ラブソング・ベスト

谷村新司 ラブソング・ベスト歌詞
1.三都物語

作詞:多夢星人
作曲:谷村新司

胸さわぎの旅は いま始まって
時の流れのままに こころを遊ばせ
この私は 誰を訪ねるあてもなく
まるで詩人のように 景色に染って

ああ なんて 街それぞれ美しいの
ああ なんて 人それぞれ生きているの

昨日 今日 明日 変わり行く私
紅くいろづくときめきを 誰に告げましょう

風そよげば ひとり胸抱きしめて
愛の不思議を思う 吐息をもらして
この泪は きっと感じるよろこびね
揺れる瞳に映る 季節に恋して

ああ なんて 街それぞれ美しいの
ああ なんて 人それぞれ生きているの

朝に舞う夢 黄昏に出会い
ほんの一時のためらいを 誰に言いましょう

昨日 今日 明日 変わり行く私
紅くいろづくときめきを 誰に告げましょう


2.悲しい女

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

夏の日の恋ならば
いつもささやかな勘違い
笑ってはゴマかした
いつもの別れのパターンね
駅からの帰り道
コンビニの明りまぶしてくて
少しばかり淋しくて
雑誌なんか立ち読みしたわ

ひらいたグラビアに
秋物のコートなんか着て
アンニュイな笑顔した
いい女に嘆息ひとつついてみた

※悲しい女は誰からも程々に愛され
けれども憎まれない
いつもその程度の恋ばかり※

抱かれたいつもりなの
信じてないわけじゃないのに
茶化してはおこらせる
いつもの別れのパターンね
改札のことろまで
送ってくれてもいいじゃない
あやまれないせつなさが
胸の中で行ったり来たり

終電車を降りれば
何故か小走りになっていた
自分の部屋の扉
鍵を差し込んだ
その時に涙が出た

(※くり返し)


3.夏の二週間

作詞:康珍化
作曲:筒美京平

声が聞きたくてかけた電話に
波音が響いたらきっと 驚くでしょ
はき慣れたハイヒ-ル脱いで
ある日何も言わず街を出たから
あなたがわたしをわたしがあなたを
振り返るための夏の二週間
恋は終わりねといつか泣いたけど半分は本気

とても悩んだわなぜかあなたの
仕草からこぼれてる違う恋の気配
これ以上切り出して自分だけが
傷つくのが恐かったから
素肌を合わせて分けあうやさしさ
離れて見つける夏の二週間
イエスかノ-かの答えじゃないことわかってる だけど

あなたがわたしをわたしがあなたを
思い出すための夏の二週間
海岸の町の汐風にのせて愛してる あなた


4.レストランの片隅で

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

手首の傷を時計でかくして 明るく振るまうの
化粧道具もあの時のまま 口紅も折れたままよ
貴方がくれたピアスも 港から海に捨てたわ
熱い指先で触れた この耳たぶも冷たいわ

私を抱いたその腕で 今夜は誰を抱いてるの
悔しいわけじゃないけど 少しだけ気になるの不思議ね

抱きあう度に別離の歌が 聞こえた気がした
広い世界を狭く生きても それが幸福だった
レストランの片隅で はじめての煙草を吸えば
苦しさに涙あふれた 淋しさに涙あふれた

まわりの人が遠くから 私を盗み見してるけど
このままかまわないでいて 想い出のこの店に居させて

貴方がかけたこの椅子に 手のひらを押しあててみた
その冷たさが教えてた あの夏の日は終わったと

まわりの人が遠くから 私を盗み見してるけど
せめてこの店が終わるまで 想い出のこの場所に居させて


5.12番街のキャロル

作詞:谷村新司
作曲:佐藤隆

あなたのために歌う 想い出のキャロル
あなたに聞こえるかしら
私のために歌う 別れのキャロル
12番街に消えてゆく

街角のホテルの隅で
雪まじりの雨を見てる 愛の終わり
痛みに熱い手のひらを
ほほに押し当ててみても 遠く消える日々
恋にときめくこともなく 齢老いてゆく私
幸せは不幸の前の
悲しい前ぶれだった

せめて もっと もっと もっと もっと
もっと もっと もっと もっと
あなたに甘えたかった
けれど きっと きっと きっと きっと
希望のない愛だからこそ
嘘だけはなかった愛だと信じてる

分別のある恋なんて
本当の恋じゃないこと 知ってるわ知ってるわ
許せないあなただけれど
許したい別の心が ほほを伝わり落ちる
灯りのともる部屋の窓 なつかしいあなたの影
幸せは不幸の前の
悲しい前ぶれだった

