昭和

長渕剛 昭和歌詞
1.くそったれの人生

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

本当の事を言えばきっと楽になれるさ
本当の事を言っちまえばきっと自由になれるさ
あんちきしょうをぶっ飛ばしとんずらしようか

だけど俺はこの街を根城に生きていこうと決めた
六畳一間の闇にまぎれ腐った空へ夢を突き上げても
呼べど叫べど答なし

群れから離れっぱなし
ずっと離れっぱなし
遠回りのくそったれの人生
千鳥足でいつもの路地を

ただ足にまかせて俺はくたくたになるまで走った
走れば走るほど俺は無性に真実味が欲しくなった
浮き足立ったあいつは ざらついた風にさらわれた

人の波にせかされれば使い捨てにされちまう
乗り遅れるわけじゃない俺は俺
明日からサングラスを捨てよう
頑固さだけが胸を叩けばいい

群れから離れっぱなし
ずっと離れっぱなし
遠回りのくそったれの人生
千鳥足でいつもの路地を

群れから離れっぱなし
ずっと離れっぱなし
遠回りのくそったれの人生
千鳥足でいつもの路地を


2.GO STRAIGHT

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

鼻っ柱が折れた
俺は殴りちらした
嘘八百で生きて笑う
てめえらにはあいそつきた

はなっから覚悟がちがう
悪いけど腹はきまった
あるがままの心で
俺は生きてやる

Go Straight! Go Straight! Go! Go! Go! Go! Go!
しょせん俺ら大都会のすれっからしにゃなれねえ

あざむく人影に
ふざけた面が並ぶ
たちうちするほどてめえらの
目ん玉はもの言わぬ

勝負に出るなら
魂を磨きやがれ
腹黒い筋書きの
てめえじゃ吐き気がする

Go Straight! Go Straight! Go! Go! Go! Go! Go!
しょせん俺ら大都会のすれっからしにゃなれねえ

二枚舌でたらふく
ふところふくらましてる
化けの皮剥げおちれば
口唇はゆがむだろう

見えすいた両手に
銭がばらまかれてゆく
狂乱怒濤のこの街じゃ
真っすぐも歩けねえ

Go Straight! Go Straight! Go! Go! Go! Go! Go!
しょせん俺ら大都会のすれっからしにゃなれねえ

Go Straight! Go Straight! Go! Go! Go! Go! Go!
しょせん俺ら大都会のすれっからしにゃなれねえ


3.いつかの少年

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

俺にとってKAGOSHIMAはいつも泣いてた
ひ弱で不親切で 邪険な街だった
親父とお袋は泥にまみれ銭をうらやみ
そのド真中で俺は打ち震えていた

ごうごうと不安が立ち昇る棲み家を
凍える風が暮らしをすりぬけていった
雨どいを伝う雫を見るのがたまらなく嫌だった
逃げ出したくて想いをかきむしるだけだった

※俺の人生はどこから始まり
いったいどこで終わってしまうんだろう
突き動かされるあの時のまま
そう“いつかの少年”みたいに※

乾ききれない浴衣がゆれていた
縁側のむこう 遠い記憶がかすんでく
俺は今 ゆれる船の上に立ち
叩きつける 七月の雨を見ている

すべてが一秒ごとに意味深く進んでる
水平線からどてっ腹に陽が昇る
今日と昨日とが激しく違うことを知った今
俺はKAGOSHIMAを突んざく波に捨てた

(※くり返し×2)


4.とんぼ

作詞:長渕剛
作曲:長渕剛

コツコツとアスファルトに刻む足音を踏みしめるたびに
俺は俺で在り続けたいそう願った
裏腹な心たちが見えてやりきれない夜を数え
のがれられない闇の中で今日も眠ったふりをする

死にたいくらいに憧れた花の都“大東京”
薄っぺらのボストン・バッグ北へ北へ向かった
ざらついたにがい砂を噛むと ねじふせられた正直さが
今ごろになってやけに骨身にしみる

ああ しあわせのとんぼよ どこへ
お前はどこへ飛んで行く
ああ しあわせのとんぼが ほら
舌を出して笑ってらあ

明日からまた冬の風が横っつらを吹き抜けて行く
それでもおめおめと生きぬく俺を恥らう
裸足のまんまじゃ寒くて凍りつくような夜を数え
だけど俺はこの街を愛し そしてこの街を憎んだ

