ハルモニオデオン

遊佐未森 ハルモニオデオン歌詞
1.暮れてゆく空は

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史

石を投げたくなって川原に下りたら
君が橋の上を自転車で過ぎて行く
追いかけたりしたら夕暮れの空に
君がそのまま吸い込まれてゆきそう

そんな気がして声を飲み込む
そんな気がして声を飲み込む

暮れてゆく空は
戻らない季節のようで
淋しいけれど
いつもきれい

橋の向こうに見える小さな鳥居の
風が吹いて草が揺れているあのあたり
子供の頃の君がひざを抱えているよ
笑いこらえじっと隠れてる

そんな気がして僕も笑った
そんな気がして僕も笑った

流れてく川は
振り向かない心のようで
淋しいけれど
いつもきれい

暮れてゆく空は
手離した言葉のようで
淋しいけれど
いつもきれい
とてもきれい


2.ふたりの記憶

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史

広い空を駈けめぐる
飛行機乗りの若者がいた
下に続く草原を
彼は眺めて思い出したよ

空き缶蹴りながら
遊んだ幼い日を
空き地の周りには
同じ草が揺れてた

低く風を切りながら
右の翼は思い出したよ

蹴られて転がった
草むらの夕暮れを

時は流れてく (Young man's Memory Iron's Memory)
ふたつの記憶をのせて
ゆるやかに流れてく

重いオイル差しながら
彼の作った錆びたロボット
草が揺れる丘の上
ふたり座って思いめぐらす

大空駈けめぐる
自由だった若い日を
大きな風を切る
翼だったあの日々を

時は流れてく (Old man's Memory Iron's Memory)
ふたりの記憶を (Old man's Memory Iron's Memory)
のせて流れてく (Old man's Memory Iron's Memory)
時は流れてく (Old man's Memory Iron's Memory)


3.ハルモニオデオン


4.時の駅

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史

今その目の中
見えるよ輝く無数の星が
遥かな宇宙(そら)から
届くよ小さな秘密の言葉

最終電車も眠った駅には二人だけ
同じ時代(とき)の中生まれてきたよ
いつか出遭うために
君のそばに

無人のホームには
時計のギリシャ文字
夜空のジオラマに
描くよ未来都市

今この手の中
包んだ体温(ぬくもり)探していたよ
悠かにたゆたう
時空の海へと体を投げて

同じ地球(ほし)の上墜ちて来たんだ
まるで宇宙(そら)のしずく
君も僕も

二人の手のひらで
秘密が解けてゆく
一億光年の
想いが甦る
夜空のジオラマに
浮かぶよ月の駅
レールのその果てに
銀河の灯がともる


5.僕の森

作詞:工藤順子
作曲:遊佐未森

ビルの街にたったひとつ
ただ一本きりの 僕の森に逢いにゆくよ
遠回りして アスファルトに影を落とす
君の枝の下で 空と土の声を聴くよ
瞼閉じて 静かに息をするだけで
ふたり

いちばん小さな輪廻の 宇宙
ああ 明日さえ 昨日さえ
かすむ木洩れ日の中で
悲しみの影さえも失くす
My only lonely forest…

夕日ひとつ窓に乗せた
バスが走り抜ける
僕は君の鼓動聴くよ
幹にもたれ 生まれる前に見た夢と
同じ

いちばん確かな命の記憶
ああ 聞こえるよ
聞こえるよ 肩に降りかかる霧も
遠い日のせせらぎに帰る
My only lonely forest…

もう 泣かないで 泣かないで
眠る鳥達の羽根に
薄墨の三日月が滲む
My only lonely forest…

もう 泣かないで 泣かないで
急ぐ人達の胸に
銀色の街灯が滲む
My only lonely forest…


6.M氏の幸福

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史

樹々に隠れた大きな家に
一人で彼は住んでる
何やら妙な研究してる
そういう噂
中折れ帽子金ぶち眼鏡
懐中時計ぶら下げ
くねくね道を口笛吹いて
てくてく散歩

風が吹く
坂道に風が吹く

研究室の隣の部屋の
窓にいつも見えるのは
暖炉の上の古びた写真
笑顔の人は誰ですか

腕に銀猫肩に黒猫
ぎらぎら瞳光らせ
二匹の猫は他の誰にも
なつくことない

光差す
中庭に光差す

草に埋もれた郵便受けが
月に一度音たてる
白い船便小さな手紙
差出人は誰ですか

クリスマスにもお正月にも
散歩の後のお茶にも
誰も招(よ)ばない招ばれていない
招んでも来ない

星が降る
木の枝に星が降る

窓に並べたフラスコ瓶に
月の雫集めてる
青い雫のお茶が沸くころ
ベルを押すのは誰ですか


7.街角

作詞:工藤順子
作曲:遊佐未森

街角に彼の靴が響けば
暗闇は逃げだすよ
夕空に彼が指を鳴らせば
ガス灯が目を覚ます

凍えてた足も弾むメロディー
窓辺からこぼれるよ
暖かい彼の後を歩けば
ステップを思い出す

いつも同んなじで色褪せる日々
男達の切ない足取りにも
灯をつけてあげて
灯をつけてあげて

町中に彼が明かりともせば
人々は集まるよ
星空に彼が指を鳴らせば
溜息が歌になる

いつも届かない初めての恋
娘達の苦しい胸の奥に
灯をつけてあげて
灯をつけてあげて

いつも追いかけて見上げてる空
子供達の果てない希望(あこがれ)にも
灯をつけてあげて
灯をつけてあげて


8.山行きバス


9.WATER

作詞:遊佐未森
作曲:遊佐未森

君に送る手紙
水の上に綴る

言葉にならないまま
水に溶けてゆくよ

光る流れの中に

じっと川を見てると
ふっと時が揺れるよ

指をすべり落ちる
銀の一滴に
永遠(とわ)の想いのせて


10.空色の帽子

作詞:工藤順子
作曲:太田裕美

川の流れに逆らって
びしょ濡れではしゃいだね
小さな銀の魚たち
すくっては逃がしたね
君に会うときいつでも被ってた
空の色した大好きなあの帽子

川の見えないその町で
ずっと暮らしてゆくの?
長距離電話かかるたび
そのことを尋けなくて
風に飛ばされ二人で追いかけた
水に隠れた大好きなあの帽子

遠い流れに漂いながら
空の色した魚になって
知らない町を旅しているのだろ

川の流れを届けたい
君の住むその町に
明るい声を聞くたびに
少しだけ淋しくて
涙こらえて歌った帰り道
今は遥かな大好きなあの帽子

深い流れに包まれながら
空の色した魚は今日も
別れた町を夢見ているのだろ

川の流れを届けたい
君の住むその町に
川の流れを届けたい
遠くなってく君に


11.0の丘∞の空(version 2)


12.ハルモニオデオン