鳥羽一郎全曲集

鳥羽一郎 鳥羽一郎全曲集歌詞
1.一陣の風

作詞:やしろよう
作曲:船村徹

風よ吹け 花よ散れ 涙も砕け
男の背中に 一陣の
迷い断ち切る 風が吹く
はてしない人生に 行き暮れて
仰ぐ夜空に 舞う夢吹雪
辛いけど もう一度 生きてやる

風よ吹け 枝を打て 命も叩け
男の心に 一陣の
明日を信じる 風が吹く
あてどなくどこまでも 続く道
帰るふるさと もう遠すぎる
振り向かず ひたすらに 生きてやる

風よ吹け 雨を呼べ 嵐を起こせ
男の旅路に 一陣の
想い貫く 風が吹く
大空に待ちわびた 陽が昇る
燃える炎が 尽き果てるまで
真っすぐに 胸を張り 生きてやる


2.男の港

作詞:穂積淳・結城忍
作曲:中村典正

板子一枚 生命をはった
男度胸の 海が呼ぶ
競う船出を 送ってくれる
ありがとう 浜千鳥の群よ
豊後(ぶんご) 鶴御崎(つるみざき) 男の港

踊る銀鱗 しぶきの華に
親父ゆずりの 腕がなる
照らせ男の この晴れ舞台
ありがとう 水の子の灯台(あかり)
豊後 鶴御崎 男の港

高くかかげた 大漁旗を
待っているだろう 紅椿
松浦港(まつうらみなと)は もうすぐ近い
ありがとう 黒潮の幸よ
豊後 鶴御崎 男の港


3.下北漁港

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

生まれたときから 吹いていた
山背の風だ 荒くれだ
ここは下北 イカ釣り舟に
命あずけた若者が
親のこころを 継ぐ港

波止場の近くの 呑み屋では
お立ちの酒が 売り切れだ
横に倒した 五合徳利
マイク代りに だきしめて
別れ歌など 聞かす奴

嵐が噛った 傷跡を
ペンキで癒やす 暇もない
海の機嫌が 変わらぬうちに
行こか尻屋の 沖あたり
霧もほどけて イカ日和


4.夫婦船

作詞:田久保真見
作曲:宮下健治

海が 海が 海が吠える…
お前の形見の 手ぬぐいが
俺のこころの 命綱
首にしっかり 巻きつけりゃ
こわいものなど 何もない
ひとりで乗っても この船は夫婦船

風に 風に 風に耐えて…
一羽のカモメが ついてくる
俺にゃわかるよ お前だろ
何も心配 せんでええ
一生お前が 恋女房
ふたりはひとつさ この船は夫婦船

船が 船が 船がきしむ…
まぶたに焼きつく 面影が
俺のいのちの 守り神
波がかぶって 踏んばれば
海にお前の 声がする
ひとりの海原 この船は夫婦船


5.港町雪月花

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

七つの姉と 五つの俺が
しゃがんで泣いた 嵐の夜明け
あの日から あの日から
母さんの 光る汗は
ふりつもる 我が家の雪を
集めてすてる 小川となって
父亡き港の 街を流れる

小さくなって 生きては駄目と
姉貴も俺も 叱られたっけ
あの日から あの日から
母さんの 光る汗は
ほの暗い 我が家の窓に
希望を点す ラムプとなって
父亡き港の 街に輝く

七つの姉も 二十才で嫁ぎ
漁師の妻のきびしさを知る
いつの日も いつの日も
母さんの 光る汗は
哀しみを 黙って流し
しあわせはこぶ 銀河となって
父亡き港の 春を呼んでる


6.海の祈り

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

果てしなき 海の彼方に
水色の やすらぎを
求めた友は 帰らない
陸(おか)には住めない 依怙地な男が
木の葉の船に つかまりながら
蛙のように 歌っていると
無線をくれた ゆかいなあいつ
あいつを呑んだ 嵐が憎い

安らかに 眠れよ友と
花を投げ 伏しおがむ
おれにも明日は 知れないが
守っておくれよ おまえの力で
オイルのしみた 形見のギター
おふくろさんに 届けるまでは
いい奴でした 男でしたと
おふくろさんに 伝えるまでは