死にたいくらいに憧れた東京のバカヤローが
知らん顔して黙ったまま突っ立ってる
ケツの座りの悪い都会で憤りの酒をたらせば
半端な俺の骨身にしみる

ああ しあわせのとんぼよ どこへ
お前はどこへ飛んで行く
ああ しあわせのとんぼが ほら
舌を出して笑ってらあ

ああ しあわせのとんぼよ どこへ
お前はどこへ飛んで行く
ああ しあわせのとんぼが ほら
舌を出して笑ってらあ


5.シェリー

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

揺れているふたつのからだが海の底深く
透きとおる肌のまんまでだまって抱かれてる
身を震わして俺を見つめてる

どうしてなんだろう なぜにお前はそんなに切なく微笑む
今夜俺はお前のためだけに生きているんだ
悩まされた過去から逃げて来い

※おゝシェリー 俺は砂丘に立ち
真夜中を照らす白い月を見ている
おゝシェリー 砂煙が舞い
海が吠えてる 今お前に会いたい※

愛しきお前よ 俺の肩先で静かな息をしている
濡れた首すじに小さく口づけをすると
お前はすべてをすりよせて泣いた

からみついた流れる髪 俺の唇で遊ぶ
俺は目を細め両手で強くひきよせると
まぶたを閉じてお前は風になる

(※くり返し×2)


6.激愛

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

舌を噛み切った からみ合う口唇の中
二人はよじれ合い 激しく揺れていた
震える 流れる 青白い肌
ひきよせても ひきよせても 届かない
溶けてゆく無数の汗 心と躰を流れてゆけ

愛は潜水艇のように 苦しみをもぐり
激烈な痛みが こめかみを突きぬけた
時は過ぎ 夜を越え凍りつく
愛の海 深く深く 沈みゆく
堕ちてゆく憎しみに 息が絶えるまで俺を抱け

俺たちは互いに 愛を戦った
焼け焦げた魂は 灰色に立ち昇り
とぼとぼ とぼとぼ 死んでゆく
こわれた破片は 風に舞う
ひき潮のうねりの中 ふたつの手首よ赤く染まれ

かすかに触れ合う力果てた指先
導かれるように 静かに瞳を閉じた
ゆるやかな呼吸は 首すじをすべり
衰弱の闇へと 色あせてゆく
果てしない体気の中 くち果てるまで重なってゆけ


7.NEVER CHANGE

作詞:長渕剛
作曲:長渕剛

そして素っ裸の両足は大きく開かれ
しぼり出されるようにけたたましくおびえていた
お前は俺の呼吸にすべてをあずけた
しゃくり上げる痛み吐き出す時がここにあった

Never Change 今 子供が生まれた
Never Change 俺にも家族ができた
Never Change 娘をこの手で抱いた
Never Change 横たわる妻がいる

ふるえる瞳で 俺はお前の手を握り
この世で最大の口づけした……Never Change

深夜4時東京の街俺は本気で泣いた
消し忘れたワイパーもなぜかそのままでいい
片手でハンドルつかみ片手でボリュームしぼりながら
優しさってやつを俺は初めて考えた

Never Change ただ続くだけでいい
Never Change 今まで生きてきた人生
Never Change 血はめぐりめぐって
Never Change それは変わることなく

アクセルゆるめ最後のカーブを曲がり
俺はいつものように朝を待った……Never Change


8.プン プン プン

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

おとといの晩はどこかのディレクター
そして昨日の晩はどこかのプロデューサー
日ごと夜ごと お前のからだは
男たちのすっぱい臭いで プン プン プン

そしてお前はホテルのベッドに横たわってる
馴れなれしい言葉をたくみに吐きちらす
シケたからだで 俺を抱きたがる
三つ数えるうちに プン プン プン

俺をなめくさりやがる見えすいた手のうち
黒いBAGの中には書きつらねた電話番号
お前の男たちへの野心と利用とが
ふざけたからだを妙にくねらせて吠える
プン プン プン プン プン たいしたタマだぜ
女って奴はわからねえ プン プン プン

さっきからやけにのど仏がきしむ
消え失せたあとのシーツが気にくわねえ
やりきれなさで あゝもううんざり 真っぷたつに
俺の心は プン プン プン

お前のもくろみがほら夜をかすめた
今すぐ車をとばして空までぶっ飛びてえ
くずれちまった正直さを
夜風にでもさらさなけりゃ プン プン プン

きっと何かが違う きっとどこかが狂ってる
頭をかきむしりながら俺は車に乗りこむ
池尻のインターから横浜へ突っ走る
汚れちまった腹ん中がガリガリとうずきやがる
プン プン プン プン プン たいしたタマだぜ
女って奴はわからねえ プン プン プン