せめて もっと もっと もっと もっと
もっと もっと もっと もっと
あなたに甘えたかった
けれど きっと きっと きっと きっと
希望のない愛だからこそ
嘘だけはなかった愛だと信じてる

せめて もっと もっと もっと もっと
もっと もっと もっと もっと
あなたに甘えたかった
けれど きっと きっと きっと きっと
希望のない愛だからこそ
嘘だけはなかった愛だと信じてる


6.22歳

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

白いシーツをまきつけ 背中でサヨナラの
悲しい別離を感じてた 窓の外は光る海

やさしさとか愛だとか 綺麗な言葉など
信じれる程 若くはない それは知っていたけれど

22歳になれば少しずつ 臆病者になるわ
何故かわかる? 貴方
私の髪の煙草の匂い 消えるまでの思い出ね
私の髪の煙草の匂い 消えるまでの思い出ね

やさしくもない貴方に 振りまわされた日々
遊びのふりを続けるには 夏は少し長すぎた

激しい愛の言葉で つづられた歌など
しばらくは もう聞きたくない 強がるには疲れ過ぎた

22歳になれば少しずつ 臆病者になるわ
何故かわかる? 貴方
愛の映画に照れて笑った 貴方が寂しかったわ
愛の映画に照れて笑った 貴方が寂しかったわ

22歳になれば少しずつ 臆病者になるわ
何故かわかる? 貴方
あー 夏がゆく傷を残して 風はもう秋の気配
あー 夏がゆく傷を残して 風はもう秋の気配


7.いい日旅立ち

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

雪解け間近の北の空に向かい
過ぎ去りし日々の夢を 叫ぶ時
帰らぬ人達 熱い胸をよぎる
せめて今日から一人きり 旅に出る

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 夕焼けをさがしに
母の背中で聞いた歌を 道連れに

岬のはずれに 少年は魚つり
青い芒(すすき)の小径を 帰るのか
私は今から 想い出を創るため
砂に枯木で書くつもり“さよなら”と

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 羊雲をさがしに
父が教えてくれた歌を 道連れに

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 幸福をさがしに
子供の頃に歌った歌を 道連れに


8.ガラスの花

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

マンションの窓灯りが また一つ消えてゆく
幸福に暮らしている 貴方を見つけただけね
まちがいだと 気付いてたわ
それは わかりすぎる程
時に愛は 悪を承知で燃え上がる それも愛

抱きしめてもう一度
明日は いらないから
一日でこわれてゆく ガラスの花でいい

楽しげに微笑んでる 貴方の家族の写真
口紅で消していたわ 貴方以外の人を

まちがいだわ わかってる
私は幼なすぎると
時に愛は 悪を承知で燃え上がる これも愛

抱きしめてもう一度
明日は いらないから
一日でこわれてゆく ガラスの花でいい
まちがいだわ わかってる
私は幼なすぎると
時に愛は 悪を承知で燃え上がる これも愛

抱きしめてくれたなら
貴方の指のすきまから
音もなく消えてゆくわ ガラスの花らしく


9.棘‐とげ‐

作詞:谷村新司
作曲:馬飼野康二

見つめている 私の瞳に涙あふれて
指先の煙草の灰が 別離の言葉
捜してるみたいね
もういいでしょ 楽しい思い出だったもの
飽きてしまったの 遊びには

棘(とげ)だらけの 美しくもないこの花に
貴方は何を求めるの
貴方の心に 痛みしか与えられない
私はそれだけなのに……

覚えている 貴方と二人で観たロードショー
地下鉄の音にまぎれて 本気なのと
尋ねたこともある
卑怯だけど 楽しい思い出だったもの
傷つきあう前に 忘れたい

棘(とげ)だらけの 美しくもないこの花に
貴方は何を求めるの
貴方の心に 痛みしか与えられない
私はそれだけの花

棘(とげ)だらけの 美しくもないこの花に
優しすぎる雨は罪
棘(とげ)だらけの 美しくもないこの花に
優しすぎる雨は罪


10.忘れていいの

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

忘れていいのよ 私のことなど
一人で生きるすべなら知っている 悲しいけれどこの年なら
もういいわ もういいわ おこりはしないわ
不思議ね 別れの予感を感じてた 心の中で少しずつ

