暫存

藤原義江 暫存歌詞
1.出船の港

作詞:時雨音羽
作曲:中山晋平

ドンと ドンと ドンと 波のり越えて
一挺 二挺 三挺 八挺櫓で飛ばしゃ
波はためそと ドンと突きあたる
ドンとドンとドンと ドンと突きあたる

エッサ エッサ エッサ 押し切る腕は
みごと黒がね その黒がねを
波はためそと ドンと突きあたる
ドンとドンとドンと ドンと突きあたる

風に帆綱を きりりとしめて
舵を廻せば 舳はおどる
おどる舳に 身をなげかけりゃ
夢は出船の 港へ戻る


2.鉾をおさめて

作詞:時雨音羽
作曲:中山晋平

鉾をおさめて 日の丸上げて
胸をドンと打ちゃ 夜明けの風が
そよろそよろと 身にしみわたる

灘の生酒に 肴はくじら
樽をたたいて 故郷のうたに
ゆらりゆらりと 日は舞い上がる

金の扇の 波々々と
縄のたすきで 故郷の踊り
男々の 血は湧き上がる

エンヤサ エンヤッサ
ヤンレサ ヤンレッサ
踊り疲れて 島かと見れば
母へ港へ 土産のくじら


3.討匪行

作詞:八木沼丈夫
作曲:藤原義江

どこまで続く泥濘ぞ
三日二夜を食もなく
雨降りしぶく鉄かぶと
(雨降りしぶく鉄かぶと)

嘶く声も絶えはてて
倒れし馬のたてがみを
かたみと今は別れ来ぬ
(かたみと今は別れ来ぬ)

蹄のあとに乱れ咲く
秋草の花しずくして
虫が音ほそき日暮空
(虫が音ほそき日暮空)

すでに煙草はなくなりぬ
頼むマッチも濡れはてぬ
飢せまる夜の寒さかな
(飢せまる夜の寒さかな)

さもあらばあれ日の本の
吾はつわものかねてより
草むすかばね悔ゆるなし
(草むすかばね悔ゆるなし)

ああ 東の空遠く
雨雲ゆりてとどろくは
わが友軍の飛行機ぞ
(わが友軍の飛行機ぞ)

敵にはあれど遺骸に
花を手向けてねんごろに
興安嶺よいざさらば
(興安嶺よいざさらば)