美空ひばりゴールデンベスト2

美空ひばり 美空ひばりゴールデンベスト2歌詞
1.花笠道中

作詞:米山正夫
作曲:米山正夫

これこれ 石の地蔵さん
西へ行くのは こっちかえ
だまって居ては 判らない
ぽっかり浮かんだ 白い雲
何やらさみしい 旅の空
いとし殿御の こころの中(うち)は
雲におききと 言うのかえ

もしもし野田の 案山子さん
西へ行くのは こっちかえ
だまって居ては 判らない
蓮華たんぽぽ 花盛り
何やら悲しい 旅の空
いとし殿御の こころの中は
風におききと 言うのかえ

さてさて 旅は遠いもの
田舎の道は つづくもの
そこでしばらく 立ち止まる
流れて消える 白い雲
やがて蓮華も 散るだろう
いとし殿御と 花笠道中
せめて寄り添う 道の端


2.哀愁波止場

作詞:石本美由起
作曲:船村徹

夜の波止場にゃ 誰あれもいない
霧にブイの灯 泣くばかり
おどま盆ぎり盆ぎり
盆からさきゃ おらんと
あの人の 好きな歌
波がつぶやく 淋しさよ

「ああ 今夜もブイの灯が
冷たい私の心のように
うるんでいる
あの人のいない港は
暗い海の波のように淋しいわ
あの人がいつも唄った歌が
今夜も私を泣かすのね」

三月待っても 逢うのは一夜
恋も悲しい 波止場町
五ッ木くずしは
しんから 泣けるよ
思い出の 滲む歌
耳に残って 離れない


3.車屋さん

作詞:米山正夫
作曲:米山正夫

ちょいとお待ちよ 車屋さん
お前見込んで
たのみがござんす この手紙
内緒で渡して 内緒で返事が
内緒で来るように
出来ゃせんかいな
エー 相手の名前は
聞くだけ野暮よ
唄の文句に あるじゃないか
人の恋路を 邪魔する奴は
窓の月さえ 憎らしい
エー 車屋さん

それでどうしたの 車屋さん
お前さっぱり
お役に立たない お人柄
内緒で渡して 内緒の返事が
内緒で来たのに
何処へやったのさ
エー 忘れて来るとは
そりゃあんまりよ
唄の文句に あるじゃないか
あてにならない お人は馬鹿よ
あてにする人 もっと馬鹿
エー 車屋さん


4.ロマンチックなキューピット

作詞:加藤和枝
作曲:加藤和枝

青いお空に ぽっかりと
白く浮かんだ 綿の雲
私に羽根が あったなら
あそこに飛んで いきたいな
キューピットでは ないけれど
みんなにしあわせ あげたいな
ロマンチックな 昼さがり

赤いお空の 夕焼けが
燃えて真赤な 火のように
このままじっと みていると
私が消えて しまいそう
素敵な夢がいっぱいに
なぜだか胸に ふくらむの
ロマンチックな 年頃ね

広いお空に 光ってる
キラリ宝石 ちりばめた
あの星だけが 知っている
私をいつも 包んでね
キューピットでは ないけれど
やっぱり一人じゃ つまらない
ロマンチックな 星の夜
星の夜 星の夜


5.ひばりの佐渡情話

作詞:西沢爽
作曲:船村徹

佐渡の荒磯の 岩かげに
咲くは鹿の子の 百合の花
花を摘み摘み なじょして泣いた
島の娘は なじょして泣いた
恋は……つらいと
いうて泣いた

波に追われる 鴎さえ
恋をすりゃこそ 二羽で飛ぶ
沖をながめて なじょして泣いた
島の娘は なじょして泣いた
逢えぬ……お人と
いうて泣いた

佐渡は四十九里 荒海に
ひとりしょんぼり 離れ島
袂だきしめ なじょして泣いた
島の娘は なじょして泣いた
わしも……ひとりと
いうて泣いた


6.柔

作詞:関沢新一
作曲:古賀政男

勝つと思うな 思えば負けよ
負けてもともと この胸の
奥に生きてる 柔の夢が
一生一度を
一生一度を 待っている

人は人なり のぞみもあるが
捨てて立つ瀬を 越えもする
せめて今宵は 人間らしく
恋の涙を
恋の涙を 噛みしめる

口で言うより 手の方が早い
馬鹿を相手の 時じゃない
行くも住(とま)るも 座るもふすも
柔一すじ
柔一すじ 夜が明ける


7.悲しい酒(セリフ入り)

作詞:石本美由起
作曲:古賀政男

ひとり酒場で 飲む酒は
別れ涙の 味がする
飲んで棄てたい 面影が
飲めばグラスに また浮かぶ

「ああ 別れた あとの心残りよ
未練なのね あの人の面影
淋しさを忘れるために
飲んでいるのに
酒は今夜も私を悲しくさせる
酒よどうして どうして
あの人を
あきらめたらいいの
あきらめたらいいの」

