全曲集

香田晋 全曲集歌詞
1.夢いちど

作詞:関口義明
作曲:花笠薫

あなたと一緒に 暮らせたら
わたしは死んでも 死んでもいいの
ひとり紅ひく 夜ふけの酒場
逢いたいの…
お酒にすがって ならべる愚痴は
馬鹿な女の 夢いちど

あなたのやさしい 腕の中
もいちど甘えて 甘えてみたい
酔えばなおさら みれんがつのる
欲しいのよ…
からだは冷えても こころが燃える
弱い女の 夢いちど

あなたをどんなに うらんでも
わたしは今でも 今でも好きよ
愛のかけらを つないでみても
辛いのよ…
しあわせ信じて 涙を越えて
生きる女の 夢いちど


2.手酌酒

作詞:下地亜記子
作曲:岸本健介

惚れちゃいけない 人でした
見てはいけない 夢でした
命まるごと 信じてた 信じてた
馬鹿よバカバカ 馬鹿なのね 馬鹿でした
女心の傷あとに
流す涙の 手酌酒

離さないよと 抱いた人
燃えて酔わせて 消えた人
男心も 知らないで 知らないで
馬鹿よバカバカ 馬鹿なのね 馬鹿でした
にくい嘘さえ 恋しくて
未練悲しい 手酌酒

飲めば尚さら つらくなる
酔えば 逢いたく なるばかり
二度と帰らぬ恋なのに 恋なのに
馬鹿よバカバカ 馬鹿なのね 馬鹿でした
女ひとりの 淋しさに
すがる夜更けの 手酌酒


3.雨じゃんじゃん

作詞:阿久悠
作曲:船村徹

雨じゃんじゃん 雨じゃんじゃん
この肩に この胸に
また嘆きの激しい雨が降る
たそがれの街灯り
横顔にゆらめいて演歌が歌う
いくじなしの男の子守歌
あのひとは今どこに
たずねても探しても
夢のつづきはプツンと途切れて
今夜も雨の中

雨じゃんじゃん 雨じゃんじゃん
涸れるまで降るがいい
身も心もいつしかびしょ濡れて
傘がない宿がない
あたためる 胸がない 女がさそう
寝ぐらのない男の子守唄
あのひとは ほろ苦い
想い出の中にだけ
たとえどんなに恋して呼んでも
今夜も雨の中

雨じゃんじゃん 雨じゃんじゃん
傷ついた胸の底
もう涙があふれる水たまり
酔いどれて雨やどり
火の消えた 煙草すう ネオンが笑う
行くあてない男の子守唄
あのひとに捨てられて
未練でも 愚かでも
ひとの気持はわかりはしないと
今夜も雨の中


4.艶歌師

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

どなたかご存じないですか
十二ではぐれた妹を
今はハタチを ちょっと過ぎ
探すしるしは 泣きぼくろ
泣きぼくろ

兄貴がグレてたばっかりに
ずっしり不幸を背負わせて
申し訳ない一生に
なっているかと 気にかかる
気にかかる

名前は しあわせ 幸(さち)という
名前の通りであればいい
探しあてたら 抱きしめて
詫びを言いたい それだけよ

軒から軒へと 艶歌師で
兄妹二人が知る歌を
今日も歌って 秋しぐれ
傘のない身で また歩く
また歩く


5.ネオン舟

作詞:喜多條忠
作曲:叶弦大

荷物まとめて ヒールを下げて
あいそつかして 別れてきたが
時にはあなたの 無邪気な寝顔が
じんとしみるよ なつかしい
東京へ 大阪へ 函館へ
妻という名の港から
遠くはぐれた ネオン舟

星の数より 涙の数が
多い世間に つめたくされりゃ
「戻って来いよ」と やさしいあなたの
声が聞こえる 夜もある
酔いどれの 嘘つきの ろくでなし
浮かれカモメにひきずられ
花の盛りを ネオン舟

十九、はたちの 若い子たちが
「男ぎらい」と あだ名をつける
淋しい恋なら ひとりでいるほが
いっそ気楽と 笑うけど
アイちゃんも ヒロちゃんも ケイちゃんも
女ごころのはかなさに
話合わせる ネオン舟


6.女のいのち

作詞:水木れいじ
作曲:市川昭介

俺のこころに 咲く花は
おまえひとりと 抱きよせる
あなたいい人 悪い人 ほんとはどっちなの…
殺し文句と 知りながら
この恋だけが 女のいのち

脱いだ背広の 移り香が
夜の幸せ 水をさす
あなたいい人 悪い人 ほんとはどっちなの…
惚れた私が バカなのね
この夢だけが 女のいのち

泣いて涙も かれたのに
寝顔みつめて また迷う
あなたいい人 悪い人 ほんとはどっちなの…
通り雨でも 好きなのよ
この恋だけが 女のいのち


7.北国の詩


8.雪次郎鴉

作詞:下地亜記子
作曲:宮路オサム

酒と女と 喧嘩が好きで
ひとつおまけに お人好し
出世かみしも パラリと脱いで
羽もないのに 旅鴉
みぞれ舞い散る 甲州路
肩で風切る 雪次郎
バカは死ななきゃ アンア… 直らねぇ

