暫存

鴉 暫存歌詞
1.帰る場所

作詞:近野淳一
作曲:近野淳一

大切な合言葉 今はただの売り言葉
傷跡は消えたという査定の下で生かされる
何年経とうがこの町は奇声をあげてはくれない
勇気を失うその勇気 そんな言葉に追いかけられて

帰る場所はない 帰る場所はないよ
抱きしめた夢の形は欠片も残さずに消えた
あのときのままなんて 遠すぎて届かないよ

屈折してる囁きを振り払うのが僕だったろう
まっすぐ生きてみろなどと 振り払われた僕がいた

何年経とうがこの空に想いを飛ばしたりはしない
前進してるさ 全部捨てて そんな言葉で空と話してる

連れてって欲しいのさ 連れてっておくれよ
手放した影はどこかで元気してますか?
僕は「相変わらず」というあだ名をつけて逃げてます

もう日が暮れるね…

帰る場所はない 帰る場所はないよ
抱きしめた夢の形は欠片も残さずに消えた
あのときのままなんて 遠すぎて届かないよ

いつかこんな僕にも帰りたくなるのかい?


2.爽鬱

作詞:近野淳一
作曲:近野淳一

ひとりなのかい?
君はいつもそうやって
僕が隣で笑っても
ひとり 朝を待ち続けている

焦燥感を共存と報じた視線
被害妄想は膨大な日記の中

その声は言わないの? 無意味零し
途切れたその瞬間で語っているの?

雨上りに咲いた花
涙に咲くぐらいなら抱き締めて潰そう

心臓の音と音とで奏でる
失くした世界の嘆き歌
君と僕は破滅の方へ
失くした世界ごと

堕ちてゆく

上昇と下降 残像が君さ
上昇と下降 過去の残骸な未来さ

その胸は鳴らないの? 聞こえるのに
途切れたその瞬間を思っているの?

ガラス破片拾い集め溶かせたら
なんて ありもしない熱情が

心臓の音と音とで奏でる
失くした世界の嘆き歌
君と僕は破滅の方へ
失くした世界ごと

堕ちてゆく
堕ちてゆこうよ

ほどけない
ほどかないさ
ただ抱きしめていよう


3.優しい歌

作詞:近野淳一
作曲:近野淳一

ねえ君は なぜ優しい歌なの?
ねえ僕でも ソレを信じられるの?
この声嗄らし 切り裂いて歌っても
触れられない 心の奥の温度
今日もトゲがあったんだ 中途半端な例え話
そっとふりかえると うつむいた君

だからその
優しい歌を教えて 聞かせて
君の涙の理由を変える程の
優しい歌に気付けよ 歌えよ
心のどこかにあるはずなのに

ねえいつも 僕のためだとか
ねえいつか 離れてしまったらとか
そんな君の言葉 本当は宝物なのに
聞こえないふりをして 捨ててしまった

鍵がかかるその前に
優しい歌よ流れて いますぐ
この空気よ流れて 涙じゃなくて
優しい歌が流れるスピーカー
でもそれは誰かの曲だから

だからその
優しい歌を教えて 聞かせて
君の涙の自由を許せる程の
優しい歌に気付けよ 歌えよ
心のどこかにあるはずなのに
優しい歌にはそう書いてあるのに


4.茜空

作詞:近野淳一
作曲:近野淳一

悲しい悲しいお話の続きさ
いつでも君を見守っているからね

茜色した空 見上げれば歌のよう
うつむいて歩いてる君を想う
ぜひまた来なさいと 影ある微笑みや
もう二度と来ないでと まっすぐな人がいる

勇気を出せば 虚勢と読まれ
劣等感を知る 午後の歌

悲しい悲しいお話の続きさ
いつでも君を見守っているからね
それでも心が明日を恨むなら
そっと耳を澄ましてごらん
茜空

レジをうつあの娘が 目をそらすリアリティ
愛嬌者が見せた 振り向きざまの悪魔

かざした手と手を思い出すたび
切り離されてく 「僕」と「自分」

悲しい悲しいお話の続きは
「いまでも君を見守っているからね」
いつでも君がとなりで笑ってるような
いつでも君がどこかで泣いてるような

それでも心は明日を恨むだろう
そっと見上げてごらんよ いま
茜空


5.Am

作詞:近野淳一
作曲:近野淳一

泣かないでこれ以上
笑ってなんて言わないから
肩に手をかけるような言葉は好きじゃないだろ

Amになってくこころの歌が君に聞こえないように
曖昧な言葉だけ残してる
君に聞こえないように

風の中にいたいな
ただ吹かれていたいな
たったひとつの音の中
ただ忘れていたいな

Amになってくこころの歌が風にとけてゆけば
曖昧な言葉だけ残してる
僕も消え行くのに

闇の中では生きられない
光には手が届かない… そこに…

Amになってくこころの歌が君に聞こえないように
曖昧な言葉だけ残してる
君に聞こえないように


6.浅春待ちぼうけ

作詞:近野淳一
作曲:近野淳一

ひらひら舞い踊る桜

旅立ちを見てる

あなたが忘れていった荷物を届けました
薄紅色の便箋も添えて
あなたが置いていった荷物はただ待ちます
日増しに乱れる感情押さえて

私だけの世界など私ごと消えてしまえ

そんな日々をその腕が遮った

ひらひら舞い踊る桜の花しとやかに
泣いてごらん嘆いてごらん引き金のようだった
横髪羽織る涙が密かに放たれたのは
内緒にしようあなたのこと引き止めぬように

浅春待ちぼうけ

私だけの世界など私ごと消えてしまえ

そんな意地を撫で上げた手のひらを

ぶら下げて離れていく

行かないで

ひらひら舞い踊る桜の花しとやかに
泣いてごらん嘆いてごらん引き金のようだった
本音を名乗る涙が笑顔に放たれたのは
内緒にしようあなたのこと引きとめぬように

迎春街を染め 清純待ちぼうけ