酒よこころが あるならば
胸の悩みを 消してくれ
酔えば悲しく なる酒を
飲んで泣くのも 恋のため

一人ぼっちが 好きだよと
言った心の 裏で泣く
好きで添えない 人の世を
泣いて怨んで 夜が更ける


8.真赤な太陽

作詞:吉岡治
作曲:原信夫

まっかに燃えた 太陽だから
真夏の海は 恋の季節なの
渚をはしる ふたりの髪に
せつなくなびく 甘い潮風よ
はげしい愛に 灼けた素肌は
燃えるこころ 恋のときめき
忘れず残すため
まっかに燃えた 太陽だから
真夏の海は 恋の季節なの

いつかは沈む 太陽だから
涙にぬれた 恋の季節なの
渚に消えた ふたりの恋に
砕ける波が 白く目にしみる
くちづけかわし 永遠を誓った
愛の孤独 海にながして
はげしく身をまかす

いつかは沈む 太陽だから
涙にぬれた 恋の季節なの
恋の季節なの…………


9.人生一路

作詞:石本美由紀
作曲:かとう哲也

一度決めたら 二度とは変えぬ
これが自分の 生きる道
泣くな迷うな 苦しみ抜いて
人は望みを はたすのさ

雪の深さに 埋もれて耐えて
麦は芽を出す 春を待つ
生きる試練に 身をさらすとも
意地をつらぬく 人になれ

胸に根性の 炎を抱いて
決めたこの道 まっしぐら
明日にかけよう 人生一路
花は苦労の 風に咲け


10.風の流れに

作詞:岡林信康
作曲:岡林信康

つらい涙は ふかずにずっと
流し続けな 気のすむままに
そうさそのうち 重たい雪も
いつか溶け出し 日の光
むっくり顔出す 青い芽も

嬉しい時は 笑えばいいさ
気のすむままに 思いっきり
そうさ真夏の 真赤な太陽
青い野原も 思いっきり
萌えて繁るよ その時は

山のつつじを 一緒にいつか
摘みに行こうよ 素敵だぜ
咲くも花なら 散るのも花よ
そうさいいんだ いいんだそれで
泣いて笑って ゆくだけさ


11.太鼓

作詞:小椋 佳
作曲:小椋 佳

冬ざれの 肌さす風が
痛い痛い 能登だよ 輪島だよ
聞こえくる 地なり海なり
いやいや あれが 御陣乗太鼓
ドンスクスドン
季節はずれがなおさらに
ドンストトトドン
心の底から突き揺する
ドンスクスドン
攻めくる冬を打ち払え
ドンストトトドン
つらい想いも打ち払え
乱れ心は 夜叉の面に隠して

末枯(うらが)れの 黄昏海は
暗い暗い 能登だよ 輪島だよ
岩浜に 切子燈せよ
心は 燃やせ 御陣乗太鼓
ドンスクスドン
こごえる肩も打つほどに
ドンストトトドン
汗さえにじむ熱くなる
ドンスクスドン
夢中になればいつだって
ドンストトトドン
残る力が目を覚ます
乱れ心は 夜叉の面に隠して


12.愛燦燦

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

雨 潸々(さんさん)と この身に落ちて
わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして
人は哀しい 哀しいものですね

それでも過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

風 散々(さんざん)と この身に荒れて
思いどおりにならない夢を 失くしたりして
人はかよわい かよわいものですね

それでも未来達は 人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね

愛 燦々(さんさん)と この身に降って
心秘そかな嬉し涙を 流したりして
人はかわいい かわいいものですね

ああ 過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

ああ 未来達は 人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね


13.みだれ髪

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

髪のみだれに 手をやれば
赤い蹴出(けだ)しが 風に舞う
憎くや 恋しや 塩屋の岬
投げて届かぬ 想いの糸が
胸にからんで 涙をしぼる

すてたお方の しあわせを
祈る女の 性(さが)かなし
辛(つ)らや 重たや わが恋ながら
沖の瀬をゆく 底曳(そこび)き網(あみ)の
舟にのせたい この片情(かたなさ)け

春は二重(ふたえ)に 巻いた帯
三重(みえ)に巻いても 余(あま)る秋
暗(くら)や 涯てなや 塩屋の岬
見えぬ心を 照らしておくれ
ひとりぼっちに しないでおくれ


14.川の流れのように

作詞:秋元康
作曲:見岳章

知らず知らず 歩いて来た
細く長い この道
振り返れば 遥か遠く
故郷が見える
でこぼこ道や
曲がりくねった道
地図さえない
それもまた人生
ああ 川の流れのように
ゆるやかに
いくつも 時代は過ぎて
ああ 川の流れのように
とめどなく
空が黄昏に 染まるだけ

生きることは 旅すること
終わりのない この道
愛する人 そばに連れて
夢探しながら
雨に降られて
ぬかるんだ道でも
いつかは また
晴れる日が来るから
ああ 川の流れのように
おだやかに
この身を まかせていたい
ああ 川の流れのように
移りゆく
季節 雪どけを待ちながら

ああ 川の流れのように
おだやかに
この身を まかせていたい
ああ 川の流れのように
いつまでも
青いせせらぎを 聞きながら