プン プン プン プン プン たいしたタマだぜ
女って奴はわからねえ プン プン プン


9.裸足のまんまで

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

どしゃ降りの雨の中で傘もささずに歩いてた
俺は最後のタバコを今明日に叩きつけた
重くたれこめた暗闇の中稲妻が俺を突き刺す
半パな俺の覚悟を情け容赦なくはじく

しがない街に生まれてやっとここまでたどり着き
だけどのっけからこの様さ 心が寒くて死にそうだ

裸足のまんまで笑われても
裸足のまんまで立たされても
裸足のまんまで責められても
俺は俺を信じてやる

じりじりと焼けただれるずるがしこさを身にまとい
あいつは獣のように深い爪あとを残して去った
俺は都会の踏切に立ち錆びたレールの向こう睨む
捨ててきた傷口どもがホラぶらぶら笑ってる

しみったれた街に生まれてやっとここまでたどり着き
しみったれるなと雨をのろい どっぷり首までしみったれた

裸足のまんまで笑われても
裸足のまんまで立たされても
裸足のまんまで責められても
俺は俺を信じてやる

裸足のまんまで笑われても
裸足のまんまで立たされても
裸足のまんまで責められても
俺は俺を信じてやる


10.ほんまにうち寂しかったんよ

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

なんであんたあん時死なんかったんや
たのむからうちの前に現われんといて
うちが女やさかい殺せんかったんと違う
ほんまにほんまに嫌になってしもうたんよ

やっぱりうちがアホやった
やっぱりうちの言うとうりやった

ほんまにうち寂しかったんよ
ほんまにうち寂しかったんよ
うちそばにおりたかったんよ
でも腐ったあんたが嫌やった
一生ヒモ暮らしのしみったれのあんた

しけた面ぶら下げて なんで今ごろ帰って来たん
ええかっこばかりの東京の人になってからに
女の尻をさするよなケジメのない街ん中で
ほんまにほんまにあんた変わってしもうた

やっぱりうちがアホやった
やっぱりうちの言うとうりやった

ほんまにうち寂しかったんよ
ほんまにうち寂しかったんよ
どない謝ってもあんたを
絶対許せへんけど
ほんまの事言うとうち寂しかったんよ

ほんまにうち寂しかったんよ
ほんまにうち寂しかったんよ
もう なんもかんも捨てて
あんたと二人っきりで生きたい
もう うだうだ言わんでいい
一生うちを離さんといて


11.明け方までにはケリがつく

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

砂嵐の風が吹いてた
三日月が高く昇ってた
誰もいない工事現場の駐車場に腰を降ろしてた
飲んでも飲んでもいくら飲んでも酔えない夜がある
流されることなく流れて生きるだけで精一杯
ねえ もう少し正直でいいんじゃないか
ねえ もう少しひたむきでいいんじゃないか
明け方になるまでにはきっとケリがつく
見失いそうなこの俺の足元を叩かなければ

もしもやさしさが風ならば 百年だって吹かれよう
しがらみが嫌だったからつるまなかっただけさ
突っ張りとおせるものならきっとそのほうがいいさ
はじめから物分かりのいい利口者じゃなかったはず
ねえ もう少しありのままでいいんじゃないか
ねえ もう少しかっこ悪くていいんじゃないか
貨物列車が走ってゆく夜露に濡れたレールを
明け方になるまでにはきっとケリがつく

いくつもの太い車輪の跡 転がり落ちてる鉄パイプ
水たまりを覗きこめば蒼白い月灯りと俺
泣いても泣いてもいくら泣いても泣けない夜がある
流されることなく流れて生きるだけで精一杯
ねえ もう少しかたくなでいいんじゃないか
ねえ もう少し真剣でいいんじゃないか
もっと心を震わせて深くこだわり続けたい
イチかバチかの勝負さ
明け方までにはケリがつく
明け方までにはケリがつく
明け方までにはケリがつく


12.昭和

作詞:TSUYOSHI NAGABUCHI
作曲:TSUYOSHI NAGABUCHI

傷つけば傷つくほど優しくなれた
貧しさは大きな力になり
意気地のなさは勇気に変わる
ひねた瞳は真実を欲しがる

真実はとてつもなく激しかった
愛せば愛すほど苦しくなる
はかなさが美しいから
死にたくてもまた歩いた

俺はいま真夜中の湾岸をとばしている
カーラジオ消して受話器を耳にかたむける
進路は東へとお前の声を聞きながら走る
とうとう昭和の歴史が終わった

悲しめば悲しむほど想いやれた
悔しさは大きな力になり
力はいつしか詩になる
許せないのは自分となる

俺はいま受話器を静かに置いた
ああ 吹きすさぶ強く冷たい風に抱かれたい
夜明け前の街が確かに動き始めてる
とうとう昭和の歴史が終わった

夜明け前の街が確かに動き始めてる
とうとう昭和の歴史が終わった