暫存

田端義夫 暫存歌詞
1.昭和よさらば

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

笑って死んだ 父がいた
黙って耐えた 母もいた
あれから春の 花が咲き
あれから秋の 風が吹き
みぞれのなかへ 遠ざかる
昭和よさらば ありがとう

みんなの中の一人だと
思えた頃の 懐かしさ
流れる時は 人を変え
流れる川は 街を変え
淋しさ胸に つもるとも
昭和よさらば ありがとう

引揚船を待ちながら
逢えずに逝った 人もいた
夏草茂る 焼跡で
再出発を 誓いつつ
別れた友は 達者やら
昭和よさらば ありがとう


2.月の夜曲

作詞:荒木とよひさ
作曲:三木たかし

長き黒髪に 唇よせれば
かすかにゆれる 花の薫りよ
月蒼き 街路樹の下に
重なる影の ロマンス
あゝこの胸に 愛しき人よ
夢のままの 時よ遥かに

頬にこぼれるは 真珠の涙か
哀しき逢瀬 夜露にぬれて
胸熱き 抱きしめる指に
伝わる愛の トレモロ
あゝこの胸に 切なき人よ
夢のままの 時よ静かに

あゝこの胸に 愛しき人よ
夢のままの 時よ遥かに


3.人生悠遊

作詞:世志凡太
作曲:世志凡太

花は花であるように
人にそれぞれ運命あり
肩のちからを抜いたまま
人生悠遊 時代は流れて

風が激しく謳う夜は
涙おさえて耐えて待つ
やがて陽ざしにつつまれて
人生悠遊 時代よ静かに

夢を追いかけ若い日の
命燃やしたときもある
悔いることなくあるがまま
人生悠遊 時代は移りて

人は人とのふれあいで
こころ優しくなるという
未来を語ろうおもいきり
人生悠遊 時代を見つめて

人生悠遊 時代を見つめて


4.百年の愛

作詞:東海林良
作曲:田端義夫

咲いて名もない花がある
散って名を成す花もある
ああ この世には
咲いて一生 散らぬ花もある
それが兄 それが兄 百年の兄
永遠に微笑め 百年の兄

海を飛べない 鳥がいる
川を飛べない 鳥もいる
ああ この空に
何処の空も 翔べる鳥がいる
それが兄 それが兄 百年の兄
永遠に翔け 百年の兄

空に真っ赤な 十字星
愛と希望と やすらぎを
ああ あの人は
生命絶えても 人に幸福を
そして愛 そして愛 百年の愛
生命灯せよ 百年の愛


5.潮来夜船

作詞:藤田まさと
作曲:倉若晴生

雨は止んだに晴れたのに
娘船頭さん なぜ泣くの
ひとり暮しが 哀しいか
旅のお方が 恋しいか

潮来出島に 咲く花は
うわさばかりで 散るそうな
おなじ流れを ゆく身なら
泣いておやりよ 真菰月

涙さらりと水の上
捨てて ひと節潮来節
肩にまん丸 月のかげ
娘船頭さんは 唄で行く


6.涙そうそう

作詞:森山良子
作曲:BEGIN

古いアルバムめくり ありがとうって つぶやいた
いつもいつも胸の中 励ましてくれる人よ
晴れ渡る日も 雨の日も 浮かぶあの笑顔
想い出遠くあせても
おもかげ探して よみがえる日は 涙そうそう

一番星に祈る それが私のくせになり
夕暮れに見上げる空 心いっぱいあなた探す
悲しみにも 喜びにも おもうあの笑顔
あなたの場所から私が
見えたら きっといつか 会えると信じ 生きてゆく

晴れ渡る日も 雨の日も 浮かぶあの笑顔
想い出遠くあせても
さみしくて 恋しくて 君への想い 涙そうそう
会いたくて 会いたくて 君への想い 涙そうそう


7.かよい船

作詞:清水みのる
作曲:倉若晴生

銅鑼が鳴るさえ 切ないものを
雨の出船は なお哀し
泣くな小島の いとしい娘よ
晴れて逢う日は あるものを
島に鴎の 群れ飛ぶ頃は
便り持てゆく かよい船

待つ身つらかろ 一二三月
君の心の いじらしさ
都通いも 潮路に馴れて
帰る小島の なつかしさ
君の愛情に 心の謎も
解けて嬉しい かよい船


8.浅間の鴉

作詞:萩原四朗
作曲:倉若晴生

何が哀しい 浅間の鴉
雲の行方が 気がかりか
憶いだすなよ 昨夜の風に
枯れた尾花が 咲くじゃなし

道はひとすじ けむりは三すじ
影は沓掛 時次郎
男泣かせの 弓張り月に
背なの坊やと 濡れて行く

泣くな太郎坊 瞼を閉じりゃ
死んだ親ごが 会いに来る
お月さまさえ ひとりでいる身
俺らふたりだ ねんねしな


9.小笠原慕情

はるか父島 黒潮越えて
離れ離れて 幾年歳か
椰子に刻んだ あなたあの名前
うるむ瞳に 何も言えずに
燃えたこの胸 時雨山
ああ 思い出はコペペの浜辺

青いサンゴの ワントネ越えりゃ
花もやさしい フリージヤ
誰が名付けた あゝなさけ島
無事でいろよと 泣いて手を振る
母の姿か 乳房山
ああ 母島は御幸の浜辺

碧の海原 真赤に染めて
沈む夕日の 硫黄島
戦にはあかなく 散った戦友
征って来るから 後は頼むと
飲んだ椰子酒 月の夜
ああ 涙は南の浜辺