなく
声しぼり唄えども自分の唄は
風に舞う蝶の様に力弱く

※風だけが激しく
風だけが激しく吹く
おまえと俺の心の中へと※

大空を飛び行く あの鳥でさえ
空には住めず 翼を汚し大地に生きる
だから おまえも美しすぎる夢からさめて
さあ 人の流れの中で 夢を見ろ

涙の河を ぬれながら泳いで渡り
苦しみの丘を つまずきながら登りつめても
おまえと俺の休める所はどこにもなく
祈り続ける言葉だけがどこまでも続く

(※くり返し×2)