あなたには 海があるから
いいわねと 泣いていた
港の女(ひと)を おもいだす
逃げだすつもりは さらさらないけど
海には広い こころがあって
昨日の俺が 小さくみえる
荒れるな海よ おまえに惚れた
男の夢を 奪うな海よ


7.港の挽歌

作詞:たかたかし
作曲:田尾将実

海が恋しい 船乗りたちには
消えて淋しい 港の灯り
昔ここらじゃ かわいいカモメが
赤い灯 青い灯 声をはずませて
海の男を 夜ごと呼んでいた

陸(おか)に上がった あいつのバカヤロウ
街の暮らしが そんなにいいか
凍る飛沫(しぶき)に 命をからめて
男の仕事に 汗をかきあった
たったひとりの 俺の相棒(だち)だった

変わる時代に 変わらぬ男の
心意気だぜ 夜明けの海よ
船はボロでも 三段跳びだぜ
腕ならまけない 若いものたちにゃ
海はおふくろ 俺のふるさとさ


8.兄弟船

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

波の谷間に 命の花が
ふたつ並んで 咲いている
兄弟船は 親父のかたみ
型は古いが しけにはつよい
おれと兄貴のヨ 夢の揺り篭さ

陸(おか)に上って 酒のむときは
いつもはりあう 恋仇
けれども沖の 漁場に着けば
やけに気の合う 兄弟鴎
力合わせてヨ 網を捲きあげる

たったひとりの おふくろさんに
楽な暮らしを させたくて
兄弟船は 真冬の海へ
雪の簾(すだれ)を くぐって進む
熱いこの血はヨ おやじゆずりだぜ


9.カサブランカ・グッバイ

作詞:内館牧子
作曲:三木たかし

私はいつも あなたに言った
別れ話は みっともないわ
ただ黙って カサブランカ
置いて行ってね ドアの前
カサブランカ・グッバイ
別れたい気持ち 白い花に
カサブランカ・グッバイ
しゃべらないのが 大人の別れ

俺はタバコに また火をつけて
お前の部屋を 見上げて揺れる
腕に抱いた カサブランカ
置くに置けない 男のずるさ
カサブランカ・グッバイ
お前に隠れて 他にも恋
カサブランカ・グッバイ
どんな女も 別れちゃ損か

俺は夜空に 花を投げ捨て
これでいいさと 小さく笑う
家に着くと カサブランカ
お前の花が ドアの前
カサブランカ・グッバイ
別れてあげると 小さなメモ
カサブランカ・グッバイ
白いさよなら あふれて揺れて


10.親子船

作詞:星野哲郎
作曲:中村典正

親父が船長で 伜のおれが
網をあずかる 漁労長(ぎょろうちょう)
そら引け ぐっと引け もたもたするな
怒鳴る素振りも どことなく
似てくるもんだぜ 親子船

おまえにゃ負けぬと 粋がる親父
無理をするなと とめる俺
荒灘暮らしの 捲網船(まきあみせん)の
銹びた錨が 待ちのぞむ
根室は はるかな 波の涯て

つららを砕いて ロックで飲めば
白い吹雪の 花が舞う
二代目船長 襲名披露
そんなつもりで 北の海
男の墓場さ 悔いはない


11.北の鴎唄

作詞:里村龍一
作曲:杉本真一

山背が吠えれば こころも時化る
今夜はお前と 朝まで酒づかり
荒くれ海にはョー船もなく
カモメが凍えてョー鳴くばかり
やん衆の港は
浜の女が情けの炎を燃やす
ヤーレンソーラン 飲み明かせ
明日は別れる お前でも
今夜はどっぷり 惚れてやる

出たとこ勝負の 男の海は
命も宝も オンボロ船まかせ
情けをかければョー辛くなる
未練は波間にョー捨てて行け
やん衆のこころは
陸のカッパとひと味違うだろ
ヤーレンソーラン 風よ吹け
荒らくれ権蔵の深なさけ
今夜はびっしり みせてやる

