全曲集

風 全曲集歌詞
1.海風

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

海風 吹いてた あの頃いつの時も
潮の満干に すべてを感じて
幼な心に吹いてた 淋しい時 (とても淋しい時)
今もぼくのなぐさめに吹くのは 海風… 海風…

海風 吹いてた 今はここにいるけど
時の流れが ぼくを変えても
今も故郷に吹く あの日の夢 (とてもきれいな夢)
今のぼくに何かを 残してくれた 海風… 海風…

海風… 海風…
海風… 海風…
海風… 海風…


2.おそかれはやかれ


3.月が射す夜

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

窓から月が射す夜は
言葉では喋りたくない

君と居る 夏が行く 暑すぎたね ふふ

遠くを見てる
横顔が寂しい君だけれど

人はみな さびしがりやの
顔してるものだろう

音が跡切れた風鈴だけに
さびしい人の心が解かる

ある時 笑っていたね
流されれば すべてが終わるなんて

君は今 夏の終わりに何を捨ててゆくのか

季節が動く時の 蝉の声 響けば
さびしい人の心も変わる


4.22才の別れ

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

あなたに「さよなら」って言えるのは今日だけ
明日になって またあなたの暖い手に触れたら
きっと言えなくなってしまう
そんな気がして…
私には 鏡に映ったあなたの姿を 見つけられずに
私の目の前にあった幸せに すがりついてしまった

私の誕生日に 22本のローソクをたて
ひとつひとつが みんな君の人生だねって言って
17本目からはいっしょに火をつけたのが
きのうのことのように…
今はただ 5年の月日が永すぎた 春といえるだけです
あなたの 知らないところへ嫁いでゆく 私にとって

ひとつだけ こんな私のわがまま聞いて くれるなら
あなたは あなたのままで
変らずにいて下さい そのままで


5.ほおづえをつく女

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

振り向きもせずに男は去った

女は半年泣き続けた
薄暗い部屋で ほおづえをついたまま
幸せな日々を 思い出していた
何故すてられたのかも わからないまま

女は半年泣き続けた
新しい季節が女を変えた 出会いを求めて町に出た
髪を切り胸のボタンひとつはずして
化粧直して 女は生まれ変わった

お茶を飲みながら ほおづえをついたまま

女は男を捜しつづけた
女はそっと煙草くわえた 男はすかさず火をつけた
かげりある女は とてもきれいに見える
思わず誰でも 手をさしのべてみたくなる

灰皿の中の 古い燃えさしがまた
新しい炎で燃え上った
数える間もなく時は流れた
振り向きもせずに 男は去った

慣れすぎた暮らしに 女は甘えすぎて
男の心にまで ほおづえをついてしまった
夜空の星が とても美しいのは
ほんのすこし 光っているから


6.あの唄はもう唄わないのですか

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

今朝新聞の片隅に
ポツンと小さく出ていました
あなたのリサイタルの記事です
もう一年経ったのですね

去年もひとりで 誰にも知れずに
一番うしろで見てました
あの唄 もう一度聞きたくて
私のために作ってくれたと
今も信じてる あの唄を…

あなたと初めて出会ったのは
坂の途中の小さな店
あなたはいつも唄っていた
安いギターをいたわるように

いつかあなたのポケットにあった
あの店のマッチ箱ひとつ
今でも 時々とりだして
ひとつ つけてはすぐに消します
あなたの香りがしないうちに

雨が降る日は 近くの駅まで
ひとつの傘の中 帰り道
そして二人で口ずさんだ
あの唄はもう唄わないのですか
私にとっては 思い出なのに


7.海岸通

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

あなたが船を選んだのは
私への思いやりだったのでしょうか
別れのテープは切れるものだとなぜ
気づかなかったのでしょうか
港に沈む夕陽がとてもきれいですね
あなたをのせた船が小さくなってゆく

夜明けの海が悲しいことを
あなたから 教えられた海岸通
あなたの言うとうり 妹のままで
いた方が 良かったかもしれない
あなたがいつか この街離れてしまうことを
やさしい腕の中で 聞きたくはなかった

