全曲集~海鳴りの宿~

野中彩央里 全曲集~海鳴りの宿~歌詞
1.海鳴りの宿

作詞:麻こよみ
作曲:徳久広司

あなたの写真 引き裂けば
指先ヒリヒリ 痛みます
女心の 涙の海に 恋しさつらさ…
ヒュルヒュルとヒュルヒュルと 吹き荒れる
思い出ひとつ 捨てるたび
逢いたくなります 海鳴りの宿

月日を重ね 愛しても
いつしか二人に すきま風
女心を 揺さぶるように 悔しさつらさ…
ヒュルヒュルとヒュルヒュルと 吹き荒れる
未練に染まる この胸が
飛沫(しぶき)に濡れます 海鳴りの宿


2.やらんかい


3.度胸人生

作詞:富田洋行
作曲:高野かつみ

男涙を噛みしめて
怒るばかりが能じゃない
意地で生きぬくこの俺だけど
無理を通せば情けが絡む
度胸人生
あえて修羅場の道を行く

義理の為ならこの命
捨てる運命のにごり水
酒と女にゃ目がない俺も
濡れてすがれば涙がほろり
度胸人生
ないてくれるな夜の風

命張っての生きざまも
可愛いあいつがいるかぎり
何処で嵐の呼ぶ声きけど
男一文字後には退けぬ
度胸人生
義理に竿差し生きるのさ


4.火振り酒

作詞:松井由利夫
作曲:高野かつみ

意地の火の粉は男の花だ
風はなくても花は散る
晴れた空でも雨は降る
にぎり拳を卍に組んで
暴れ四万十男の川に
火の粉散らせて火振り酒

水をかぶった沈下橋も
嵐過ぎればまた浮かぶ
生きる区別を四万十川の
水の鏡にうつして燃える
それがいごっそ火振り酒

意地によろけりゃ後がない
夢に迷えば明日がない
男いのちの一枚岩で
天下取る気で酔おうじゃないか
月の四万十火振り酒


5.雪国恋人形

作詞:万城たかし
作曲:岡千秋

藍染めぼかしの 雪のれん
加賀友禅の 衿に降る
冬の金沢… おんながひとり
夢にさまよう 恋人形
汚れを知らぬ 花の我が身は
愛しい人と ああ 咲くいのち

日めくり暦は 春なのに
こおろぎ橋は ぼたん雪
冬の金沢… おんながひとり
夢もおぼろな 恋人形
一途に燃える 片恋の灯りが
なみだの宿で ああ くなる

紅がら格子に 九十九小路(つづらみち)
雪降りやまず 足袋を凍す
冬の金沢… おんながひとり
夢にはぐれた 恋人形
寒さを凌ぐ 旅の衣は
恋ひとすじの ああ こころ糸


6.津軽恋人形

作詞:松井由利夫
作曲:弦哲也

お岩木山(いわきやま)から 紅葉の帯が
里にひろがりゃヨー
津軽の冬は もう近い
逢いたいなあ 逢いたいな あの人に
涙ぐませて 日が昏れて
エーーーヤーェ

リンゴの花にネ 想いをこめて
書いて出してもヨー
ちぎれた夢の 片便り
逢いたいなあ 逢いたいな あの人に
渡り鳥さえ 帰えるのに
エーーーヤーェ

両親にも言えない 心の痛み
せめて地蔵さんヨー
やさしく抱いて 恋人形
逢いたいなあ 逢いたいな あの人に
噛んだ袂で 鈴が鳴る
エーーーヤーェ


7.霧の宿

作詞:松井由利夫
作曲:岡千秋

川の狭霧が 深くなる
つらい別れも 近くなる
見てはいけない おんなの夢は
伊豆の湯舟の 上り湯で
洗いながした 筈なのに
人目を避ければ 避けるほど
恋が身を灼く 離れ宿
湯の香移り香 静寂の中で
肩に残した 歯のあとを
指でおさえて 瞼ですがる
雨戸締めても すき間から
来てはいけない 朝が来る
駅へ行かずに いつものように
町のはずれの 踏切りで
影を追います いつまでも