ヤーレンソーラン 海よ哭け
最初で最後の 夜だから
今夜はぎっちり 抱いてやる


12.男酒

作詞:水木れいじ
作曲:原譲二

夢ものぞみも 故郷(ふるさと)も
今じゃ演歌の 中だけか
想いだすなぁ しみじみと
昔なじみの 路地灯(あか)り…
そんな時代も あったぜと
飲みほす今夜の コップ酒

昭和みなとの 女はョー
情(じょう)にもろくて 泣き虫で
想いだすなぁ しみじみと
雨がしょぼしょぼ こんな夜は…
忍(しのぶ)・チー坊・たえちゃんも
幸せだったら いいけれど

生きる痛みを まだ知らず
肩で風切る 若い奴
想いだすなぁ しみじみと
独(ひと)りみつめる 掌(てのひら)に…
俺は俺だと 見栄をきる
男のこころの 花道で


13.東海道

作詞:里村龍一
作曲:叶弦大

軽い野郎が もてはやされて
俺は時代の はぐれ者(もん)
鼻で笑って 憂き世を捨てりや
足も踊るよ 旅の空
野暮はよしなよ お若いの
なんて次郎長 気取ってる
清水港よ 見上げる富士に
雲がわきたつ あゝゝ東海道

腕をまわして 温める胸を
濡らすあの娘の 霧しぐれ
詫びて五十九里 袋井宿よ
此処は街道 どまん中
ああだこうだと さわいでも
過ぎた昔にゃ 戻れない
旅だ旅だよ 許しておくれ
走る雨ふる あゝゝ東海道

ちょいと待ちなよ お若いの
急ぐ旅でも あるまいし
旅は道づれ この世は情け
酒はまだかよ あゝゝ東海道


14.男岬-海の三代目-


15.泉州春木港

作詞:もず唱平
作曲:船村徹

五人も伜がありながら
ひとりも船に乗るヤツが
いないと悔んで涙ぐむ
泉州春木港(せんしゅうはるきこう)の 髭おやじ
鴎相手に呑む地酒
なんで男の気持ちがわかる
ヨーホホイ ヨーホホイ ああ…

地車(だんじり)祭りの宵宮(よいみや)で
みそめて惚れて五十年
時化の日 凪の日 つれそうた
泉州春木港の 恋女房
網を引こうか 船出そか
オレを支えたお前のために
ヨーホホイ ヨーホホイ ああ…

立派な稼業といわないが
命をかけた今日までの
漁師の心をついでくれ
泉州春木港の 兄弟よ
陸(おか)で女のケツ追うて
馬鹿をみるなよ どっしり生きろ
ヨーホホイ ヨーホホイ ああ…


16.しあわせさんよ ありがとう!

鳥羽一郎&山本譲二
作詞:後藤次利
作曲:後藤次利

風の吹くまま 俺たちは やって未たのさこの町へ
見知らぬ人の やさしさに 笑顔がこぼれてくる
いつでも 心に 温もり感じて
どこまでも歩くのさ 空の向こうまで
「しあわせさんよ ありがとう!」
胸にしみるよ その言葉
あー 時には 涙も流すこともあるけど
「しあわせさんよ ありがとう!」
忘れはしない この出会い
あー いつか きっとまた 会えたらいいね

春の陽気に ひと眠り 夏の浜辺で ひと泳ぎ
秋の恵みに 感謝して 冬の夜空 見上げる
寂しさ抱えた 不安な夜でも
明日はやって来るのさ 泣いても笑っても
「しあわせさんよ ありがとう!」
胸に刻むよ この言葉
あー 手を振る 姿に 声に出して叫ぶよ
「しあわせさんよ ありがとう!」
忘れはしない その笑顔
あー 思い出すたびに やさしくなれる

「しあわせさんよ ありがとう!」
胸にしみるよ その言葉
あー 時には 涙も流すこともあるけど
「しあわせさんよ ありがとう!」(ありがとう)
忘れはしない この出会い
あー いつか きっとまた 会えたらいいね
会えたらいいね(ありがとう)