大石内蔵助

鏡五郎 大石内蔵助歌詞
1.大石内蔵助

作詞:木下龍太郎
作曲:宮下健治

松の廊下の 刃傷(にんじょう)を
国へ知らせる 早飛脚(はやびきゃく)
殿に殉(じゅん)じて 切腹か
城を渡して 浪(ろう)の身か
揺れる家中(かちゅう)を 前にして
ひとり思案の 内蔵助

「殿に忠節を誓い 藩の行末を愁(うれ)う各々(おのおの)方の
ご心底(しんてい)しかと見定(みさだ)め申した。
二心(ふたごころ)なき証拠の血判(けっぱん)押したる
連判状(れんばんじょう)と各々(おのおの)方のお命は
赤穂藩城代(じょうだい)家老(がろう)大石内蔵助良雄(よしたか)
しかとお預り申す」

問わず語らず 胸の内
妻に持たせた 離縁状
他人(ひと)の謗(そし)りを 背に受けて
廓(くるわ)通いの 撞木町(しゅもくちょう)
うつつ抜かすも やがて成す
秘めた大志(たいし)の 隠れ蓑(みの)

「雌伏(しふく)一年十ヵ月 亡き殿の仇(あだ)を討つ日が遂に参った。
これより吉良邸へ討入りいたす。逃れる者は追うべからず、
刃向(はむこ)う者のみ斬り捨てよ、
目指すは吉良上野介殿の御首(みしるし)ただひとつ。
山と川の合言葉を忘れず各々(おのおの)方存分にお働き召されい!」

殿のご無念 晴らすため
武士の一分(いちぶん) 立てるため
雪を踏みしめ 吉良邸へ
赤穂浪士が 四十七
今宵 討入り 大石が
打つは山鹿(やまが)の 陣太鼓(じんだいこ)


2.浅野内匠頭

作詞:木下龍太郎
作曲:山崎剛昭

叶うものなら もうひと太刀を
斬って捨てたや 吉良殿を
勅使饗応の 大役捨てて
松の廊下を 血で染める
積る恨みの 意趣返(いしゅがえ)し

「重ねて申す 梶川殿 乱心ではござらぬ。
吉良殿への積もり重なる遺恨でござる。
浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)も五万石の城主
打ち損じたからには神妙にいたす。
その手放して 衣服の乱れを直す暇(いとま)をお与え下され 梶川殿」

殿と呼ばれた 昨日はいずこ
今日は奈落の 座敷牢
なんであの時 出来ない我慢
捨てて初めて 知らされた
五万余石の 重たさを

「ああ 余はあまりにも愚かであった。 許せよ 赤穂の皆の者…」

風さそう花よりもなお我はまた 春の名残りを如何にとやせん

七日桜と 世間は言うが
わずか一夜(いちや)の 若桜
死出の旅路の 白装束に
代えて覚悟の 目の裏に
浮かぶ赤穂の 天守閣