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風 ベスト歌詞
1.海岸通

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

あなたが船を選んだのは
私への思いやりだったのでしょうか
別れのテープは切れるものだとなぜ
気づかなかったのでしょうか
港に沈む夕陽がとてもきれいですね
あなたをのせた船が小さくなってゆく

夜明けの海が悲しいことを
あなたから 教えられた海岸通
あなたの言うとうり 妹のままで
いた方が 良かったかもしれない
あなたがいつか この街離れてしまうことを
やさしい腕の中で 聞きたくはなかった

まるで昨日と同じ海に波を残して
あなたをのせた船が小さくなってゆく


2.星空

作詞:喜多條忠
作曲:伊勢正三

星がきれいね
とっても近く見えるわ
赤い星 青い星
私中学校の時バレーボール部にいたのよ
恋人? いたわよ
とっても背が高くて 真黒に陽焼けして
シュークリームが大好きだったキャプテン
私生徒手帳にいつも彼の写真入れてた・・・・・

でも死んじゃったの その人
どうして?
ううん お母さん教えてくれなかった
こんなきれいな星空だったわ
その人思いきりジャンプして
そう、お星さまに 手が届いちゃったのよ


3.あいつ

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

雪の中一人の男が 山に帰っていった
ただそれだけの話じゃないか あわただしい季節の中で
花束投げた あの娘の言葉が こだまして帰ってくるけど
雪どけ水の音に消されて また静けさがおとずれる

だからもう忘れちまえよ あんなやつのことは
こんなかわいい人を残して 一人でゆくなんて
あいつがたとえ 想い出ひとつ 何も残さなかったのは
あいつにすれば せいいっぱいの 愛だったんだね

春が来たら 去年と同じように また山でむかえよう
それまでにきっとあいつの 得意だった
歌をおぼえているから
…………………………


4.忘れゆく歴史

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

小雨が窓をたたく日曜日の朝は
一人になったことを また思い出す
君のいない朝は
こんなにもさみしいものですか
いつも君と二人の朝は
踏切の音をかぞえながら
すこしずつ 明けていったのに

君を忘れるために 街へ出てみたけれど
君の思い出に 出会ってしまう
電車道に沿って
咲いてる名も知らぬ花の色は
あの日の君の口紅と同じ
淡いオレンジ色してる
日に焼けた 君に似合ってた

あの日から毎日のなにげない出来事も
君を忘れてゆく 歴史の一つ
夏のにわか雨が
かわいた砂にしみこむように
秋はすぐに通りすぎて
君のいないこの冬は
どこまで 寒くなるのだろう