元をただせば 侍くずれ
野暮でござんす 言うじゃねぇ
可愛あの娘の 情けを蹴って
捨てた故郷 両親の顔
脇差を抱き寝の 東海道
泣けてきやんす 雪次郎
バカは死ななきゃ アンア… 直らねぇ

人の値うちを 表面で決める
そんな集 見棄ておけぬ
男一匹 暴れ旅
明日は木曽路か 中仙道
草鞋まかせの 雪次郎
バカは 死ななきゃ アンア… 直らねぇ

(オソマツ!!)


9.かんにんや

作詞:多野亮
作曲:花笠薫

水の都に ともる灯が
にじんで揺れる 淀の川
かんにんや かんにんや 今も好きやけど
追ってゆけない 心の弱さ
雨の大阪
めぐり逢いたい もう一度

肩にこぼれる 病葉(わくらば)に
面影しのぶ 御堂筋
かんにんや かんにんや 心だませへん
酔えば酔うほど 恋しくなるの
夜の大阪
未練まじりの こぬか雨

少し幸せ 下さいと
両手を合わす 法善寺
かんにんや かんにんや 今も忘れへん
どんな暮らしを してるでしょうか
雨の大阪
夢の灯りよ いつまでも


10.渡り鳥-北から南から-


11.なつかしのメリケン波止場


12.男同志

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

おれが死んだら おまえが拾え
誰も拾わぬ この骨を
秋の風吹く 若松港
男同志が 飲み分ける
心ひとつの 契り酒

馬鹿がいるから 利口が浮かぶ
そうじゃないかい 義兄弟
海は玄海 男は花火
とるに足りない 命でも
散れば五になる 八になる

行くと決めたら あとへは引けぬ
腕をまくって 前に出る
おれもおまえも 火の国育ち
惚れた女を 泣かせても
すじは通すぜ 男道


13.股旅ブルース

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

待って 待ってと 追いすがる
初心(うぶ)な娘を ふりきって
風と一緒に 走ったら
野暮なとんびに 笑われた
何がおかしい なぜ笑う
意地を張るのがなぜ悪い
シマの合羽を 羽にして
飛んで行ければいいけれど
股旅ブルース

二年ぶりなら 湯の宿で
無精髭など 剃り落とし
少しカタギの なりをして
村のはずれに 行ってみる
顔は見たいし 見ちゃならぬ
あたりまえだよ 人の妻
三歩 歩いて 立ちどまり
空を仰げば 月も泣く
股旅ブルース
(MATATABI MATATABI MATATABI)

花の季節も 笑わずに
月の見頃も 知らんふり
雪が舞い散る 時になり
人の情けを 思い出す
夜の冷たさ 身の寒さ
心凍らす 日の暮に
誰が歌うか 子守唄
せめて今夜は 夢を見る
股旅ブルース

何がおかしい なぜ笑う
意地を張るのがなぜ悪い
シマの合羽を 羽にして
飛んで行ければいいけれど
股旅ブルース
(MATATABI MATATABI)


14.ヤン衆丸

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

背中にしぶきの花を刺し
大漁越こしの 酒をまく
網も新品なら のぞみもサラだ
俺とおまえの 人生を
賭けた門出の ヤン衆丸だよ

鱗を飛ばして はねまわる
ホッケの顔みりゃ 気が勇む
ここはオホーツク 氷の海だ
ゆれる命を 負けん気が

しっかり稼いで 帰るから
浮気をしないで 待ってろよ
かわいいあの娘を 夕陽に呼べば
波が小判に 見えてくる
宝船なら ヤン衆丸だよ


15.丘のホテルの物語


16.雨の小京都

作詞:水木かおる
作曲:市川昭介

思い切るよに 水色の
傘をくるり廻して 消えるひと
音もなく
古都の土塀を ぬらす雨
男のよわさを あきらめて
帰る女に いとしさつのる

愛があるなら 奪ってと
すがりつくよな目を してたひと
白萩の
花のひと枝 さした部屋
女の残した 移り香が
雨にしめって 切なくからむ

わかれ言葉に ふりむかず
うしろ姿のまゝ 消えたひと
酬われぬ
恋の終りに 烟る街
堀割りづたいに 行くひとに
むせび泣くよな 日昏れの雨よ