8.遠い海峡

作詞:里村龍一
作曲:岡千秋

鴎おまえは 誰かを探し
哭いて飛ぶのか 夕陽の海を
戻るあてさえ ない男なのに
心 心焦がして 入船待てば
北の 北の岬は 冬真近

風の音にも 振り向く夜は
肩の震えに 口唇かむの
無理な夢なら 醒まして欲しい
泣いた 泣いた分だけ 心も痩せて
海に 海に凍つく 冬みれん

遠い海峡 ゆく船よりも
帰り信じて 待つ身は辛い
いくら好きでも 離れていれば
駄目に 駄目になります 女の愛は
潮風も 潮風も涙の 冬港


9.故宮恋唄

作詞:たきのえいじ
作曲:弦哲也

海を渡れば いにしえの町
おもいで連れて ひとり旅
アカシア並木 大通り
あなたと過ごした 頃が舞い戻る
逢いたい 逢えない
故宮恋唄 石畳

まるで墨絵が にじんだように
遥かに霞む 昆明湖
あきらめ切れず 断ち切れず
恋しい思いが 胸をしめつける
心が淋しい
故宮恋唄 絹の雨

誰が弾くやら 胡弓の音が
泣けよとばかり 身に沁みる
離れて千里 夢はるか
焦がれる私が あなたみえますか
逢いたい 逢えない
故宮恋唄 風が舞う


10.ふたりの港

作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦

泣いて 泣いて見送る あの船は
あなた奪った 憎い船 憎い船
帰してください わたしの恋を
呼べば叫べば ひゅるひゅると
なぐり吹雪が アーァ
黒髪ちらす…

ふたり ふたりいてさえ 寒いのに
捨てて行かれた 雪みなと 雪みなと
帰してください 私の恋を
想いとどかぬ くやしさが
指の先から アーァ
ころがり落ちる…

好きな 好きなあなたが 望むなら
髪も切ります やせもする やせもする
帰してください わたしの恋を
生きてゆけない 一人では
ここは春待つ アーァ
ふたりの港…


11.涙じゃないわ

作詞:やしろよう
作曲:伊藤雪彦

忘れてあげる 忘れてあげる
恋は通り雨
言い訳も なぐさめも あなたも
忘れてあげる
せめて灯りを消してから 背中を向けて
頬を濡らした このひとしずく
涙なんかじゃないわ

追いかけないわ 追いかけないわ
みんな旅人ね
逃げてゆく 遠ざかる あなたを
追いかけないわ
痛いくらいにこの耳を ふさいでみても
夜に消えてく 足音だけが
何故か聞こえて来るの

返してあげる 返してあげる
夢はシャボン玉
思い出も 幸せも あなたに
返してあげる
淋しがりやはいつだって 強がり上手
指にこぼれた このひとしずく
涙なんかじゃないわ


12.恋路

作詞:麻こよみ
作曲:弦哲也

砕ける波の ざわめきは
あなたの吐息か 囁きか
ただ待つだけの つらい恋
無理に断ち切り 来たものを
あ‥あなた
女の迷い火 チロチロ燃えて
この恋 この恋 踏んでみようか
もう一度

書いては破く 別れ文
こぼれる未練の 涙文字
震える指が この肌が
あなた欲しがる 岬宿
あ‥わたし
女の残り火 ユラユラ燃えて
この恋 この恋 踏んでみようか
もう一度

眠れぬままに 開ける窓
闇また闇の 北の海
愛したぶんの 深さだけ
胸の痛みが また疼く
あ‥あなた
女の命火 チリチリ燃えて
この恋 この恋 踏んでみようか
もう一度


13.白い駅舎


14.群上恋唄


15.秋螢 -あきほたる-

作詞:木下龍太郎
作曲:徳久広司

一人旅して 来たはずなのに
いつか未練と二人連れ…
一軒宿の 湯舟の窓に
季節はずれの 秋螢
恋の残り火 消せないままの
私を見るよで つらくなる

思い出すのは 良(い)いことばかり
思い切ろうと つとめても…
お前も同じ 叶わぬ恋に
きっと身を灼(や)く 秋螢
聴いて呉(く)れるか 女の愚痴を
私の心が 読めるなら

愛にさよなら 出来ない内は
どこへ行こうと 同じこと…
一軒宿へ 哀しみ置いて
旅に出るやら 秋螢
胸の未練火 涙で消して
私も笑顔で発(た)つつもり


16.残り月