5.あの唄はもう唄わないのですか

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

今朝新聞の片隅に
ポツンと小さく出ていました
あなたのリサイタルの記事です
もう一年経ったのですね

去年もひとりで 誰にも知れずに
一番うしろで見てました
あの唄 もう一度聞きたくて
私のために作ってくれたと
今も信じてる あの唄を…

あなたと初めて出会ったのは
坂の途中の小さな店
あなたはいつも唄っていた
安いギターをいたわるように

いつかあなたのポケットにあった
あの店のマッチ箱ひとつ
今でも 時々とりだして
ひとつ つけてはすぐに消します
あなたの香りがしないうちに

雨が降る日は 近くの駅まで
ひとつの傘の中 帰り道
そして二人で口ずさんだ
あの唄はもう唄わないのですか
私にとっては 思い出なのに


6.ほおづえをつく女

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

振り向きもせずに男は去った

女は半年泣き続けた
薄暗い部屋で ほおづえをついたまま
幸せな日々を 思い出していた
何故すてられたのかも わからないまま

女は半年泣き続けた
新しい季節が女を変えた 出会いを求めて町に出た
髪を切り胸のボタンひとつはずして
化粧直して 女は生まれ変わった

お茶を飲みながら ほおづえをついたまま

女は男を捜しつづけた
女はそっと煙草くわえた 男はすかさず火をつけた
かげりある女は とてもきれいに見える
思わず誰でも 手をさしのべてみたくなる

灰皿の中の 古い燃えさしがまた
新しい炎で燃え上った
数える間もなく時は流れた
振り向きもせずに 男は去った

慣れすぎた暮らしに 女は甘えすぎて
男の心にまで ほおづえをついてしまった
夜空の星が とても美しいのは
ほんのすこし 光っているから


7.3号線を左に折れ

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

都会に住んでる人達は
時には海へ行きたくなる
車飛ばしながら ふとそう思う
3号線を左に折れ
海へ向う道に吹く風
今はもう冷たく 右うでをなでる

忘れさられた海は
波の音さえ
心なしかさびしい
この海で写した二人の
記念写真を今うづめて
想い出は返そう 出逢った海へ

写真に写るときの君は
いつも目をつぶっていたね
きれいなものだけを見てたかったんだね

あの街並が見える
遠くかすんで
しまっておいたストーブ
もう出さなければ
いけない季節です


8.君と歩いた青春

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

君がどうしても 帰ると言うのなら
もう止めはしないけど
心残りさ 少し
幸せにできなかったことさ

故郷へ帰ったら
あいつらに会うといいさ
よろしく伝えてくれ
きっと又 昔のように
みんなで楽しくやれるさ

みんな いいやつばかりさ
ぼくとは ちがうさ
そして あの頃と同じように
みんなで 釣りへでも 行きなよ

ケンカ早いやつもいた
涙もろいやつもいた
みんな 君のことが
好きだったんだよ

本当はあいつらと 約束したんだ
抜けがけは しないとね
バチ当りさぼくは
だけどほんとさ愛していたんだ

きれいな夕焼け雲を
憶えているかい
君と始めて出逢ったのは
ぼくが 一番最初だったね

君と歩いた青春が
幕を閉じた
君はなぜ
男に生まれてこなかったのか


9.海風

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

海風 吹いてた あの頃いつの時も
潮の満干に すべてを感じて
幼な心に吹いてた 淋しい時 (とても淋しい時)
今もぼくのなぐさめに吹くのは 海風… 海風…

海風 吹いてた 今はここにいるけど
時の流れが ぼくを変えても
今も故郷に吹く あの日の夢 (とてもきれいな夢)
今のぼくに何かを 残してくれた 海風… 海風…

海風… 海風…
海風… 海風…
海風… 海風…


10.冬京

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

ぼくの部屋の 夕暮れは
君が去ったドアの方から始まる
あの頃ぼくとそして君の夢は
同じものだと思っていた

ぼくの胸に顔をうずめて
潮の香りがすると
故郷のない君だから
わかるのだろう

あの頃ぼくは何のために
君と同じ朝をむかえてたんだろう

赤い電車は止まらないほどの
その小さな駅の見える部屋で
階段のぼる ぼくの足音
響き始めたとき

読みかけの本にしおりを
はさむ人もいない
こんな淋しさそれも東京
そして生きていくため

暖かい愛がなければ
冬は越せはしない


11.そんな暮らしの中で

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

歩き始めた子供の
笑い声が響いてる
そんな暮しの中で
芽ばえ始めた「何か」を
大切にして生きるため
日々の暮しがある
時計の針が時を
流しているわけでもなく
明日の朝
新聞の日付がただ
変わっているだけのこと

2センチ足らずの雪が
科学の街 東京を
一日でぬりかえる
その変わらぬ雪の色に
人は何を思うのだろう
変わりゆくこの日々に
寒さの中に
かくれているのは
暖かさなのだから
冬の朝
目覚めたときの
あと五分の幸せを
誰もが知ってる


12.月が射す夜

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

窓から月が射す夜は
言葉では喋りたくない

君と居る 夏が行く 暑すぎたね ふふ

遠くを見てる
横顔が寂しい君だけれど

人はみな さびしがりやの
顔してるものだろう

音が跡切れた風鈴だけに
さびしい人の心が解かる

ある時 笑っていたね
流されれば すべてが終わるなんて

君は今 夏の終わりに何を捨ててゆくのか

季節が動く時の 蝉の声 響けば
さびしい人の心も変わる


13.漂う

作詞:大久保一久
作曲:大久保一久

翔びかう鴎 しゃがんでみてる
“淋しさ”それに沈むふりをする
君の細い背に時の流れを感じて
心の隙間を僕の愛でうめてみる

真白な頬さえ赤く染めてしまう頃
海辺の風もいまは吹かない

遠くに煙る タ暮れの街
裏街あたり ふと足を止めて
流れる歌にも 耳をかたむける人は
別れと幸せ肩に感じてるからさ

愛する事にも いつかなれてしまえば
ささいな日々も時に流れる

僕は穏やかに 少し心おちつかせ
君の香りには 何か忘れていたものが

真白な頬さえ赤く染めてしまう頃
海辺の風もいまは吹かない


14.バイ・バイ


15.夕凪

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

ふと言葉がとぎれたとき
こがね虫が飛び込む
夏 夕暮れ 風が止まる瞬(ひととき)の間に
うすけむり たなびけば……
君のそばは 君のそばは
うすむらさきの芳り

月夜に蔭れているのは
めくる明日の幸せ
タ顔の花 君の笑顔 透(すきとお)る白さを
藤越しにくらべては……
君のそばは 君のそばは
うすむらさきの芳り


16.22才の別れ

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

あなたに「さよなら」って言えるのは今日だけ
明日になって またあなたの暖い手に触れたら
きっと言えなくなってしまう
そんな気がして…
私には 鏡に映ったあなたの姿を 見つけられずに
私の目の前にあった幸せに すがりついてしまった

私の誕生日に 22本のローソクをたて
ひとつひとつが みんな君の人生だねって言って
17本目からはいっしょに火をつけたのが
きのうのことのように…
今はただ 5年の月日が永すぎた 春といえるだけです
あなたの 知らないところへ嫁いでゆく 私にとって

ひとつだけ こんな私のわがまま聞いて くれるなら
あなたは あなたのままで
変らずにいて下さい そのままで