信じてる振りをしていただけ それに気付かない
貴方は若すぎたのよ

笑って見送る 私は平気よ
貴方を乗せたこのバスが 見えなくなるまでは笑っている
見つめていないで 背を向けていいのよ
上着の襟が立ってるわ 自分でちゃんと直すのよ 今日からは

遠ざかる 愛が消えてゆく 涙あふれても
逃げない バスが行くまで

手を振る貴方に 心は乱れる
どうかあなた どうかあなた 行かないで 行かないで

忘れていいのよ 私のことなど
一人で生きるすべなら知っている 悲しいけれどこの年なら
慣れてるの 本当よ 別れの言葉に
映画のような愛なんて 欲しいとは思ってなんかいないのに

遠ざかる 愛が消えてゆく 涙あふれても
逃げない バスが行くまで
涙あふれても 逃げない バスが行くまで


11.夜顔

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

気休めだけの言葉に 体も慣れたわ 今では
やつれた指のリングさえ 重くて痛いわ このまま
愛を忘れた骸達が 繰り返す道化芝居に
最後の幕を下ろすには 裏切ることだけね

行きずりの人に 声かけて
視線で誘ってみる
やさしい妻の顔を捨てて
女の顔になる

幸福を求める度に 不幸福になる 何故なの
だいそれた望みじゃないわ ぬくもりが欲しい それだけ
愛が静かにこぼれてゆく 二人の指の隙間から
さしさわりない妻よりは 狂った女になりたい

行きずりの人に 声かけて
視線で誘ってみる
やさしい妻の顔を捨てて
女の顔になる

見知らぬ人に 抱かれながら
涙が ほほをぬらす
悲しい仮面のその下で
妖しく 燃えてゆく


12.秋のホテル

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

あなたに抱かれた あの時の夏
私は確かに美しかった
ホテルのロビーを 誇らしげに行く
どの人よりもきらめいたけど 愚かだったわ

愛はDaylight Moonlight
激しく静かに
愛はDaylight Moonlight
移ろうままに
あの人に飽きられた それさえも気づかないまま

“愛”から始まり“関係”になり
やがて“過去(むかし)の女”に変わる
一人で来てみた あの夏のロビー
秋のホテルは どこか似ている 今の私に

愛はDaylight Moonlight
激しく静かに
愛はDaylight Moonlight
移ろうままに
あの人に飽きられた 残酷ささえなつかしい

愛はDaylight Moonlight
激しく静かに
愛はDaylight Moonlight
移ろうままに
あの人に愛された 残酷ささえなつかしい


13.Far away

作詞:伊藤薫
作曲:伊藤薫

こんなに遠く離れていても
夜毎心は空を駆けてゆく
君だけいれば君さえいれば
生きる事さえ辛くないから

君が病んだ時は僕は息を止めて
熱い想いをこめ祈り捧げたい

Too far away
愛への道は far away
だけどかすかに光見えればそれでいい
Too far away
君への道は far away
だから言葉をひとつくれればそれでいい

見えない糸で結ばれている
そんな約束僕はほしいよ
つきなみだけどこの世に一人
君だけ好きだ 君だけ好きだ

君を風に変えて空に飾りたい
僕は星になって君を守りたい

Too far away
愛への道は far away
だけど君のほほえみ思えばそれでいい
Too far away
君への道は far away
だから勇気をひとつくれればそれでいい

Too far away
愛への道は far away
だけどかすかに光見えればそれでいい
Too far away
君への道は far away
だから言葉をひとつくれればそれでいい


14.サテンの薔薇

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

熱い接吻の中で今 奇蹟を起こせるものならば
貴方に抱かれたまま 愛の嵐の中で命果てても悔やまない

遠い冬の旅の途中で めぐり逢えたはじめての人
夢を教えた 貴方の胸の中で
赤より赫(あか)く炎のように 燃えて燃えて
生まれ変わってゆくの

熱い接吻の中で今 奇蹟を起こせるものならば
貴方に抱かれたまま 愛の嵐の中で命果てても悔やまない

暗く寒い街の片隅で 一人ひざをかかえたままの
私を摘んで 貴方は変えてゆくの
薔薇より紅(あか)いサテンの薔薇に 燃えて燃えて
生まれ変わってゆくの

体の中で うずまく愛がすべて
薔薇より紅(あか)いサテンの薔薇に 燃えて燃えて
生まれ変わってゆくの

熱い接吻の中で今 奇蹟を起こせるものならば
貴方に抱かれたまま
愛の嵐の中で命果てても悔やまない
命果てても悔やまない