まるで昨日と同じ海に波を残して
あなたをのせた船が小さくなってゆく


8.トパーズ色の街


9.ダンシングドール


10.お前だけが

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

たとえこの世界で一番きれいな人が
ぼくを好きだと言っても

たとえこの宇宙で一番きれいな星を
ぼくにくれると言っても

ぼくは何もいらない

お前だけが お前だけが
お前だけがいてくれたら それでいい
お前のやさしい笑顔が
そこにあれば それでいいのさ

ぼくとお前の可愛いい子供が生まれたら
写真を見せて いうんだ

これがパパとママの若い頃の写真さ
どうだ今も 変わらないだろうと

朝陽がもう さし込んでくる

お前だけを お前だけを
お前だけを 愛しているから
夜がとても短かすぎて
愛を語り尽くせない

夜がとても短かすぎて
愛を語り尽くせない


11.ささやかなこの人生

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

花びらが 散ったあとの
桜がとても 冷たくされるように
誰にも 心の片隅に
見せたくはないものが あるよね

だけど 人を愛したら
誰でも心のとびらを 閉め忘れては
傷つき そして傷つけて
ひきかえすことの出来ない 人生に気がつく

やさしかった 恋人達よ
ふり返るのは やめよう
時の流れを 背中で感じて
夕焼けに 涙すればいい

誰かを 愛したその日には
たとえば ちっぽけな絵葉書にも心が動き
愛をなくしたその日には
街角の唄にも ふと足を止めたりする

風よ 季節の訪れを
告げたら 淋しい人の心に吹け
そして めぐる季節よ
その愛を拾って 終わりのない物語を作れ

やさしかった 恋人達よ
ささやかな この人生を
喜びとか 悲しみとかの
言葉で決めて 欲しくはない


12.3号線を左に折れ

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

都会に住んでる人達は
時には海へ行きたくなる
車飛ばしながら ふとそう思う
3号線を左に折れ
海へ向う道に吹く風
今はもう冷たく 右うでをなでる

忘れさられた海は
波の音さえ
心なしかさびしい
この海で写した二人の
記念写真を今うづめて
想い出は返そう 出逢った海へ

写真に写るときの君は
いつも目をつぶっていたね
きれいなものだけを見てたかったんだね

あの街並が見える
遠くかすんで
しまっておいたストーブ
もう出さなければ
いけない季節です


13.通り雨

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

通り過ぎた雨に
細い肩を濡らして
あの娘は一人ぼっちになろうとしている
淋しいのなら忘れよう
人の心なんて
にぎやかなお祭りの人ごみの中で
浴衣がけ 細い肩 通り雨

二年ぶりにたずねた
下町のお祭りは
まるであの日と同じ顔でむかえてくれたのに
久しぶりなら忘れよう
なつかしさなんて
風車くるくると音をたてる夜に
浴衣がけ 長い髪 通り雨

幸せすぎてこわいと
大吉破いてすてた
何もかもが昔に向かって走り去ってゆく
思い出すなら忘れよう
おもいでなんて
指切りがほどけてはいけないはずなのに
カラカラと 石畳 通り雨

赤い鼻緒切らして
上目使いに笑った
かわいそうなくらいの小さな胸もと
悲しいのなら忘れよう
君の笑顔なんて
熱い涙足もとにはじけて落ちた日に
ほほ濡らす 悲しみの 通り雨


14.アフタヌーン通り25

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

涙ぐんでたように見えた
あの日の店の片隅にいて
憧れてるのはとても古いアメリカの唄のよう
そして二杯目のコーヒー

ウフフフ…雨が降り始めたから
もう君を離さないよ
そして君とも一度うまくやってゆきたい

風が季節を運んでいった
君はやさしい女になった
煙草ふかしていつか見た
フランス映画のよう帽子を深めにかぶって

ウフフフ…雨が雪に変わる頃
君を連れてゆくよ
街はずれに見つけた新しいぼくの部屋まで


15.君と歩いた青春

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

君がどうしても 帰ると言うのなら
もう止めはしないけど
心残りさ 少し
幸せにできなかったことさ

故郷へ帰ったら
あいつらに会うといいさ
よろしく伝えてくれ
きっと又 昔のように
みんなで楽しくやれるさ

みんな いいやつばかりさ
ぼくとは ちがうさ
そして あの頃と同じように
みんなで 釣りへでも 行きなよ

ケンカ早いやつもいた
涙もろいやつもいた
みんな 君のことが
好きだったんだよ

本当はあいつらと 約束したんだ
抜けがけは しないとね
バチ当りさぼくは
だけどほんとさ愛していたんだ

きれいな夕焼け雲を
憶えているかい
君と始めて出逢ったのは
ぼくが 一番最初だったね

君と歩いた青春が
幕を閉じた
君はなぜ
男に生まれてこなかったのか


16.暦の上では

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

君が涙ポツンと 落した日 街では
もう春のセーターが 店先に並んでた
街はまだ冬の名残り 風は冷たい
君が窓開けて ぼくを呼べば
やっぱり 振り向いてしまう
君の涙が雪に変って ぼくの肩に落ちた

君から借りたノートを 返したその後で
二言三言かわした言葉がぎこちない
“卒業”なんて言葉はとてもきらいさ
君と悲しみ 君と笑った 学生時代も終わり
ボタンダウンのシャツも そろそろ
着れなくなってくる頃

下りの汽車の時間が気になるけど
野球帰りの子供達の声
にぎやかな午後のひととき
暦の上ではもう春なのに
まだまだ寒い日がつづく

Woo…

…Tu ru ru


17.ミュージシャン